盗撮事件を弁護士に電話相談する際のポイント
最終更新日: 2023年07月12日
盗撮をしてしまい、いつバレるのだろうか、逮捕はされるだろうかと不安を感じながら過ごしている方や、家族が盗撮で捕まってしまい途方に暮れている方は、きっと、これから、どうすれば良いのだろうかと悩み、焦ってしまうでしょう。
このような場合、まずは、落ち着いて弁護士に相談することが大切です。
近年は、電話での相談を受け付けている弁護士事務所も増えており、まずは電話でアドバイスを受けることが多いでしょう。
今回は、刑事事件を多く取り扱う弁護士が、自身が、もしくは家族が盗撮事件に関わった場合の、弁護士への電話相談のポイントを詳しく解説いたします。
盗撮に関する弁護士との電話相談で伝えるべき内容
最初の電話相談の際、弁護士にはどのような内容を伝えればよいでしょうか。
ご本人が逮捕・勾留によって身柄拘束をされている場合と、身柄拘束されていない場合(在宅ということもあります)に分けて、検討してみましょう。
- 身柄を拘束されていない場合
- 身柄を拘束されている場合
身柄を拘束されていない場合
身柄を拘束されていない場合は、主に以下の点を説明する必要があります。
犯行の内容
いつ、どこで、どのような状況で、どういった方法で犯行に及んだのか、まずは簡潔に説明しましょう。
弁護士側から気になる点や重要な点は質問してくれるはずですので、全部伝えようと心配し過ぎず、簡潔に、概要を伝えることが大切です。
警察からの連絡の有無
警察から連絡があったのかどうかという点も、伝えておく必要があります。
弁護士としては、犯行が発覚しているのかどうか、捜査がどの程度進んでいるのか、自首をすべき事案なのかどうか等の検討をすることができ、早期に方針を立てることが可能となります。
家族からの協力が得られるかどうか
ご本人からの相談の場合、家族に打ち明けているかどうか、家族からの協力が得られるかどうかが重要です。
たとえば、自首をする場合でも家族に身柄引受人となってもらうことで、逮捕を回避できる可能性が高まります。
また、家族が協力し、監督をしてくれるのであれば、再犯防止につながると言え、この点をアピールすることで、終局処分の際にも有利に働き、場合によっては不起訴処分を得ることにもつながるでしょう。
そのため、家族に打ち明けているかどうか、協力を得られるかどうかを弁護士に伝えておくことは大切です。
身柄を拘束されている場合
本人が逮捕・勾留などで身柄拘束された場合のご家族からの相談の際は、どのようなことを伝えるべきでしょうか。
逮捕された日時
身柄拘束には法律で定められた厳格な期間制限があります。
逮捕された正確な日時がわかれば、検察官が勾留請求をする前に弁護士から勾留の必要がない旨の意見を出すべきなのか、勾留請求はやむを得ないとして裁判所に対して準抗告(勾留決定に対する不服申立て)を行うべきか、タイムリミットを見据えながら、方針を検討することが可能です。
留置されている警察署
身柄拘束されている事件では、速やかな身柄解放を目指すことが弁護士の役割の1つです。
そのためには、事情の説明を受けたり、弁護人選任届と呼ばれる書類を作成するために、実際に警察署(留置施設)にまで出向かなければなりません。
そのため、留置されている警察署を伝え、相談中の弁護士がすぐに動けるスケジュールなのかどうか、確認してもらうことが重要です。
警察から聞いた事件の内容
家族が、警察から聞いた事件の内容を、弁護士に伝えておくことも重要です。
もちろん、弁護士は、本人に接見し、本人か直接話を聞くのですが、やはり身柄解放は時間との戦いの側面がありますので、事前にご家族から状況を伺っておくことで、ご家族に準備して頂く事柄をよりスムーズに案内することが可能です。
盗撮に関する弁護士との電話相談で確認しておくべきこと
ここまでは、本人やご家族など相談者側から弁護士に伝えるべき事項についてご説明しました。
では、どういったことを、相談者側から弁護士に確認しておくべきでしょうか。
- 刑事事件の流れ
