盗撮で後日逮捕されるケースと逮捕されないケース

盗撮で後日逮捕されるケースと逮捕されないケース

2019年09月11日

1 はじめに

盗撮行為をしたのがばれて逃げて来てしまったが、後日逮捕されることはあるのか?

盗撮行為したのを誰かに見られていた気がするが、後日逮捕されることはあるのか?

盗撮事件で後日逮捕される場合、どれくらいで警察が来るのか?

このようなご相談は非常によくあります。今回は、盗撮事件の後日逮捕についてご説明します。

2 盗撮は現行犯以外の逮捕が難しい理由

盗撮行為をして、被害者や目撃者に取り押さえられ、その場で現行犯逮捕されるケースは多くあります。

他方、被疑者が犯行現場から逃走した場合、犯行現場付近の防犯カメラ映像から被疑者を特定する必要がありますが、被疑者を割り出せないこともあります。

また、現行犯逮捕をした場合は、盗撮行為に使用されたスマートフォンや小型カメラをその場で押収することができますので、盗撮行為の動かぬ証拠を得ることができます。

しかし、盗撮行為をした被疑者が犯行現場から逃走した場合、盗撮行為データを削除する、盗撮行為に使用したスマートフォンや小型カメラを破棄するなどの証拠隠滅がなされる可能性が高いです。

そうすると、防犯カメラ映像から被疑者を特定できたとしても、盗撮行為をした証拠がないということになってしまいます。

以上のように、盗撮行為をした被疑者を特定できない場合や、盗撮行為の証拠を確保できない場合があることから、盗撮行為は現行犯以外の逮捕が難しいのです。

3 防犯カメラをきっかけに現行犯以外で逮捕に至る事例

現行犯以外の後日逮捕には難しさがありますが、後日逮捕に至るケースも実際に多くあります。

⑴ 盗撮の被害届が出て防犯カメラから後日逮捕に至った事例

盗撮の被害届が出ると、警察は犯行現場付近の防犯カメラ映像を解析します。最近は至るところに防犯カメラが設置されていますので、防犯カメラの映像をもとに犯人が特定されるケースは多くあります。

⑵ 警察が張り込みをして盗撮の犯人特定に至った事例

防犯カメラ映像からは犯人を特定できなかった場合、警察が連日、犯行現場に張り込んで、防犯カメラに映っていた人物が現れた際に職務質問をして、犯人検挙に至るケースもあります。

4 盗撮で後日逮捕されないケース

次に、盗撮行為をして犯行現場から逃走した犯人が、後日逮捕されないケースについてみていきましょう。

⑴ 防犯カメラに写ってない

まず、被害者や目撃者が盗撮行為をした犯人を逃がしてしまい、警察に被害届を出したものの、犯行現場付近の防犯カメラに犯人が写っていなかったときは、後日逮捕はほぼ不可能でしょう。

⑵ 被害届が出ていない

被害者に盗撮行為がばれたケースでも、被害者が警察に被害届を出さないことがあります。その場合には捜査が始まりませんので、後日逮捕されることはありません。

なお、犯行現場で被害者や目撃者に声をかけられたわけではないけれども、盗撮行為がばれた気がするというご相談がしばしばあります。盗撮行為がばれた気がすると思う根拠はケースごとに違うので、一概には言えませんが、多くのケースは単なる気のせいで、被害届は出ていません。

5 盗撮をして後日逮捕されるまでの期間

盗撮行為をして現行犯逮捕はされなかったが、後日、警察が来て逮捕されるまでにどれくらいの期間がかかるのか。逆にどれくらいの期間、警察が来なければ後日逮捕はないと思っていいのかといったご相談もよくあります。

防犯カメラ映像などからの犯人の特定が容易かどうか、警察の他の事件での忙しさ具合によってまちまちで、2、3日で警察が来ることもあれば、1か月後に来ることもありますが、1か月以内に来ることが多いようです。

