任意整理の費用相場はいくら?1社あたりの料金と、手元に余裕がない場合の進め方

2026年02月16日

任意整理の費用相場はいくら?1社あたりの料金と、手元に余裕がない場合の進め方

「借金の返済で家計が厳しい中、弁護士費用まで支払えるのだろうか」
「1社あたり5万円と聞いたが、全体ではどのくらいかかるのか分からず不安」

任意整理は、自己破産や個人再生と異なり裁判所を通さない手続きのため、比較的費用を抑えやすい債務整理方法です。ただし、借入先の数が増えると、その分費用も増えるため、事前に全体像を把握しておくことが大切です。

この記事では、任意整理にかかる費用について、
「費用の内訳」「1社あたりの相場」「支払いのタイミング」
そして、現在手元に余裕がない場合でも手続きを進められる理由を、順を追って解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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任意整理の費用内訳:1社あたりいくらかかる?

任意整理の費用は、主に次の3つで構成されます。

着手金・基本報酬

(相場:1社あたり4万〜6万円)

弁護士が債権者との交渉を開始するための費用で、多くの事務所では「基本報酬」として定額で設定されています。

注意点として、「着手金0円」と表示されている場合でも、後から「解決報酬」として同程度の金額が発生することがあります。
そのため、最終的に1社あたりいくらかかるのかという総額を事前に確認することが重要です。

減額報酬

(相場:減額できた金額の10%程度)

交渉の結果、借金の元本が減額された場合に発生する成功報酬です。

例として、100万円の借金が和解により80万円になった場合、減額分20万円の10%で、2万円が報酬となります。

もっとも、近年の任意整理では、消費者金融やクレジットカード会社を相手に元本自体を減額することは難しいケースも多く、その場合は減額報酬が発生しないこともあります。

送金代行手数料

(相場:月1,000円〜2,000円程度/1社)

和解成立後、弁護士事務所が本人に代わって各債権者へ返済を行うための手数料です。
数年にわたる返済管理を含むため、実費と事務手数料を兼ねたものと考えるとよいでしょう。

任意整理の総額シミュレーション

借入先の数によって、費用の目安は次のようになります。
(※1社あたり5~6万円、減額報酬なし、送金代行手数料込みと仮定)

  • 3社:およそ15万〜18万円
  • 5社:およそ25万〜30万円
  • 10社:およそ50万〜60万

費用だけを見ると負担に感じるかもしれませんが、任意整理によって将来利息がカットされることで、結果的に総支払額が減るケースも多いのが実情です。

手元に余裕がない場合でも依頼できる理由

任意整理の相談では、「今はまとまったお金が用意できない」という状況の方も少なくありません。
それでも手続きを進められる背景には、次のような仕組みがあります。

受任通知による返済の一時停止

弁護士が依頼を受け、債権者に「受任通知」を送付すると、返済や督促が一時的に止まります。

返済が止まっている期間を使った分割払い

和解成立までの3〜6か月程度は返済が止まるため、
それまで返済に充てていた金額を、弁護士費用の分割払いに回すことが可能になります。

家計に合わせた無理のない支払い

多くの場合、月2万円〜3万円程度など、和解後の返済予定額と同程度の金額を目安に、分割で支払っていく形になります。
これにより、新たな大きな負担を生じさせずに手続きを進められるケースがあります。

※対応可否や条件は事務所ごとに異なります。

弁護士と司法書士の費用の違い

「司法書士のほうが安い」と思われがちですが、任意整理では必ずしも大きな差が出ないこともあります。

司法書士

1社あたり2万〜4万円程度と比較的低めですが、1社140万円を超える借金は扱えません

弁護士

金額の上限がなく、すべての債務に対応できます。

単純な1社あたりの金額だけでなく、事務手数料や報酬の条件も含めて、最終的な総額で比較することが大切です。

任意整理の費用に関するよくある質問

Q:着手金もすぐに払えない場合はどうなりますか?

A:事務所によっては、着手金についても分割払いに対応している場合があります。まずは受任通知を出して返済を止め、その後、家計を見直しながら支払っていく形が一般的です。

Q:自分で交渉すれば費用はかかりませんか?

A:理論上は可能ですが、個人での交渉では、利息カットや長期分割といった条件に応じてもらえるケースは多くありません。専門家が介入することで、交渉がスムーズに進むことが多いのが実情です。

Q:和解できなかった場合、費用はどうなりますか?

A:着手金は原則として返金されません。ただし、任意整理は相手方の合意が必要な手続きのため、難しいと判断される場合には、事前に説明があり、他の手続き(個人再生や自己破産)への切り替えを提案されることが一般的です。

まとめ:費用と効果を比較して判断することが大切

任意整理の費用は、将来発生する利息を抑え、返済の見通しを立て直すためのコストといえます。
借金の状況によっては、結果的に総支払額が減り、家計の負担が軽くなるケースも少なくありません。

まずは、現在の借入状況をもとに、費用と返済額の見通しを具体的に確認することが、検討の第一歩になります。

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