不倫はメールで見抜ける?証拠としての限界と注意点・今取るべき対策を紹介!

最終更新日: 2024年11月08日

不倫はメールで見抜ける?証拠としての限界と注意点・今取るべき対策を紹介!

  • 配偶者が不倫をしていると疑われる不審なメールを見つけた。これだけで不倫の証拠になるのか?
  • 配偶者の不倫が発覚した。不倫相手とのメールだけで離婚・慰謝料請求は可能だろうか?
  • 不倫に関するメールを見つけたら、速やかに弁護士へ相談した方がよいのだろうか?

配偶者が不倫相手と連絡を取り合う方法として、利用する可能性が高いのはメールやSNSです。

しかし、不倫に関するメールやSNSを見つけただけでは、不倫の確実な証拠とはなりません。

そこで今回は、離婚問題の解決に携わってきた専門弁護士が、不倫メールの証拠能力、不審なメールを見つけた場合の対処方法等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 不倫はメールで見抜ける可能性は高いが、基本的に確実な証拠とならない
  • 不倫の証拠にはメールだけでなく、不倫現場を撮影した画像・動画等も集める必要がある
  • 不審なメールを見つけたら、専門弁護士に相談し対処方法を検討する

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

不倫はメールで見破れるのか

配偶者のメールやSNSのメッセージ等から、不倫相手と連絡を取り合っていると推察できる文面が見つかることがあります。

あなたが気付いていないと油断し、不倫相手とのデートやラブホテルで会う日時・待ち合わせ場所等をメール・SNSに明記していたら、不倫をしているとわかるでしょう。

不倫メールを発見した場合は配偶者に提示して、不倫を問い詰める方法もあります。

ただし、不倫メールの文面だけでは不倫の確実な証拠と認められない場合が多いです。メール・SNSを提示しても、配偶者は不倫を認めない場合も考えられます。

また、「配偶者に不貞な行為があったとき」は裁判で離婚が認められます(民法第770条第1項第1号)。

裁判官から不貞な行為(不倫)があったと認められるためには、配偶者と不倫相手との肉体関係があった証拠の提示が必要です。

離婚訴訟の場合には、不倫を裏付けるような画像・動画・音声の提出が求められます。

出典:民法|e-GOV法令検索|法務省

不倫メールの典型的なサイン

不倫相手と連絡を取り合うとき、配偶者は家族に発覚する事態をおそれています。そのため、不倫メールを送信するときは、文面を曖昧にする傾向があります。

  • 勤務先や取引先と連絡を取るかのような文面:「〇月〇日〇時、指定の場所で定期の打ち合わせ」等
  • 配偶者と不倫相手にしかわからない秘密のメッセージ(暗号)でやり取り

また、配偶者がこっそりSNSのメッセージ機能で、不倫相手とやり取りしている場合も想定されます。

SNSなら家族に知られず利用を開始でき、すぐに退会できるので、文面を曖昧にしたり秘密のメッセージ(暗号)でやり取りしたりせず、不倫相手と会う日時や場所を指定している可能性もあるでしょう。

ただし、SNSのメッセージ機能でやり取りしている場合、配偶者はユーザー名を実名にしているとは限らないので、あなたが配偶者のSNSを発見するのは困難な作業といえます。

不倫メールから慰謝料請求できる状況

不倫メールを発見しただけで、ケースによっては配偶者との離婚・慰謝料請求ができる可能性はあります。

ただし、メールの文面だけでは証拠とならないことも多いので、メールに添付された画像などの情報が証拠になるかどうかを検討しましょう。

メールに動画・音声の添付がある場合

取得したメールの添付物が不倫の証拠となれば、離婚・慰謝料請求を有利に進められる場合があります。

メールは文面だけでなく、画像・動画・音声も添付できます。

添付されているのが配偶者や不倫相手の性行為の画像・動画、不倫をしているときの音声であるなら、確実な証拠となる可能性が高いです。

わざわざ不倫に関する画像・動画・音声を送信するのは、配偶者や不倫相手のどちらかが「悪ふざけ」のつもりで行っていると考えられます。

配偶者や不倫相手の一方または双方が油断している場合もあるので、メールに添付されている画像等をあなたが見つけたら、しっかりと不倫の証拠として保存しましょう。

メールの内容から不倫を認めた場合

不倫メールは文面だけであっても、配偶者に提示し問いただせば、不倫を認める可能性があります。

協議離婚に進む場合、離婚だけではなく慰謝料を支払うかどうかやその金額も、夫婦で自由に決められます。

ただし、協議が不成立となり、家庭裁判所での調停・裁判に移る場合、不倫メールだけでは証拠として弱いので、他の証拠を収集しておく必要があるでしょう。

一方、配偶者が謝罪をして不倫は二度としないと誓う場合、その音声を記録しておきましょう。

あなたも夫婦関係の修復を望むならば、配偶者を許す前に不倫の再発防止のため「誓約書」を作成しておいた方がよいでしょう。

誓約書には配偶者が「不倫は二度としない。」と明記するだけでなく、次の内容を記載します。

  • 不倫をした経緯・内容:不倫していた期間や不倫相手との交際内容(例:デートや性行為の有無等)
  • 今後不倫を行った場合のペナルティ:離婚、慰謝料請求を行う旨等
  • 離婚条件の明記:財産分与の方法、子どもの親権・養育費の支払い等

