経済的DVで離婚するための知識を弁護士が解説!実施ステップや押さえるべきポイントを紹介
最終更新日: 2023年07月03日
- 離婚につながる経済的DVの特徴を押さえておきたい
- 経済的DVで離婚するために何をすべきだろう
- 経済的DVをする相手とスムーズに離婚するためのポイントも把握しておきたい
経済的DVで離婚を考えているなら、弁護士に相談して最短のステップで交渉・手続きを進めるべきです。専門家に相談することで交渉や手続きもスムーズに進むことはもちろん、あなたの精神的負担を大きく軽減できます。
そこで、本記事では経済的DVによる離婚について、離婚に詳しい専門弁護士が、経済的DV離婚とは何か・離婚につながる特徴・必要なステップ・ポイントを詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 離婚につながる経済的DVの特徴は、「生活費を与えない」「借金」「労働の禁止」などがある
- 経済的DVで離婚するステップは、別居→協議・調停・裁判
- 経済的DVで離婚をスムーズに進めるためのポイントは、徹底して証拠を集めること
経済的DV離婚とは
まずは、経済的DV離婚とは何かを説明します。
経済的DV離婚とは、金銭的な自由を奪って配偶者を経済的に追い詰める行為が離婚につながることです。
たとえば、夫が収入をすべて管理し妻にまったく生活費を渡さない場合(その逆も含む)、あるいは明らかに生活費として不足している額のお金しか渡さない場合が、経済的DVに該当します。
男女共同参画局が発表したデータによると、全国の配偶者暴力相談支援センターと「DV相談プラス」(注)へ寄せられた経済的DVの相談件数は、3,250件もあり、多くの方が悩んでいるとわかります。
出典:DV相談件数の推移・DV相談者の年齢・相談内容|内閣府男女共同参画局
経済的DVは、被害者が婚姻生活に慣れていることから自分が経済的DVを受けているという自覚がないことも多いです。
離婚につながる経済的DVの主な特徴
離婚につながる経済的DVの主な特徴について、以下3点を説明していきます。
- 生活費を与えない
- 借金を作る
- 働くことを禁止する
生活費を与えない
1つ目の特徴は、生活費を与えないことです。
たとえば、配偶者が専業主婦(主夫)で収入がほとんどない・あるいは全くないのに、生活費を与えないケースがあります。
その場合、被害者は生活費をもらえないために、自分が独身時代から溜めてきた貯金を切り崩したり、両親や兄弟姉妹などから借金してやりくりせざるをえないでしょう。
婚姻関係にあり、しかも自分に十分な収入があるにもかかわらず、収入がないあるいは少ない配偶者に、生活費を与えないことは経済的DVにあたります。
借金を作る
2つ目の特徴は、借金を作ることです。
自分の身勝手な理由で浪費して借金することも経済的DVに該当する可能性があります。また、生活費などが足りないといって相手に無理やり借金を作らせることも、経済的に追い詰める行為になります。
本人が借金を作ることも、配偶者に作らせることも、どちらも経済的DVの特徴の1つです。
働くことを禁止する
3つ目の特徴は、働くことを禁止することです。
配偶者が働くことを禁止して、金銭面で自分の支配下に置こうとすることも経済的DVの可能性が高いです。女性は仕事をせずに家で家事に専念すべきだ、といった古い考え方を押し付ける男性が時折いますが、働かせないことで自身の財産を作らせず、行き場をなくす行為ともいえるでしょう。
経済的DVから離婚につなげるステップ
経済的DVから離婚につなげるためには、どのようなステップがあるのでしょうか。ここでは、以下4点を説明していきます。
- 別居
- 協議
- 調停
- 裁判
別居
1つ目のステップは別居です。
配偶者からとにかく早く距離を置きたい、離れたい場合、別居することをおすすめします。
相手と別居すれば、婚姻費用(生活費)を受け取れる可能性があります。
たとえば、経済的DVを受けている被害者が専業主婦(被扶養者)の場合、相手側は婚姻費用を支払う義務があるのです。被害者側は、別居後に婚姻費用請求の申立てができます。
相手側は原則婚姻費用を支払う義務があります。もし相手が支払わなければ、「悪意の遺棄」として、裁判上の離婚事由として認められ、離婚が成立する可能性が高いです。
協議
2つ目のステップは、協議です。
協議離婚では、夫婦間の話し合いで、離婚の成立や離婚条件を決めていきます。
ただし、経済的DVの加害者と被害者が直接会話すると、感情的になってしまい、交渉がなかなか進まないことも多いです。
