離婚相談を誰にすべき?正しい相手の選び方とポイントを解説

最終更新日: 2023年10月31日

離婚相談を誰にすべき?正しい相手の選び方とポイントを解説

  • 離婚を考えているが、相談できるところがあれば是非知りたい。
  • 離婚を家族や友人には相談し難い。離婚問題の専門家に相談したい。
  • 離婚相談前に準備すべきものがあるなら教えてほしい。

いきなり配偶者に離婚を申し出ても、配偶者は驚いて冷静な交渉が難しいかもしれません。

まずは離婚の相談をして、配偶者への離婚の切り出し方や、どのように話し合いを進めるべきか、助言を得ておく必要があるでしょう。

ただし、身近に離婚を相談できる人がいなければ、離婚への不安を抱えたまま、離婚手続きを行わなければいけません。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚の相談先や相談前に整理しておくべき事柄等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 離婚問題を相談できる人が身近にいなければ、公的機関の相談サービスや、弁護士等に相談してみる
  • 相談のときは離婚したい理由や離婚条件を整理しておかないと、有効なアドバイスが得られない可能性もある
  • 相談する相手は、離婚問題の対応に経験豊富な人が理想的である

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

離婚相談は誰にすべきか

離婚について配偶者と話し合う前に、離婚を誰かに相談しておけば、離婚交渉のポイントや注意点についてよいアドバイスを得られるかもしれません。

こちらでは、5つの相談先を取り上げましょう。

家族や友人

身近な存在としては自分の両親や兄弟姉妹、友人等への相談が考えられます。特に自分の両親ならば、親身になって話を聞いてもらえるでしょう。

ただし、離婚の相談をするにとどめ、離婚の協議はあくまで夫婦で進めた方が無難です。

なぜなら、離婚の交渉に親も参加すると、余計話し合いがこじれてしまう可能性もあるからです。

両親は自分の側に立ってくれる存在ですが、過剰に相手側を責める事態となってしまい、相手側から交渉を拒否されるおそれもあります。

自分の親族だと感情的になってしまうので、相談を控えたいならば離婚経験のある友人にアドバイスを求めた方がよいでしょう。

どのように相手と話し合って離婚を成立させたか、経験を踏まえた助言が得られます。

法テラス

法テラスとは、多くの方が身近で法律相談を受けられるように設立された、法務省所管の組織です。正式名称は「日本司法支援センター」であり、離婚問題をはじめとした法律トラブルの相談窓口となっています。

まずは電話やメールで離婚に関する相談をしてみたいという場合、「法テラス・サポートダイヤル」を利用しましょう(通話料:固定電話から全国一律3分9.35円税込)。

なお、経済的に余裕のない方が離婚問題を相談したい場合、「民事法律扶助制度」が利用可能です。

民事法律扶助制度では、法律の専門家の無料法律相談が受けられます。しかし、次のような制約に注意しましょう。

  • 法テラスと契約している弁護士・司法書士が相談対応
  • 1回の相談時間は30分
  • 1つの問題につき3回まで
  • 日本に住所を有する個人が対象(在留資格のない外国人は対象外)
  • 収入・資産が一定額以下で、民事法律扶助の趣旨に適する内容

出典:法テラス・サポートダイヤル | 日本司法支援センター

自治体から委託の弁護士

多くの地方自治体が、離婚に関する相談サービスを提供しています。

離婚に伴う養育費や面会交流等に関する法律相談は、委託された弁護士が対応しているケースも多いです。

基本的に無料相談となっていますが、希望の弁護士は選べず、事前に予約しないと利用できない場合があるので注意しましょう。

家庭裁判所の家事手続案内

家庭裁判所の職員が離婚の相談に応じてくれるわけではありません。ただし、調停離婚や裁判離婚を申し立てるときに、書類の作成についてアドバイスしてくれます。

申立書用紙等に記載する内容、添付する書類に不明な点があれば、職員へ相談してみましょう。

専門弁護士

離婚問題に詳しい弁護士へ相談すれば、夫婦の事情に合わせた的確なアドバイスを受けられます。

ただし、弁護士にも専門分野があり、刑事裁判を得意とする弁護士もいれば、特許訴訟や相続問題に詳しい弁護士もいます。

相談のときは、離婚交渉や調停・裁判に実績のある弁護士を選びましょう。

誰かに離婚相談する前にすべき準備

離婚を相談する前に離婚して解決したい問題を整理し、配偶者に原因があるなら証拠も収集しておくと、相談を受けた相手はアドバイスがし易くなります。

こちらでは、相談前に行う必要がある4つの準備を説明しましょう。

理由の明確化

相談前に離婚の理由を明確化しておきましょう。

離婚の理由が配偶者からのDVやモラハラ、不倫ならば深刻な事態であるのは明白です。

しかし、「性格の不一致」等、夫婦のどちらが原因で離婚を決意したのか、よくわからないケースもあります。

この場合は、性格の不一致で婚姻関係の継続が困難となっている点(例:同じ部屋にいると気が滅入る、セックスレスになった等)を、具体的に説明できるよう整理しておきましょう。

