不倫が許せないときにすべき5つの対応とは?乗り越えるための方法や押さえたいポイントも解説
最終更新日: 2023年11月16日
- 不倫されて謝ってきたが腹の虫が収まらない
- 不倫した配偶者は私との関係を修復したいようだがやはり許せない
- 配偶者とは離婚しない方向で合意しているが不倫の事実が頭から離れない
夫婦の一方の不倫が発覚した場合、夫婦関係を修復するか、それとも離婚を進めるか、すぐには決心がつかない場合もあるでしょう。
許せないと思った配偶者の不倫を乗り越えるために何らかの対応策を夫婦で話し合う必要があります。
そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、不倫を許せない主な理由、どうしても許せないときの対応策等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 配偶者に裏切られた、自分だけ我慢している等の理由で不倫をなかなか許せない場合がある
- 不倫を乗り越えるためには、「不倫誓約書」の作成や互いのスケジュール公表等を行い、疑念やわだかまりを解消する
- どうしても許せない場合は離婚手続きを進める
不倫を許せない主な理由
配偶者の不倫が発覚し、本人は誠心誠意謝罪しているものの、すんなり許せずわだかまりを持ち続ける場合があります。
こちらでは、配偶者の不倫をなかなか許せない理由について4つ取りあげます。
裏切られたから
一番の理由は、やはり配偶者に裏切られたという感情が強く、それが許せないことです。
夫婦関係が冷え切っている場合はお互いへの関心は低く、許せない感情よりも「勝手にすれば」という感情の方が勝るかもしれません。
しかし、夫婦関係が良好なほど、裏切られたショックや怒りが増大する可能性があります。
自分だけが我慢しているから
不倫した配偶者は、不倫が発覚するまで、不倫相手とデートやレストランでの食事、セックスを楽しんでいた。
しかし、不倫された自分はその間「配偶者が不倫しているのでは?」との疑心暗鬼に陥ってしまい、穏やな日常を送れなかった。
それなのに、不倫された自分だけがなぜ我慢しなければならないのか、と怒りを感じる場合も当然あるでしょう。
何度もされているから
配偶者の1度だけの不倫ならまだしも、何度も不倫をして発覚しては謝るというパターンを繰り返していれば、不倫された方はなかなか許せないでしょう。
何度も不倫を繰り返す人は反省を促しても改善の余地はないと諦め、離婚した方がよいかもしれません。
忘れられないから
配偶者へ愛情が深ければ深いほど、不倫という形で裏切られたショックは忘れられないことでしょう。
2度とこの悔しさや怒りを繰り返さないために、今後不倫をしたらどうなるか、具体的な対応内容やペナルティを書面化して相手に提示しておいた方がよいです。
許せないと思った不倫を乗り越えるためにできること
不倫した配偶者とこれからも夫婦関係を続けて行くつもりであれば、許せないという感情と何とかうまく向き合っていく必要があります。
こちらでは、配偶者の不倫を乗り越えるための5つの方法について解説します。
冷静な対応
許せないという感情があっても、これ以上夫婦の仲に亀裂が入らないよう、なるべく冷静に対応しましょう。
夫婦関係をどのように修復していくか悩むときは、家庭裁判所の調停を利用する方法もあります。
相手方の住所地または当事者が合意で決めた家庭裁判所に、「夫婦関係調整調停(円満)」の申立てを行いましょう。
本調停では、調停委員が夫婦双方の意見を聴いた後、どのようにお互いが努力すれば関係改善を図れるのかアドバイスし、関係修復の可能性等を話し合っていきます。
配偶者との話し合い
配偶者への不倫を乗り越えるためには、配偶者に誠心誠意の謝罪を求めたいものです。
不倫した配偶者の謝罪を口先だけでなく書面化して、さらに今後不倫した場合のペナルティも決めておけば安心です。
不倫の謝罪を書面化する方法としては、「不倫誓約書」の作成が考えられます。
不倫誓約書とは、不倫をした配偶者と不倫された側とが取り交わす契約書面です。
主に次のような内容を明記します。
- 不倫を謝罪し不倫相手との関係を解消するとの誓約
- 夫婦が互いに関係修復を誓う
- 誓約書の内容に違反した場合は慰謝料を支払う 等