そこで、協議離婚では、離婚実績が豊富な弁護士を代理人として、相手との交渉をお願いするのがおすすめです。経済的DV離婚の場合、弁護士を立てて協議することで、スムーズに離婚手続きを進めることができます。
調停
3つ目の方法は、調停です。
離婚協議で当事者間の話し合いがまとまらなかったときや、夫婦間の話し合いが困難な場合は、家庭裁判所の調停手続を利用できます。
離婚調停は、夫婦が裁判所に出向いて、裁判所から任命された調停委員を介して話をまとめるものです。
調停手続では、子どもの親権や面会交流・養育費・慰謝料など離婚条件についても話し合いができます。
調停の場合は、調停委員を介して話し合うので、経済的DVの加害者である相手と直接話すこともありません。
裁判
4つ目のステップは、裁判です。
協議でも調停でも話し合いがまとまらず、離婚が成立しなかった場合は、離婚訴訟を提起することも可能です。
離婚裁判では、民法770条に定められた以下5つの事由に当てはまれば、相手の合意を得られなくても離婚できる可能性が高いとされています。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
経済的DVで離婚するときのポイント
ここからは、経済的DVで離婚するときのポイントについて説明します。
経済的DVで離婚をお考えの場合は、相手から受け取る生活費が明らかに足りていないことを証明できる証拠の収集が大切です。
たとえば、預金通帳・家計簿など、支出を判断できるものがあるとよいです。
借金がある場合は、借金の契約書や督促状も十分な証拠になります。また、相手の給料証明書・クレジットカードの利用明細・領収書なども、相手が浪費していることを判断できる証拠となります。
第三者から見ても、生活費が足りていないと明確にわかるような証拠をしっかり残しておきましょう。
経済的DV離婚は弁護士に相談すべき
経済的DV離婚をお考えなら、離婚専門弁護士に相談すべきです。ここでは、その理由について以下3点を説明していきます。
- やるべきことが明確になる
- 実績が豊富で頼りになる
- 的確なアドバイスをもらえる
やるべきことが明確になる
1つ目の理由は、やるべきことが明確になるからです。
経済的DVを受けていて離婚したいと考えても、何をしたらよいのか、どのようにすればスムーズに進むのか、本人にはわからないことも多いでしょう。
離婚するために相手と直接交渉しようとしても、相手が応じてくれなかったり、場合によっては経済的DVがより酷くなる恐れも考えられます。
そのようなときは、離婚に強い弁護士に相談すれば、あなたが今何をすべきか、離婚を成立させるためにどのようなステップをとればよいか、的確にアドバイスしてくれます。あなたの要望や主張をしっかり聞いて、冷静に相手に伝えることも可能です。
離婚したいけど何をしたらよいかわからないときは、まず弁護士に相談して、今何をすべきか明確にしましょう。
実績が豊富で頼りになる
2つ目の理由は、実績が豊富で頼りになるからです。
離婚事案の実績が豊富な弁護士に相談することで、離婚手続きをスムーズに進められます。代理人として相手側との交渉もしてくれるため、依頼者の精神的なストレスも軽減できます。
何よりも依頼者のことを第一に考えて行動してくれるので、依頼者が有利になるように離婚が成立する可能性も高いです。
弁護士に依頼すれば、離婚の手続きや相手との交渉はもちろん、問題解決に向けて真摯に対応してくれるため、頼りになります。
的確なアドバイスをもらえる
3つ目の理由は、的確なアドバイスをもらえるからです。
弁護士は法律のプロです。
離婚事案に強い弁護士は、慰謝料や親権・養育費などの知識も豊富に持っています。あなたの状況に適した請求額の判断、適正金額を受け取るために必要な証拠収集・行動などについても、的確なアドバイスをくれるでしょう。
離婚問題は精神的に辛い状況が続きます。そのようなときにあなたの話を真摯に受け止めて的確なアドバイスをしてくれる弁護士に依頼すれば、あなたの負担を大きく軽減できます。
経済的DV離婚なら弁護士にご相談を
本記事では、経済的DV離婚とは何か・離婚につながる特徴・必要なステップ・ポイントについて、解説しました。
経済的DVでは、配偶者に萎縮してしまい、なかなか離婚を言い出せないケースも多いです。そのようなときに離婚に強い、法律のプロである弁護士に相談することで、弁護士が代理人として相手側と交渉・手続きを進めていくことが可能です。
あなたの負担も間違いなく少なくなります。離婚の条件である、慰謝料・養育費などについても適正額を判断し、しっかり支払ってもらえるように相手側に真摯に対応してくれます。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。