【離婚】別れてくれないときの対処法|冷静に進めるための全手順

最終更新日: 2026年04月09日

「離婚したい」と伝えても、相手が「絶対に別れない」と一点張り…。

先の見えない状況に、精神的に追い詰められていませんか?

相手が離婚に応じてくれない場合、感情的に対立しても話はこじれるばかりです。しかし、法的な手順を踏めば、相手の同意がなくても離婚を成立させることは可能です。

この記事では、相手が離婚を拒否する理由や心理を理解したうえで、冷静かつ着実に離婚を進めるための手順を、離婚問題に詳しい専門家の視点から徹底解説します。

一人で抱え込まず、正しい知識を身につけて、次の一歩を踏み出しましょう。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士
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目次

なぜ相手は別れてくれないのか?考えられる5つの理由と心理

相手の頑なな態度の裏には、様々な理由や心理が隠されています。

まずは相手の気持ちを理解することが、交渉の糸口を見つける第一歩です。

愛情や関係修復への期待がある

あなたへの愛情が残っており、「まだやり直せるはずだ」と関係修復を期待しているケースです。

離婚の申し出がショックで、現実を受け入れられていないのかもしれません。「自分に悪いところがあったなら直すから」と謝罪してきたり、話し合いを避けたりするのは、関係が終わることを受け止めきれない心理の表れです。

経済的な不安や不利益を避けたい(財産分与・慰謝料など)

離婚後の生活に対する経済的な不安が、離婚拒否の大きな原因になることがあります。

特に、専業主婦(主夫)で収入がない、あるいは少ない側は、離婚後の住まいや生活費の工面に強い不安を感じます。
逆に、収入が多い側が、財産分与で資産が減ることや、慰謝料・養育費の支払いを避けたいがために離婚を拒否するケースも少なくありません。

子どもの将来を心配している

「子どものために両親は揃っているべきだ」という考えから、離婚に反対するケースも非常に多いです。

子どもを片親にしてしまうことへの罪悪感や、離婚による子どもへの精神的な影響を心配しています。

また、親権をどちらが持つかで対立し、「子どもと離れたくない」という気持ちから離婚そのものを拒否することもあります。

世間体やプライドが邪魔をしている

「離婚=失敗」という価値観が根強く、親族や会社、友人など周囲への体面を気にして離婚に応じないことがあります。

特に、相手から離婚を切り出されたことに対してプライドが傷つき、「自分が捨てられるなんて許せない」という怒りや意地から頑なに拒否するパターンです。

離婚の提案を本気だと思っていない・向き合いたくない

これまでの夫婦喧嘩の延長線上だと捉え、あなたの離婚の意思を本気にしていない可能性があります。

「どうせ時間が経てば収まるだろう」と高をくくっているのです。

また、離婚という重い問題に正面から向き合うのが面倒で、話し合いそのものを避けたいという逃避の心理が働いている場合もあります。

離婚交渉で不利になる!やってはいけないNG行動

離婚を焦るあまり、誤った行動をとってしまうと、かえって立場が不利になることがあります。

以下の行動は絶対に避けましょう。

感情的に相手を責める・暴力をふるう

相手の非を感情的に責め立てても、相手は心を閉ざし、話し合いは進みません。

むしろ、相手を逆上させ、事態を悪化させるだけです。

暴言や暴力は論外であり、DV(ドメスティック・バイオレンス)として警察沙汰になったり、相手から慰謝料を請求されたりする原因になります。

相手の同意なく勝手に離婚届を提出する

相手が署名・捺印していない離婚届を偽造して役所に提出することは、有印私文書偽造罪という犯罪にあたります。

たとえ受理されたとしても、相手から「離婚無効確認調停(訴訟)」を起こされれば、その離婚は無効になります。絶対にやってはいけません。

一方的に家を出て連絡を絶つ(悪意の遺棄)

DVやモラハラから避難するなど正当な理由なく、一方的に家を出て生活費も渡さず、連絡を完全に絶ってしまうと、「悪意の遺棄」とみなされる可能性があります。

悪意の遺棄は法律で定められた離婚原因(法定離婚事由)の一つであり、これを行うとあなたは「有責配偶者(離婚の原因を作った側)」となり、相手からの慰謝料請求の対象になったり、あなた自身からの離婚請求が認められにくくなったりするリスクがあります。

