不倫・浮気の裁判上の和解について

不倫・浮気の裁判上の和解について

2020年02月04日

1 はじめに

配偶者の不貞行為があったので、浮気相手に慰謝料を請求するケースは非常に多くあり、裁判所にも非常に多くの不貞慰謝料請求訴訟が係属しています。

今回は、不貞慰謝料請求訴訟における裁判上の和解についてご説明します。

2 不倫・浮気の慰謝料請求ではどんなケースが訴訟になるのか

不貞慰謝料請求において訴訟になるケースは概ね以下のケースに分類されます。

①不貞相手が不貞行為を否定しているケース
②不貞相手が既婚者とは知らなかったと主張しているケース
③不貞相手が婚姻関係の破綻を主張しているケース
④請求者と不貞相手が考える妥当な慰謝料金額に大きな隔たりがあるケース
⑤請求者が感情的に和解を強く拒否しているケース

①から③は慰謝料を支払う責任を否定しているのですから、訴訟にならざるを得ないでしょう。

④については、一方又は双方に弁護士がついていないケースが多いでしょう。事実関係に大きな争いがない限り、双方に弁護士がついていれば慰謝料の相場感覚に大きな隔たりは生じにくいからです。

⑤のように、不貞相手が十分な慰謝料金額の支払いを提示しているにもかかわらず、和解を拒否して訴訟になるケースもあります。

3 不倫・浮気の裁判はほとんど和解で終わる

訴訟になった場合、原告と被告がお互いの主張と証拠を出し合い、それを踏まえて最終的に原告の請求に対する判決を裁判所が出します。

もっとも、不貞慰謝料請求訴訟では、ほとんどのケースが判決まで進む前に和解が成立して終わっています。

原告と被告がお互いの主張と証拠を出し尽くした段階で、裁判官が間に入って和解の協議がなされます。その際に裁判官の心証、つまり判決になれば不貞行為は認定されるのか、どれくらいの慰謝料額を認めるのかという考えが示されることが多いため、それを踏まえて原告と被告が協議し、慰謝料額に折り合いがつくことが多いのです。

交渉段階では、不貞をされた配偶者と不貞相手との間で折り合いがつかないと訴訟になりますが、そのようなケースでも裁判では間に最終的に判決を出す裁判官がジャッジとして入るため、交渉段階よりも和解が成立しやすくなります。

4 裁判で和解をするメリット

和解というと何か妥協しているようなニュアンスを受ける方もおられるかもしれません。また、裁判官の心証が示されたら、その心証通りの判決を出してもらうことで良いと考える方もおられるかもしれません。

しかし、和解で終わることにもメリットがあります。

まず、和解で終わる場合は、判決で終わる場合よりも2,3か月から半年ほど早く事件が終結します。この点は原告にとっても、被告にとってもメリットといえるでしょう。一審判決に対して控訴される可能性がありますので、それを考えると一層、早期に事件が解決するメリットは大きいでしょう。

また、和解の場合は慰謝料額や支払方法について被告は納得の上で合意しています。そのため、和解内容に従って確実な支払いがなされる可能性が高いのです。

他方、判決の場合は、判決が出ても被告が判決を無視して支払いをしない可能性があります。その場合には被告の財産を調査して強制執行をする負担が原告に生じます。
このようなコストを考えると、判決で見込まれる慰謝料額よりも多少のディスカウントした金額で和解することも検討の余地があります。

5 裁判での和解金額

裁判での和解金額は、判決で見込まれる慰謝料額とは必ずしも一致しません。なぜなら、審理が終結するまで裁判官としても判決で認める慰謝料額を確定していないからです。また、判決では遅延損害金の支払いも命じられます。

原告と被告との交渉の結果、和解金額が決まりますので、判決で認められる慰謝料額よりも高くなることもあれば、低くなることもあるのです。

6 裁判での和解案

慰謝料額について原告と被告で折り合いがついたときは、次に和解案を検討します。

慰謝料額と支払方法以外に特にこだわりがなければ、慰謝料額と支払方法、清算条項といったシンプルな内容の和解案が作成され、それが和解調書として記録されます。

他方、不貞慰謝料請求訴訟の場合、被告から原告に対する不貞行為についての謝罪文言、不貞関係について第三者に口外しないという条項や、不貞相手の不貞配偶者に対する接触禁止の条項などが盛り込まれることも多くあります。

また、不貞相手から不貞配偶者に対する求償権を放棄する内容の条項が入ることもあります。

7 最後に

以上、不貞慰謝料請求訴訟における裁判上の和解についてご説明しました。
裁判では裁判官という第三者も関与してきますので、交渉段階とは異なる駆け引きも必要となります。最大限に有利な和解をするためには、不倫案件の経験豊富な弁護士にご相談ください。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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