住居侵入罪は現行犯以外は逮捕されない?後日逮捕はあるのか?

住居侵入罪は現行犯以外は逮捕されない?後日逮捕はあるのか?

2020年06月27日

1 住居侵入罪の犯人は現行犯逮捕されなければ捕まらない?

住居侵入罪は、被害者や目撃者による現行犯逮捕、通報を受けた警察官による現行犯逮捕が多くあります。

もっとも、現行犯逮捕はされなかったものの、後日逮捕されるケースも多くあります。

例えば、被害者や目撃者の通報を受けた警察官が、目撃情報を踏まえて犯行現場付近の防犯カメラを精査し、犯人を特定するケースはよくあります。

したがって、住居侵入罪は現行犯逮捕でなければ捕まらないということはなく、後日逮捕の可能性は多いにあります。

平成30年の統計によれば、住居侵入罪の検挙率は49.7%です。刑法犯の検挙率平均が37.9%であることを踏まえても、住居侵入罪の検挙率は比較的高いといえます。

2 住居侵入罪の後日逮捕までの期間

住居侵入罪を犯した加害者の方から、後日逮捕されるとしたらどれくらいの期間で警察は来るのか、どれくらいの期間、警察が来なければ後日逮捕はされないと考えてよいのかという弁護士への相談はよくあります。

この点については、捜査担当者の他の事件での忙しさ具合や証拠収集の難易度にもよりますので一概には言えません。

1週間ほどで警察が来ることもあれば、2,3か月後に来ることもありますし、半年後のケースもあります。

ですから、後日逮捕がないと明確にいえるのは、住居侵入罪の時効期間である3年が経過した時点ということになります。

3 住居侵入罪の後日逮捕後の流れ(勾留、起訴)

住居侵入罪で後日逮捕された場合、原則として48時間以内に検察庁へ事件送致されます。

もっとも、平成30年の統計によれば1割ほどの事件は検察庁へ事件送致される前に警察の判断で釈放され、在宅捜査となっています。

このようなケースでは、勾留要件である罪証隠滅や逃亡の恐れが乏しいと警察が判断したものと考えられます。

検察庁へ事件送致されると24時間以内に検察官が裁判官に勾留を請求します。この勾留請求についても、1割ほどの事件については検察官が勾留請求をせず、被疑者を釈放しています。

警察から事件送致を受けたものの、裁判官が勾留を認める可能性が低いと検察官が判断したケースではこのように勾留請求はなされずに釈放されることになります。

検察官が勾留請求をすると約9割の事件で裁判官は勾留を認めています。そして勾留が認められると10日間、勾留され、更に捜査の必要があれば最大で10日間、勾留期間が延長されます。

その後、通常は、勾留期間の最終日に検察官が起訴処分とするか不起訴処分とするかの判断をくだします。

4 住居侵入罪で再逮捕されるケース

住居侵入罪は、単に家に入って見たかったというケースは稀で、財物や下着の窃盗、わいせつ行為、殺人、暴行傷害など他の犯罪の手段として行われることがほとんどです。

特に窃盗やわいせつ目的の場合には1度限りではなく、犯行が繰り返されていることが多いことから、一度逮捕されると、捜査を進めるなかで、被害者から被害届の出ている他の住居侵入事件の被疑者として浮上することがあります。

そのような場合、逮捕のきっかけとなった事件の勾留が終わっても、釈放と同時に別件で再逮捕され、再び、勾留が続くことになります。さらに再逮捕が続くと勾留期間が数か月、1年に及ぶようなケースもあります。

余罪があるケースでは弁護士とよく相談の上、捜査対応を考えることが重要です。

5 住居侵入罪で後日逮捕が不安な方には自首をお勧めします。

犯行後、今日にも警察が逮捕状をもってやって来て後日逮捕されるのではないかと不安を抱えて生活している加害者の方は多くいます。

執行猶予中であったり、複数の前科があったりなど今度捕まれば刑務所に入る可能性が高いような加害者でない限り、一番の不安は、後日逮捕されて留置場に入れられてしまうこと、それによって仕事を失うことでしょう。

弁護士としては、このような加害者の方には自首をお勧めします。

自首した結果、被害者から被害届が出ていないケースもあります。その場合、警察は被疑者の申告に基づき、侵入した家の住人に被害の有無を確認します。

しかし、被害者から被害届が出ていないケースのほとんどは、住人が住居侵入の被害にあったことに気が付いていないケースですから、被害の有無が明らかにならないことも多いでしょう。

この場合、被害届は出ず、そのまま捜査は開始されずに事件終結となります。

他方、空き巣など住居侵入後に窃盗をしており、被疑者が申告する盗品が現に被害者の家から無くなっていることが判明し、その盗品を被疑者が所持している、あるいは被疑者が転売した証拠がある場合には、被害を知った被害者が被害届を出すことになるでしょう。

このような事態になった場合、加害者としては自首しなければ良かったと思うかもしれません。

しかし、自ら自首をすれば逃亡や証拠隠滅など捜査の支障になる事態が生じる可能性は低いと警察は判断をしますので、逮捕はされず、在宅捜査となる可能性が高くなります。

自首の際に、弁護士が同行し、弁護人として選任されている旨を届ければ、弁護士の監督があることからより一層、逮捕の可能性は低くなります。

そして、自首後に被害者が被害届を出したのであれば、弁護士を通じて被害者と示談をすれば、被害金額などにもよりますが、多くのケースで不起訴処分(起訴猶予処分)となるでしょう。

以上のとおり、被害届が出ている場合も、出ていない場合もいずれにしても、自首をすることで後日逮捕という不安から解放されることになりますので、後日逮捕が不安な加害者の方には、弁護士同行のもと自首をすることをお勧めします。

6 刑事事件の経験豊富な弁護士にご相談ください。

以上、住居侵入罪の後日逮捕についてご説明しました。

他の犯罪にも言えることですが、住居侵入罪についても後日逮捕の可能性は多いあります。

いつ警察が逮捕状をもってやって来るかわからないという不安から解放される、また後日逮捕されるリスクを低減させるという点で自首のメリットは大きいといえます。

後日逮捕されない、つまり逃げ切れるという可能性に賭けるよりも、自首をするメリットの方が圧倒的に大きいというべきでしょう。

住居侵入罪での後日逮捕が不安な方は、早急に、刑事事件の経験が豊富な弁護士にご相談ください。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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