刑事事件の弁護士相談|逮捕後すぐ動く!初回無料で夜間も対応

最終更新日: 2025年11月25日

刑事事件に強い弁護士が徹底解説!よくある悩みと対応・依頼するメリットを紹介

ご家族が突然逮捕されたという事態に直面し、どうすれば良いか途方に暮れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

逮捕は、ご本人だけでなく、残されたご家族の人生にも大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、逮捕されてからの72時間は、その後の刑事手続きや最終的な結果を大きく左右する、極めて重要な期間です。

この限られた時間内に、いかに迅速かつ適切に対応できるかが、ご本人の身柄の解放、ひいては前科を回避し、元の生活に戻るための鍵となります。

当記事では、ご家族が逮捕された際に弁護士に相談すべき理由、逮捕後の手続きの流れ、そして弁護士が具体的にどのようなサポートを提供できるのかを詳細に解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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目次

ご家族が逮捕されたら72時間が勝負!弁護士がすぐに動くべき理由

ご家族が突然逮捕されてしまった時、被疑者であるご本人は外部との連絡が一切遮断され、孤立した状況に置かれてしまいます。警察署の留置施設では、ご家族であっても自由に面会することはできず、情報もほとんど得られないため、ご家族も途方に暮れてしまうことでしょう。しかし、逮捕直後から勾留決定までの72時間は、その後の刑事手続きや被疑者の人生を大きく左右する、極めて重要な期間となります。

この限られた時間内に、刑事事件の専門家である弁護士が介入するかどうかで、結果は大きく変わります。逮捕から勾留決定までのタイムリミットは法律で厳格に定められており、この期間に弁護士が動くことで、不当な身体拘束の長期化を防ぎ、早期の身柄解放や不利な状況を避ける可能性が格段に高まります。次のセクションでは、逮捕後の具体的な流れとタイムリミットについて詳しく解説しますが、まずはこの「72時間」の重みを理解することが重要です。

逮捕後の流れとタイムリミット

逮捕から最終的な処分が決定されるまでには、法律で定められた厳格な時間制限と手続きの流れがあります。特に逮捕直後の流れは非常にスピーディーに進むため、全体の流れを把握しておくことが重要です。

まず、警察に逮捕されると、警察署の留置施設に留置され、最大48時間以内に警察官による取り調べが行われます。この48時間の間に、警察は事件の捜査を進め、供述調書などの証拠を収集します。そして、警察は被疑者を釈放するか、または事件を検察官に送致するかを判断します。

警察から送致を受けた検察官は、被疑者の身柄を受け取ってから原則24時間以内に、裁判官に対して「勾留請求」を行うか、または被疑者を釈放するかを判断します。この警察段階の48時間と検察段階の24時間を合わせた合計72時間が、いわゆる「逮捕後72時間」と呼ばれる時間的リミットであり、この間に弁護士がどれだけ迅速に動けるかが極めて重要になります。

検察官が勾留請求を行った場合、今度は裁判官が勾留の必要性を審査します。勾留が決定されると、被疑者は原則として10日間、延長されれば最大20日間の身柄拘束を受けることになります。この勾留期間中に、検察官はさらに捜査を進め、最終的に被疑者を「起訴」するか「不起訴」とするかを判断します。起訴されれば刑事裁判へと進み、不起訴となれば事件はそこで終了し、すぐに釈放されます。

なぜ「逮捕直後」の弁護士相談が重要なのか?

ご家族が逮捕されたという知らせを受けたら、一刻も早く弁護士に相談することが非常に重要です。なぜなら、前述した逮捕後の流れ、特に72時間という限られた初期段階での弁護士の活動が、被疑者のその後の状況を大きく左右するからです。この期間に弁護士が介入することで、勾留による長期の身体拘束を避けたり、捜査機関の誘導によって不利な供述をしてしまったりするリスクを軽減し、精神的な支えを得ることで、被疑者が落ち着いて状況に対応できるようになります。具体的にどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

勾留を阻止し、早期釈放を目指せる

逮捕直後の弁護活動で最も重要な目標の一つが「勾留の阻止」です。勾留が決定されると、被疑者は最大20日間もの間、社会から隔離されてしまいます。この期間が長引けば、職場を解雇されたり、学校を退学になったりするなど、社会生活上の大きな不利益が生じる可能性があります。

