社内不倫で失うものとは?不倫した人とされた配偶者のリスクと取るべき対応

最終更新日: 2024年11月11日

社内不倫で失うものとは?不倫した人とされた配偶者のリスクと今すぐ取るべき対応

  • 私は部下と不倫している。家族へばれる他に不倫を続けるリスクが知りたい
  • 配偶者が社内不倫をしていた。許せないので今後の対処方法を考えたい
  • 社内不倫が発覚したら、やはり弁護士に相談した方がよいのだろうか?

家庭では味わえないスリルを求め、職場の上司や部下、同僚と社内不倫に発展する可能性があります。

しかし、社内不倫が発覚した場合のリスクは非常に大きく、家族はもちろん職場の人達からも信頼を失うことでしょう。

そこで今回は、離婚問題の解決に携わってきた専門弁護士が、社内不倫によるリスク、不倫問題を解決する対処方法等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 社内不倫が発覚すると、職場内での立場が危うくなり、最悪の場合は解雇もあり得る
  • 配偶者が社内不倫をしていた場合、不倫されたあなたは離婚・慰謝料請求ができる
  • 社内不倫をしていた方も、された方も、専門弁護士に相談し対処方法を検討しよう

離婚に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

社内不倫によるリスク

気になる職場の異性と社内不倫の関係となれば、家庭では味わえない欲望を満足させられることでしょう。

しかし、社内不倫が発覚すれば家庭崩壊や、職場での立場が危うくなるおそれもあります。

離婚

あなたの配偶者から離婚を要求される可能性があります。

配偶者との話し合いで、あなたは何とか離婚を思いとどまるよう説得することでしょう。しかし、謝罪だけでは配偶者が納得しない場合もあります。

一方、あなたが離婚を望んでいても、社内不倫の確実な証拠を配偶者が掴んでいるならば、あなたは「有責配偶者」となります。裁判のとき、有責配偶者からの離婚は基本的に認められません。

離婚の協議・調停で夫婦が合意に至らず、裁判で解決を図る場合、有責配偶者であるあなたは極めて不利な立場となります。

裁判官は不倫された配偶者に有利な条件で離婚を認め、あなたに対しては多額の慰謝料を命じる可能性が高いです。

慰謝料

配偶者から離婚を要求されるだけでなく、慰謝料も請求されるのが一般的です。

協議離婚の場合は夫婦の合意があれば、自由に慰謝料の金額を決められます。しかし、裁判にまで発展すると離婚を伴う慰謝料の場合、数百万円にも上る支払いを命じられる可能性があります。

一方、社内不倫をしていた相手にも家庭があった場合、不倫相手側の配偶者からも慰謝料請求を受ける場合があるので注意しましょう。

信頼損失

社内不倫が発覚すれば、あなたの職場での立場が危うくなります。

小さい会社ならば会社全体に噂が広まり、あなたの積み重ねた功績や、誠実に業務へ携わってきた姿勢へも、疑いの目が向けられるでしょう。

上司や同僚・部下からも白い目で見られ、重要な業務に参加できなくなる可能性があります。

転勤

社内不倫が発覚すると、社内外で悪い評判がたつのを避けるため、あなたや不倫相手のどちらかまたは双方に、転勤が命じられる可能性もあります。

本社から地方の支店への異動を命じられた、関係会社へ出向する事態になった等、あなたにとって不本意な配置転換(いわゆる左遷)が想定されます。

あなたが社内での出世を目指してきたのなら、大きな挫折を味わうことになるでしょう。

解雇

社内不倫が原因で会社の業務に大きな支障が出た場合、あなたは解雇される可能性があります。

社内不倫を理由に、懲戒解雇は相当であると認めた裁判所の判決があります(東京高等裁判所昭和41年7月30日判決)。

運送会社のバス運転手Aは妻子がいるにもかかわらず、未成年の女性車掌Bと不倫関係となり妊娠・中絶させたうえに、Bは退職してしまったという事案です。

事態を重く見た運送会社は、労働協約に基づきAを解雇しました。

東京高等裁判所は次の理由から、運送会社の処分を有効と判示しました。

  • バス運転手Aと女性車掌Bの不倫関係は、それ自体が職場の秩序を著しく乱す行為だ。
  • 実際に女性車掌Bは不倫が原因で退職し、他の女性従業員に不安と動揺を与えている。さらに運送会社の求人へ悪影響等をもたらした。
  • バス運転手Aの社内不倫が、運送会社の社会的地位や名誉、信用等を傷つけ、正常な業務運営を阻害し、会社に損害を与えた。

