住居侵入で警察から呼び出し…逮捕される確率は?任意同行の拒否と自首のメリット
2026年01月06日

「警察から携帯に電話があり、『〇〇の件で話を聞きたいから署に来てほしい』と言われた」 「ポストに警察からの出頭要請の紙が入っていた」
警察からの突然のコンタクトに、心臓が止まるような思いをしているかもしれません。 「行ったらそのまま逮捕されるのではないか?」 「無視したら家に逮捕状を持って来るのではないか?」
結論から申し上げますと、警察からの呼び出し(任意同行)は、必ずしも「即逮捕」を意味するわけではありません。 しかし、対応を一歩間違えれば、その場で手錠をかけられ、そのまま20日間以上家に帰れなくなるリスクも十分にあります。
この記事では、住居侵入事件で警察から呼び出しを受けた際の正しい対処法、逮捕を回避するための「自首」や「弁護士同行」の効果について解説します。
警察からの呼び出し(任意同行)の正体と無視するリスク
警察からの電話や訪問は、法的には「任意同行」や「出頭要請」と呼ばれるものです。あくまで「任意」ですが、実態は甘くありません。
呼び出しの意味:なぜ警察は電話してきたのか?
警察がいきなり逮捕状を持って家に踏み込まず、電話で呼び出すのには理由があります。
証拠固めの段階
「防犯カメラに映っている人物と話して、容疑を確定させたい」と考えている。
逮捕までは必要ない判断
「逃亡の恐れが低い」と見ており、任意で話を聞くだけで済ませようとしている(在宅捜査)。
しかし、これはあくまで「現時点での判断」です。取調べの最中に「やはり逮捕が必要だ」と切り替えられることは日常茶飯事です。
無視・拒否し続けるとどうなる?
「任意なら行かなくていいや」と無視したり、着信拒否をしたりするのは最悪の選択です。 何度も呼び出しを拒否すると、警察は裁判所に逮捕状を請求します。その理由は「正当な理由なく出頭を拒否しており、逃亡の恐れがある」というものです。 ある朝突然、自宅に捜査員がやってきて逮捕されることになります。
「行ったら帰ってこられない?」その場で逮捕されるケース
呼び出しに応じて警察署に行った後、どのような運命が待っているのでしょうか。大きく分けて2つのパターンがあります。
パターンA:調書を取られて帰宅(在宅事件)
事実を素直に認め、身元引受人(家族など)がいれば、その日のうちに帰宅を許されるケースです。その後は、会社や学校に通いながら、数回の呼び出しに応じて捜査が進みます。
パターンB:その場で「通常逮捕」される
最も恐れるべきケースです。取調べ中に逮捕状が執行され、そのまま留置場に入れられます。 特に住居侵入事件で逮捕されやすいのは以下の状況です。
容疑を否認した場合
「入っていません」「記憶にありません」と嘘をつくと、「証拠隠滅の恐れがある」とみなされ逮捕される確率が上がります。
住居不定・連絡がつかない場合
「逃亡の恐れがある」と判断されます。
目的が悪質な場合
単なる不法侵入ではなく、「窃盗(空き巣)目的」や「盗撮・わいせつ目的」が疑われると、余罪捜査のために逮捕される確率が跳ね上がります。
住居侵入の証拠はどこまで掴まれている?
「誰も見ていなかったはず」「夜だったから顔は映っていないはず」という期待は捨ててください。警察はあなたに電話をする時点で、すでにかなりの証拠を掴んでいます。
防犯カメラと「リレー捜査」
マンションのエントランスや玄関のカメラだけではありません。 近隣のコンビニ、駅の改札、Nシステム(自動車ナンバー読取機)などの映像をつなぎ合わせ(リレー捜査)、「いつ自宅を出て、現場に行き、どうやって帰ったか」まで特定されていることがほとんどです。
微物証拠(DNA・指紋)
窓ガラス、ドアノブ、ベランダの手すりなどから指紋やDNA型が検出されれば、言い逃れは困難です。
スマホのGPSと検索履歴
最近の捜査では、スマホ内に保存されたGPS情報で現場にいたことが特定されることもあります。また、事前に侵入先の住所を検索していた履歴なども有力な証拠になります。
逮捕を回避する有効な手段「弁護士同行」と「自首」
警察署に行くことは避けられませんが、「逮捕されずに帰ってくる」ための対策はあります。それが弁護士の活用です。
弁護士と一緒に「自首(出頭)」する
警察から呼び出される前、あるいは呼び出しを受けた段階でも、弁護士を伴って出頭することは非常に有効です。 弁護士が同行することで、警察に対して以下のような強力なアピールが可能です。
「逃亡の恐れがない」ことの証明
弁護士が身元を保証し、家族による監督体制が整っていることを書面で提出します。逮捕の要件である「逃亡のおそれ」を打ち消します。
「証拠隠滅の恐れがない」ことの証明
素直に事実を認め、捜査に協力する姿勢を示すことで、身柄を拘束する必要性をなくします。
これにより、逮捕を回避し、在宅事件(普段通りの生活)のまま捜査を進められる可能性が飛躍的に高まります。
不当な取り調べの牽制
弁護士が同行していれば(取調べ室には入れないことが多いですが)、警察も強引な取り調べができなくなります。 取り調べを中断して弁護士に電話をしたいと伝えるなどして、「困ったらすぐ弁護士に相談できる」という環境があるだけで、ご本人の精神的な負担は激減し、不利な調書へのサインを拒否することができます。
取り調べで「絶対にやってはいけない」こと
警察署に行くと、密室で刑事と一対一になります。プロの取調官は巧みな話術であなたを誘導します。以下の点には絶対注意してください。
NG行動:やっていない余罪まで認める(「窃盗」の疑い)
住居侵入事件で最も怖いのは、「入った目的」のすり替えです。 例えば、「元カノと話したくて入った」だけなのに、警察から「何か盗むつもりだったんだろう?」「下着を探していたんだろう?」と執拗に迫られることがあります。
もし「早く帰りたいから」とこれらを認めてしまうと、「住居侵入罪(3年以下の懲役)」だけでなく「窃盗未遂(10年以下の懲役)」というはるかに重い罪に問われることになります。
NG行動:記憶があいまいな調書にサインする
「だいたいこんな感じでしょ?」と作られた供述調書(作文)に一度でもサインすると、後から裁判で覆すことはほぼ不可能です。 内容が少しでも違う、ニュアンスが違うと思ったら、絶対にサインしてはいけません。 修正を求めるか、署名押印を拒否してください。
警察へ行く前に「事前相談」をしておくことが大切です
警察から呼び出しを受けた際は、できる準備をしてから対応することが大切です。
何も対策をせずに行くと、状況によっては不利になる可能性がありますが、事前に弁護士へ相談しておくことで、適切な対応方法を確認することができます。
警察署へ向かう前に、一度弁護士に相談されることをおすすめします。
当事務所では、警察への同行や自首のサポートなど、状況に応じたサポートを行っています。
不安な点があれば、まずはお気軽にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。