弁護士は、勾留が必要ないと判断されるための客観的な証拠を集め、検察官や裁判官に対して強く主張します。例えば、被疑者に逃亡のおそれがないこと(定まった住所がある、家族がいるなど)、証拠隠滅のおそれがないこと(既に証拠が保全されている、共犯者がいないなど)を具体的な資料をもって示します。身元引受人がいることや、定職に就いていることなどをまとめた意見書を提出したり、担当の検察官や裁判官と直接面談して、被疑者が社会的な繋がりを持ち、深く反省していることを伝えるなどの弁護活動を行います。

このような弁護活動によって、勾留の必要性がないと判断されれば、勾留されることなく逮捕から72時間以内に釈放される可能性が高まります。早期の身柄解放は、被疑者の社会生活を守る上で、何よりも重要です。

不利な供述調書の作成を防ぐ

警察や検察による取り調べは、被疑者にとって非常に大きな精神的負担となります。特に逮捕直後は心身ともに疲弊していることが多く、捜査官の厳しい追及や誘導によって、事実とは異なる内容や、自身に不利な供述をしてしまうリスクがあります。そして、一度作成された供述調書に署名・押印してしまうと、その内容を後の裁判で覆すことは極めて困難になります。供述調書は、裁判における有罪・無罪の判断に大きな影響を与える強力な証拠となるからです。

弁護士は、被疑者が取り調べを受ける前に接見(面会)し、取り調べにおける権利(黙秘権、供述調書の内容を確認し訂正を求める権利、署名を拒否する権利など)について正確にアドバイスします。具体的には、「知らないことは知らないと明確に答えること」「曖昧な記憶で安易に供述しないこと」「少しでも事実と異なる点があれば、はっきりと指摘し、訂正を求めること」「納得できない内容の調書には絶対に署名しないこと」などを伝えます。

このように弁護士が取り調べ対応についてのアドバイスをすることで、被疑者は不必要な供述を避け、自身の正当な権利を行使できるようになり、結果として不利な供述調書が作成されることを防ぐことができます。

取り調べへの対応をアドバイスし、精神的な支えになる

逮捕された被疑者は、見知らぬ場所でたった一人、精神的・肉体的に大きな負担のかかる取り調べに直面します。外部との連絡が途絶え、家族の安否も分からず、極度の不安や孤独感に苛まれることは想像に難くありません。このような状況下では、冷静な判断ができなくなり、捜査官の誘導に乗りやすくなってしまう傾向があります。

弁護士は、被疑者にとって唯一の外部の味方です。接見(面会)を通じて、被疑者の孤独や不安を和らげ、精神的な支えとなります。具体的には、取り調べで何を聞かれているのか、どのような状況なのかを詳しく聞き取り、今後の刑事手続きの見通しや、どのように対応すべきかを分かりやすく伝えます。また、ご家族からの伝言を伝えたり、逆に被疑者のメッセージをご家族に届けたりすることも可能です。

弁護士の存在は、被疑者が落ち着きを取り戻し、不当なプレッシャーに屈することなく、冷静かつ適切な態度で取り調べに臨めるようになるために不可欠です。法的なアドバイスだけでなく、精神的なサポートも、逮捕されたご本人とご家族にとって何よりも大きな助けとなるでしょう。

刑事事件を弁護士に相談・依頼する5つのメリット

ご家族が逮捕されてしまった場合、その一報に混乱し、どのように対処すれば良いのか途方に暮れるかもしれません。しかし、刑事事件においては、弁護士の存在が被疑者の方の人生を大きく左右するといっても過言ではありません。このセクションでは、刑事事件で弁護士に相談・依頼することで得られる具体的なメリットを5つのポイントに絞ってご紹介します。逮捕直後の初動対応から、最終的な事件解決まで、弁護士がいかに重要な役割を果たすのか、その全体像をご理解いただくことで、今後の行動の指針となることを願っております。

弁護士の活動は、単に法律論を戦わせるだけではありません。勾留阻止による早期の身柄解放、前科を回避するための活動、さらには社会復帰に向けたサポートまで、その役割は多岐にわたります。各メリットについて詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みいただき、弁護士依頼の価値を実感してください。

メリット1:被害者との示談交渉を迅速に進められる

刑事事件において、被害者の方との「示談」は、被疑者の方にとって非常に重要な意味を持ちます。示談とは、事件によって生じた被害に対して謝罪し、その損害を賠償することで、被害者の方に許しを得る手続きのことです。示談が成立しているかどうかは、検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判官が刑の重さを決める際に、非常に重視される要素の一つとなります。

