公然わいせつは後日逮捕もある?自首すべき?専門弁護士が解説

最終更新日: 2024年01月24日

公然わいせつがバレて後日逮捕されることはあるのか!?弁護士が徹底解説!

  • 公然わいせつで後日逮捕されることはあるのか
  • 公然わいせつは現行犯逮捕されなければ逃げ切れるのか
  • 家族が公然わいせつで後日逮捕されたらどうすればよいのか

公然わいせつは現行犯以外で捕まることはないと思っている人もいるようですが、本当なのでしょうか?わいせつ行為をして現場から逃げられたものの、その後逮捕されるのか不安になるかもしれません。

そこで今回は、多くの公然わいせつ事件を解決に導いてきた刑事事件専門の弁護士が、公然わいせつをしてしまった場合に後日逮捕されることはあるのか・逮捕された場合のその後の刑事手続きの流れ、弁護士に相談するメリットなどについて解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 公然わいせつは条件が整っているので現行犯逮捕になるケースが多い
  • 公然わいせつをして逃走しても後日逮捕される可能性は十分ある
  • まずは公然わいせつの対応実績が豊富な弁護士に相談することが大切

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

公然わいせつにおける後日逮捕

公然わいせつにおける後日逮捕はあるのかについて解説する上で、必要となる基礎知識について解説します。

  • そもそも逮捕にはどのような種類があるのか
  • 公然わいせつは現行犯逮捕が一般的

それでは、1つずつ解説します。

そもそも逮捕にはどのような種類があるのか

基礎知識の1つ目は、逮捕の種類についてです。逮捕には以下の種類があります。

  • 現行犯逮捕
  • 通常逮捕(後日逮捕)
  • 緊急逮捕

それぞれ解説します。

現行犯逮捕

現行犯逮捕とは、現に犯行中か犯行直後の犯人を裁判官の発布する逮捕状なしに逮捕することをいいます(刑事訴訟法212条)。

犯人と犯行に明白性が認められることから逮捕状を要しません。現行犯逮捕は、犯人が現に犯行中か、犯行直後という条件が必要です。

犯行中とは、まさに犯行を行っている最中ですが、犯行直後とは、状況から判断して犯行直後とわかる場合をいいます。たとえば、衣服に返り血をあびて逃走しているような場合です。

現行犯逮捕は、警察官などの司法職員だけではなく一般人でも逮捕することができます。したがって、事件の被害者や目撃者から逮捕されることもあり、目撃者から犯行を聞いた第三者でも犯人を逮捕できます。その後、警察に犯人の身柄を引き渡します。

通常逮捕(後日逮捕)

通常逮捕(後日逮捕)とは、犯行から一定期間経過した後に、裁判官が発布する逮捕状に基づいて逮捕されることをいいます(刑事訴訟法199条)。

通常逮捕(後日逮捕)するためには、罪を犯したと疑うのに十分な理由と証拠隠滅や犯人の逃亡の虞がないことが必要になります。

たとえば、防犯カメラに局部を露出していたような映像があれば、後日これらの映像を解析して犯人を特定して逮捕状をとり、後日逮捕される可能性は高くなります。

犯行後にどれくらいの期間で逮捕されるのかは、事件の捜査状況により様々ですが、全く忘れていたところに警察官が現れて逮捕された、というケースもあります。

公然わいせつ罪の公訴時効が3年であることから、行為から3年間は逮捕の可能性があるといえるでしょう。

緊急逮捕

緊急逮捕とは、一定の重大事件について裁判官の発布した逮捕状なしに逮捕することです(刑事訴訟法210条1項)。

現行犯逮捕では逮捕状は不要ですが、通常逮捕でも逮捕状がなければ逮捕できないとなると重大犯罪が発覚した場合に被疑者が逃亡したり証拠隠滅する恐れがあります。

これを防ぐために緊急逮捕が認められますが、死刑などの刑罰にあたる重大犯罪である、罪を犯したと疑うのに十分な理由がある、緊急時であるなどの一定の要件を満たすことが必要になります。

