不貞行為の立証は難しい?証拠収集と避けるべき行動を弁護士が解説

2025年01月30日

不貞行為の立証は難しい?証拠収集と避けるべき行動を弁護士が解説

  • 配偶者の不貞行為を立証したい。配偶者と不倫相手との不倫の現場を押さえるしかないのだろうか?
  • 不貞行為の有力な証拠は、配偶者と不倫相手との性行為の画像や動画だと聞いた。証拠取得の難易度が高すぎて、諦めるしかないのだろうか?
  • 不貞行為の立証について誰かと相談したい。不貞行為の問題に詳しい専門家を探したい。

不貞行為とは、配偶者以外の人と自分の意思で性的関係を結ぶ行為です。

配偶者の不貞行為の有力な証拠をつかめれば、協議離婚や調停・裁判を有利に進められます。

一方、不貞行為の有力な証拠が得られなければ、、慰謝料を得られないだけでなく、離婚手続きも進まなくなる可能性もあるでしょう。

そこで今回は、離婚問題の解決に携わってきた専門弁護士が、不貞行為を立証できる有力な証拠、弁護士に相談するメリット等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 配偶者と不倫相手との性行為の画像や動画があれば、不貞行為の事実を立証できる
  • 不貞行為の立証が難しくとも感情的になったり、暴力を振るったりしてはいけない
  • 配偶者の不貞行為の立証に悩むときは、弁護士とよく相談した方がよい

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

不貞行為の立証が難しい理由

配偶者に不審な行動が目立つようになり、不貞行為(不倫)を疑っている方も多いでしょう。

しかし、不貞行為(不倫)について問いただしても証拠を見つけなければ、配偶者は素直に不貞行為の事実を認めない可能性が高いです。

相手が認めない

配偶者は証拠隠滅に自信があるのか、不貞行為を問いただしてもはぐらかしたり、「やっていない」ときっぱりと否定したりして、認めないケースがほとんどでしょう。

しかし、配偶者が次のような不審な行動をとる場合、不貞行為の疑いがあります。

  • 配偶者が事務職なのに「営業で得意先をまわっている」と嘘をつき帰りも遅い
  • 休日出勤や出張回数が異常に多くなった
  • 以前は自分のスマートフォンを放置同然だったのに、今はスマートフォンにロックをかけ、自宅でも肌身離さず持ち歩いている 等

疑わしい行動があっても、まずは証拠の収集から始める必要があります。

決定的な証拠がない

性的関係がわかる証拠の取得は非常に難しいです。

裁判離婚で配偶者と離婚や慰謝料を争うときに、裁判官が不貞行為の事実を認めるのは、配偶者と不倫相手との性行為の画像・動画がある場合です。

性行為の画像・動画を証拠として提出できれば、原告(配偶者に不貞行為をされた側)は有利に裁判手続きを進められます。

したがって、訴訟提起前に何とか配偶者と不倫相手の性行為の画像や動画を取得しておく必要があります。

不貞行為の立証が難しいときに収集すべき証拠

配偶者に不審な行動が目立っていても、有力な証拠が得られなければ、不貞行為を自白する可能性は低いです。

様々な証拠を揃え、離婚・慰謝料の協議や調停、裁判に備えましょう。

写真・動画

配偶者と不倫相手の性行為の画像(写真)・動画の撮影が、最も有力な証拠となります。

しかし、不倫をしている配偶者は、家族や周囲の人、勤務先に不貞行為が発覚しないよう、不倫相手と密かに会うので撮影は極めて困難です。

そこで次のような証拠収集を検討してみましょう。

  • 配偶者が家族の不在を利用し、自宅で不倫相手と性行為をしている疑いがあれば、室内に小型カメラを設置し撮影する
  • 配偶者のスマートフォンに、不倫相手と性行為の画像や動画が保存されていないか確認する

スマートフォンは不倫相手との連絡用に使用する他、面白半分で不倫相手との性行為を撮影している場合があります。

スマートフォンに保存されている画像や動画も有力な証拠となるでしょう。

音声データ

配偶者に不貞行為を問い詰め、自白に成功した場合、その音声も証拠の1つとなります。

音声データで記録する場合は、配偶者に次のような内容を述べさせましょう。

  • 不倫相手と不貞行為をした旨
  • 不貞行為された側・家族に不貞行為を謝罪する旨
  • いつから不貞行為を行っていたか、性行為の回数
  • 誠心誠意、離婚や慰謝料の話し合いを行う旨
  • 話し合いがこじれたら調停や裁判で解決を目指す旨

ただし、無理に自白を強要すれば「脅迫されたので仕方なく、してもいない不貞行為を自白させられた」と、配偶者は調停や裁判で反論するかもしれません。

配偶者の自白を得る前に、まずは有力な証拠を取得しましょう。証拠を配偶者に提示すれば「もはや言い訳はできない」と観念し、不貞行為を自白する可能性が高いです。

領収書

自分と配偶者が利用した記憶がないホテル(2人部屋)の領収書や、ラブホテルのスタンプカード等も収集しておきましょう。

ただし、領収書は有力な証拠になりません。ホテルの2人部屋の領収書も、「出張で経費節約のため、部下と一緒に泊まった」と反論される可能性があります。

領収書やスタンプカードのような書類は、あくまで証拠の1つとして保管しておきましょう。

SNSのやり取り

LINE等のサービスを不倫相手との連絡用に利用している可能性が高いです。

LINE等の内容から不倫相手と会う場所や、性行為の感想等が確認できたときは、その内容を画像で保管しておきましょう。

ただし、配偶者のスマートフォンにロックがかかっている場合もあります。そのようなときは無理に開錠しようと考えず、スマートフォン以外から不貞行為の証拠を収集しましょう。

