個人再生とは?借金を大きく減らし、マイホームを守るための仕組みと条件
2026年02月17日

「借金が増えてしまい、このままでは返済が続けられそうにない」
「家族と住んでいる家だけは、できれば失いたくない」
こうした状況にある方が検討することの多い制度の一つが、「個人再生」です。
個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減らし、減った借金を分割で返していく手続きです。
特に、住宅ローンが残っている持ち家を維持できる可能性がある点が、大きな特徴といえます。
本記事では、「そもそも個人再生とは何か?」という基本から、メリット・デメリット、利用条件まで、法律の知識がない方でも理解できるように説明します。
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個人再生とは?他の債務整理手続きとの違い
個人再生とは、裁判所に申し立てを行い、借金を法律に基づいて減額してもらう手続きです。
減額後の借金は、原則として3年(特別の事情がある場合は最長5年)で、毎月分割して返済していきます。
ここで大切なのは、「借金がゼロになる手続きではない」という点です。
返済は続けるものの、現実的に支払える金額まで負担を軽くするのが、個人再生の考え方です。
【任意整理・自己破産との比較】
項目 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
借金の減額幅 | 利息の調整が中心 | 元本を含めて大幅に減額 | 返済義務が免除される |
自宅(持ち家) | 原則残せる | 条件を満たせば残せる | 原則として手放す |
財産処分 | なし | 原則なし(※一定の考慮あり) | 一定額以上は処分 |
職業制限 | なし | なし | 手続き中のみ制限あり |
Point:
個人再生は、「返済を完全に免除する自己破産」と「返済条件を調整する任意整理」の中間的な制度と考えると理解しやすいです。
個人再生の主なメリット
住宅ローンがあっても自宅を維持できる可能性がある
個人再生の大きな特徴が、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」です。
簡単に言うと、「住宅ローンだけは今までどおり支払い、それ以外の借金だけを減らす仕組み」です。
たとえば、
・住宅ローン
・カードローン
・消費者金融からの借入
が混在している場合でも、住宅ローンを切り離して考えることができます。
その結果、家を手放さずに生活再建を目指せる可能性があります。
借金を大きく減額できる
個人再生では、借金の総額に応じて「最低限返済すべき金額」(最低弁済基準額)が法律で決められています。
- 100万円未満:減額なし(全額)
- 100万円〜500万円未満:100万円
- 500万円〜1500万円未満:負債額の5分の1
- 1500万円〜3000万円以下:300万円
- 3000万円〜5000万円以下:負債額の10分の1
※たとえば、借金が1500万円ある場合でも、返済額は300万円まで圧縮される可能性があります。
また、「清算価値の原則」というもう1つの弁済額を決める基準により、返済額が最低弁済基準額を上回ることもあります。
さらに、給与所得者等再生では、可処分所得基準という別の弁済額を決める基準が追加されます。
これにより、「毎月の返済額が重くて生活が成り立たない」という状態から抜け出しやすくなります。
個人再生を利用するための主な条件
個人再生は、誰でも無条件に利用できるわけではありません。
主に次の3つの条件が重視されます。
継続的な収入が見込めること
毎月返済を続ける必要があるため、会社員や年金受給者、安定した収入のある自営業者などが想定されています。
借金総額が5,000万円以下であること
ここでいう借金には住宅ローンは含まれません。
将来的に返済が難しくなるおそれがあること
「今は何とか払っているが、このままでは破綻する可能性が高い」といった状況でも対象になります。
事前に知っておきたい注意点とデメリット
信用情報への影響
いわゆる「ブラックリスト」の状態となり、一定期間はローンやクレジットカードの利用が難しくなります。
官報への掲載
国が発行する公的な情報誌に名前が載りますが、一般の生活で目にする人はほとんどいません。
手続きの負担
書類の準備や裁判所とのやり取りが必要なため、専門家のサポートが事実上不可欠です。
清算価値の原則
車や預貯金などの資産がある場合、資産の評価額の総額以上の弁済が必要となります。
個人再生では、実際に資産を失うわけではありませんが、弁済額が、仮に破産した場合の配当額(清算価値)を下回らないようこのような基準が設けられております。
【FAQ】個人再生でよくある質問
Q. 家族に知られずに手続きできますか?
同居している家族には、知られる可能性があります。
家計全体を裁判所に示す必要があるため、配偶者の収入資料などが求められることがあります。
Q. ギャンブルや浪費が原因の借金でも利用できますか?
利用できる可能性はあります。
個人再生では、借金の原因よりも「返済計画が現実的かどうか」が重視されます。
まとめ:自宅を守りながら生活再建を目指すために
個人再生は、 「家を残したい」「借金を現実的な金額に減らしたい」という希望を両立できる可能性のある制度です。
一方で、制度の仕組みや条件は複雑なため、自己判断だけで進めるのは難しいケースも少なくありません。
「今の収入で本当に返せるのか」
「住宅ローン特則が使える条件に当てはまるのか」
こうした点は、早い段階で専門家に確認することで、無理のない選択がしやすくなります。
当事務所では、初回相談を無料で承っております。借金でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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