薬物(覚せい剤、大麻など)で逮捕されたらどうなる?逮捕の流れ・影響・弁護活動を徹底解説!

最終更新日: 2024年11月07日

麻薬で逮捕されたらどうなる?知るべき基礎知識・周りへの影響・弁護活動を徹底解説!

  • 薬物で警察に逮捕されたあとはどうなるのか
  • 薬物所持、使用ではどのような罪に問われるのか
  • 薬物所持、使用で逮捕されたときに弁護士は何をしてくれるのか

薬物犯罪で逮捕された後は一定期間勾留されるため、その間の社会生活に大きな影響が及びます。

今回は、薬物犯罪かかわる基礎知識・逮捕後の流れ・逮捕された場合に起こりうる影響・弁護士ができることについて解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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薬物犯罪とは?

薬物犯罪とは、法律で禁止されている薬物を、許可なく製造したり、売買したり、使用したりすることです。

薬物は、脳や身体に深刻なダメージを与え、依存症を引き起こす可能性があります。一度ハマってしまうと、日常生活を送ることが困難になり、健康状態も悪化してしまう恐れがあります。
薬物犯罪は、個人のみならず、社会全体に大きな害を与えるため、法律で厳しく罰せられます。

製造、売買、使用など、行為の種類によって罰則は異なりますが、いずれの場合も重い刑罰が科される可能性があります。

もし、薬物に関することで悩んでいる人がいれば、一人で抱え込まずに、専門機関に相談することを強くおすすめします。

対象となる薬物

薬物犯罪の対象となる薬物は、大きく分けて以下の種類があります。

麻薬: ヘロイン、コカイン、MDMA(エクスタシー)などが代表的で、強い幻覚作用や依存性を持つものが多く、国際的に禁止されている物質です。
覚醒剤: メタンフェタミンが代表的で、中枢神経を興奮させ、多幸感や覚醒状態をもたらしますが、同時に幻覚や妄想、暴力的な行動を引き起こす可能性があります。
大麻: 大麻草から得られるTHCという成分が主な作用物質で、リラックス効果や高揚感をもたらしますが、記憶力低下や判断力の低下などの影響を与える可能性があります。
合成ドラッグ: 新しい種類の薬物が次々と登場しており、成分や効果が不明なものが多く、健康への危険性が高いです。

どのような行為が罪となるのか?

所持・使用

「所持」とは、薬物を自分の身につけている状態だけでなく、自宅や車など、自分が管理できる場所に保管している状態も含まれます。友人からもらったとしても、所持している時点で違法行為となります。

「使用」とは、経口摂取や注射、吸引など、薬物を体内に摂取する行為を指します。自分の意思で自分に使うことはもちろん、他人に頼まれて他人に注射した場合なども使用にあたります。

所持・使用に線引きはなく、どちらにしても重い刑罰が定められています

その他の違法行為

所持・使用以外にも、主に以下のような行為をが違法となります。

製造: 違法薬物を自ら作る行為
輸入: 海外から違法薬物を持ち込む行為
輸出: 日本から違法薬物を海外に持ち出す行為
売買: 違法薬物を売ったり買ったりする行為
譲渡: 違法薬物を無償で渡したり受け取ったりする行為

薬物犯罪で問われる罪・罰則

適用される法律

薬物犯罪に適用される法律は、薬物の種類や行為によって異なりますが、主なものとして以下が挙げられます。

麻薬及び向精神薬取締法: ヘロイン、コカイン、MDMAなど、様々な種類の麻薬や向精神薬を規制しています。
覚醒剤取締法: 覚醒剤の製造、売買、使用などを厳しく禁止しています。
大麻取締法: 大麻の栽培、所持、譲渡などを規制しています。

罰則

薬物犯罪の罰則は、薬物の種類、数量、目的、前歴などによって異なりますが、一般的に以下の様な刑罰が科される可能性があります。

懲役刑: 数年以上の懲役刑が科される場合もあります。
罰金: 高額な罰金が科される場合もあります。

逮捕された後の流れ

薬物の所持・使用は初犯であっても逮捕されます。

一般的に軽微な犯罪は逮捕されないこともありますが、薬物所持・使用の場合、難しくなります。

薬物所持・使用などの犯罪は関わった人物との口裏合わせや証拠隠滅の可能性が高いとされている側面から、原則逮捕・勾留されます。

薬物犯罪の容疑で逮捕された場合、成人と少年ではその後の流れが異なります。

【成人の場合】

  • 身柄拘束(最大3日間)
  • 勾留(最大10日間)
  • 勾留延長(最大10日間)※検察官がさらに捜査が必要だと判断した場合
  • 起訴

【少年の場合】

  • 身柄拘束(最大3日間)
  • 勾留(最大10日間)
  • 勾留延長(最大10日間)※検察官がさらに捜査が必要だと判断した場合
  • 家庭裁判所に送致され、観護措置の決定(最大4週間)
  • 調査
  • 審判

詳しくは以下のコラムで解説しています。

逮捕された場合に起こりうる影響

薬物所持・使用で逮捕された場合に起こりうる影響は以下の3つです。

  • 会社を解雇される
  • 学校を退学させられる
  • 日常生活に影響を与える

1つずつ見ていきましょう。

会社を解雇される

薬物所持・使用で逮捕された場合に起こりうる影響の1つ目は、会社を解雇されることです。

薬物で逮捕された場合は最長で23日間勾留される可能性があり、その期間は出社することができません。逮捕された事実が会社に伝えられることはありませんが、長期無断欠勤をした場合は十分解雇事由にあたります。