しかし、加害者本人やそのご家族が直接被害者の方と交渉しようとしても、感情的なもつれから、被害者の方が交渉に応じてくれないケースが少なくありません。むしろ、加害者側からの直接の接触が、被害者の方の恐怖心を煽り、事態を悪化させてしまうリスクもあります。このような場合に弁護士が間に入ることで、被害者の方も冷静に話し合いに応じやすくなり、スムーズな示談交渉が期待できます。弁護士は第三者として中立的な立場で交渉を進めるため、被害者の方も安心して話し合いに応じてくれることが多いのです。

また、弁護士は適切な示談金の相場を把握しているため、法外な金額を要求されることを避け、適正な金額での合意形成をサポートします。示談が成立した際には、その内容を法的に有効な「示談書」として作成し、検察官や裁判官に提出します。これにより、不起訴処分や刑の減軽など、被疑者の方にとって有利な結果に繋がりやすくなります。

メリット2:不起訴処分で前科がつくのを回避できる

刑事事件において、「不起訴処分」を得ることは、被疑者の方にとって最大の利益の一つです。不起訴処分とは、検察官が事件を裁判にかける必要がないと判断し、刑事手続きを終了させることを意味します。これにより、被疑者の方は裁判を受けることなく解放され、「前科」がつくことを回避できます。

前科とは、過去に刑事裁判で有罪判決を受け、刑が確定した事実を指します。一度前科がつくと、その後の社会生活において、特定の職業に就くことが制限されたり、海外渡航に支障が出たりするなど、さまざまな不利益が生じる可能性があります。弁護士は、被害者の方との示談の成立、被疑者の方の深い反省、ご家族による監督体制の確保といった、被疑者の方に有利な事情をまとめた意見書を検察官に提出し、起訴する必要がないことを説得する活動を行います。これにより、不起訴処分の獲得を目指し、被疑者の方の未来を守るために尽力します。

メリット3:逮捕・勾留からの早期の身柄解放を目指せる

逮捕されると、ご本人は外部との連絡を一切遮断され、社会生活から切り離された状態になります。この身体拘束が長期化することは、勤めている会社を解雇されたり、学校を退学させられたりするなど、ご本人の人生に深刻な影響を及ぼす可能性があります。弁護士は、このような身体拘束からの早期解放を目指し、様々な弁護活動を行います。

逮捕直後の72時間以内に、検察官や裁判官に対して勾留の必要がないことを客観的な証拠に基づいて主張し、「勾留阻止」を目指します。万が一、勾留が決定してしまった場合でも、弁護士は「準抗告(じゅんこうこく)」という不服申立ての手続きなどを通じて、勾留決定の取り消しを求める活動を継続します。弁護士による早期の身柄解放活動は、被疑者の方の失職や退学といった社会生活上のリスクを最小限に抑え、通常の生活への復帰を可能にするために極めて重要です。

メリット4:勤務先や学校に知られずに解決する可能性が高まる

逮捕された事実が、ご本人やご家族の勤務先や学校に知られてしまうことは、多くの方が最も心配される点の一つです。身体拘束が長引けば長引くほど、無断欠勤や欠席が続くことになり、事件が周囲に発覚する可能性は飛躍的に高まります。しかし、弁護士による迅速な弁護活動によって早期に釈放されれば、社会生活への復帰がスムーズになり、誰にも知られることなく事件を解決できる可能性が高まります。

特に、不起訴処分を獲得できれば前科もつかず、事件が明るみに出るリスクを大幅に低減できます。また、万が一、事件がマスコミに報道されるような事態になったとしても、弁護士が報道機関に対して個人情報保護の観点から要請を行うなど、ご本人のプライバシーを守るための行動をとることも可能です。弁護士は、ご本人やご家族の社会生活への影響を最小限に抑えつつ、事件の解決を目指します。

メリット5:刑事裁判になっても執行猶予や減刑を目指せる

もし検察官によって起訴されてしまい、刑事裁判が開かれることになったとしても、弁護士の役割は決して終わりません。日本の刑事裁判の有罪率は99.9%以上と極めて高く、起訴されてしまうと有罪になる可能性が非常に高いのが現実です。しかし、弁護士は無罪を主張することが困難な場合でも、被疑者の方にとって最善の結果を得るために尽力します。

