公正証書としての婚前契約書と私文書としての婚前契約書|春田法律事務所

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公正証書としての婚前契約書と私文書としての婚前契約書

公正証書としての婚前契約書と私文書としての婚前契約書

2019年07月13日

結婚前のカップルが「婚前契約書」を交わす際には、当事者が作った契約書(私文書)のままにしておくよりも「公正証書」にしておくと安心感が高まります。

以下では私文書としての婚前契約書を公正証書とするメリットをご説明します。

婚前契約書を公正証書にすることは可能

婚前契約書を作成したとき、「この契約書を公正証書にした方がよいのだろうか?」と考える方もいらっしゃると思います。
婚前契約書を公正証書とすることは可能ですが、そもそも公正証書とはどのようなものなのか見ていきましょう。

公正証書とは

公正証書とは、各地に設置された公証役場にいる公証人が作成する公文書の一種です。公証人の多くは、退職した元裁判官や元検察官といった法律の専門家です。契約書を公正証書とする最大の意味は、強制執行を容易にすることにあります。
私文書としての契約書に違反があった場合、まずはその契約違反を理由に裁判をする必要があります。そして、裁判で勝訴判決を得てから、強制執行という流れになります。この点、公正証書にしておけば、この裁判のプロセスをカットして、いきなり強制執行をすることができます。
また、公正証書は、原本が公証役場で保管されるので、紛失の心配がないというメリットもあります。

婚前契約書も公正証書にできる

婚前契約書も契約書ですから公正証書にすることができます。
公正証書にするときには公証人による内容のチェックが入りますから、記載内容に不備が含まれていると訂正してもらうことができます。また婚前契約書に公序良俗に反する内容や不法な内容が含まれている場合には指摘を受け、削除や修正をしてもらうことができます。

婚前契約書を公正証書にするメリット

では婚前契約書を公正証書にするメリットとしてどのようなことがあるのでしょうか?

強制執行が容易になる

前述のとおり、公正証書にしておけば、違反があった場合に強制執行が容易になります。例えば、婚姻費用の支払いが滞ったときには、直ちに預貯金や給与を差し押さえることが可能になります。
またこのように容易に強制執行されてしまうからこそ、契約をしっかり守ろうと相手に思わせることができます。

無効になりにくい

公正証書にする場合、法的に無効になりにくいといえます。なぜなら、公正証書にする際に、法律の専門家である公証人が契約の内容を確認し、法律に違反する規定については私的を受け、修正を求められるからです。
もっとも、公証人が確認するのは文面上の問題点のみですから、例えば、脅されたり、騙されたりして契約してしまった場合には、公正証書にしたとしても後にその無効や取消を主張することが可能です。ですから、公正証書にすれば、100%有効というわけではありません。

信用性が高く、その効力を否定されにくい

公正証書は信用性が高く、一般の私文書による契約よりトラブル防止効果が高いといえます。
私文書の婚前契約書の場合、一方当事者が、後に、「私はこんな契約書にサインはしていない」などと言ってくる可能性があります。
この点、公正証書を作成するときには、当事者双方が公証人役場に出頭し、身分証明書、印鑑証明書を示して本人確認を受けてから署名し、実印で押印を行います。そのため、上記のようなトラブルはほぼ生じません。
また、公正証書にしたということそのもので、契約書としての信用性は高く、その無効や取消を主張しようとは考えにくくなるという事実上の効果も期待できます。

偽造、変造されない

一般の私文書による契約書には、どうしても偽造や変造の危険があります。自分の知らない間に勝手に署名押印されて偽造されるケースもありますし、保管中に改変される可能性もあるでしょう。
公正証書の場合、当事者が自ら公証役場に出頭して作成するので偽造のおそれはありませんし、原本が公証役場に保管されるので変造(改変)のおそれもありません。

破棄、隠匿、紛失を防げる

公正証書を作成すると、原本が公証役場で保管されるので、勝手に破棄されたり隠されたりするおそれがありません。また自分で保管すると紛失してしまう危険性がありますが、公証役場で保管されるとそういった危険も回避できます。

以上のように、婚前契約書を公正証書にすると様々なメリットがあります。

婚前契約書を公正証書にすると「強制執行」できるのか

一般に私文書の契約書を公正証書にする一番の目的は、相手が契約に定めた義務を履行しないときに強制執行する点にあります。
たとえば養育費の取り決めなどであれば、公正証書にしておくと、相手が不払いを起こしたときにすぐに給料や預貯金を差し押さえて、効果的に取り立てができます。

では、婚前契約書の場合にも、公正証書にしておけば、相手が約束を守らないときに強制執行できるのでしょうか?
日本の婚前契約に関する情報では、よく家事に関する取り決めや、子育てに関す取り決めなども婚前契約の内容にすることを推奨するものが見受けられます。弊所では、そのような取り決めは、婚前契約とは別途に誓約書を作成することを推奨しています。現に、そのような取り決めは公正証書にしたとしても強制執行をすることはできません。
強制執行に適するのは、主に金銭の支払いに関する規定です。例えば、婚姻中の生活費の支払いや、離婚の際の慰謝料の支払い、養育費の支払いなどの取り決めです。
また、金銭に関する取り決めであっても、文言によっては強制執行ができない場合がありますので、公証人とよく打ち合わせることをお勧めします。

以上のように、公正証書にすれば何でも強制執行が可能なわけではないことは、よく気を付ける必要があります。

公正証書の作成方法

公正証書を作成したいときには、まずはお近くの公証役場に電話をして、婚前契約書を公正証書にしたいと伝えましょう。その後、担当の公証人にEメールやFAXで、自分たちで作成した私文書の婚前契約書送って、内容を確認してもらいます。
法的効力や文言などについて公証人から指摘を受け、修正して内容が固まると、公証人と日程調整を行い、カップルの二人が揃って公証役場に出頭し、その場で署名押印して公正証書が完成します。出頭の際には、現住所記載の運転免許証などの身分証明証、実印、印鑑証明書が必要です。
多少の手数料が発生しますので、事前に公証人に確認しておきましょう。

公正証書にするには、まず私文書としての婚前契約書を作成する必要があります。カップルの希望に応じた契約書を作成するには、婚前契約の知識、経験が豊富な弁護士のアドバイスを受けましょう。また、公正証書とする際の手続きを弁護士が代行をすることも可能です。お気軽にご相談下さい。

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