不倫相手に慰謝料請求したら逆に訴えられた…対処法を解説
最終更新日: 2025年07月17日
配偶者の不倫相手に慰謝料を請求したら、逆に「訴える」と言われた。
突然そんなことを言われたら、驚きと不安で頭が真っ白になるかもしれません。
中には、すでに訴状や内容証明が届いて、どう対処していいのか分からず困っている方もいるでしょう。
慰謝料請求は本来、被害を受けた側の正当な権利ですが、進め方や言い方によっては、相手が「自分も被害者だ」として反撃してくることもあります。
この記事では、実際に“逆に訴えられてしまった”ときに取るべき対応方法を、専門的な視点から分かりやすく解説します。
慰謝料請求に対して「逆に訴える」と言われることはあるの?
まず結論からお伝えすると、正当な理由がある慰謝料請求をしただけで、実際に相手から訴えられることはそれほど多くありません。
ただし、相手が「自分の名誉を傷つけられた」「プライバシーを侵害された」などと主張して、訴える姿勢を見せてくることは現実にあります。
相手から逆に訴えられるときによく使われる理由は、以下の3つです。
- 名誉毀損:悪口や事実の暴露で社会的な評価を下げられたと感じる場合
- プライバシー侵害:個人情報を勝手に広められたと主張される場合
- 精神的苦痛:慰謝料の請求がしつこかった、強引だったと主張される場合
このような主張をされたからといって、必ずしも訴えが認められるわけではありませんが、場合によっては慰謝料の支払いが必要となることがあります。
いずれにしても、弁護士に相談してアドバイスを求めることをおすすめします。
相手から訴状や内容証明が届いたら、どうすればいい?
実際に、相手の弁護士や裁判所から書類が届いた場合、慌ててしまう方も多いと思います。
ここでは、具体的にどう行動すべきかを丁寧に説明します。
絶対に放置しない
たとえば裁判所から訴状が届いた場合、一定期間内に「答弁書」を提出しなければ、相手の主張がそのまま通ってしまう恐れがあります。
「よく分からないから後で読もう」「無視すればなんとかなる」では済みません。
感情的にならず、冷静に行動する
驚きや怒りから、相手に連絡したり、SNSで反論してしまう方もいますが、それは危険です。
一度書いた言葉や送ったメッセージは、相手の証拠になってしまうことがあります。
すぐに弁護士に相談する
法律の書類は、一般の方にとっては難解で分かりにくいものです。
どこまでが本当に危険な主張で、どこからが「脅しに近いもの」かを判断できるのは、弁護士だけです。
相談は早ければ早いほど有利です。
弁護士は、相談者が何も悪くない場合にはその根拠を整理し、裁判所にきちんと主張してくれます。
自分が不倫相手に慰謝料を支払うことになるケースとは?
「慰謝料を請求したつもりが、逆に相手から慰謝料を請求された」というケースでは、自分が慰謝料を支払う立場になることもあります。
不倫相手から慰謝料を請求されるためには、民法709条に定める「不法行為」の要件をすべて満たす必要があります。
- 故意または過失があること
- 不倫相手の権利・利益を違法に侵害したこと
- 不倫相手に損害(精神的苦痛など)が発生したこと
- 侵害行為と損害の間に因果関係があること
特に以下のような行動には注意が必要です。
違法行為をした場合(暴行・脅迫・名誉毀損など)
たとえば:
- 不倫相手に対して暴力をふるった
- 「慰謝料を払わなければ会社にバラす」などと脅した
- 実名と写真をSNSに投稿して不倫を暴露した
- 相手の職場や家族に不倫を一方的に伝えた
このような行為は、感情的な行動であっても「不法行為」として責任を問われる可能性があります。
配偶者が貞操権を侵害した場合
配偶者が「既婚であることを隠して性的関係を持った」または「離婚するつもりがないのに結婚をほのめかして関係を持った」などの場合、不倫相手の“貞操権”を侵害したとして、配偶者が慰謝料の支払い義務を負うことがあります。
ご自身が直接支払う義務はありませんが、家計に影響するため注意が必要です。
弁護士に相談することで得られるサポートとは
逆に訴えられたときに、弁護士がしてくれることはたくさんあります。
- 書類の内容を丁寧に説明してくれる
- 法的にどちらが正しいのかを判断してくれる
- 証拠の整理を一緒にしてくれる
- 相手との連絡をすべて代行してくれる
- 裁判になった場合に代理人として戦ってくれる
何より、一人で悩まずに済むことが、精神的な安心に直結します。
不安なときほど、早めに弁護士に相談することが、冷静な解決につながります。
よくある質問(FAQ)
Q.「名誉毀損で訴える」と言われました。本当に慰謝料請求だけで訴えられるんですか?
慰謝料請求を正当な手段で行っていれば、名誉毀損が認められる可能性は低いです。
ただし、SNSでの暴露や感情的な表現、不特定多数への発信があると、名誉毀損と判断されるおそれがあります。弁護士が請求書を送る場合は、送付方法も慎重に検討しているのでほぼ問題になりません。
Q.すでに訴状が届いてしまいました。反訴への準備はどうすればいいですか?
まずは落ち着いて、届いた書類を弁護士に見せましょう。
次に、これまでのやり取り(LINE・メール・内容証明など)や不倫の証拠、相手への発言記録を時系列で整理しておくとスムーズです。こちらに非がないと証明できれば、相手の請求は退けられる可能性が高くなります。
Q.相手の言っていることが明らかに事実と違うのですが、どう反論すればいいですか?
事実と異なる主張には、証拠をもとに丁寧に反論していく必要があります。
たとえば「夫婦関係は破綻していた」と言われた場合、同居の実態や日常のやり取りを示すLINEなどが有効です。
裁判所は証拠を重視するので、冷静に準備を進めましょう。
Q.相手の脅しや訴えで怖くなって、慰謝料請求を取り下げようか悩んでいます。どうすべき?
正当な請求であれば、取り下げる必要はありません。
逆にここで引き下がると、相手が強気になってさらに理不尽な要求をしてくる可能性もあります。
不安な気持ちもあるかと思いますが、法的な根拠に基づいて進めることが、最終的に一番安全で納得のいく解決につながります。
まとめ
「慰謝料請求したら逆に訴えられた」そんな事態に直面すると、誰でも不安になります。
しかし、裁判所は冷静に事実と証拠に基づいて判断してくれます。
不倫をされた側が、感情的になって行動した結果、逆に責められてしまうこともあるかもしれません。
しかし、弁護士と一緒に事実を整理し、適切に対応することで、自分の立場を守ることができます。
不安な気持ちを抱えたまま進める必要はありません。
一人で悩まず、信頼できる専門家に相談して、安心できる解決への一歩を踏み出しましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。