離婚成立前に他の人と性的関係を持つ(不貞行為)

まだ離婚が成立していない(戸籍上は夫婦である)段階で、他の人と性的関係を持つと「不貞行為」にあたります。

これも法定離婚事由の一つであり、あなたが有責配偶者となってしまいます。

相手に離婚の口実と慰謝料請求の権利を与えてしまう最悪の行動です。

別れてくれない相手と離婚するための3ステップ

相手が離婚に同意しない場合、法的な手続きは以下の3ステップで進めるのが基本です。

いきなり裁判はできず、原則として調停を経る必要があります(調停前置主義)。

  • ステップ1:協議離婚を目指す話し合い
    まずは夫婦間での話し合いによる「協議離婚」を目指します。あくまで冷静に、お互いが納得できる条件での合意を目指す段階です。

  • ステップ2:家庭裁判所での離婚調停
    協議で合意に至らない場合、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てます。調停委員という第三者を介して、離婚の合意や条件について話し合います。

  • ステップ3:最終手段としての離婚裁判(訴訟)
    調停でも合意できない(不成立となった)場合、最終手段として「離婚裁判(訴訟)」を起こします。裁判官が、法律に基づいて離婚を認めるかどうかの判決を下します。

【ステップ1】協議離婚に向けた話し合いの進め方

最初のステップである協議離婚を円滑に進めるためのポイントを押さえましょう。

離婚の意思が固いことを冷静に伝える

感情的にならず、「もう愛情はなく、夫婦関係を修復する意思はない」「離婚の決意は固い」ということを、毅然とした態度で冷静に伝えましょう。

泣いたり責めたりすると、相手に「まだ気持ちがあるのでは」と期待させてしまい、話し合いが進まなくなります。

離婚後の生活設計や条件を具体的に提示する

相手が抱える経済的な不安や子どもへの心配を解消するため、こちらから具体的な条件を提示することが有効です。

例えば、財産分与の案、養育費の金額や支払い方法、子どもとの面会交流のルールなどを具体的に示しましょう。

これにより、相手も離婚後の生活をイメージしやすくなり、現実的な話し合いに応じる可能性が高まります。

別居を提案し、距離を置く

話し合いが平行線をたどる場合は、一旦別居して冷却期間を置くのも一つの方法です。物理的に距離を置くことで、お互いが冷静に将来について考える時間を持てます。

また、「別居してでも離婚したい」というあなたの強い意志を相手に示す効果もあります。

ただし、家を出る際は置き手紙などで意思を伝え、生活費(婚姻費用)の分担について話し合うなど、「悪意の遺棄」とみなされないよう注意が必要です。

話し合いの内容を記録に残す

話し合いの際は、ICレコーダーで録音したり、詳細なメモを取ったりして、内容を記録に残しましょう。

メールやLINEでのやり取りも重要な記録になります。

これにより、「言った・言わない」のトラブルを防げるだけでなく、後の調停や裁判で、話し合いの経緯を示す証拠として役立ちます。

【ステップ2】離婚調停を有利に進めるポイント

協議での解決が難しい場合は、次のステップである離婚調停に進みます。

離婚調停とは?手続きの流れと費用

離婚調停は、家庭裁判所において、男女各1名の調停委員が夫婦の間に入り、離婚に向けた話し合いを仲介してくれる手続きです。

夫婦が直接顔を合わせることなく、別々の待合室で待機し、交互に調停委員と話をします。
手続きは、相手の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書を提出することから始まります。

費用は、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手代(数千円程度)で、弁護士に依頼しない限りは比較的安価です。

調停委員を味方につけるための準備

調停委員は中立な立場ですが、どちらの言い分に説得力があるか、共感できるかを判断しています。

感情的に相手を罵倒するのではなく、「なぜ離婚したいのか」「これまでどのような努力をしてきたのか」「離婚後の生活をどう考えているのか」を、時系列に沿って具体的かつ客観的に説明することが重要です。
婚姻関係が破綻していることを示すメモや日記、写真、メールなどの資料を準備し、自分の主張をまとめた「陳述書」を作成しておくと、調停委員にあなたの状況が伝わりやすくなります。

調停が不成立になった場合の選択肢

調停はあくまで話し合いの場なので、相手が最後まで離婚を拒否したり、条件面で合意できなかったりした場合は「不成立」として終了します。

調停が不成立になった場合、自動的に裁判になるわけではありません。

選択肢は、①離婚裁判を起こす、②もう一度夫婦で話し合う、③離婚を一旦諦める、などです。

【ステップ3】離婚裁判で離婚を認めてもらうには?

