不正受給のお悩みは弁護士に相談を!問われる罪・活動内容・メリットを詳しく解説
最終更新日: 2024年01月31日
- 「新型コロナウィルス感染症の影響で休業した」と嘘をつき、持続化給付金を不正受給した。発覚したらどのような罪になるだろう?
- 不正受給を後悔している。でも、一人で自首する勇気がない。どうしたらよいのだろう?
- 不正受給を弁護士に相談すれば、どのようなサポートが得られるのか?
「持続化給付金」とは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大きなダメージを受けている事業者に給付される助成金です。
この給付金欲しさに、不正受給を行う事業者が続出しました。給付金制度の簡易迅速な事前審査を悪用した事業者は、支給後の審査で不正が発覚し大きな問題となっています。
給付金詐欺を行うと「詐欺罪」に問われ、有罪となれば10年以下の懲役に処される可能性があります。
しかし、不正受給を反省し早めに自首すれば、不起訴処分や減刑になる可能性もあります。
そこで今回は、多くの刑事問題に携わってきた専門弁護士が、不正受給で問われる罪、弁護士に弁護を依頼するメリット等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 不正受給した事業者は詐欺罪で有罪となれば懲役刑に処されるおそれがある
- 弁護士に不正受給について相談すれば、自首のサポートを行い捜査機関に早期解放等を働きかける
- 弁護士に弁護を依頼すれば、不起訴処分や減刑を得るため、最大限の努力を行う
不正受給のリスクを弁護士が解説
持続化給付金は、売上の減少が著しい中小企業や個人事業主が、申請できる国の制度です。
給付金額は、次の通りです。
- 中堅、中小企業、小規模事業者:上限200万円
- 個人事業者(フリーランス含む):上限100万円
給付金を受給できるのは、ひと月の売上が前年同月比で5割以上減少している事業者です。
残念ながら事業者の中には売上をごまかし、不正受給を行っている者が跡を絶ちません。2024年1月時点で不正受給の総額は21億を超えています。
この事態を重く見た中小企業庁は2021年3月15日以降、持続化給付金の不正受給者として2144人を認定し公表しました(2024年1月18日現在)。
不正受給が発覚すれば、公表にとどまらず、給付金詐欺として「詐欺罪」に問われる可能性もあります。
不正受給で問われる罪
持続化給付金を不正受給した者は、厳しいペナルティを受けます。
こちらでは、不正受給が発覚した場合に問われる罪を説明します。
詐欺罪
事業者が持続化給付金を不法に取得した場合、刑法の詐欺罪に問われる可能性があります。
持続化給付金の申請時に「新型コロナウィルス感染症の影響で大幅に収益が減少した」と嘘をつき、給付金を騙し取る行為は詐欺です。
刑法は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」と規定しています(同法第246条)。
詐欺罪で有罪となった場合、10年も刑事施設に収容されるおそれがあるのです。
お金を返せば罪に問われないか?
不正受給を行ってしまったが詐欺罪に問われるかもしれないと怖くなり、給付金を返還したいという方も多いでしょう。
中小企業庁では、督促を受けるまでの間に不正受給者が給付金を返還した場合は、「不正受給金額+20%の加算金及び年率3%の延滞金」の納付という措置をとります。
一方、督促を受けるまでの間に納付しなかった場合は、「不正受給認定者名」及び「所在地」が公表されてしまいます。
さらに、不正受給を繰り返して、詐欺の被害額が膨大になる場合は、給付金詐欺で逮捕される可能性が高くなります。
不正受給における弁護士の活動内容
不正受給をしてしまったが何とか罪を問われないようにしたいと考えるのであれば、すぐに弁護士と相談しましょう。
弁護士に弁護を依頼すれば、依頼者(不正受給者)が受けるペナルティを最小限に止めるため、迅速かつ的確な対応を行います。
逮捕回避
弁護士はまず依頼者(不正受給者)に自首を促します。
自首した場合、捜査機関は「逮捕の必要性はない」と判断する可能性があります。
逮捕されるのは不正受給者が逃亡したり、罪証隠滅を図ったりするおそれがあると判断される場合です(刑事訴訟規則第143条の3)。
弁護士は逮捕回避のために、「意見書」を捜査機関に提出します。意見書には次のような内容を記載します。