判決を見ると、社内不倫が原因で職場の風紀・秩序を乱す他、正常な企業運営を阻害し、企業に損害を与えた場合、解雇は妥当と判断される可能性が高いです。

社内不倫が発覚する一般的なきっかけ・経緯

社内不倫は、主に職場の人がたまたま不倫を見かけた、家族があなたの行動を不審に思い調査した等の経緯で、発覚する場合があります。

職場の人から見つかるケースとしては、次のような経緯があげられます。

  • 営業の際中に、あなたと同じ職場の従業員がラブホテルへ出入りしていたのを見られた
  • 同じ職場の従業員がSNSで、友人との旅行と題した画像をあげたところ、妻子持ちのあなたが映り込み、実は不倫旅行だった事実が発覚した

一方、家族から見つかるケースとしては、配偶者と不倫相手との不倫に関する連絡メールのやり取りを見つけた、帰りが遅いので探偵に調査を依頼し発覚した、というケースがあります。

配偶者の社内不倫への対処方法

あなたの配偶者が社内不倫を行っていた場合、配偶者の勤務先に押しかけたり、不倫していた職員を怒鳴り付けたりする行動は避けましょう。

社内不倫の問題がますますこじれてしまい、解決が遅れてしまう可能性もあります。何とか心を鎮めて、冷静に対処方法を検討しましょう。

慰謝料請求

不倫した配偶者に対し離婚・慰謝料を請求することができます。なお、離婚せずに不倫問題の解決を図る場合は、不倫相手に慰謝料請求をするのが一般的です。

不倫した配偶者への慰謝料は、離婚の協議・調停・裁判をするときに請求します。

離婚を伴う慰謝料請求ならば150万円〜300万円程度が相場です。

裁判で慰謝料が算定される場合、夫婦の婚姻期間、不倫した配偶者の年収・職業、子どもの有無等を考慮します。

慎重な対応

不倫した配偶者と離婚や慰謝料を話し合うときは感情的にならず、離婚条件を提示しながら、合意を目指す必要があります。

ただし、あなたが冷静に対応しようとしても、不倫した配偶者が話し合いを拒否したり、癇癪を起こしたりする可能性もあるでしょう。

このままでは話し合いが難しいと判断したら、家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員を交えて話し合いの継続が図れます。

