【弁護士監修】薬物事件の罰則一覧|逮捕後の処分の流れと対処法

最終更新日: 2026年04月16日

麻薬で逮捕されたらどうなる?知るべき基礎知識・周りへの影響・弁護活動を徹底解説!

「家族が突然、薬物所持で逮捕されてしまった」「職務質問で大麻が見つかり、今後どうなるのか不安でたまらない」

薬物事件は、たとえ初犯であっても厳しい罰則が科される重大な犯罪です。

覚醒剤や大麻、コカインなど、扱う薬物の種類によって適用される法律は異なり、さらに2024年からは大麻の「使用罪」が新設されるなど、規制は年々厳格化しています。

逮捕されると、最大で23日間もの長期間にわたって身柄を拘束される可能性があり、早期に適切な対応をとらなければ、実刑判決や解雇・退学といった社会的な破滅を招きかねません。

本記事では、弁護士監修のもと、各種薬物事件の罰則一覧から逮捕後の流れ、そして執行猶予の獲得や早期釈放に向けた具体的な対処法を詳しく解説します。

大切な人の未来を守るために、今すべきことを正しく理解しましょう。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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目次

薬物事件で問われる罪と罰則一覧

薬物事件を取り締まる法律の種類

薬物事件は、使用・所持・譲渡・製造などの行為に対して厳しく罰せられますが、対象となる薬物の種類によって適用される法律が異なります。

主に「覚醒剤取締法」「大麻取締法」「麻薬及び向精神薬取締法」「あへん法」「医薬品医療機器等法(旧薬事法)」の5つの法律によって規制されています。

それぞれの法律で規定されている罰則は異なり、依存性や社会への悪影響の大きさによって刑の重さが変わってきます。

【薬物別】行為ごとの罰則

覚醒剤取締法違反

覚醒剤は依存性が極めて高く、幻覚や妄想を引き起こす危険な薬物です。そのため罰則も非常に重く設定されています。

個人の使用、所持、譲り受け・譲り渡しの場合、10年以下の懲役が科されます。

罰金刑の規定がないため、起訴されれば有罪判決(実刑または執行猶予)となり、非常に厳しい処罰が下されます。

大麻取締法違反(2024年施行の新法も解説)

大麻の所持や譲り受け・譲り渡しは、5年以下の懲役が科されます。

また、大麻取締法の改正(2024年施行予定)により、これまで処罰の対象外であった「使用」についても罰則が設けられることになり、7年以下の懲役が科される可能性があります。

大麻に関する規制は年々厳格化しており、「若者の間で広まっているから」といった軽い気持ちでの関与は一生を棒に振る結果を招きます。

麻薬及び向精神薬取締法違反(コカイン・MDMAなど)

コカインやMDMA、LSD、ヘロインなどはこの法律で規制されます。

コカインやMDMAの所持・使用・譲渡は、7年以下の懲役となります。

一方、ヘロインは特に危険性が高いため罰則が重く、所持や使用で10年以下の懲役が科されます。

あへん法違反

あへんやけしの所持、吸食などはあへん法によって処罰されます。

あへんを吸食した場合、または吸食の目的で所持した場合は、7年以下の懲役が科されます。

医薬品医療機器等法違反(危険ドラッグなど)

いわゆる「危険ドラッグ」は、医薬品医療機器等法(旧薬事法)における「指定薬物」として規制されています。

指定薬物の所持、使用、購入、譲り受けは、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。

営利目的の有無で刑罰は大きく変わる

薬物事件において、自分で使用するため(単純所持・使用)か、売却して利益を得るため(営利目的)かによって、刑罰の重さは劇的に変わります。

営利目的での輸入、輸出、製造、譲渡などが発覚した場合、懲役刑の上限が引き上げられるだけでなく、多額の罰金刑が併科されることがほとんどです。

たとえば覚醒剤の営利目的輸入の場合、無期または3年以上の懲役となり、さらに1000万円以下の罰金が併科されます。

薬物事件で逮捕された後の処分の流れ

①逮捕(現行犯逮捕・後日逮捕)

薬物事件での逮捕には、職務質問などで薬物が発見されてその場で逮捕される「現行犯逮捕」と、内偵捜査や共犯者の供述などから後日逮捕状が発付される「通常逮捕(後日逮捕)」があります。

逮捕されると、警察署の留置施設に身柄を拘束され、外部との連絡が厳しく制限されます。

②送致・勾留(最大23日間の身体拘束)

逮捕後48時間以内に、事件は検察官へ送致されます。検察官は24時間以内に裁判所へ勾留を請求するかどうかを判断します。

薬物事件は証拠隠滅や逃亡の恐れが高いと判断されやすく、原則として10日間、延長されると最大20日間の勾留(逮捕を含め最大23日間)が認められる傾向にあります。

③起訴・不起訴の決定

勾留期間の満了までに、検察官は起訴(刑事裁判にかけること)か不起訴(裁判にかけないこと)かを決定します。

薬物事件において証拠が十分に揃っている場合、起訴される確率が非常に高くなります。

ただし、所持量が極めて微量であったり、証拠収集の過程に違法性があったりする場合は不起訴となることもあります。

④刑事裁判と判決

起訴されると、約1〜2ヶ月後に刑事裁判が開かれます。

裁判では、検察官が提出した証拠に基づき、裁判官が有罪・無罪および量刑(懲役何年かなど)を言い渡します。

薬物事件の多くは事実関係に争いがないため、量刑(刑の重さ)や執行猶予がつくかどうかが最大の争点となります。

薬物事件の処分の傾向|初犯でも実刑?