また、逮捕の事実が通報やメディアを通して会社に知られた場合は、会社によっては懲戒解雇になる可能性もあります。

自営業であれば勾留期間中は取引先などと一切の連絡ができなくなるため、信用問題に発展します。その後の事業に大きな影響を及ぼし、場合によっては廃業を余儀なくされることも考えられます。
このように、薬物で逮捕されたことで、社会的地位を失う可能性が高まります。

学校を退学させられる

薬物所持・使用で逮捕された場合に起こりうる影響の2つ目は、学校を退学させられることです。

学生が薬物で逮捕されると、長期間身柄を拘束されるためその期間中は一切学校に通うことができません。また、絶対に学校に知られないようにすることは難しいといえます。

学校規則によっては退学事由となったり、退学を免れたとしても周囲の目が気になり自主退学に追い込まれたりする可能性があります。

日常生活に影響を与える

薬物所持・使用で逮捕された場合に起こりうる影響の3つ目は、日常生活に影響を与えるということです。

薬物は強い依存性から、自身で使用をコントロールすることが困難だといわれています。薬物切れを起こした場合は不安や恐怖にかられたり、めまいやふるえなどを引き起こします。

一度違法薬物の快楽を覚えてしまった身体は、その激しい欲求に抗うことが難しくなります。

実際、薬物犯罪の再犯率は他の犯罪よりも高い傾向にあります。

逮捕された場合に弁護士ができること

薬物所持・使用で逮捕された場合に弁護士ができることは以下の4つです。

  • 逮捕回避
  • 勾留期間短縮・勾留からの釈放
  • 不起訴処分

1つずつ見ていきましょう。

逮捕回避

薬物所持・使用で逮捕された場合に弁護士ができることの1つ目は、逮捕回避です。

薬物所持・使用で逮捕された場合はその後、身柄を拘束される勾留に入ります。身柄拘束の意図は、証拠隠滅を防止することにあります。

しかし、弁護士が証拠隠滅の可能性がないことや捜査へ協力する姿勢を見せることで、逮捕はせず在宅捜査にしてもらえる可能性があります。

在宅捜査になることで仕事や学校への影響を減らすことができます。

勾留期間短縮・勾留からの釈放

薬物所持・使用で逮捕された場合に弁護士ができることの2つ目は、勾留からの釈放です。

薬物所持・使用で逮捕された後の勾留期間は最長で23日間です。この勾留を決定するのは裁判官です。

弁護士が裁判官に準抗告と呼ばれる不服申立を行うことで、釈放される可能性があります。本人が十分に反省していること、証拠隠滅・逃亡の可能性がないことを主張します。

また、不服申立によって釈放がかなわない場合であっても、勾留期間短縮に期待ができます。被疑者やその家族が単独で不服申立を行うことは難しく、勾留期間の短縮・勾留からの釈放をねらうのであれば弁護士に介入してもらうことが望ましいといえます。

不起訴処分

薬物所持・使用で逮捕された場合に弁護士ができることの3つ目は、不起訴処分です。

薬物犯罪の容疑・疑いをかけられていても、それを立証する証拠が弱い場合や全く身に覚えのない容疑だとすれば「嫌疑不十分」・「嫌疑なし」を主張して、不起訴処分につなげることが可能です。

弁護士としては、早期から介入できていればそれだけ長い時間、被疑者からの聞き取りや現場の確認などを行い、不起訴処分に向けての準備をすることが可能になります。

そのため、不起訴処分につながる主張の対策を早めに打っていくためにも、できる限り早期の段階で弁護士に相談して、最善を尽くしてもらうことをおすすめします。

薬物犯罪による逮捕は実績の高い弁護士への迅速相談が重要

薬物所持・使用による逮捕への対応は実績が十分な弁護士への迅速な相談が重要なポイントです。以下の2つの点から解説します。

  • 麻薬所持・使用における「十分な実績」とは
  • 気になる弁護士費用は?

1つずつ見ていきましょう。

薬物所持・使用における「十分な実績」とは

1つ目は、薬物所持・使用における「十分な実績」についてです。

弁護士に依頼するときは、薬物事件の解決実績があるかを確認しておくことが大切です。弁護士は全ての事件の取り扱いを網羅していますが、それぞれで得意な分野があります。

過去に薬物事件を担当した弁護士で、解決実績が最低でも10件以上ある弁護士であれば、被疑者にとって有利な方向で解決してくれる確率が高まります。

できれば数十件の経験がある弁護士がおすすめです。

気になる弁護士費用は?

2つ目は、弁護士費用についてです。当事務所の弁護士費用を例にしますと以下のとおりです。

 着手金成功報酬金
すでに釈放されている30万円示談成立・不起訴 20~50万円
逮捕・勾留されている30万円釈放・勾留短縮 20万円
示談成立・不起訴 20~50万円
裁判30万円保釈 10~20万円
執行猶予 0~50万円

※金額は税抜き

まとめ

今回は、違法薬物にかかわる基礎知識や逮捕後の流れ、逮捕された場合に起こりうる影響、弁護士ができることについて解説しました。

薬物は所持・使用に関わらず刑罰の対象となる犯罪です。証拠隠滅の恐れから逮捕後は基本的に勾留されます。勾留期間は最長で23日間と長く、会社員・学生のそれぞれの社会生活に大きな影響をもたらすといえます。場合によっては懲戒解雇・退学処分となるなど様々なケースが考えられます。また、たとえ復帰しても逮捕により様々な弊害が発生します。

薬物犯罪で逮捕された場合は、すぐに専門の弁護士に相談することで、勾留期間短縮・勾留回避も可能になります。早く確実な解決につなげるためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。

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