調停が不成立に終わった場合の最終手段が離婚裁判です。

法的に離婚が認められる「法定離婚事由」とは

裁判で離婚を成立させるには、相手の同意は必要ありません。その代わり、民法で定められた5つの「法定離婚事由」のいずれかが存在することを、離婚を求める側が証拠によって証明する必要があります。

  • 不貞行為: 配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つことです。
  • 悪意の遺棄: 正当な理由なく、夫婦の同居・協力・扶助の義務を果たさないことです。(例:生活費を渡さない、一方的に家を出て帰ってこない)
  • 3年以上の生死不明: 配偶者の生死が3年以上わからない状態です。
  • 回復の見込みがない強度の精神病: 配偶者が重い精神病にかかり、夫婦としての協力義務が果たせない状態です。専門医の診断が必要で、単に精神病というだけでは認められにくいです。
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由: 夫婦関係が破綻し、回復の見込みがない状態を指します。
    具体的には、長期間の別居、DV(身体的・精神的暴力)、モラハラ、性の不一致、浪費、親族との深刻な不和などがこれにあたります。
    別居期間が3年~5年程度に及ぶと、他の理由がなくても婚姻関係の破綻が認められやすくなる傾向があります。

離婚裁判で重要となる「証拠」の集め方

裁判では、主張を裏付ける「客観的な証拠」が全てです。

法定離婚事由があることを証明できなければ、裁判官は離婚を認めてくれません。以下のような証拠を、できるだけ多く集めておくことが重要です。

  • 不貞行為の証拠: 探偵の調査報告書、肉体関係を示す写真や動画、ラブホテルの領収書、メールやLINEのやり取りなど
  • DV・モラハラの証拠: 暴言の録音データ、ケガの写真や医師の診断書、警察への相談記録、詳細な日記など
  • 悪意の遺棄の証拠: 送金を停止したことがわかる預金通帳、家出の際に残された置き手紙など
  • 長期間の別居の証拠: 別居後のアパートの賃貸借契約書、日付の入った公共料金の領収書など

離婚問題で悩んだら弁護士に相談するメリット

相手が離婚に応じてくれないケースでは、当事者だけで解決するのは非常に困難です。

精神的な負担も大きいため、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

相手との交渉窓口になり、精神的負担を軽減できる

弁護士に依頼すれば、あなたの代理人として相手との交渉窓口になってくれます。

相手と直接顔を合わせたり、連絡を取り合ったりする必要がなくなるため、精神的なストレスが大幅に軽減されます。

法的手続きを迅速かつ有利に進められる

離婚調停や裁判には、専門的な知識と煩雑な手続きが必要です。

弁護士は、あなたの状況に合わせて最適な戦略を立て、申立書や主張書面などの書類作成から裁判所への出廷まで、全ての手続きを代行してくれます。

これにより、手続きをスムーズに進め、あなたにとって有利な結果を引き出す可能性が高まります。

慰謝料や財産分与で損をしないためのアドバイスがもらえる

離婚の際には、慰謝料、財産分与、養育費、年金分割など、決めなければならないお金の問題が山積みです。

弁護士は、法的な根拠に基づいて適正な金額を算出し、あなたが受け取るべき権利を最大限主張してくれます。

相手の言いなりになって損をしてしまう事態を防ぐことができます。

まとめ

配偶者に離婚を拒否され、「別れてくれない」という状況は非常につらく、孤独を感じるかもしれません。しかし、感情的にならず、正しい手順を踏めば、必ず解決の道は見えてきます。

まずは冷静な話し合い(協議)を目指し、それが難しければ家庭裁判所での調停、そして最終手段としての裁判というステップを理解しておきましょう。そして何より重要なのは、離婚原因を証明するための「証拠」です。

一人で交渉や手続きを進めるのが難しい、精神的に限界だと感じたら、決して無理をせず、離婚問題の専門家である弁護士に相談してください。専門家の力を借りることが、あなたの新しい人生への第一歩を確実なものにしてくれるはずです。

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