具体的に説明できれば、相談を受けた親族や友人、専門家はそれに応じた回答ができます。

離婚手続きの理解

離婚したいからといって、いきなり家庭裁判所に離婚訴訟を起こし解決が図れるわけではありません。

協議離婚、調停離婚、裁判離婚という形で手続きが進められます。そのプロセスでどのような点がよくわからないのか、不明点や疑問点を確認しておきましょう。

離婚手続きに関しては法律の専門家である弁護士が把握しているので、手続きに関する不明点等を弁護士に相談すれば、的確なアドバイスを受けられます。

証拠収集

配偶者が原因で離婚を決意した場合、その証拠を集めておいた方が、相談相手に婚姻継続は困難となっている事実を伝え易くなります。

たとえば次の証拠を集めれば、有益なアドバイスが得られます。

  • DVやモラハラが離婚原因の場合:配偶者が暴力を振るう画像や動画、暴言の録音、DVによるケガの写真や医師の診断書等
  • 不倫が離婚原因の場合:配偶者と浮気相手がラブホテルに出入りする画像や動画、浮気に関するメールやSNS、配偶者が不倫を自白した録音テープ等

共有財産の洗い出し

夫婦が婚姻中に協力して得た財産は「共有財産」とされ、財産分与の対象となります。

この共有財産に、婚姻前から夫婦の一方が所有していた財産(特有財産)は含まれません。

相談前に共有財産をチェックすると、共有財産なのか特有財産なのか、判断のつかない財産も出てくるケースがあります。

たとえば、配偶者に婚姻前から預金していた銀行口座があるものの、現在その口座は夫婦が自由に引き出しできる状態となっている場合、共有財産とみなされる可能性が高いです。

このような判別が困難な財産について、弁護士に相談しアドバイスを受けつつ、共有財産を把握していけば、離婚交渉のとき財産分与の取り決めを円滑に進められます。

誰に離婚相談すればよいか決めるポイント

離婚の相談方法は豊富に存在しますが、相談された相手が必ず有益なアドバイスを行ってくれるとは限りません。

こちらでは、離婚を相談するときの3つのポイントについて解説します。

冷静なアドバイスを受けられるか

自分の両親や兄弟姉妹等、親族に相談すれば親身になって話しを聞いてくれる反面、感情的になり「何が何でも離婚しろ!」と主張するだけで、アドバイスにならない場合も考えられます。

やはり離婚問題の専門家に相談しなければ、冷静な回答は得られないかもしれません。

離婚の具体的な対応策をアドバイスしてもらいたいならば、弁護士等の専門家に相談した方がよいでしょう。

親身になって対応してくれるか

友人や知人に離婚の相談をしても構いませんが、離婚経験のない人に相談しても、満足な回答は得られない場合があります。

たとえ離婚経験のある友人がいても、「もうあのことは忘れたい。」「仕事が忙しく話につきあえない。」と断られ、親身な対応をしてくれるとは限りません。

有料になる場合が多いものの、弁護士等に相談した方が、親身に話を聴き、次に何をするべきかを回答するため安心です。

離婚問題の対応実績が豊富か

離婚問題を弁護士に相談する場合は、実績豊富な弁護士かどうかを確認してから法律事務所を訪問しましょう。

主にホームページを確認すれば、離婚問題の交渉や調停・裁判に経験豊かな弁護士かがわかります。

次の点をチェックしてみましょう。

  • 離婚相談の実績数が具体的に明記されている
  • ホームページ内に離婚問題の話題や事例が数多く掲載されている
  • 離婚手続きの流れや、弁護士費用がわかりやすく掲示されている

なお、相談のときにも担当者がこちらの話しをしっかりと聴き、丁寧に回答してくれたかを確認しておきましょう。
誠実な人物と判断できたなら、依頼して継続的に相談するのがよいといえます。

まとめ

今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚を相談するとき押さえるポイント等について詳しく解説しました。

自分にとってより有益なアドバイスを得たいならば、離婚問題の専門家に相談した方がよいでしょう。

離婚を決意したならば、まずは弁護士に相談し、今後の対応を話し合ってみてはいかがでしょうか。

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