この場合、弁護活動の主眼は「執行猶予(しっこうゆうよ)付き判決」や「減刑(げんけい)」の獲得に移ります。執行猶予とは、有罪判決が出ても、一定期間問題を起こさなければ刑罰が執行されない制度のことで、これにより実刑を回避し、社会生活を継続できる可能性が生まれます。弁護士は、裁判の場で、ご本人に有利な証拠(例えば、被害者との示談の成立、事件に対する深い反省、再犯防止のための具体的な対策、ご家族の協力体制など)を提出し、情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)を求める弁論活動を行います。実刑判決を回避し、社会の中で更生を目指すことは、ご本人の人生にとって非常に重要なことです。弁護士は、最後まで諦めずに、依頼者の方の未来のために全力を尽くします。

【初回無料・夜間対応】刑事事件の弁護士相談から解決までの流れ

ご家族が逮捕されてしまった時、「誰に相談すればいいのか」「何から手をつければいいのか」と、不安と混乱で冷静な判断が難しくなるのは当然のことです。しかし、刑事事件は時間との勝負であり、初動の速さがその後の結果を大きく左右します。このセクションでは、弁護士への相談から事件解決に至るまでの具体的なステップを、分かりやすくご説明します。初回無料相談や24時間対応など、弁護士への相談ハードルを下げ、ご家族がすぐに支援を受けられる体制の重要性もご理解いただけます。ここでの解説を通して、皆様が安心して弁護士に相談し、行動を起こすための具体的な道筋を示すことを目指します。

Step1:お電話・メール・LINEでのお問い合わせ(土日祝日・夜間も受付)

ご家族が逮捕されたという突然の事態に直面した時、まず最初に行っていただきたいのが弁護士への問い合わせです。刑事事件はスピードが命であり、深夜や早朝であってもためらわずに連絡することが極めて重要となります。

お問い合わせの際には、弁護士がスムーズに状況を把握し、的確なアドバイスをするために、いくつかの情報をご準備いただくと良いでしょう。例えば、逮捕された方の氏名、いつ、どこで逮捕されたのか、もし分かればどのような罪名で逮捕されたのか、そして相談者様(ご家族など)の連絡先などが挙げられます。これらの情報は、弁護士が初動で最も必要とする情報となります。

この段階でのご相談は無料で、ご相談いただいた内容やご相談の事実が、ご本人の許可なく警察や会社など外部に漏れることは絶対にありません。弁護士には法律で厳格な守秘義務が課せられていますので、安心して現在の状況をお話しいただけます。

Step2:弁護士による状況のヒアリングと今後の見通しの説明

お問い合わせいただいた後、弁護士は相談者様(多くの場合、ご家族)から、より詳しい状況について丁寧にヒアリングを行います。事件がどのような経緯で発生し、現在どのような状況にあるのか、ご家族の皆様が把握している情報を詳しくお聞かせいただきます。

ヒアリングを終えたら、弁護士は、お伺いした情報に基づいて、今後の刑事手続きがどのように進んでいくのか、専門用語を避けながら分かりやすくご説明します。具体的には、逮捕後の勾留の可能性、今後の取り調べへの対応、そして弁護士がこの段階で取りうる弁護活動(例えば、逮捕直後の接見や勾留阻止に向けた活動など)について、具体的な見通しをお伝えします。

また、この無料相談の段階で、今後の弁護士費用の見積もりについても明確に提示いたします。着手金、報酬金、実費などの費用の内訳や、それぞれの費用が何に充てられるのかを丁寧に説明し、相談者様が費用の面でも納得した上で、正式な依頼を決められるようサポートいたします。

Step3:ご依頼後、弁護士がすぐに接見(面会)へ

弁護士との間で弁護契約(委任契約)を締結いただいた後、弁護士は他の何よりも優先して、被疑者の方が留置されている警察署へ「接見」(面会)に向かいます。刑事事件において、特に逮捕直後の接見は、被疑者の権利を守り、その後の展開を有利に進める上で最も重要な弁護活動の一つと言えます。

ご家族の方が警察署に面会に行かれる場合、時間や回数に制限があり、警察官の立ち会いが義務付けられることがほとんどです。しかし、弁護士は時間や回数の制限なく、警察官の立ち会いなしで、被疑者の方と秘密裏に面会することが法律で認められています。この「秘密接見交通権」があるからこそ、被疑者の方は安心して弁護士に話ができ、的確なアドバイスを受けることができるのです。

接見では、弁護士はまず、ご本人の現在の状況や体調を直接確認します。そして、今後の取り調べに対する対応策(例えば、黙秘権の行使や供述調書への署名拒否など)について具体的なアドバイスを行い、不当な取り調べからご本人を守ります。また、ご家族からの伝言を伝えたり、ご本人の言い分を詳細に聴取したりすることで、弁護活動の方向性を具体的に定めていきます。この接見が、ご本人にとって唯一の外部とのつながりとなり、精神的な支えにもなります。

