不倫問題からの再構築はどうすれば可能?乗り越えるべき課題と夫婦関係を良好に戻すためにすべき3つのこと

最終更新日: 2023年11月14日

不倫問題からの再構築はどうすれば可能?乗り越えるべき課題と夫婦関係を良好に戻すためにすべき3つのこと

  • 不倫から夫婦関係を再構築するとき、どのような点に注意するべきか
  • 不倫をした配偶者との関係を再構築するメリットを確認したい
  • 夫婦関係を再構築するために必要な行動を知りたい

配偶者の不倫が発覚した場合、離婚という選択肢だけではなく、夫婦関係の再構築(修復)という方法もあります。

不倫をした配偶者が誠心誠意謝罪している、子どもはまだ小さく離婚をすれば心が傷ついてしまうかもしれない、と感じたら夫婦関係の再構築を検討しましょう。

しかし、夫婦関係の再構築には超えなければならない、精神面の問題もあります。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、不倫から夫婦関係を再構築するために覚悟すべき問題、夫婦関係を再構築するための対処法等について詳しく解説しましょう。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 夫婦関係の再構築には不倫した配偶者の謝罪と、不倫された側が再び相手を信じる姿勢が必要
  • 不倫問題から夫婦関係を再構築するメリットには、生活レベルの維持、子どもの心の安定等がある
  • 夫婦関係の再構築には不倫誓約書の作成や、弁護士から助言を得るのも有効な方法

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

不倫から再構築するために覚悟すべきこと

不倫をした配偶者と離婚しないと決めた場合であっても、心のわだかまりや心の傷はなかなか消えないものです。

こちらでは、夫婦関係の再構築のときに克服しなければいけない精神面の問題を取り上げます。

時間が必要

不倫をした配偶者は、自分と不倫相手の関係を断てば、夫婦関係の再構築は可能と考えているかもしれません。

しかし、不倫をされた側は、心の傷が予想外に大きく、精神面の回復に時間のかかる可能性があります。

探偵社等の調査会社に依頼し撮影してもらった、ラブホテルから出てくる配偶者と浮気相手の表情が脳裏から離れない等、突然のフラッシュバックに不安を感じるケースもあるでしょう。

不倫をした配偶者は、相手にそれだけ深い心の傷を負わせた事実と向き合い、真摯に反省する必要があります。

継続した努力が重要

不倫をした配偶者は、パートナーや家族の信頼回復のため、一生努力し続ける必要があるでしょう。

パートナーや家族との時間をしっかりと持ち、対話をしていく姿勢が求められます。

不倫された側も、配偶者の真摯な努力を認め、過去の出来事をなるべく振り返らないようにする心がけが大切です。

不倫問題から夫婦関係を再構築する5つのメリット

離婚を思いとどまり、夫婦関係の再構築を選んだ場合、主に次の5つのメリットがあげられます。

生活レベルの維持

生活レベルは以前の通り維持できます。夫婦関係の再構築を選べば、夫婦が別居する必要も、財産を分ける必要もありません。

一方、離婚を行う場合は、子どもの親権はどうするのか、養育費や慰謝料、財産分与等、夫婦のそれぞれの金銭面にも大きな影響を与える内容が話し合われます。

離婚のとき、取り決めた内容によっては夫婦の一方が困窮する場合もあります。

金銭面の安定

これまで通り家族が金銭面でも安定した生活を送れます。

離婚する場合は夫婦が財産分与を行い、婚姻中に得た財産を分配する必要があります。分与内容や分与割合で互いが対立し、話し合いは長期化する可能性もあるでしょう。

また、夫婦に未成年の子どもがいた場合、子どもの養育費の支払いが親権の無い親に求められます。

しかし、養育費を支払うべき親が約束通りにお金を渡さなければ、子どもの養育に大きな影響が出てしまいます。

夫婦関係の再構築を図った場合、これらの金銭的な問題は起こりません。

世間体の維持

夫婦関係の再構築を図れば、近所の人達から「不倫が原因で家庭崩壊した。」などという噂はたちません。

不倫した配偶者の他、不倫されたパートナーや家族が、周囲から冷ややかな目で見られる状況も回避できます。

子どもの心の安定

夫婦が離婚しないので、子どもの心の安定が図れます。

子どもが小さいとき、強引に離婚を進めてしまうと、なぜ親が家を出ていったのか、または親と一緒に自分の住み慣れた住居を出ていく必要があるのか、事情がわからず苦悩するかもしれません。