誓約書にはあなたと配偶者の合意を示す、2人の署名・捺印を忘れずに行いましょう。

配偶者が再び不倫に走り裁判で離婚や慰謝料を争う場合、記録した音声や誓約書を証拠の一つとして提出可能です。

メールが原因で婚姻関係が破綻した場合

不倫メールのやり取りを見つけたことがきっかけで、夫婦関係が悪化し、婚姻生活の平穏を害した場合、離婚・慰謝料請求が認められる可能性もあります。

不倫メールの文面や添付された画像等にもよりますが、婚姻生活に影響を及ぼすような不倫相手との親密で性的なやり取りならば、婚姻関係が破綻する原因ともなるでしょう。

たとえば、メールの文面が不倫旅行や不倫相手との性行為の感想、不倫相手へあなたに対する愚痴を伝える等の内容なら、あなたがその文面をみて失望し、離婚に踏み切る理由としては十分といえます。

不倫メールを見つけたときにすべきこと

不倫メールを発見し配偶者に問いただした場合、配偶者ははぐらかしたり、激高したりする場合もあるでしょう。

不倫メールだけでは証拠にならないケースが多いので、慎重に今後の対応を検討する必要があります。

記録

配偶者が送信または不倫相手から受け取った不倫メールを記録しましょう。

不倫メールの内容は、あなたのスマートフォンで撮影した方が安全です。

なぜなら、メールの転送を利用したり、スクリーンショット等で撮影したりするときに履歴が残り、配偶者は不倫を疑われている事実に気付く可能性があるからです。

撮影するときは次のポイントを押さえておきましょう。

  • 不倫に関するやり取りの前後も撮影:不倫を裏付ける証拠として認められる可能性もあるため
  • 配偶者のスマートフォンとわかるよう撮影:配偶者のスマホケース・メールの背景も撮影すれば、配偶者が自身のスマートフォンでメールをやりとりしていると証明できる
  • 撮影日時、メール受信日時等もわかるように撮影

メール以外の証拠収集

不倫メールを記録する他、不倫の証拠となり得る画像や動画、書類等の収集も行います。

不倫の確実な証拠として認められる可能性が高いものは、次の通りです。

  • 配偶者と不倫相手の性行為画像・動画・音声
  • 配偶者と不倫相手の性行為が推認できる画像・動画
  • 妊娠や堕胎に関する証明書

性行為が推認できる画像・動画とは、たとえば、配偶者と不倫相手が2人でラブホテルや不倫相手宅に出入りしている画像・動画が該当します。

また、長らく夫婦で性行為をしていないにも関わらず、配偶者の妊娠や堕胎に関する証明書(産婦人科の診療報酬明細書、エコー写真等)を発見した場合も、動かし難い証拠となります。

その他、有力な証拠とはいえないものの、不倫をしているであろうと推認できる証拠も、忘れずに収集しましょう。

  • 夫婦で旅行していないにも関わらず、配偶者が利用したホテル(2人部屋)の予約履歴や領収書
  • 夫婦で利用した記憶のないラブホテルのスタンプカード
  • SNSのメッセージ 等

有力な証拠とはならない物でも探偵に依頼し、本格的な配偶者の不倫調査を行うときには、調査範囲を絞り込む参考資料として役立つ場合があります。

慎重な対応

あなたが配偶者に不倫の疑いを強く持っていたとしても、慎重な対応を心がけましょう。

配偶者がスマートフォンで不倫メールをやり取りしているようだとわかっていても、無理やりスマートフォンを開かせ、メールを確認する方法は控えましょう。

開示を拒否する配偶者との間で、つかみ合いになり無理やりスマートフォンを取り上げると「暴行罪」、激高して配偶者を殴り負傷させた場合は「傷害罪」に当たる可能性があります。

また、配偶者のスマートフォンのID・パスワードを、許可なくあなたが使用すれば、不正アクセス禁止法に抵触するおそれもあるでしょう。

対応を誤れば、あなたが法律違反を犯し、罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。

弁護士への相談

あなたが配偶者の不倫メールを発見した場合、まずは離婚問題に詳しい弁護士へ相談した方がよいでしょう。

弁護士はあなたの事情をよくヒアリングし、次のような提案を行います。

  • 不倫メールを記録する方法、注意点
  • 不倫メールだけでは証拠と判断されない可能性について
  • 添付画像等の保存の重要性
  • 不倫の証拠となり得る物の説明
  • 離婚・慰謝料請求の手順や方法

離婚問題に詳しい弁護士を選びたいなら、まず法律事務所のホームページを閲覧してみましょう。

離婚問題の相談実績や、離婚・慰謝料請求の成功事例、協議・調停・裁判の手順や費用が明記されているなら、離婚問題を得意とする弁護士と判断できます。

あなたのニーズに合った弁護士を選んだなら、法律事務所に連絡し相談予約を行いましょう。

不倫メールを見つけたら弁護士にご相談を

今回は離婚成立に尽力してきた専門弁護士が、不倫メールを発見した場合の対処方法等について詳しく解説しました。

法律事務所では、初回相談を無料で提供しているところもあります。まずは気軽に相談し、不倫メールを見つけた後の対応について、弁護士とじっくり話し合ってみましょう。

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