Step4:身柄解放、示談交渉、捜査機関への対応を本格的に開始

初回の接見を終えた弁護士は、そこで得た情報をもとに、本格的な弁護活動を開始します。この段階から、これまでのセクションで解説してきた勾留阻止や準抗告による身柄解放活動、被害者との示談交渉、検察官や裁判官への意見書提出など、多岐にわたる活動が具体的に始動します。弁護士は、依頼者様(ご家族など)と密に連絡を取り合いながら、事件の状況に応じて最適な弁護方針を立て、早期の身柄解放、不起訴処分の獲得、あるいは減刑を目指して全力で活動します。

具体的には、勾留質問への立ち会いや、勾留決定に対する不服申し立て(準抗告)を行います。また、被害者がいる事件の場合には、被害者との示談交渉を速やかに開始し、被害弁償を通じて被害感情の回復に努めます。これにより、検察官が起訴・不起訴を判断する際に、被疑者にとって有利な材料となるよう働きかけます。その他にも、捜査機関に対しては、弁護士として意見書を提出したり、被疑者に有利な証拠を収集・提出したりするなど、事件の早期かつ有利な解決に向けてあらゆる手段を講じます。

刑事事件の弁護士選びで失敗しないためのポイント

ご家族が突然逮捕されてしまい、何をどうすれば良いのか途方に暮れている状況では、どの弁護士に相談すれば良いかという判断も難しいものです。しかし、刑事事件はご本人の人生を大きく左右する可能性があり、弁護士選びは非常に重要です。弁護士であれば誰でも良いというわけではなく、民事事件と刑事事件では専門性が大きく異なります。このセクションでは、刑事事件の弁護士を選ぶ際に失敗しないための重要なポイントを、具体的な内容を交えて解説します。最適な弁護士を選ぶことは、ご本人とご家族の未来を守るための第一歩となります。

弁護士選びは、単なる費用の比較だけではありません。ご家族が一日でも早く社会生活に戻れるよう、そして可能な限り有利な結果を得られるよう、弁護士の専門性、対応の迅速さ、費用体系の透明性などを総合的に判断する必要があります。刑事事件における弁護活動は時間との勝負であるため、迅速かつ的確なアドバイスと行動が求められます。これから解説する4つのポイントを参考に、後悔のない弁護士選びをしていただければ幸いです。

ポイント1:刑事事件の経験・解決実績が豊富か

刑事事件の弁護士を選ぶ上で最も重要なのは、その弁護士や法律事務所が「刑事事件の経験と解決実績を豊富に持っているか」という点です。刑事事件と民事事件では、法的な手続きや捜査機関とのやり取り、求められる専門知識が大きく異なります。そのため、民事事件を主に扱っている弁護士では、刑事事件特有のスピード感やノウハウが不足している可能性があります。

単に「刑事事件も取り扱っています」というだけでなく、「刑事事件に注力している」「不起訴獲得率や執行猶予獲得率など、具体的な解決実績を公開している」事務所を選ぶことが望ましいです。法律事務所の公式サイトで、弁護士の経歴や、過去にどのような刑事事件を解決に導いたかの事例が豊富に紹介されているかを確認しましょう。具体的な解決事例は、その弁護士の専門性と実力を測る上で非常に有効な判断材料となります。

ポイント2:迅速な対応(スピード感)を重視しているか

刑事弁護においては、時間の経過が事件の行方を大きく左右するため、「スピード感」が非常に重要です。ご家族が逮捕された場合、逮捕から72時間という限られた時間の中で、弁護士がどれだけ迅速に動けるかが、その後の勾留の阻止や早期釈放に直結します。そのため、お問い合わせに対して即座に反応し、休日や夜間でも対応できるフットワークの軽さを持つ弁護士を選ぶべきです。

「24時間365日相談受付」「即日接見可能」といった対応を標榜している法律事務所は、刑事事件の緊急性を理解し、迅速な対応を重視している証拠と言えます。実際に相談する際には、電話やメールのレスポンスの速さ、弁護士が事件解決に向けてどれほどの熱意を持っているかという点も、スピード感を測る上で重要な指標となります。相談から接見までの時間が短いほど、ご本人にとって有利な弁護活動を展開できる可能性が高まります。

