弁護士法人 春田法律事務所

不倫慰謝料は離婚しない場合も請求できる!?弁護士が解説

不倫慰謝料は離婚しない場合も請求できる!?弁護士が解説

2021年09月21日

離婚しない場合も不倫相手に慰謝料は請求できる?
離婚しない場合の不倫慰謝料の相場は?
離婚しないで不倫慰謝料を請求する場合に注意することはある?

配偶者の不倫が発覚しても様々な理由で離婚しない夫婦は多く見られます。そのように離婚しない場合も不倫をした配偶者や相手に対して何らの制裁を与えるために不倫慰謝料を請求したいと考えるのはもっともなことです。

そこで今回は不倫問題を数百件解決してきた専門弁護士が、離婚しない場合の不倫慰謝料の請求について解説します。

この記事を監修したのは

春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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不倫慰謝料は離婚しない場合も請求できる?

まずは、離婚しない場合でも不倫慰謝料を不倫相手に請求することができるのか、不倫をした配偶者にも請求できるのか、そして、両者から二重取りは可能なのかについて、以下ご説明します。

  • 不倫相手には当然請求できる
  • 配偶者にも請求できる
  • 両方から二重取りはできない

不倫相手には当然請求できる

不倫慰謝料の根拠は、以下の民法第709条にあります。

「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
不倫は、民法上、不貞行為といい、不貞行為とは、婚姻共同生活の平穏という「他人の権利又は法律上保護される利益」を侵害する行為をいいます。婚姻共同生活の平穏を侵害するものであればよく、離婚したことは要件ではありません。

よって、離婚しない場合も不倫相手に対しては当然に不倫慰謝料を請求することができます。

配偶者にも請求できる

不倫は不倫相手と不倫をした配偶者との共同の不法行為であり、二人は連帯責任として、不倫をされた配偶者に対して不倫慰謝料を支払う義務を負います。

このように連帯責任を負っていることから、不倫をされた配偶者は、不倫相手に対しても、不倫をした配偶者に対しても不倫慰謝料を請求することができます。

離婚をしない場合に夫婦間で慰謝料請求がなされることが少ないのは、家計が同じであるために不倫慰謝料を請求しても家計の中でお金が動くだけであって無意味だからです。そのため、家計が別の夫婦であれば夫婦間で慰謝料請求がなされることはあるでしょう。

不倫慰謝料は必ずしも現金で支払う必要はありません。例えば、不倫をした配偶者の高価な時計やジュエリーを不倫慰謝料としてもらっても良いですし、自宅不動産の共有持分を不倫慰謝料としてもらっても構いません。

このように現物で支払ってもらうのであれば、家計が同じであっても夫婦間で不倫慰謝料を請求する意味があります。

両方から二重取りはできない

先ほど、不倫をした配偶者にも不倫相手にも不倫慰謝料を請求できるとご説明しましたが、これは両方から不倫慰謝料を二重取りできるという意味ではありません。

例えば、相場の不倫慰謝料が100万円の場合に、不倫相手からも不倫をした配偶者からも100万円ずつをもらえるということではありません。不倫相手と不倫をした配偶者から支払ってもらえる不倫慰謝料の合計が100万円となります。

もっとも、これは法律上の建前であって、現実には不倫相手と不倫をした配偶者が、他方が不倫慰謝料を支払ったことを知らずに支払ってしまい、結果として不倫をされた配偶者が二重取りしてしまうケースがあります。二重取りをしたとはいえ取り返すことはできません。

離婚しない場合で不倫慰謝料を請求できないケース

このように離婚しない場合も不倫慰謝料を請求することはできるのですが、必ず請求できるわけではありません。ここでは、不倫慰謝料を請求できないケースについて確認しておきましょう。

不倫慰謝料を請求できないケース
  1. 不倫相手がわからない
  2. 既婚者と知らなかった
  3. 夫婦関係が破綻している
  4. 時効が完成している

不倫相手がわからない

不倫相手に慰謝料請求するためには、不倫相手の氏名と住所又は勤務先の情報が必要です。

これらがわからない場合も不倫相手の携帯電話番号がわかるときは、弁護士に依頼をすれば、携帯電話会社に照会し、不倫相手の氏名と登録された住所を調べることが可能です。

既婚者と知らなかった

先ほどご紹介しました民法の条文には「故意又は過失によって」とありました。関係をもっている相手が独身だと不倫相手が思っていた場合には故意に不倫をしたわけではありませんので、不倫慰謝料を請求することはできません。

もっとも、既婚者ではないかと疑ってしかるべきであったのに漫然と独身と信じていた場合には過失がありますので、不倫慰謝料を請求することができます。

夫婦関係が破綻している

不倫とは、婚姻共同生活の平穏を侵害する行為です。そのため、夫婦関係が既に破綻していた場合には、婚姻共同生活の平穏は既にありませんので、不倫慰謝料を請求することはできません。

ただし、この「破綻」とは、一般的な感覚の破綻とは異なり、夫婦喧嘩が多かったという程度では「破綻」とは認められません。既に別居して2、3年が経過していたという場合には「破綻」が認められる可能性があります。

時効が完成している

4つ目は、時効が完成している場合です。

不倫慰謝料の請求権は、不倫の事実と不倫相手を知ってから3年、不倫のときから20年出時効が完成します(民法第724条)。時効が完成しますと不倫慰謝料を請求することはできなくなります。

不倫発覚当初は請求を考えていなかったけれども、数年後にやはり責任を取らせたいと思って不倫慰謝料を請求したところ、既に時効が完成していたというケースはしばしばあります。

不倫慰謝料を離婚しないで請求する場合は求償権に注意!

