残業問題を弁護士が徹底解説!企業が押さえるべき知識を幅広く紹介

最終更新日: 2024年01月31日

残業問題を弁護士が徹底解説!企業が押さえるべき知識を幅広く紹介

  • 従業員と残業代に関するトラブルが発生したので専門家に相談したい。
  • 未払い残業代を放置すると、企業側がどのようなペナルティを受けるのか知りたい。
  • 残業に関する問題を弁護士に依頼したら、どのようなサポートが得られるのだろう?

残業に関して問題となるのが、主に残業代のトラブルです。労働者にとって残業代の未払いは生活を脅かす深刻な問題であり、その反発も非常に大きくなります。

企業側が残業代のトラブルを放置すれば、付加金や遅延損害金等のペナルティを受けたり、社会的な評価が低下したりする可能性もあります。

そこで今回は、多くの労務問題に携わってきた専門弁護士が、残業の問題を弁護士へ相談するメリット等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 残業に関する問題の中で、特に深刻なのは残業代トラブルである
  • 残業の問題を弁護士に相談すれば、法的知識の提供の他、労働者との交渉も任せられる
  • 相談や依頼をするときは、実績豊富で親身な対応を行う弁護士が最適

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

残業問題を弁護士が解説

東京都産業労働局の報告では、2022年4月〜2023年3月までに受理した労働相談の件数は46,269件・83,093項目ですが、その内3,294件(4.0%)が「賃金不払い」の相談でした。

企業側が残業代の支払いを放置すると、労働者が裁判を提起し、問題解決までに長期間を要する場合があります。

企業側は残業代のトラブルへ慎重に対応していく必要があるでしょう。

出典: 令和4年 労働相談の内容 | 東京都産業労働局

残業問題における弁護士活動が企業にもたらすメリット

労働者と残業代のトラブルが発生した場合は、弁護士に相談し対応を協議しましょう。

弁護士に問題解決を依頼すれば、弁護士は的確なアドバイスを行い、最適なサポートを進めます。

労務問題における法的知識の提供

弁護士は企業側に、残業代のトラブルが裁判で争われ敗訴した場合のリスク等を説明します。

未払い残業代が悪質と判断された場合、労働者の残業代と同額までの範囲で「付加金」という、ペナルティの性格を有する金銭の支払いが命じられます。

また、残業代については、労働者が在職中の場合は3%、退職後は14.6%の遅延損害金を支払わなければいけません。

このような事態とならないように、労働者と交渉による和解を勧め、訴訟を提起されるリスクの軽減を図ります。

証拠収集

弁護士に証拠の収集を任せられます。企業側が労働者の主張に反論する場合、それを裏付ける証拠が必要です。

たとえば、労働者の主張している労働時間に誤りがある場合、弁護士は実際の労働時間以上に過大に請求されている証拠を掴みます。

労働者がタイムカードの打刻時間を労働時間と主張しても、次のような反論が可能です。

  • 飲食店の場合、レジの最終会計時刻と、タイムカードが打刻された退勤時刻の差が大きい
  • 労働者がタイムカードの打刻時間中、喫煙やスマホを見るなど休憩をしていた 等

上記のような事実が判明すれば、「その時間分の残業代は認めない。」と企業側は反論できます。

素早い解決

弁護士がいれば、残業代のトラブルの争点を把握し、迅速に問題解決を進められます。

企業が望むならば、弁護士が労働者と交渉し、和解という形での解決が可能です。和解交渉が成立すれば短期間で問題を解決できます。

一方、労働者から裁判を提起された場合、企業側は有効な反論や証拠収集の準備がなかなか進まない場合もあるでしょう。

弁護士に対応を依頼すれば、法律の専門家なので、労働者の言い分に認識の誤りを発見し、企業側に立って、説得力のある反論や証拠の提示ができます。

弁護士の対応で裁判手続きもスムーズに進み、早期の解決が図れる可能性は高いです。

交渉代行

残業代のトラブルを企業が裁判にまで進展させたくないときは、弁護士が窓口となり労働者と和解(示談)交渉も可能です。

和解(示談)交渉とは、当事者同士の話し合いで決着する方法です。弁護士は残業代をどこまで支払うのか、残業代が認められない打刻時間を主張し、交渉成立のための条件を調整していきます。