不貞行為の立証が難しいときに避けるべき行動

不貞行為の証拠がなかなか集まらなくても、感情的にならず冷静に対応しましょう。

配偶者や不倫相手に苛立ちを覚えても、暴言や暴力行為に走ってはいけません。

感情的な態度

配偶者と不貞行為の問題を解決するため話し合うときは、冷静に対応しましょう。

お互いが感情的になると、話し合いがまったく進まなくなります。夫婦の関係修復を模索する場合でも・離婚に向けた話し合いを行う場合でも、お互いが和解に歩み寄る努力が必要です。

直接配偶者と面会すると冷静に対応できないようであれば、別の方法で交渉を試みましょう。

尾行

有力な証拠を得ようと、配偶者を尾行する行動は控えましょう。

配偶者と不倫相手の性行為が「推認できる」画像・動画の撮影も、有力な証拠として認められます。

性行為が推認できる画像・動画の撮影とは、たとえば配偶者と不倫相手が2人でラブホテルに出入りする画像・動画が該当します。

ただし、撮影を成功させるには粘り強い尾行や張り込みをして、不貞行為の現場を鮮明に撮影する必要があります。

調査や撮影に不慣れな場合、配偶者を尾行しても見失ったり、張り込みを発見されたり、不倫現場の撮影に失敗したりする可能性が高いでしょう。

有力な証拠を得たいのであれば無理に自分で調査を行わず、探偵に任せた方がよいです。

暴言・脅迫

配偶者と不倫相手の不貞行為に苛立ち、当事者に暴言・脅迫行為を行ってはいけません。

自分の発言を配偶者や不倫相手が脅迫行為と判断した場合、脅迫罪で処罰される可能性があります。

脅迫罪は、配偶者や不倫相手の生命や身体、自由、名誉、財産に害を加えると告知し、脅迫した場合に適用される罪です。

脅迫罪に問われ有罪になれば「2年以下の懲役(2025年6月1日以降は拘禁刑)または30万円以下の罰金」に処されます(刑法第222条第1項)。

出典:刑法|e-GOV法令検索

暴力行為

怒りに任せて配偶者や不倫相手へ暴力を振るった場合、次のような罪に問われる可能性があります。

  • 暴行罪:暴力を振われた配偶者や不倫相手が負傷していない→有罪になると2年以下の懲役(2025年6月1日以降は拘禁刑)若しくは30万円以下の罰金、または拘留若しくは科料(刑法第208条)
  • 傷害罪:暴力を振われた配偶者や不倫相手が負傷した→15年以下の懲役(2025年6月1日以降は拘禁刑)または50万円以下の罰金(刑法第204条)

不貞行為の立証が難しい場合弁護士に相談するメリット

配偶者の不貞行為の立証に悩むときは、弁護士と相談しましょう。

弁護士は的確な法的アドバイスや、サポートを行う頼もしい存在です。

法的なアドバイス

弁護士が夫婦の事情や証拠の収集状況を知り、次のようなアドバイスを行います。

  • 集めた証拠の中に有力な証拠はあるか?
  • 効果的な証拠の収集方法
  • 証拠の収集に失敗した場合のリスク
  • 有力な証拠集めに役立つ探偵の紹介

相談するうちに証拠収集のアドバイスだけではなく、離婚・慰謝料請求の交渉も任せたいと思った場合、そのまま弁護士と契約を締結してもよいです。

必要な証拠の明確化

弁護士は離婚や慰謝料請求に有力な証拠となるものも、詳しくアドバイスします。

配偶者と不倫相手の性行為または性行為が推認できる画像・動画の他、配偶者または不倫相手の出産・堕胎に関する証明書を見つけたら、必ず保管するように指示するでしょう。

一方、夫婦で利用した記憶がないホテル(2人部屋)の領収書、ラブホテルのスタンプカード等は、調停や裁判で有力な証拠とはなりません。

ただし、これらの証拠は探偵が不倫調査時、張り込みを行うときの参考資料となります。

弁護士は証拠能力が低いものでも、しっかりと収集しておくようにアドバイスします。

慰謝料の増額

裁判離婚のとき、弁護士は配偶者と不倫相手の不貞行為の悪質性を、有力な証拠を提示しながら主張します。

弁護士はいかに原告(不貞行為をされた側)が苦しんだか、被告である配偶者が身勝手な振る舞いをしてきたのかについて、裁判官に訴えかけます。

裁判官は弁護士の説得力のある主張と、不貞行為の有力な証拠の提出を考慮し、慰謝料の増額を決定する場合があります。

離婚だけではなく、原告の希望に近い慰謝料額を支払うよう、被告に命じる可能性も高まるでしょう。

精神的負担の軽減

弁護士に依頼すれば、関係が破綻した配偶者と直接交渉する必要がなくなるので、精神的負担を軽減できます。

弁護士を代理人にすれば、交渉役として配偶者との協議を任せられます。

弁護士は法律の知識に精通し、交渉経験も豊かなので、穏やかな口調で理性的に交渉を進められます。

不貞行為が発覚し感情的になっている配偶者も落ち着きを取り戻し、弁護士の和解案に同意する可能性もあるでしょう。

話し合いで不貞行為に関する問題が和解できれば、家庭裁判所での調停・裁判が不要となり、迅速な解決を目指せます。

不貞行為の立証が難しいなら春田法律事務所にご相談を

今回は離婚問題の解決に尽力してきた専門弁護士が、不貞行為の有力な証拠を得るポイント等について詳しく解説しました。

春田法律事務所は離婚問題の解決に実績豊富な法律事務所です。まずは不貞行為の証拠収集の悩みや不安を弁護士に打ち明けてみましょう。

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