ポイント3:費用体系が明確で、説明が丁寧か

弁護士費用は高額になることもあり、その費用に対する不安から弁護士への相談をためらってしまう方も少なくありません。そのため、依頼する弁護士が、費用体系を明確に提示し、丁寧な説明をしてくれるかどうかは非常に重要なポイントです。相談料、着手金、報酬金、実費など、どのような費用が、どのようなタイミングで、何に対して発生するのかを、契約前に書面で具体的に示してくれる弁護士を選びましょう。

特に重要なのは、どのような結果になれば、いくらの報酬金が発生するのかという点です。例えば、不起訴処分を獲得した場合、執行猶予付き判決を得られた場合など、具体的な成果に応じた報酬金額について、納得がいくまで質問し、理解を深めることが大切です。「費用がいくらかかるか分からない」という状態では、弁護士との信頼関係を築くことは困難です。費用について遠慮せずに質問できる、透明性の高い事務所を選ぶようにしましょう。

ポイント4:私選弁護人と国選弁護人の違いを理解する

刑事事件における弁護人には、「私選弁護人」と「国選弁護人」の2種類があります。どちらの弁護人を選ぶかによって、弁護活動の内容やタイミングが大きく変わるため、それぞれの違いを正確に理解した上で選択することが重要です。私選弁護人は、ご自身やご家族が費用を負担して自由に選任する弁護人である一方、国選弁護人は、資力がない場合に国が選任する弁護人です。

どちらが良い・悪いという単純な話ではなく、ご本人の状況や事件の特性によって最適な選択は異なります。このセクションでは、それぞれの弁護人の「依頼できるタイミング」「弁護士を選べるか」「対応範囲と熱意」という3つの観点から、その違いを比較検討していきます。これらの情報を参考に、ご家族にとって最善の弁護人を選ぶための判断材料としていただければ幸いです。

依頼できるタイミング

私選弁護人と国選弁護人の最も決定的な違いは、活動を開始できるタイミングです。私選弁護人は、逮捕直後や、場合によっては逮捕前からでも、ご家族が依頼すればすぐに活動を開始できます。逮捕後72時間という非常に重要な初期段階から、弁護士がご本人と接見し、適切なアドバイスを提供できることが大きなメリットです。

一方、国選弁護人は、原則として「勾留が決定した後」でなければ選任されません。これは、逮捕から最長72時間の間に、ご本人の勾留の要否が判断されるため、国選弁護人が選任されるまでの間は、弁護士による直接的なサポートが得られないことを意味します。身体拘束の長期化を防ぐ上で最も重要な「逮捕後72時間」の弁護活動は、国選弁護人には期待できないという点を理解しておく必要があります。

弁護士を選べるか

弁護士の選択権の有無も、私選弁護人と国選弁護人の大きな違いです。私選弁護人の場合、ご自身やご家族が、刑事事件の経験が豊富な弁護士や、信頼できそうな弁護士を自由に選ぶことができます。インターネットでの検索や知人からの紹介を通じて、ご本人との相性や専門性を考慮して最適な弁護士を見つけることが可能です。

これに対して、国選弁護人は裁判所が当番の弁護士を割り当てるため、被疑者やご家族が弁護士を選ぶことはできません。割り当てられた弁護士が、必ずしも刑事事件を専門としていたり、ご本人の事案に精通していたりするとは限らないリスクも考慮する必要があります。弁護士との信頼関係は弁護活動において非常に重要であるため、この選択の自由は大きなメリットと言えます。

対応範囲と熱意

弁護活動の質と範囲においても、両者には違いが見られます。私選弁護人は、依頼者との契約に基づいて活動するため、早期の身柄解放活動、被害者との示談交渉、捜査機関への働きかけなど、起訴前の段階から積極的に、かつ広範囲にわたる弁護活動を行う傾向があります。ご本人の利益を最大限に守るため、様々なアプローチで事件解決を目指します。

一方で、国選弁護人の活動範囲は、制度上、裁判での弁護が中心となりがちです。起訴前の活動への熱意や、示談交渉などの対応については、弁護士個人の裁量に大きく依存する側面があります。もちろん、国選弁護人の中にも熱心に活動してくれる弁護士はいますが、制度上の特性として、その活動範囲や熱意には差が生じやすいことを理解しておくと良いでしょう。

刑事事件の弁護士費用はいくら?費用の内訳と相場を解説

ご家族が逮捕され、一刻も早く弁護士に相談したいと考えた際、費用に関する不安は少なくないでしょう。特に刑事事件は突然発生することが多く、事前に準備をしておくことが難しいからです。弁護士費用がいくらくらいかかるのか分からず、相談をためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、刑事事件は「時間との勝負」であるため、費用の不安から相談が遅れることだけは避けるべきです。

