暴行罪の刑罰とは?拘禁刑・罰金の相場と実刑になる可能性を解説
2026年03月04日

「つい感情的になって相手の胸ぐらを掴んでしまった」
「口論の末に突き飛ばしてしまった」
暴行事件を起こしてしまった場合、多くの方が不安に感じるのが、「どのような刑罰を受けるのか」「刑務所に行く可能性があるのか」という点ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、暴行罪の刑罰は刑法208条により、「2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と定められています。
ただし、これはあくまで法律上の上限を示したものです。実際の捜査や裁判では、初犯かどうか、被害者との示談が成立しているかなどの事情を踏まえて判断されるため、不起訴で終わるケースから、拘禁刑が選択されるケースまで幅があります。
この記事では、弁護士の視点から、以下の点をわかりやすく解説します。
- 暴行罪の刑罰の種類(拘禁刑・罰金・拘留・科料の違い)
- 【状況別】量刑の目安(初犯の場合、示談がある場合など)
- 実刑(刑務所での服役)が検討されやすいケース
- 刑罰を軽くするために意識したいポイント
「逮捕されるのか」「前科がつくのか」といった不安を整理し、今後の対応を考えるための参考にしてください。
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暴行罪の刑罰|法律上の定義と種類
暴行罪を犯した場合、どのような刑罰が科される可能性があるのでしょうか。まずは、法律上の定義を確認します。
刑法208条では、暴行罪の法定刑(法律で定められた刑罰の範囲)について、次のように規定されています。
刑法第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
この条文にある「拘禁刑」「罰金」「拘留」「科料」には、次のような違いがあります。
拘禁刑(こうきんけい)
受刑者を刑務所等の刑事施設に収容し、身体の自由を制限する刑罰で、従来の懲役刑と禁錮刑を一本化した刑罰です。
暴行罪の場合、期間は1か月以上2年以下となります。
裁判で執行猶予が付かず、拘禁刑が確定した場合には、実際に刑務所等の刑事施設で生活することになります。
罰金(ばっきん)
一定額のお金を国に納める財産刑です。
暴行罪の場合、金額は1万円以上30万円以下の範囲で決められます。
罰金を納付すれば身体拘束はありませんが、刑罰である以上、前科として記録に残る点には注意が必要です。
拘留(こうりゅう)・科料(かりょう)
比較的軽い刑罰で、暴行事件の実務では選択されることは多くありません。
拘留
1日以上30日未満、刑事施設に収容される刑罰(労働義務はありません)。
科料
1,000円以上1万円未満の金銭を納める刑罰です。
【相場】暴行罪で実際に選択されやすい処分
法律上は「2年以下の拘禁刑」という重い刑も規定されていますが、実務上はどのような処分が選ばれることが多いのでしょうか。
初犯の場合は「不起訴」や「罰金」が多い
暴行罪は、相手に怪我をさせていないケースを前提とする犯罪です。そのため、殺人や強盗などの重大犯罪と比べると、処分は比較的軽くなる傾向があります。
犯行の態様が悪質でなく、かつ初犯であれば、いきなり拘禁刑が言い渡されるケースは多くありません。実務上は、次のような処分に落ち着くことが多く見られます。
不起訴処分
裁判は行われず、刑罰も科されない(前科が付かない)
略式起訴(罰金刑)
正式な裁判を行わず、書面審理のみで罰金を納めて終了
暴行罪で不起訴を獲得し、前科を避けるためのポイントについては、以下の記事で解説しています。
罰金額の目安は「10万円〜30万円」
罰金刑となる場合、金額は10万円〜30万円程度になることが一般的です。
10万円〜20万円程度
胸ぐらを掴んだ、軽く押したといった行為で、悪質性が低いと判断された場合。
20万円〜30万円程度
繰り返し暴力を振るった、危険な物を投げたなど、悪質性が高いと評価された場合。
実刑(刑務所での服役)が検討されるケース
暴行罪で執行猶予が付かず、拘禁刑が確定するのは、次のような事情が重なった場合です。
- 同種の前科があり、再犯性が高いと判断される場合
- 執行猶予中の再犯など、常習性が認められる場合
- 暴力団関係者による犯行と評価される場合
- 被害者が複数いる、または行為態様が特に危険と判断された場合
- 反省の態度が見られず、再犯のおそれが高いと判断された場合
反対に、前科がなく、反省の意思を示し、被害者との示談が成立している場合には、実刑が選択される可能性は高くありません。
暴行罪の刑罰が決まるまでの流れ
逮捕・勾留
警察に逮捕された場合、最長で23日間、留置施設で身柄を拘束され、取調べを受けることがあります。
もっとも、逃亡や証拠隠滅のおそれが低い場合には、逮捕されず「在宅事件」として捜査が進むこともあります。
在宅事件で警察から呼び出しが来た際の注意点については、以下の記事で解説しています。
起訴・不起訴の判断
捜査終了後、検察官が「起訴するか」「不起訴とするか」を判断します。ここが処分を左右する重要なポイントです。
不起訴
手続きは終了し、前科も付きません。
起訴
裁判所での手続きに進み、何らかの刑罰が科される可能性が高くなります。
略式命令または公判(裁判)
起訴された場合、次のいずれかの方法で処分が決まります。
略式命令
暴行罪では最も多い手続きです。正式な法廷での審理は行われず、書面審査のみで罰金刑が言い渡されます。
公判(通常裁判)
無罪を争う場合や、拘禁刑が検討される可能性がある場合に行われます。
暴行罪で逮捕された後の流れと、初犯の場合の対処法については、以下の記事で解説しています。
刑罰を軽くするために意識したいポイント
被害者との示談の重要性
暴行事件において、処分に大きく影響するのが被害者との示談です。
謝罪とともに一定の慰謝料を支払い、被害届の取下げや被害者から「許す」という意思表示を得られれば、検察官が不起訴と判断する可能性が高まります。
起訴された場合でも、示談が成立していれば、執行猶予が付く方向で考慮されやすくなります。
暴行事件の示談金相場と、示談を成功させるための交渉術については、以下の記事で解説しています。
弁護士への早期相談
被害者は、加害者本人からの直接連絡を拒否するケースがほとんどです。また、警察が連絡先を教えてくれることもありません。
そのため、示談交渉は弁護士を通じて行うのが一般的です。
早い段階で弁護士に相談し、適切な対応を取ることが、処分をできる限り軽くするうえで重要になります。
暴行事件を弁護士に依頼するメリットと費用の目安については、以下の記事で解説しています。
まとめ
暴行罪の刑罰は「2年以下の拘禁刑」「30万円以下の罰金」と定められていますが、実際の処分は事情によって大きく異なります。
- 初犯の場合は、不起訴や罰金で終わる可能性が高い
- 罰金の目安は10万円〜30万円程度
- 実刑が選択されるのは、常習性や悪質性が強いケース
- 処分を軽くするためには、被害者との示談が重要
ご本人やご家族が暴行事件に関与してしまい、「これからどうなるのか」「前科がつくのではないか」と不安を感じている場合は、早めに弁護士へ相談することで、今後の見通しや取るべき対応について具体的なアドバイスを受けることができます。
当事務所では、暴行事件に関するご相談を初回無料で受け付けています。LINEでのご相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。状況を丁寧にお伺いし、今後の対応についてサポートいたします。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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