他方、半年や1年後に警察が来るというケースは稀です。

6 盗撮の後日逮捕、任意同行の流れ

盗撮行為の犯人が特定された場合、逮捕されるケースもあれば、任意同行を求められるケースもあります。後日逮捕、任意同行はどのような流れになるのでしょうか。

「〇月〇日の○○での盗撮事件について話が聞きたいから警察署まで来て欲しい。」
といきなり警察から携帯電話に電話がかかって来ることがあります。

この場合、逮捕はせずに警察署で事情聴取を受け、当日のうちに帰宅を許され、在宅捜査で進めていくことも多いです。

帰宅の際には、家族や上司に迎えに来てもらう必要があったり、そのようなお願いをできる人が身近にいない場合は、警察が自宅まで送り届け、住居を確認して解放されることもあります。

他方、早朝、いきなり警察が逮捕状をもって自宅にやってきてその場で通常逮捕されるケースや、警察署に任意同行を求められるケースもあります。捜査機関が盗撮行為の確たる証拠を掴んでいない場合には、任意同行を求めて、スマートフォンや小型カメラを押収して盗撮行為データが残っているかどうか確認されます。

7 盗撮で現行犯逮捕されなかった場合の自首

⑴ 自首をすれば逮捕を回避できることが多い

逮捕は、逃亡と証拠隠滅を防ぐためになされるものです。ですから、逃亡のおそれも、証拠隠滅のおそれも無いと警察が判断すれば逮捕はされません。

そして、自首をすれば、逃げも隠れもしないということですから、逃亡のおそれはないという判断に傾きます。

また、証拠品を持参して、しかも犯行を自供すれば、証拠隠滅はしないだろうという判断に傾きます。

加えて、出頭する際に、弁護士が同行し、今後、弁護士を通じて被害者と示談交渉をしていく方針を伝えれば、犯人が自ら被害者に接触する可能性は低いだろうと判断され、一層、逮捕される可能性は低くなるでしょう。

このように、後日逮捕が心配な場合には、警察が来るのを待っているよりも自ら行動した方が逮捕を回避できる可能性が高まります。盗撮は都道府県の迷惑防止条例違反や建造物侵入罪に該当する犯罪で、比較的軽微な犯罪ですから、自首をしてもなお逮捕されることはほとんどないでしょう。

⑵ 自首をした後、不起訴処分となるのか

自首をしたところ、被害届が出ていれば、被害者と示談交渉をしていくことが必要です。
被害者が加害者に個人情報を教えることはありませんので、示談交渉をするためには弁護士に依頼する必要があります。

自首をしたところ、被害届は出ていなかったというケースもしばしばあります。この場合、自首をした際に犯行に使用したスマートフォンや小型カメラが押収され、解析の結果、盗撮行為データが出てくれば、最終的に起訴される可能性はあります。

他方、既に犯行に使用したスマートフォンや小型カメラは処分してしまっているというケースでは、もはや盗撮行為の証拠がありません。この場合、立件することは不可能なため厳重注意を受けるだけで捜査が開始されないケースもあれば、捜査をして検察庁に事件送致された後に不起訴処分となるケースもあります。

⑶ 盗撮の自首は弁護士に相談しましょう。

以上のとおり、自首をすることで逮捕の回避や不起訴処分の結果を得られることがありますので、自首をすべきか悩んでいるときは、まずは弁護士にご相談ください。

8 最後に

盗撮事件で後日逮捕されるのではないかと不安を抱えている場合は、自首することをお勧めします。

最近は防犯カメラが街中にありますので、被害届が出ている限り後日逮捕される可能性は十分にありますので、警察が来るのを待っていて逮捕されるのではなく、自ら出頭して捜査協力をして逮捕される事態を回避するべきでしょう。

他方、もしも被害届が出ておらず、出頭したことで初めて捜査機関が盗撮事件を認知するケースもありますが、そのような場合も、証拠の有無によって厳重注意で終わったり、起訴されない可能性は十分にあります。

いずれにしても、盗撮事件で後日逮捕されるかもしれないと不安を抱えている方は、どのような対処をするべきか、刑事事件の経験豊富な弁護士にご相談ください。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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