傷害事件で逮捕!?その後の流れや示談の必要性などを解説
最終更新日: 2023年07月12日
- 傷害罪を犯してしまい悩んでいる
- 傷害罪で逮捕された後はどうなるのか
- 示談により逮捕や起訴を防げるのか
思いもよらず傷害事件をおこしてしまい、いつ警察署に連行されてしまうのか、逮捕されたらどうなってしまうのか、不安な方もいるでしょう。
そこで今回は、傷害罪を多く解決してきた実績のある刑事事件専門の弁護士が、傷害罪で逮捕される場合はあるのか・暴行罪との違いや逮捕された後の流れ・示談が成立すれば逮捕を回避できるのかについて解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 傷害事件においては示談を弁護士と検討するべき
- 弁護士の早期対応によって逮捕や起訴の回避、減刑の可能性が高まる
- 傷害罪で実績ある弁護士に相談することが何よりも重要
傷害罪で逮捕される!?刑罰や暴行罪との違いは?
傷害罪で逮捕されることはあるのでしょうか?
ここでは、以下の傷害罪の基礎知識について解説します。
- 刑罰
- 暴行罪との違い
- DVでも怪我を負わせると傷害罪になる可能性がある
では1つずつ見ていきましょう。
刑罰
傷害罪とは、暴行を加えて人に怪我をさせた場合に成立する犯罪です。
傷害罪の刑罰は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。窃盗などの財産犯の懲役が最長10年であるのに対して、傷害罪では15年と重く規定されています。
傷害とは、人の生理的機能を害することであり、殴って出血させたり、骨折や痣をつくるような行為をいいます。
傷害により被害者が死亡した場合には、傷害致死罪(刑法205条)、殺意の故意があれば殺人罪(刑法199条)が成立します。
暴行罪との違い
傷害罪と暴行罪の違いは、暴行を加えて怪我になったのか(傷害)、ならなかったのか(暴行)、という点です。
暴行罪とは、暴行を加えたが怪我が生じなかった場合に成立する犯罪です。刑法208条では、暴行罪について以下のように定めています。
「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」
傷害罪と暴行罪では、傷害罪のほうが暴行罪よりも厳罰化されています。なお、傷害は目に見えるものだけではなく、嘔吐や失神なども含まれます。
罪名 | 刑罰 | 内容 |
傷害罪 | 15年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | 暴行を加えて傷害(けが)が生じたときに成立 |
暴行罪 | 2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料 | 暴行を加えたが傷害(けが)が生じなかったときに成立 |
DVでも怪我を負わせると傷害罪になる可能性がある
DVでも怪我を負わせてしまうと傷害罪になる可能性があります。
DVは、配偶者やパートナーなど親密な関係にある人から受ける暴力をいいます。DVは通報や告訴、被害届の提出などにより、現行犯逮捕あるいは後日逮捕されることもあります。
DVで逮捕されるのは、被害者への暴行や傷害の程度が重大であり、暴行時の動画など十分な証拠がある、さらに告訴や被害届が提出されている場合です。
怪我を負わせると傷害罪、怪我にまで至らなくても暴行罪が成立する可能性があります。被害者の傷害の程度によっては、重い処分を受けることもあるでしょう。
たとえ家庭内の喧嘩沙汰といえども、メディアでの報道も多いようにDVが刑事事件となるケースは少なくないので十分な注意が必要です。
傷害事件で逮捕された後の流れ
ここでは傷害事件で逮捕された後の流れについて解説します。
- 現行犯逮捕・後日逮捕
- 勾留・起訴判決
- 刑事裁判
- 判決
それでは1つずつ見ていきましょう。
現行犯逮捕・後日逮捕
傷害事件では、現行犯逮捕か後日逮捕される場合があります。
現行犯逮捕とは、犯行を現に行っている者または犯行を行い終わったものをその場で逮捕することをいいます(刑事訴訟法212条)。逮捕は一般人でも可能です。