- 示談の進め方
- 事件の見通しについて
刑事事件の流れ
刑事事件に関与することが初めての方も多くいらっしゃるでしょうから、まずは、刑事事件がどのような流れで進んでいくのか、把握することが大切です。
特に身柄拘束をされている場合には、勤務先などへの説明の都合もあるでしょうから、どれくらいの期間、身柄拘束が続く可能性があるのか等、十分に説明を聞くべきでしょう。
また、身柄拘束されずに、在宅で捜査が進む場合にも、たとえば、捜査がどの程度の期間続くのか、何回くらい呼び出しをされるのかなど、今後の進み方を把握しておくことは重要です。
示談の進め方
示談は、不起訴処分を目指すためには極めて重要です。
そのため、どのように示談交渉を行うのか、弁護士の方針や考え方を聞いておくことが望ましいです。
たとえば、謝罪文や反省文の作成についてアドバイスや指導をしてくれるのか否か、示談金の限度額についての意見、相談者(被疑者)がどのようなことを誓約すべきと考えているのか等について、確認しておくことができれば十分でしょう。
事件の見通しについて
確認事項の3つ目としては、やはり事件の見通しです。
弁護士が、絶対に大丈夫などと断定的な発言をすることは基本的にはないと思いますが、たとえば、不起訴になる「見込み」がどの程度あるのかなど、事件の見通しを確認しておくべきでしょう。
罰金が見込まれるのであれば、現実問題として示談に使うことのできる金額も減ってしまうでしょうし、不起訴の確率が高いのであれば、少し無理をしてでも示談をすることが望ましいといえます。
盗撮事件の弁護士費用も電話相談で事前に確認可能です
盗撮事件の中身に関連して確認すべき3つの事項を説明いたしましたが、事件の中身とは離れて、弁護士費用についても、事前の電話相談で確認することが可能です。
- 主な弁護士費用
- 成功報酬の設定についてしっかりと確認することが重要
- 示談金を決めるためにも弁護士費用を把握するべき
主な弁護士費用
弁護士費用は、着手金と報酬金で設定されることが一般的です。
着手金は事件に着手する際の弁護士報酬、報酬金は事件の終結や一定の成果を得た場合の弁護士報酬をいいます。
また、これとは別に、交通費や通信費などの実費を負担する必要があります。
成功報酬の設定についてしっかりと確認することが重要
報酬金については、事件が終結した時点で定額を支払うことを約束する場合もあれば、何らかの成果が出たときに、成功報酬として支払う場合もあります。
たとえば、示談が成立した場合に成功報酬が発生する、不起訴処分となった場合に成功報酬が発生する、身柄拘束からの解放を達成すれば成功報酬が発生する、といった定め方が考えられます。
この成功報酬の発生の条件について、明確に内容を確認しておくことで、全体としておおよそ、どのくらいの弁護士費用が必要なのかを把握することが可能です。
示談金を決めるためにも弁護士費用を把握するべき
盗撮事件において、被害者との示談は重要なウェイトを占めます。
そして、弁護士費用についてイメージをもち、どのような場合に、どのような費用が発生するのかを知ることで、自身が、示談にどれだけのお金をかけることができるのか、シミュレーションすることができます。
つまり、示談をスムーズに進めるためにも、弁護士費用を把握しておくことが不可欠なのです。
まとめ
今回は、盗撮事件について、弁護士に電話相談する場合の注意点や確認事項について、ご説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
盗撮事件について弁護士に相談をする時点で、大きな不安や焦りがあることは当然です。
ただ、できる限り落ち着いて必要な情報を伝えることが、より適切なアドバイスを受けることにつながります。
ご自身が、ご家族が盗撮事件を起こしてしまった場合には、早期に弁護士に電話相談をすることをおすすめいたします。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。