この点、公然わいせつは、「死刑、または無期、長期3年以上の懲役・禁錮にあたる犯罪」にあたらないため、緊急逮捕はできないので注意が必要です。

公然わいせつは現行犯逮捕が一般的

基礎知識の2つ目は、公然わいせつは現行犯逮捕が一般的であるということです。

公然わいせつは、誰かにわいせつな行為をしている場面を見られることで事件が発覚することが通常です。直ちに現行犯逮捕できる条件が整っているので、現行犯逮捕が多いのです。

しかし、被害者や目撃者の証言、あるいは防犯カメラの映像記録から犯人が特定されて後日逮捕される場合も多くあります。

後日逮捕されるのではないかと不安な場合には、自首することで逮捕を免れる可能性が高くなります。

ただし、自首したからといって必ず逮捕を免れ不起訴処分になるわけではないので注意が必要です。

いつ逮捕されるのか心配であれば、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

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公然わいせつで後日逮捕された後の流れ

ここでは、公然わいせつで後日逮捕された後の流れについて解説します。逮捕後は、以下の刑事手続きが進められます。

  • 警察の取り調べ
  • 検察に送検
  • 勾留
  • 起訴・不起訴の決定
  • 裁判

では1つずつ見ていきましょう。

警察の取り調べ

まず公然わいせつで逮捕されると、被疑者は警察署に連行されて取り調べを受けることになります。

取り調べでは、警察官が公然わいせつ事件の内容や状況の聴き取りが行われ、供述調書が作成されます。この供述調書は、その後の裁判でも重要な証拠になります。

警察での取り調べは、最長48時間に及びます。この間、被疑者は警察署内の留置施設または拘置施設に拘束されることになります。

施設に入所する際には、携帯品などはすべて没収されるため外部に連絡することはできなくなります。取り調べ期間中は、原則として弁護士のみが接見できます。

弁護士は被疑者に接見して、事件の内容や被害者の有無などを聴き出し、取り調べを受けるうえでの様々なアドバイスを行います。

検察への送検

次に48時間以内に被疑者は検察に送検されます。送検は、被疑者の身柄や証拠などの事件を検察官に引き継ぐことをいいます。

送検を受けた検察官は24時間以内に被疑者を釈放するかを決定しなければなりません。

24時間の取り調べだけでは全容がわからないため、さらに時間を要する場合には、裁判官に10日間までの勾留請求を行います。

勾留請求されなかった場合には、被疑者はすぐに釈放され在宅事件に切り替わります。在宅事件となれば、基本的には通常通りの生活を送ることができます。

公然わいせつのような比較的軽微な事件であれば、2〜3か月内には処分が決まることが多いのですが、捜査が長引くこともあるので注意が必要です。

勾留

検察官が裁判官に勾留請求を行い裁判官がこれを認めると、被疑者は10日間身柄を刑事施設に勾留されます。

検察官がさらに被疑者と面談するために時間が必要であれば、さらに10日間の勾留の延長請求ができます。合計で最大20日間にわたり勾留される可能性があります。

被疑者の勾留が決定された時点で弁護士に相談すれば、被疑者に有利な証拠や証言を得たり、被害者がいる際には示談交渉にあたります。

弁護士は、被疑者の証拠隠滅や逃亡の虞のないこと、示談交渉にあたっているなどの情状を検察官や裁判官に説得して早期釈放を目指します。

起訴・不起訴の決定

被疑者が勾留されている間に、検察官は起訴・不起訴の決定を行います。

検察官が事件を起訴すると被疑者はそのまま勾留され、約1か月後に第1回の公判期日が開かれます。被疑者は起訴されることで被告人と呼ばれ、公判で被告人の罪状が争われます。