後日逮捕とは、裁判官が発布した逮捕状により警察官などの捜査機関の者が逮捕することをいいます(刑事訴訟法199条)。
傷害事件では、警察が入る前に示談が成立すれば、刑事事件化せずに解決できることもあるため、弁護士を通じて適切な示談交渉を行うことが重要です。
万が一、傷害事件で逮捕された場合でも、被害者との示談が成立していれば早期に釈放されることもあります。まずは、弁護士に相談することをおすすめします。
現行犯逮捕 | 通常逮捕 | |
令状 | 不要 | 必要 |
逮捕権 | 誰でも | 警察 |
勾留・起訴決定
逮捕されると警察で取り調べを受けた後に勾留請求、起訴の決定があります。
傷害事件では逮捕から48時間以内に被害者の身柄が検察官に送検されます。送検とは、被疑者の事件や証拠を検察官が引き継ぐことをいいます。
検察官が取り調べのために時間を要すると判断すれば、裁判所に勾留請求を行い、これが認められると10日間の勾留が行われます。
さらに時間を要する場合は、勾留の延長請求を行い裁判所が認めるとさらに10日間拘留されます。合計で最長20日間もの間、被疑者は拘束されることになります。
検察官はその間に被疑者を起訴するか、不起訴にするかの判断をします。
起訴されると被疑者は被告人と呼ばれ、刑事裁判で罪状が争われます。不起訴になると被疑者は即日釈放されます。
刑事裁判・判決
傷害事件で起訴されると、通常の刑事裁判か略式裁判が行われます。略式裁判とは、刑事裁判を行わずに、罰金を支払うことで事件を終了できる手続きのことをいいます。
通常の刑事裁判は起訴された日から、約1か月後に1回目の公判が行われます。被告人が罪状を認めている場合は、情状が酌量されて軽い処分で終わることもあります。
傷害事件で裁判になった場合でも、執行猶予が得られれば収監されず、猶予期間中に再犯を起さなければ服役しなくてもよくなります。
傷害事件での裁判では、懲役か罰金刑のどちらかが言い渡されます。刑務所での懲役と罰金刑では、その後も人生においても大きく変わることもあるでしょう。
傷害でも示談が成立すれば逮捕されない可能性も
傷害でも示談が成立していれば逮捕されない可能性も十分にあります。
- 傷害事件で示談を目指す必要性
- 示談交渉は弁護士に依頼しよう
それぞれについて見ていきましょう。
傷害事件で示談を目指す必要性
傷害事件で示談を目指す必要性は、逮捕前であれば示談の成立によって被害届が取り下げられたり、警察が捜査を終了する可能性があるからです。
また逮捕後の起訴前であれば、示談の成立を検察官が情状として考慮して不起訴処分にする可能性もあります。
起訴されて刑事裁判になっても、懲役刑には執行猶予がついたり、懲役から罰金刑になるなど減刑の可能性もあるので、刑事事件においては示談することが非常に重要になります。
示談が成立していないと、刑事事件の後に別に民事裁判で損害賠償請求されることにもなるでしょう。
示談交渉は弁護士に依頼しよう
傷害事件は夫婦、友人、同僚から見知らぬ相手まであらゆる人とあらゆる場面で起こりうる身近な犯罪です。一度でも暴力沙汰になれば、和解や示談は困難になります。 しかし、刑事事件においては示談によって被害届の取下げや不起訴処分、さらには減刑を受けられる可能性があるので、示談交渉をするべきでしょう。
加害者が被害者と示談の交渉にあたっても上手くいかない可能性が高いため、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
傷害事件を多く解決してきた弁護士は、示談金の相場や示談交渉のタイミング、謝罪の方法などを熟知しています。
まとめ
本記事では、傷害事件に詳しい弁護士が、傷害罪と暴行罪の違いや傷害罪で逮捕された場合の流れなどを解説しました。
傷害罪は15年以下の懲役または50万円以下の罰金であり、重い刑罰だといえます。もし傷害事件を起こしてしまった場合は、少しでも早く弁護士に相談をしましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。