このセクションでは、刑事事件で弁護士に依頼する際に発生する費用の内訳や、それぞれの費用の相場について詳しく解説します。相談料、接見費用、着手金、報酬金など、聞き慣れない費用についても分かりやすくご説明し、費用に関する疑問や不安を解消することを目指します。費用の全体像を把握することで、安心して弁護士に相談し、迅速な解決へと繋げていただければ幸いです。

相談料|初回無料の事務所がおすすめ

弁護士への相談の第一歩となるのが「相談料」です。刑事事件では特に、緊急性の高さからすぐに相談したいというニーズが大きいため、多くの法律事務所が初回相談を無料で実施しています。この無料相談の機会を積極的に活用し、事件の状況を説明した上で、弁護士の対応や人柄、事務所の雰囲気、そして具体的な費用体系について確認することをおすすめします。

有料相談の場合、一般的な相場としては30分あたり5,000円から1万円程度ですが、事務所によって料金体系は異なります。そのため、相談を申し込む前に、必ず料金について確認するようにしましょう。無料相談を活用することで、複数の弁護士と面談し、ご自身やご家族にとって最も信頼できる弁護士を選ぶことができます。

接見費用|逮捕された方への初回の面会費用

「接見費用」とは、正式に弁護を依頼する前に、弁護士が警察署などに留置されている被疑者と初回面会(接見)を行う際に発生する費用です。「初回接見費用」や「接見日当」と呼ばれることもあります。この費用は、まだ弁護契約を締結する前の段階で、被疑者の状況を直接確認し、ご家族に伝えるとともに、取調べに関する初歩的なアドバイスを行うために支払うものです。

接見費用の相場は、一般的に3万円から5万円程度で、これに加えて弁護士の交通費などの実費が別途請求される場合があります。初回接見は、被疑者の精神的な支えとなるだけでなく、今後の弁護方針を決定するための重要な情報収集の場となります。この接見の結果を踏まえて、正式に弁護を依頼するかどうかを判断することになるため、非常に重要なステップだと言えるでしょう。

着手金|事件を依頼する際に支払う費用

「着手金」は、弁護士に事件の弁護活動を正式に依頼する際に、契約締結時に支払う費用です。これは、弁護士が事件に着手するための費用であり、たとえ最終的な結果が依頼者の希望通りにならなかったとしても、原則として返還されない性質の費用であることを理解しておく必要があります。

着手金の金額は、事件の性質や難易度によって大きく異なります。例えば、被疑者が容疑を認めている「自白事件」の場合、相場は30万円から50万円程度となることが多いです。一方、被疑者が容疑を否認している「否認事件」や、事件が複雑な様相を呈している場合は、弁護士の活動量が増えるため、50万円以上の着手金が必要となるケースもあります。弁護士との契約時には、この着手金が何に対する費用で、いくら発生するのかを明確に確認し、納得した上で契約を締結することが大切です。

報酬金|事件の結果に応じて支払う費用

「報酬金」とは、弁護士が担当した事件が終了した際に、その成果(結果)に応じて支払う成功報酬です。着手金とは異なり、依頼者の期待する成果が得られなかった場合には原則として発生しません。報酬金の金額は、契約時にどのような結果に対していくら支払うのかを具体的に取り決めておきます。

報酬金の例としては、以下のようなケースが挙げられます。例えば、不起訴処分を獲得した場合や、執行猶予付き判決を獲得した場合には、それぞれ30万円から50万円程度の報酬金が発生することが多いです。また、保釈が認められた場合や、勾留が阻止された場合にも、別途報酬金が設定されていることがあります。このように、報酬金は弁護士の活動が依頼者の利益に結びついた際に支払われるものであり、費用の透明性を確保するためにも、契約時にその内容をしっかりと確認することが重要ですいです。

刑事事件の弁護士相談に関するよくある質問

刑事事件という突然の事態に直面し、弁護士への相談を検討されている方は、多くの疑問や不安を抱えていることと思います。このセクションでは、これまで解説しきれなかった点や、特に多く寄せられる質問にお答えすることで、皆さまの不安を少しでも解消し、安心して弁護士に相談できるようサポートいたします。

Q. 相談したことが警察や会社に知られることはありませんか?

ご安心ください、弁護士に相談したことや相談内容が警察や会社に知られることは絶対にありません。弁護士には、弁護士法によって厳格な守秘義務が課せられています。この守秘義務は、相談内容はもちろんのこと、ご相談いただいた事実そのものについても適用されます。