夫婦が以前の通り一緒にいるなら、子どもは片親を失ったという喪失感や、心が不安定になるリスクを回避できます。

幸せになれる可能性も

夫婦のわだかまりが消え、平穏な日々が戻るかもしれません。

信頼の回復には時間がかかるものの、お互いに関係修復の努力を続けましょう。

努力を怠らなければ、夫婦の愛情が復活する可能性は高いです。

不倫から再構築するために乗り越えるべき課題

夫婦関係の再構築を図る場合、克服しなければいけない感情的なわだかまりは存在します。

こちらでは、不信感を克服するための努力と対応方法について解説しましょう。

配偶者を疑う気持ち

不倫をした配偶者が謝罪しても、不倫をされた側はすぐに信用できないかもしれません。

夫婦関係の再構築を行っていくには、口約束だけではなく、不倫を悔いて謝罪し、二度と過ちが繰り返されないように決意を書面化しておきましょう。

不倫を悔い改める文書は「不倫誓約書」と呼ばれ、違反した場合の措置等も明記します。

書面化をしておけば、再び不倫を行う抑止力になる他、不倫をされた側の心の安定にも役立ちます。

感情的な気持ち・態度

不倫した配偶者との関係をやり直す場合は、必要以上に相手を責めないよう心がけましょう。

事あるごとに配偶者を怒れば、自宅に居づらくなって別居してしまう可能性もあります。また、不倫相手との関係を復活させるかもしれません。

配偶者の過ちを非難し続けるより、今後どのように関係修復に努めていくかを夫婦で話し合いましょう。

夫婦関係を再構築するためにすべき3つのこと

夫婦関係を再構築するときに、次のような3つの措置をとっておきましょう。

不倫誓約書の作成

不倫誓約書とは、主に不倫をした配偶者が不倫された側と取り交わす契約書面です。

書面に記載する内容は自由ですが、基本的に次のような内容を明記します。

  • 不倫相手との関係を解消する
  • 今後の夫婦関係の再構築を誓う
  • 記載した内容に違反した場合は、慰謝料を支払う
  • 財産分与などの離婚条件 等

この不倫誓約書は夫婦で2通作成し、それぞれが大切に保管しておきます。ただし、夫婦だけで作成しますと後日その有効性を争われる可能性がありますので弁護士に作成を依頼することをお勧めします。

慰謝料請求

不倫相手への慰謝料請求を行いましょう。不倫をした責任を償わせて、二度と自分の配偶者と不倫の関係を持とうと思わないようにさせる効果があります。

不倫相手に慰謝料を請求する場合は、金額が140万円以下なら簡易裁判所、金額が140万円を超える場合は地方裁判所に訴えます。

訴えは、原告もしくは被告(浮気相手)の住所、または不倫が行われた場所を管轄する裁判所に提起しましょう。(民事訴訟法第4条・第5条)

出典:簡易裁判所における民事訴訟 | 裁判所

出典:民事訴訟法|e-GOV法令検索

弁護士への相談

夫婦関係の再構築をしたいなら、弁護士に相談してみましょう。

夫婦の事情を弁護士に伝えれば、関係修復を図る方法や取り決め(例:不倫誓約書等)について、わかりやすくアドバイスします。

弁護士の助言を受ければ、夫婦関係の修復を円滑に図ることができます。

まとめ

今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、不倫発覚後、夫婦関係を再構築するためのコツ等について詳しく解説しました。

関係修復には、不倫をした配偶者だけではなく、不倫をされた側の歩み寄りも必要不可欠です。

夫婦関係の再構築を目指すなら、なるべく早く弁護士に相談し、助言を受けてみてはいかがでしょうか。

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