不倫しても離婚しない理由や離婚回避の方法を専門弁護士が解説

最終更新日: 2023年12月20日

不倫しても離婚しない理由や離婚回避の方法を専門弁護士が解説

  • 不倫してしまったけど離婚しないことはできる?
  • 不倫した配偶者から離婚を求められたらどうする?
  • 不倫した配偶者と離婚しないでやり直す方法は?

不倫が発覚すると、ともに離婚は考えない夫婦もあれば、一方は離婚を望み、他方は離婚をしたくないと考える夫婦もあります。離婚はせずに夫婦関係を続けていくためにはどうすれば良いのか、初めてのことで悩んでしまうのはもっともでしょう。

今回は不倫問題を数百件解決してきた専門弁護士がその知識、経験を踏まえ、不倫があった場合に離婚しない方法について解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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不倫したのに離婚しない理由5選

不倫をされたのに離婚をしない配偶者もいます。不倫をされて怒り、傷ついたにもかかわらず離婚しない理由にはいくつかあります。ここではその代表的な理由を5つご紹介します。

不倫されたのに離婚しない理由5選
  1. あくまで遊びだから
  2. 生活できなくなるから
  3. 子どもがいるから
  4. それでも愛しているから
  5. 幸せにさせたくないから

あくまで遊びだから

まずは、不倫はあくまで軽い気持ちの遊びだったから大目に見て離婚しないという理由です。

不倫関係が離婚も辞さない真剣なものであれば看過する配偶者はいないでしょうが、遊びであれば、初犯か否かにもよるかもしれませんが、大目に見て離婚しない配偶者も多いところです。

生活できなくなるから

不倫をした配偶者との信頼関係は崩壊し、今すぐにでも離婚をしたいのが本音ではあるものの、生活していくことができないので離婚しないという理由です。

家事育児に専従してきたことから、離婚をして直ぐに自立できる職に就くことは難しく、お金のことさえなければ離婚をしたいのに離婚ができないという配偶者はとても多くおられます。

子どもがいるから

3つ目は、子どもの存在です。

2番目の理由と同様に子育てがあり仕事に就くことができないという理由もあります。また、子どもにとっては良い親であり、片親になって子どもに辛い思いをさせたくないという理由もあります。

子どもが理由で離婚に踏み切れないという夫婦もとてもよく見られるところです。

それでも愛しているから

4つ目は、裏切られたけれども愛しているから離婚しないという理由です。

不倫をされたことは許せないけれども、それ以外の面は愛しているから、離婚をして、離れ離れになることは考えられないという方もおられます。

幸せにさせたくないから

最後は、不倫をした配偶者を幸せにさせたくないから離婚しないという理由です。

離婚をすれば配偶者は不倫相手と楽しく交際し、いずれは再婚して幸せになるかもしれません。自分は裏切られ、辛い人生を送っているにもかかわらず、加害者である配偶者がそのように幸せになることは許せないと考え、離婚しないのです。

不倫しても離婚しないためには?

このように不倫はされたけれども離婚しない配偶者もいれば、不倫をしてしまったけれども離婚はしなくないという配偶者もいます。

このように不倫が原因で離婚しないためにはどうすればよいのでしょうか。それぞれの立場からご説明します。

不倫されたけど離婚したくない

不倫をされたけれども離婚したくない場合には、離婚を拒否すれば良いだけです。なぜなら、裁判実務上、不倫をした配偶者からの離婚請求は認められていないからです。不倫をされた配偶者が了承しない限り、離婚は成立しないのです。

もっとも、生涯離婚ができないということではなく、概ね10年ほどが経てば、不倫をした配偶者からの離婚も認められる可能性があります。

また、離婚はしたくないけれども、不倫をした配偶者と一緒に生活はしたくないという方もおられるでしょう。その場合は自分が自宅を出る、又は不倫をした配偶者に自宅を出てもらうことによって別居をしましょう。

不倫をした配偶者の方が所得が多い場合には、別居期間中、婚姻費用といって生活費を毎月支払ってもらうことができます。

不倫したけど離婚したくない

出来心からしてしまった不倫を後悔し、反省し、大切に思っている配偶者との離婚はしたくないという方もおられます。

不倫は法律上、離婚原因として規定されています(民法第770条1項1号)。そのため、不倫をされた配偶者は訴訟をして強制的に離婚することが可能です。

そのため、離婚をしたくない場合には、配偶者に離婚を思いとどまってもらうしか離婚を回避する方法はありません。誠心誠意の謝罪をすることはもちろん、離婚しないでもらうために配偶者が望むことは何でもする必要があるでしょう。

ただし、不倫を認めていない、かつ不倫の証拠がないという場合には、離婚を避けるために不倫を否定するという方法も考えらます。この場合、離婚は回避できるでしょうが、夫婦間の信頼関係は崩壊、破綻し、それまでの結婚生活を取り戻すことは困難でしょう。

不倫しても離婚しないでやり直す契約

不倫があったけれども離婚をせず、夫婦関係を修復、やり直していく決断をすることもあるでしょう。この場合には一つのケジメとして夫婦間契約を交わすことをお勧めします。

夫婦関係をやり直す条件や万が一再び不倫をしたときの離婚条件などを契約します。例えば、以下のような内容です。

  • 求められたら直ぐに携帯電話を見せること
  • 携帯電話のGPS情報を共有すること
  • 不倫したときは離婚すること
  • 離婚時の慰謝料は500万円とすること
  • 財産分与は不倫をした配偶者は2割とすること
  • 養育費は通常の1.5倍の金額とすること

夫婦間契約は内容や作成方法によっては法的効力が否定される可能性がありますので、必ず、弁護士に作成を依頼しましょう。

不倫で離婚しない場合も慰謝料請求できる?

さて、ここまでは夫婦が離婚するかしないかの問題についてご説明しましたが、最後に、不倫の慰謝料請求についてもご説明しておきます。

不倫相手に対して慰謝料請求ができるということや、離婚するときには配偶者に慰謝料請求ができることはご存じかと思います。実は、慰謝料請求は離婚しない場合にも、配偶者に対してすることができるのです。

多くの場合夫婦で家計は一緒ですから、不倫をした配偶者に慰謝料を請求しても意味がないということになりますので、離婚しない場合に配偶者に慰謝料請求をするケースは少ないです。

しかし、家計が別の場合にはこの点は当てはまりません。また、慰謝料の支払方法は必ずしも現金である必要はありませんので、例えば、自宅の共有持分を譲渡してもらう、配偶者の所有する高価品をもらうことで慰謝料の支払いとすることもできます。

不倫で離婚する場合と離婚しない場合の慰謝料相場

不倫の慰謝料の相場についても確認をしておきましょう。

不倫で離婚する場合には200万円、離婚しない場合には100万円が基本です。

そして、婚姻期間や不倫期間の長短、子どもの有無、従前の夫婦関係の良し悪し、不倫後の夫婦関係への影響などの諸々の事情を考慮して、上記の金額から増減して、最終的な慰謝料金額が決まります。

例えば、離婚しない場合で、婚姻期間が1年未満、不倫が1回だけというケースであれば、慰謝料の相場は50万円から70万円ほどです。

まとめ

以上、不倫があった場合に離婚しない方法について解説しました。

配偶者から離婚を求められて困っているという方、夫婦間契約をつくりたいという方、離婚はしないけれども不倫の慰謝料を請求したいという方、いずれも不倫問題を専門とする弁護士にご相談ください。

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