不倫誓約書は2通作成し、夫婦それぞれが大切に保管しておきます。
より強力な証拠書類にする場合は、「公正証書」で作成した方がよいです。
公正証書とは、公証人が作成する公文書です。原本は公証役場で大切に保管されます。そのため、夫婦の一方によって勝手に書類の破棄・改ざんはされないので安心です。
スケジュール公表
定期的に互いのスケジュールを公表し、どこで何をするのか明確にします。
スケジュールの公表により「私の目が届かないところで不倫しているのでは」という疑念を払拭できます。
不倫誓約書で公表の方法・内容を明記しておけば、お互いが忘れずにスケジュールを確認し合えるので安心です。
新しいことを始める
不倫をされた側が新しい趣味等に没頭すれば、配偶者が不倫したというショックや怒りも薄れていく可能性があります。
以前からやりたかった趣味や習い事に挑戦してみれば、よい気分転換になるでしょう。
カウンセラーへの相談
配偶者に不倫されたショックからなかなか立ち直れない、また不倫されるのではという不安が消えないという場合は、カウンセラーに相談してみましょう。
臨床心理士や公認心理師等の専門資格を持つカウンセラーと一緒に気持ちを整理し、不倫された苦しみから心が軽くなるような方法を話し合います。
現在では窓口での対応の他、オンラインで相談を行うサービスも実施しているところがあります。
各カウンセラーが開設しているホームページを確認し、悩みを聞いてもらいましょう。
どうしても許せない不倫に対してすべき5つの対応
不倫をした配偶者が許せない、信用できないという場合は、別居や離婚等を検討してみましょう。
証拠確保
離婚を決意した場合は、配偶者が不倫をした証拠を集めておきましょう。
不倫相手とのSNSやメールでのやり取り、ラブホテルのスタンプカード等も不倫の事実を示す証拠となります。
特に探偵社等の調査会社に撮影してもらった配偶者と不倫相手がラブホテル等に出入りする画像・動画は有力な証拠です。
これらの証拠を収集しておけば、離婚手続きを有利に進められます。
別居準備
不倫をした配偶者が許せない・同居すら辛いという場合は、別居を検討しましょう。
実家に戻っても構いませんし、アパートやマンションを借りてもよいです。別居の生活費は「婚姻費用」として、不倫をした配偶者に請求できます。
まだ離婚をしていなければ、互いに生活を扶助する義務があります。そのため、不倫をした配偶者が別居した側より収入が高い場合、婚姻費用の支払いに応じなければなりません。
慰謝料請求
不倫をした配偶者や不倫相手に慰謝料請求が可能です。
慰謝料は配偶者・不倫相手双方に請求してもよいですし、どちらか一方に請求しても構いません。
配偶者と離婚する場合の慰謝料の目安は100万円〜300万円です。
不倫の期間や回数、不倫相手との間に子どもがいるか・堕胎させたかなどによっては、さらに高額な慰謝料が認められる場合もあります。
離婚手続きの把握
離婚を進める場合は、手順を把握しておきましょう。
基本的に夫婦間で話し合う「協議離婚」から開始し、それが不成立なら「調停離婚」、それでも合意に至らない場合は「裁判離婚」へと進みます。
裁判離婚は家庭裁判所に訴訟提起し、裁判官から離婚に関する判決をもらいます。ただし、原則として訴訟提起前に調停を経ておく必要があります(調停前置主義)。
弁護士への相談
別居や離婚を実行する前に、弁護士と相談してみましょう。
弁護士は相談者の事情をよく聴いたうえで、別居や離婚の手順やポイント等をアドバイスします。
また、夫婦がすでに別居していても、弁護士に代理人を依頼すれば配偶者との交渉を任せられるので、離婚手続きをスムーズに進められます。
まとめ
今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、どうしても配偶者の不倫を許せない場合の対応方法等について詳しく解説しました。
不倫した配偶者と関係を修復するのか、それとも離婚による決着を図るか、家庭裁判所の調停や弁護士等の助言も受けながら、冷静に判断しましょう。
配偶者の不倫を許せないときは、まず弁護士と相談し、今後の対応の仕方を話し合ってみましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。