初犯は執行猶予がつく可能性が高い?

単純な使用や所持の初犯であれば、懲役1年6ヶ月〜2年程度に対して、3〜4年の執行猶予がつくケースが多いのが実情です。

執行猶予がつけば、直ちに刑務所に入る必要はなく、社会生活を送りながら更生を目指すことができます。

初犯でも実刑判決になるケースとは

初犯であっても、以下のような場合は実刑判決(刑務所に収監されること)になる可能性が高くなります。

  • 所持していた薬物の量が著しく多い場合
  • 密輸や製造など、犯罪の規模が大きい場合
  • 営利目的(密売目的)であった場合

これらは社会に対する悪影響が大きいとみなされ、厳しい処罰が下されます。

再犯の場合の量刑相場

薬物事件は再犯率が非常に高く、再犯の場合は初犯よりも厳しい判決が下されます。

執行猶予期間中の再犯であれば、ほぼ間違いなく実刑判決となり、前回の刑期も加算されて刑務所に収監されます。

執行猶予期間が満了した後の再犯であっても、期間が短ければ実刑となる可能性が高いです。

薬物事件で逮捕された場合の対処法

速やかに弁護士に相談する

逮捕されたら、早めに弁護士(当番弁護士や私選弁護人)を呼ぶことが最優先です。

逮捕直後の取り調べでの供述は、その後の裁判に決定的な影響を与えます。

弁護士から「何を話し、何を黙秘すべきか」の適切なアドバイスを受けることで、不利な状況を防ぐことができます。

再犯防止に向けた取り組みを示す

薬物依存から抜け出すためには、専門機関のサポートが不可欠です。

裁判において執行猶予を獲得するためには、医療機関での治療プログラムの受講や、薬物依存者の自助グループへの参加など、具体的な再犯防止策を提示し、裁判官に更生の意欲を認めてもらうことが重要です。

家族や周囲のサポート体制を整える

薬物犯罪の更生には、家族の監督と支援が欠かせません。

裁判では、家族が情状証人として出廷し、「二度と手を出さないように厳しく監督する」と誓約することが、有利な判決(執行猶予など)を得るための大きな要素となります。

薬物事件を弁護士に相談するメリット

早期の身柄解放(釈放・保釈)を目指せる

薬物事件は勾留期間が長引きやすいですが、弁護士が逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを論理的に主張することで、勾留の阻止や早期の保釈を実現できる可能性があります。

保釈が認められれば、自宅から裁判に通うことができます。

不起訴処分や執行猶予付き判決の可能性が高まる

尿検査や所持品の押収手続きに警察の違法捜査がなかったかを検証し、証拠能力を争うことで不起訴や無罪を勝ち取る余地があります。

また、有罪を認める場合でも、再犯防止策や家族のサポート体制を裁判所に適切にアピールすることで、執行猶予付き判決の獲得を目指します。

取り調べへの適切なアドバイスをもらえる

薬物事件では、入手ルートや共犯者についての厳しい追及が行われます。

不用意な発言が後で自分を不利にしないよう、弁護士が定期的に接見(面会)し、法的な観点から精神的なサポートと適切な助言を提供します。

会社や学校への影響を最小限に抑えられる

長期間の身柄拘束は、無断欠勤などにより会社や学校を解雇・退学になるリスクを高めます。

弁護士が早期釈放に尽力することで、社会生活へのダメージを最小限に食い止めることができます。

薬物事件に関するよくある質問

薬物事件が会社にバレたら解雇されますか?

会社の就業規則に「犯罪行為を行った場合は懲戒解雇とする」旨の規定がある場合、解雇される可能性は高いです。

ただし、逮捕されただけで有罪が確定していない段階での解雇は不当となるケースもあります。

早期に身柄解放され、会社に知られずに職場復帰できるのが理想ですが、報道されてしまった場合は厳格な処分が予想されます。

家族が薬物事件で逮捕されました。何ができますか?

まずはすぐに刑事事件に強い弁護士に依頼し、本人との接見(面会)に行ってもらってください。

家族は逮捕直後の面会が禁止されること(接見禁止)が多いですが、弁護士であればいつでも面会可能です。

また、情状証人として裁判に立ち、今後の監督を約束する準備を始めることも重要です。

弁護士費用はいくらくらいかかりますか?

法律事務所や事件の複雑さによりますが、着手金で30万〜50万円程度、成功報酬(執行猶予の獲得や不起訴など)で30万〜50万円程度が相場とされています。

接見回数や保釈請求の手続きなどで追加費用が発生することもあるため、依頼前に費用の内訳をしっかりと確認することが大切です。

当事務所の弁護士費用はこちらをご覧ください。

まとめ

薬物事件は法律によって厳しい罰則が設けられており、初犯であっても状況次第では実刑判決を受ける重大な犯罪です。

逮捕されると長期間の身柄拘束を余儀なくされ、仕事や人間関係など社会生活に甚大な悪影響を及ぼします。

もしご自身やご家族が薬物事件で逮捕されてしまった場合は、決して一人で抱え込まず、速やかに刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。

早期の対応が、適切な防御と今後の更生に向けた第一歩となります。

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