したがって、ご本人の許可なく、相談内容や相談の事実を第三者に漏らすことは一切ありません。たとえ警察や検察から弁護士に対して問い合わせがあったとしても、弁護士は守秘義務を理由に回答を拒否することができますので、安心してご相談いただけます。

Q. まだ逮捕されていませんが(在宅事件)、相談できますか?

はい、まだ逮捕されていなくても弁護士に相談することは可能ですし、むしろ積極的に相談されることを強くお勧めします。警察から任意の出頭要請を受けている段階や、捜査を受けているものの身柄拘束はされていない状況は「在宅事件」と呼ばれます。

この段階で弁護士に相談することで、今後の取り調べに対する適切な対応方法についてアドバイスを受けられます。また、弁護士を通じて警察や検察に被疑者の状況や反省の意思を伝えることで、逮捕を回避できる可能性が高まります。さらに、早期に被害者との示談交渉に着手できるため、事件が大きくなる前に解決できる可能性も広がるなど、在宅事件のうちから弁護士に相談することには多くのメリットがあります。

Q. 被害者と自分で示談交渉をしてはいけませんか?

ご自身で被害者と直接示談交渉を行うことは、避けるべきです。加害者側からの突然の接触は、被害者の方の恐怖心や処罰感情をかえって煽り、事態を悪化させてしまうリスクが非常に高いためです。場合によっては、脅迫行為やストーカー行為とみなされ、さらなる刑事責任を問われる可能性すらあります。

また、感情的な状況では冷静な話し合いが難しく、不適切な内容での示談書作成や、法外な示談金を支払ってしまうといった事態も起こり得ます。弁護士が第三者として間に入ることで、被害者の方も安心して交渉に応じてくださるケースが多く、法的に有効かつ適切な内容で示談を成立させることが可能になります。弁護士は示談交渉の専門家として、適切な示談金の相場を踏まえ、被害者の方の感情にも配慮しながら、円滑な解決に向けて尽力します。

Q. 前科がつくと、どのような不利益がありますか?

前科がつくことは、その後の人生に多岐にわたる大きな不利益をもたらす可能性があります。まず、特定の職業への就職や資格取得が制限されることがあります。例えば、公務員、警備員、医師、弁護士といった職業では、前科の有無が採用や資格登録に影響を与える場合があります。

また、転職活動などで履歴書の賞罰欄に記載する必要が生じるケースもあり、社会生活を送る上で不利益となることがあります。さらに、将来的に再び罪を犯してしまった場合、前科があることで、より重い処分や刑罰を受ける可能性が高まります。海外渡航においても、特にビザ申請時に前科が申告義務となり、入国が拒否されるといった不利益を被る可能性もあります。これらの理由から、不起訴処分を獲得し、前科を回避することがいかに重要であるかをご理解いただけると幸いです。

まとめ:刑事事件は時間との勝負。一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください

刑事事件は「時間との勝負」という言葉が示す通り、初動の速さがその後の結果を大きく左右します。特に逮捕から72時間という限られた期間での弁護士の活動は、被疑者の人生を左右する極めて重要な意味を持ちます。この期間に弁護士が介入することで、勾留の阻止、不利な供述調書の作成防止、そして精神的な支えとなることで、その後の刑事手続きを有利に進めることが可能になります。

ご家族が突然逮捕されたという事態に直面し、不安や混乱の中で「何をどうすれば良いのか」と途方に暮れるのは当然のことです。しかし、この非常事態に一人で、あるいはご家族だけで抱え込んでしまうことは、解決を遠ざけるだけでなく、事態をさらに悪化させてしまうリスクがあります。日本の刑事司法制度において、捜査機関の強力な権力に対して個人で立ち向かうことは非常に困難です。

だからこそ、刑事事件に特化した経験豊富な弁護士に、できる限り早く相談することが何よりも重要です。弁護士は、あなたやあなたのご家族の唯一の味方となり、法的な知識と経験を駆使して、勾留の回避、不起訴処分の獲得による前科の回避、早期の社会復帰など、本人とご家族の未来を守るために全力を尽くします。初回無料相談や夜間・土日対応の弁護士事務所も多く存在しますので、費用の不安や時間の制約で相談をためらう必要はありません。

「逮捕」という人生の一大事に直面した際には、決して一人で悩まず、まずは専門家である弁護士にすぐに相談してください。その一歩が、事態を好転させるための最も確実な道となるでしょう。

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