弁護士なら、法律に則った冷静な話し合いを行えるので、交渉が成立する可能性は高くなります。

最適な解決策の提示

弁護士は企業側の希望をよくヒアリングし、最適な解決策を提示します。

  • 労働者と穏便に問題の解決を図りたい→和解(示談)交渉の提案
  • 労働者の主張に納得できない→労働者の残業代請求拒否、労働者に訴訟を提起された場合の反論や証拠の収集等を提案

なお、訴訟になったとしても、審理中に裁判所から和解するよう促される場合があります。その場合にどのような和解案なら応じられるか等も、弁護士と協議が可能です。

残業問題に強い弁護士の特徴

未払い残業代のトラブルについて相談を行う場合、弁護士なら誰でもよいわけではありません。労務問題に詳しい弁護士へ相談しましょう。

こちらでは、弁護士選びのポイントを説明します。

実績豊富

労務問題に精通した弁護士を選びましょう。

懇意にしている企業から紹介してもらえる他、次のような確認方法もあります。

  • 法律事務所のホームページに、未払い残業代の相談実績が具体的に明示され、相談事例やコラムが豊富に掲載されている
  • 未払い残業代をはじめ、労務問題に関する本を執筆している
  • 労務問題のコメンテーターとしてよくテレビ出演している

上記のような内容が確認できれば、労務問題に詳しい弁護士とみて間違いありません。

丁寧な説明

未払い残業代のトラブルに関して、穏やかに助言や解決策の提案を行う弁護士が最適です。

労務問題に精通した弁護士でも、きつい口調で問題を指摘したり、相談者の質問にあまり答えなかったりするならば、信頼関係の構築は困難です。

丁寧な説明を行う弁護士かどうかは、まず法律事務所を訪問し、担当者と面談したときに確認しましょう。

助言等の説明を聞く他に、弁護士が丁寧なヒアリングおよび回答を行っているのなら、問題解決を任せられる人物と言えます。

不屈の精神

企業側から依頼を受けたからには、裁判で不利になっても、最後まで弁護を諦めない弁護士が最適です。

労務問題の交渉・訴訟に豊富な経験を有する弁護士なら、法律知識はもちろん、経験で得たノウハウをフル活用し、企業側に立った主張を行います。

残業問題に関する弁護士費用

弁護士を代理人として、問題解決を図ったならば「弁護士費用」が発生します。費用は各法律事務所が自由に設定できるので、事務所ごとに金額の差が大きい場合もあります。

残業代のトラブルの解決を依頼した場合、かかる費用(目安)は次の通りです。

  • 着手金(依頼のときに必ず支払う費用):和解交渉20万円~、労働審判30万円~、裁判40万円~
  • 成功報酬(交渉成立、勝訴のときに支払う費用):経済的利益の10~20%程度

成功報酬の場合、「経済的利益の〇%」という形で算定する事務所もあります。

労働審判とは、企業・労働者間の労働関係のトラブル解決に特化した、裁判所の紛争解決制度です。

残業問題なら弁護士にご相談を

今回は多くの労務問題の解決に尽力してきた専門弁護士が、未払い残業代のトラブルに果たす弁護士の役割等を詳しく解説しました。

迅速な解決を図るには企業と労働者が歩み寄り、和解交渉を成立させる方法が最も有効です。弁護士を交渉担当にすれば、交渉成立の可能性も高まります。

弁護士のサポートを受けながら、慎重に労働問題の解決を進めてみてはいかがでしょうか。

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