- 逃亡のおそれがない:自宅や事業所がある、家族と同居している等の事情を説明
- 罪証隠滅のおそれがない:証拠を破棄するおそれはない、本人が罪を認めて深く反省している等の事情を説明
逮捕を回避できれば警察の留置施設・拘置所で拘束されずに済みますが、自宅に戻れたとしても罪が免責されるわけではありません。
本人が在宅のままで刑事手続きは進められていきます(在宅捜査)。
出典:刑事訴訟規則 | 裁判所
勾留回避
逮捕回避を主張したものの、不正受給者本人が逮捕される可能性はあります。逮捕された場合は、弁護士は早期釈放を目指して対応します。
身柄が送検された場合は、弁護士は勾留回避のために検察官に働きかけます。
検察官の勾留請求が裁判所で認められてしまうと、最長20日間も身柄を拘束されます。
長期間身柄拘束されると、心身ともに疲れ切ってしまうことでしょう。そのため、弁護士は本人が早く自宅へ戻れるように尽力します。
取調べに関するアドバイス
自首した場合、警察官から不正受給を行った経緯等について、詳しく取調べがなされます。このときに警察官の厳しい質問に対して決して感情的になってはいけません。
取調べに適切に対応できるよう、弁護士は事前に依頼者の不正受給の経緯をヒアリングします。
その上で、依頼者の事情を踏まえ、警察官から尋問された場合にどのように返答すべきかを詳しくアドバイスします。
不起訴処分獲得
弁護士は検察官に、不正受給をした本人が反省して捜査に協力してきた点を主張し不起訴処分を働きかけます。
検察官が不起訴処分とすれば捜査機関による捜査は終了し、刑事裁判は行われず、不正受給をした本人は平穏な生活に戻れることでしょう。
自首同行
不正受給をした本人が希望すれば、弁護士は自首同行が可能です。本人が自首の準備を整えた後、弁護士はまず警察署の担当者に連絡します。
連絡時に出頭日時を調整し、時間通りに弁護士同伴で本人が警察署へ自首します。
自首するときに本人が緊張してうまく話せない場合は、弁護士が本人に代わり不正受給の経緯を説明します。
不正受給を弁護士に相談するメリット
不正受給を弁護士に相談・依頼すれば、弁護士は法律の知識・経験をフル活用し、助言やサポートを行います。
ここでは、弁護士へ相談するメリットについて説明します。
代理交渉
弁護士は、今後どのような対応をすべきかについてアドバイスします。その上で、弁護士に弁護を依頼するのであれば、委任契約を締結します。
弁護を依頼された弁護士(私選弁護人)は、不正受給をした本人に代わって捜査機関と交渉を開始します。
刑事手続きに関して深い知識を持ち、捜査機関との交渉も数多く経験してきた弁護士であれば、本人が真摯に反省しており、逃走のおそれもなく捜査に積極的に協力する旨を冷静に捜査機関にアピールできます。
捜査機関は弁護士の主張に納得し、逮捕回避または早期釈放に応じる可能性が高いです。
冷静な判断・対応
捜査機関への対応に慣れていない不正受給者は、警察に逮捕された場合、どのように対応してよいか頭を抱え、冷静な判断が難しくなるでしょう。
しかし、弁護士のサポートがあれば、自首する場合や自首の前に逮捕された場合等様々なケースに応じた適切なアドバイスを受けられます。
弁護士は刑事手続きの流れも詳しく説明します。依頼者本人はどのような形で手続きを進めていくのかがわかり、以後の対応を冷静に弁護士と協議できます。
強い味方になってくれる
不正受給者が起訴され、刑事裁判が行われる事態となっても、弁護士は減刑となるよう尽力します。
弁護士は法廷でも、被告人(不正受給者)が自首を行い真摯に反省している点や、証拠隠滅等も行わず捜査に協力した点を主張し、情状酌量による寛大な処分を求めます。
裁判所が被告人の自首・捜査へ協力した事実を評価すれば、執行猶予付き判決を受けられる可能性が高くなります。
執行猶予付き判決となった場合、有罪判決による刑の執行を一定期間猶予(1年〜5年)され、その期間内に再び罪を犯さなければ刑罰権が消滅します。刑務所に入ることもありません。
不正受給でお悩みなら当事務所の弁護士にご相談を
今回は多くの刑事事件に携わってきた専門弁護士が、不正受給の相談を弁護士へ行うメリット等について詳しく解説しました。
不正受給してしまった場合、給付金を返還するだけではなく、真摯に反省し、問題解決に積極的に協力する姿勢が求められます。
まずは弁護士と相談し、今後の対応を冷静に検討しましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。