起訴されたときに被疑者に弁護士がいない場合には、私選で弁護士を依頼するか、または国選の弁護士を選任するように裁判所に申請します。

起訴されると保釈申請することが可能になります。逮捕・勾留中で起訴前には保釈申請できないため注意が必要です。

公然わいせつのような軽微な事件で公判請求をされることは多くはありませんが、万が一公判請求をされても弁護士が保釈の申請を行い許可されれば、保釈金を納付して釈放されます。

裁判

起訴された後は、およそ1か月後に1回目の公判が行われます。被告人が公然わいせつの罪状を認めている場合は、情状酌量により軽い処分が下される可能性が高くなります。

公然わいせつでは、起訴されても公判に事件を持ち込まずに略式命令が下されることが多くなります。略式命令とは、公判手続をしないで罰金科料だけで済ませる処分です。

簡易裁判所で略式命令が下り、被告人が罰金または科料を納付した時点で事件は終了します。略式命令でも刑罰を受けたことになるため前科がつくので注意が必要です。

公然わいせつがばれて後日逮捕されてしまうと起訴、裁判となる可能性も十分にあります。
逮捕となれば日常生活とはかけ離れた生活を強いられることになります。

最悪の事態を避けるためにも、弁護士に相談することが重要になります。

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公然わいせつでの後日逮捕は回避できるのか?

では、公然わいせつでの後日逮捕は回避できるのでしょうか?

この点、公然わいせつをして逃走できたとしても、後日逮捕される可能性は十分あります。目撃者や被害者の証言、防犯ビデオの映像から犯人が特定されることがあるからです。

特に、証拠隠滅や逃亡のおそれがある、常習性がある、性犯罪の前科・前歴があり実刑が見込まれるような場合においては、捜査機関が捜査し逮捕する可能性が高いでしょう。

また、公然わいせつといっても被害者の有無、行為の内容、社会や地域に与える影響など様々な事案があります。

特に社会的影響のある事案については、捜査機関のほうでも本腰を入れて捜査し犯人を逮捕する可能性も高くなるといえるでしょう。

公然わいせつで逮捕される前に考えるべきこと

公然わいせつで逮捕される前に考えるべきことは、逃亡・証拠隠滅の可能性がないことを証明することです。そのためには以下の2つが重要になります。

  • 弁護士に相談する
  • 自首する

それぞれ見ていきましょう。

弁護士に相談する

公然わいせつで逮捕される前に考えるべきことの1つ目は、弁護士に相談することです。

逮捕前に弁護士に相談すれば、まずは自身の行為が公然わいせつ罪にあたるのか、あたるとして後日逮捕される可能性がどこまであるのか事案に応じて判断してくれます。

また、もしも逮捕される可能性がある場合にも、どのような対応をするべきかのアドバイスを得ることができます。

万が一、逮捕されてしまった場合でも、接見を通じて警察での取り調べの対応方法、事件の見通しなどのアドバイスを受けることも可能です。被害者がいる場合には示談交渉も代行してくれるでしょう。

何よりも弁護士に相談することで、心配する家族と連絡を取ってくれたり、心細くて不安になっても心の支えとなってくれることでしょう。

自首する

公然わいせつで逮捕される前に考えるべきことの2つ目は、自首することです。

たとえ公然わいせつ事件を起こしてしまっても、事件化する前に自首することで逮捕や報道を回避することが可能になります。

また、自首することで捜査機関に逃亡の虞がないと判断され、逮捕を免れる可能性も高まるでしょう。

弁護士に相談すれば、自首をする場合に警察に同行してくれるでしょう。逮捕や起訴を回避するためにも、まずはご相談ください。

まとめ

今回は、刑事事件専門の弁護士が、公然わいせつをしてしまった場合に後日逮捕されることはあるのか・逮捕された場合のその後の刑事手続きの流れ、弁護士に相談するメリットなどについて解説しました。

公然わいせつは軽い気持ちで行うことも多く、罰則も比較的軽いことから逮捕されないと思いがちですが、忘れたころに逮捕されたというケースもあります。公然わいせつ罪に対して不安をお持ちの方は、まずは弁護士に相談してみましょう。

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