不倫慰謝料は離婚しない場合も不倫相手に請求することができますが、求償権には注意しましょう。

先ほどご説明しましたとおり、不倫慰謝料は不倫をした配偶者と不倫相手が連帯責任として支払う義務を負います。

そのため、例えば、不倫相手が不倫慰謝料100万円を支払った場合、その半分は不倫をした配偶者のために立て替えたことになり、そのうち50万円を自分に支払うよう不倫をした配偶者に対して請求することができます。

これを求償請求といい、求償請求する権利を求償権といいます。

このように不倫をされた配偶者は不倫相手から100万円を支払ってもらい解決したと思っていたところ、配偶者に50万円を求償請求されてしまい、家計単位で考えると結局、50万円を不倫相手から支払ってもらったのと変わらなくなってしまうのです。

この求償権は不倫相手が放棄することに応じれば放棄させることができますので、示談をする際には、不倫相手に求償権を放棄するよう求めることが重要です。

不倫慰謝料を離婚しないで請求するときの流れ

次に、不倫慰謝料を請求するときの具体的な流れについてご説明します。

請求するときの流れ
  1. 不倫の証拠を確認
  2. 相手に連絡
  3. 示談書の作成
  4. 訴訟

不倫の証拠を確認

不倫慰謝料を請求したところ相手が不倫を否定してくる可能性がありますので、請求をする前に証拠を確保しておきましょう。

配偶者の携帯電話から性交渉の動画や写真が見つかることがあります。このような証拠は不倫の直接的な証拠となります。また、性交渉がわかるLINEなどのメッセージのやり取りが見つかることもあります。

これらの証拠が見つからないときは、探偵に依頼をして、ホテルや不倫相手の自宅へ出入りする証拠を得るようにします。探偵の調査費用をできる限り節約するためには、二人が会うであろう日をできる限り特定した上で依頼することが重要です。

相手に連絡

証拠が集まったら、いよいよ相手に対して不倫慰謝料を請求する連絡をします。

連絡方法としては電話やLINEで連絡しても構いませんが、内容証明を送ると本気度が伝わり、交渉を有利に進められる可能性があります。

関連記事:高く払わせる不倫の内容証明と受領時の対処法を弁護士が解説:春田法律事務所

示談書の作成

相手と慰謝料の支払いについて話がついたら示談書を作成します。

示談書には慰謝料の支払いについてのほか、交際関係を解消すること、配偶者と接触しないこと、これらに違反したときの違約金を定めます。

訴訟

一方、相手が慰謝料の支払いを拒否する、相場よりも低い金額しか提示して来ない場合には、裁判所に訴訟を提起します。証拠がない場合には調停を申し立てることがありますが、証拠がある場合には訴訟を選択します。

訴訟というと長期になるイメージがあるかもしれませんが、慰謝料金額だけが争点の場合には3回以内の裁判期日で和解に至るケースが多く、その場合、2、3か月で裁判は終わります。

 

関連記事:不倫・浮気の慰謝料請求の流れ:春田法律事務所

不倫慰謝料の離婚しない場合の相場は?

不倫慰謝料を請求する流れについてご説明しましたが、ここでは離婚しない場合の不倫慰謝料は幾らが妥当なのか、その相場についてご説明します。

不倫慰謝料は離婚する場合は200万円、離婚しない場合は100万円が基本となります。婚姻期間や不倫期間の長さ、子の有無、不倫における妊娠・出産など様々な事情を考慮してこの基本金額から慰謝料は増減し、最終的な慰謝料が決定します。

離婚しない場合であっても不倫期間が20年以上にわたり、不倫相手が子を妊娠・出産したようなケースでは500万円の慰謝料が認められたケースもあります。

もっとも、このようなケースは例外で、離婚しない場合には、100万円前後が相場といえます。

不倫慰謝料を離婚しないで請求した事例

離婚しないで不倫慰謝料を請求した事例についていくつか見てみましょう。

不倫相手に慰謝料100万円を支払わせた事例

夫が出会い系サイトで知り合った女性と約1年にわたり不倫をしていたことが発覚し、奥さんは不倫相手に不倫慰謝料を請求するために弁護士に依頼をしました。

離婚しない場合で不倫期間は約1年でしたから相場は100万円ほどですが、請求金額は高めに設定し200万円としました。

ダブル不倫のケースで不倫相手には夫がいました。不倫相手の夫に不倫がばれてしまうと、こちらの夫も不倫慰謝料を請求されることになるため、自宅に内容証明を送るのではなく、弁護士から不倫相手に電話をして交渉を始めました。

