在宅事件とは?呼び出しはいつ?警察・検察からの連絡時期と、不安解消の3つのステップ
2025年11月18日

刑事事件の捜査には、被疑者の身柄を拘束して行う「身柄事件」(逮捕・勾留)と、拘束せずに進める「在宅事件」があります。
在宅事件では、被疑者は普段どおりの生活を送りながら、警察や検察からの「呼び出し(出頭要請)」に応じて取り調べなどの捜査に協力します。
ただし、身柄事件と違って在宅事件には捜査期間の制限がないため、 「次はいつ連絡が来るのだろう」「結論はいつ出るのか」と不安を抱える方が多いのが実情です。
この記事では、在宅事件における「呼び出しが来る時期」について、警察段階と検察段階に分けて詳しく解説します。
警察からの「呼び出し」はいつ来る?
在宅事件として捜査が始まると、まず警察が取り調べや証拠収集を進めます。
呼び出し時期の目安
警察からの呼び出しは、事件発覚後、または現行犯逮捕後に釈放され在宅となった後、随時行われます。
- 早い場合: 事件発覚後または釈放後1週間以内に連絡が来ることもあります。
- 遅い場合: 捜査が複雑な場合や警察の多忙期などでは、1か月以上連絡がないこともあります。
取り調べの回数は事件内容にもよりますが、2回〜数回程度が一般的です。
連絡方法
呼び出しは多くの場合、警察から被疑者本人や身元引受人に電話で連絡が入ります。正当な理由があれば、日程調整に応じてもらえることもあります。
捜査期間の目安
軽微な事件であれば、警察での捜査は1〜2か月ほどで終了し、「書類送検」(検察庁への送致)が行われます。
一方、複雑な事件では6か月以上かかるケースもあります。
検察からの「呼び出し」はいつ来る?
警察の捜査が終わると、事件は検察庁に送られ、検察官が「起訴(裁判にかける)」か「不起訴(裁判にかけない)」かを判断します。
呼び出し時期の目安
在宅事件では、書類送検された当日に検察官の取り調べが行われることはほとんどありません。
- 一般的な目安: 書類送検から1か月ほど経過した頃に検察から連絡が来ることが多いです。
- 連絡がない場合: 在宅事件は期間制限がないため、他の事件が優先されるなどで数か月連絡がないこともあります。
検察での取り調べは通常1回で終了しますが、否認事件などでは複数回行われることもあります。
処分決定までの期間
検察官の取り調べが終わると、最終的な処分(起訴・不起訴など)が決まります。
一般的には、取り調べから数週間〜1か月程度が目安ですが、事件内容によって前後します。
在宅事件は期間制限がないため、場合によっては半年〜1年以上も結果が出ないままの宙ぶらりん状態になることもあります。
呼び出しを待つ間の不安を解消する3つのステップ
「いつ呼び出しが来るのかわからない」「連絡が途絶えて不安」という場合は、次の3つのステップを意識しましょう。
早めに弁護士へ相談する
呼び出し前や1回目の呼び出し後など、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが大切です。
弁護士は、過去の事例や捜査状況を踏まえて今後の見通しや呼び出し時期の目安を示してくれるため、精神的な不安の軽減につながります。
取り調べの準備をしておく
呼び出しに備えて、弁護士と取り調べ対応の打ち合わせをしておきましょう。
- 事実関係の整理: 事件の経緯や状況を正確にまとめる。
- 黙秘権の理解: 不当な質問や誘導にどう対応するか確認。
- 服装・態度: 弁護士のアドバイスを受け、落ち着いた態度で臨む。
不起訴に向けた活動を進める
呼び出しを待っている間も、弁護士は不起訴処分を目指す活動を進めることができます。
- 示談交渉: 被害者との示談を早期に成立させる。
- 反省の表明: 意見書や反省文などの資料を準備する。
特に、示談が成立しているかどうかは、検察が不起訴を判断する上で非常に重要な要素となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 呼び出しを無視しても大丈夫ですか?
A.絶対に無視してはいけません。
在宅事件でも捜査協力は求められています。呼び出しを無視すると、「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」があると判断され、逮捕・勾留される可能性があります。
都合が悪い場合は、必ず捜査機関に連絡して日程調整を依頼してください。
Q. 数か月連絡がない場合、不起訴になったと考えてよいですか?
A. 必ずしもそうとは限りません。
在宅事件には期間制限がないため、他の事件が優先されるなどの理由で連絡が遅れることがあります。
不安な場合は、弁護士を通じて捜査状況を確認してもらいましょう。
Q. 呼び出しの連絡は郵送ですか?電話ですか?
A. ほとんどの場合は電話です。
多くは被疑者本人や身元引受人に電話で連絡が来ます。
ただし、起訴状や略式命令などの処分通知は、自宅へ郵送されます。
Q. 平日に行けない場合はどうすればいいですか?
A. 正当な理由があれば日程調整が可能なことが多いです。
仕事や学業の都合を伝えれば、捜査機関もある程度配慮してくれます。
ただし、何度も変更を求めると不信感を持たれるため、弁護士を通じて調整するのが安心です。
Q. 警察と検察で取り調べは何回くらいありますか?
A. 単純な事件であれば合計3回前後です。
- 警察: 2〜3回程度
- 検察: 1回程度(軽微な事件や自白事件の場合)
事件が複雑だったり否認していたりする場合は、回数が増えることもあります。
まとめ
在宅事件の呼び出し時期は、事件の内容や捜査機関の状況によって大きく異なります。
「いつ連絡が来るかわからない」という不安は、在宅事件の最大の特徴であり、大きな精神的負担にもなります。
この不安を最小限に抑え、有利な処分を得るためにも、刑事事件に詳しい弁護士への早期相談が何より重要です。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。