また、調停不成立となった場合は離婚訴訟を提起できます。様々な解決方法があるので、一つのやり方でうまくいかなくても焦らずに、離婚手続きを進めましょう。

弁護士への相談

不倫した配偶者と話し合う前に、離婚問題に詳しい弁護士へ相談してみましょう。

弁護士は、あなたから配偶者の社内不倫の状況をヒアリングしたうえで、次のアドバイスを提供します。

  • 協議離婚のポイント
  • 慰謝料の金額の目安
  • 協議離婚が失敗した場合の調停・裁判の方法
  • 弁護士にサポートを依頼した場合の有効性

離婚訴訟の提起までは弁護士がいなくとも、あなただけで対応が可能です。しかし、話し合いの段階から弁護士を代理人にたてれば、配偶者との交渉も任せられます。

弁護士のサポートを受ければ、あなたの精神的負担も大きく軽減できるでしょう。

不倫が発覚した後の職場での振る舞い方

社内不倫を職場の人に見つけられた場合は、あなたの直属の上司に相談しましょう。

放置すれば、業務に支障をきたすおそれがあります。職場内で噂が広まる前に、あなた自身から報告があれば、上司も対応が取り易くなり、心象はよくなる可能性があります。

ただし、あなたの報告前に職場内で噂が広まり、上司も不倫について把握しているならば、自分の処分は会社の判断に委ねましょう。

業務に支障が出ておらず他の従業員への影響もなく、社外にまで噂が広がっていないならば、上司はあなたに不倫関係の清算を任せる場合があります。

ただし、就業規則や労働協約に、社内不倫へのペナルティが明記されている企業もあります。今後どのような処分を受けるおそれがあるのか、よく確認しましょう。

社内不倫トラブルに対して弁護士がすること

配偶者の社内不倫が発覚し、離婚や慰謝料請求を望むなら、弁護士のサポートを検討しましょう。

弁護士は離婚訴訟であなたの代理人として主張・立証を行う他に、様々な対応を任せられます。

証拠収集のサポート

弁護士は、離婚の協議・調停・裁判のときに提示する証拠収集の提案、サポートを行います。

具体的なアドバイスには、次のようなものがあります。

  • あなた自身が集めた社内不倫の証拠の有効性:揃えた不倫相手とのSNS画像、メールのやり取り等が交渉や裁判のとき、役立つかをアドバイス
  • 有力な証拠の説明:裁判での決め手となる、配偶者と不倫相手との性行為や性行為が推認できる画像・動画の取得方法

ただし、有力な証拠を取得するには、調査のプロである探偵の協力を必要とする可能性が高いです。法律事務所の中には、提携している探偵社を紹介するところもあります。

交渉代行

夫婦で離婚を協議する段階から、弁護士はあなたの代理人に就任し、配偶者との交渉を行えます。

夫婦で話し合うと、感情的になり離婚条件がまとまらないおそれもあるでしょう。しかし、第三者である弁護士をたてれば、理性的に配偶者との交渉が進められます。

あなたは弁護士のアドバイスを受けながら、離婚条件を検討でき、極力配偶者との面会を避けて離婚成立が図れます。

離婚の進め方のアドバイス

離婚を進めていくには、様々な準備や決めなければいけない事柄が多いです。

弁護士は離婚の進め方に関して、次のようなアドバイス・サポートを行います。

  • 離婚の協議:離婚条件の抽出、財産分与・慰謝料・養育費の金額の算定、あなたに有利な資料・証拠収集サポート
  • 離婚の調停:配偶者との合意ができなかった問題の把握、申立ての代行、調停での主張等
  • 離婚訴訟:訴訟提起の代行・サポート、あなたの立場にたった主張・立証

質問や不明点があればどんどん弁護士に相談し、不安や疑問を解消しましょう。

社内不倫がばれたときの対処方法

あなたの社内不倫が発覚した場合、迅速な対応を取らないと離婚や多額の慰謝料請求、会社から解雇される可能性すらあります。

冷静に状況を判断し、問題の解決を図っていきましょう。

不倫関係の清算

社内不倫が職場内で発覚した場合、あなたの家族に事態を知られていても、知られていなくとも、速やかに不倫関係を清算しましょう。

不倫相手とは仕事以外で顔を合わせる以外、連絡を取り合わないようにし、業務へ影響が出ないように心がけます。

また、自分から異動を申し出て、不倫相手から距離的に離れる方法を検討するのもよい方法です。

配偶者への謝罪

社内不倫が職場内で発覚した場合、いずれ配偶者にも知れ渡る可能性があります。

あなたが離婚をしたくないなら誠心誠意、配偶者に謝罪し、二度と不倫はしないと誓いましょう。あなたの誠意を示すため、「誓約書」を作成するのもよい方法です。

誓約書には「今後、二度と不倫はしない。」と明記する他、次の内容を記載します。

  • 不倫の内容や経緯:不倫期間や程度(例:性行為の有無等)
  • 再び不倫をした場合のペナルティ:支払う慰謝料の金額等
  • 離婚の条件:財産分与、子どもの親権・養育費、どちらが住居を出ていくか等

誓約書に双方が合意した旨を明示するため、あなたと配偶者の署名・捺印を忘れずに行いましょう。

弁護士への相談

社内不倫をしたあなたも、離婚問題に詳しい専門弁護士へ相談できます。

弁護士はあなたに次のようなアドバイスを行います。

  • あなたが離婚したい場合は協議の流れや詳細
  • 裁判に至った場合のあなたのリスク
  • 夫婦関係を修復したい場合の協議のポイント
  • 誓約書作成の提案 等

弁護士のサポートを受けながら、今後の対応を慎重に決めていきましょう。

社内不倫問題は春田法律事務所に無料相談を

今回は離婚成立に尽力してきた専門弁護士が、社内不倫が発覚した場合の対処方法等を詳しく解説しました。

春田法律事務所では、初回相談を無料で提供しています。まずは気軽に相談し、社内不倫をどのように解決した方がよいのか、弁護士とじっくり話し合ってみましょう。

離婚に強い弁護士はこちら

離婚のコラムをもっと読む

※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。