当初不倫相手は200万円の支払いには難色を示していたものの、夫に知られる前に早期に解決することを希望したため、最終的には150万円を6回に分割して支払う内容にて和解が成立しました。

150万円を支払ってもらった後に、こちらの夫に75万円の求償請求をされては困りますので、求償権も放棄することも和解条件としました。

別居中の配偶者に慰謝料150万円を支払わせた事例

妻の里帰り出産中に夫が不倫をしていたことが発覚し、子どもと一緒に実家に戻って別居を始めて3か月が経ちました。

不倫相手についてはSNSのアカウントしかわからないため、不倫慰謝料を請求することができません。実家暮らしとはいえお金が要ることから、夫に対して婚姻費用の請求と慰謝料の請求をするために弁護士に依頼をしました。

婚姻費用については家庭裁判所の計算方法に従い毎月13万円と決まりました。

不倫慰謝料の相場は120万円、130万円ほどでした。早期解決を希望していたことから、相場とさほど変わらない150万円を請求したところ夫は争うことなく150万円を支払うことで合意しました。

150万円は一括で支払いを受け、婚姻費用について支払いが滞った場合に備えて公正証書を作成しました。

不倫慰謝料を離婚しないで請求する場合のよくある質問

最後に、離婚しない場合の不倫慰謝料請求に関してよくある質問について回答いたします。

  • 離婚前提の不倫慰謝料をもらえることは?
  • 離婚をやめたときは不倫慰謝料は下がる?
  • 離婚するときは配偶者からも慰謝料がもらえる?
  • 配偶者にも請求していたら求償請求できない?

離婚前提の不倫慰謝料をもらえることは?

離婚は未だ成立していない場合にも離婚を前提とした慰謝料金額が認められることはあるのでしょうか。

離婚するつもりでいても行動に現れない限り、裁判所は離婚前提の慰謝料を認めてくれません。そのため、弁護士に依頼をして離婚協議をしている、離婚調停を申し立てているという事情が必要となります。

しかし、離婚協議、離婚調停をしても結局、離婚に至らないケースもしばしばあります。

そのため、必ずしも離婚した場合と全く同じレベルの慰謝料が認められるとは限りませんが、離婚協議や離婚調停の内容から間もなく離婚が成立するであろうと認められる場合には離婚前提の慰謝料が認められることがあります。

離婚をやめたときは不倫慰謝料は下がる?

当初は離婚するつもりで不倫相手に離婚前提での慰謝料金額を請求していたものの、その後、夫婦関係を継続することになった場合、不倫相手から支払ってもらう慰謝料金額は下がるのでしょうか。

この場合、離婚はしないのですから慰謝料金額は下がります。もっとも、不倫相手がそのことを知らずに離婚前提での慰謝料を支払う場合があります。

この場合、たとえ和解成立後に実は離婚しないことを知ったとしても、和解が成立してしまった以上、不倫相手は離婚前提での慰謝料を払う必要があります。

離婚するときは配偶者からも慰謝料がもらえる?

以前に不倫相手から不倫慰謝料を支払ってもらっており、今回、配偶者と離婚することになった場合、配偶者からも慰謝料を支払ってもらえるのでしょうか。

不倫で離婚する際の慰謝料の内訳は、不倫慰謝料と離婚慰謝料です。離婚慰謝料とは離婚することによって受ける精神的苦痛に対する慰謝料です。

既に不倫相手から不倫慰謝料について十分に支払われている場合には、配偶者から追加で不倫慰謝料を支払ってもらうことはできません。

しかし、離婚することによる精神的苦痛に対する慰謝料である離婚慰謝料については、追加で支払ってもらうことが可能です。この離婚慰謝料はケースにもよりますが、概ね100万円から200万円の間に収まります。

配偶者にも請求していたら求償請求できない?

先ほどご説明しましたとおり、不倫をされた配偶者に不倫慰謝料を支払った不倫相手は、不倫の当事者である、不倫をした配偶者に対して求償請求ができます。

しかし、もし不倫をした配偶者も慰謝料を支払っていた場合、不倫をした配偶者も不倫相手に求償請求ができますので、相殺になってしまうのではないでしょうか。

結論としては、その通りで、お互いに支払った金額が同じであれば、相殺になります。

このような事態を回避するためには、慰謝料を支払う前に不倫をした配偶者に対し、これから慰謝料を支払う旨を連絡しておく必要があります。

この連絡をしたにもかかわらず、夫婦間でも不倫慰謝料の支払いがあったのであれば、不倫をした配偶者が勝手に不倫慰謝料を支払い過ぎただけです。そのため、不倫をした配偶者から不倫相手への求償請求は認められませんので、相殺とはなりません。

まとめ

以上、離婚しない場合の不倫慰謝料について解説しました。

離婚しないけれどもできる限り多くの不倫慰謝料を不倫相手に支払わせたい、離婚しないのに高額な不倫慰謝料を請求された、いずれの場合も最善の解決をするためには不倫問題を専門とする弁護士にご相談ください。

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この記事を監修したのは

春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
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