強盗での逮捕を徹底解説!問われる罪・流れ・すべきことを紹介
最終更新日: 2023年07月12日
- 強盗でどのようなときに逮捕されるのか
- 強盗で逮捕後問われる罪について知りたい
- 強盗で逮捕されたら何をすべきだろう
強盗とは、加害者が被害者に対して言葉・行動・凶器などをもって脅迫し、強制的に財物を奪い取る犯罪のことです。罰金刑の設定がなく、法定刑は5年以上の有期懲役と、非常に重大な犯罪として扱われています。
強盗は刑法に規定された刑事犯罪のため、明るみに出れば逮捕され、法の裁きを受けることになるでしょう。
そこで本記事では、専門弁護士が強盗で逮捕される状況・問われる罪・逮捕後の流れ・すべきことについて解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 強盗をしたら現行犯逮捕や後日逮捕によって逮捕される場合がある
- 強盗では強盗罪・強盗致死傷罪・強盗未遂罪に問われる可能性がある
- 強盗で逮捕されたら実績豊富な弁護士に相談すべき
強盗で逮捕される状況
まずは、強盗で逮捕される状況について、以下2点を解説します。
- 現行犯逮捕
- 後日逮捕
現行犯逮捕
強盗で逮捕される状況の一つが、現行犯による逮捕です。現行犯の定義は、以下の通り、刑事訴訟法第212条に記載されています。
第二百十二条 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
② 左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
一 犯人として追呼されているとき。
二 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
三 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
四 誰何されて逃走しようとするとき。
わかりやすくいうと、「犯行をしている最中、あるいは犯行直後」が、現行犯です。罪を犯している最中、あるいは罪を犯した直後にその場で身柄を確保されるのが、現行犯逮捕です。
現行犯逮捕では、逮捕状がなくても逮捕できるという特徴があります。また警官による逮捕である必要もありません。警官以外が逮捕し、身柄拘束することを、私人逮捕といいます。
現行犯逮捕は、犯罪が行われたことが明確である場合に限り、認められています。
後日逮捕
もう一つの逮捕される状況が、後日逮捕です。法律用語でいうと「通常逮捕」です。
事件発生当日ではなく、後日に逮捕されることから後日逮捕と呼ばれています。
強盗事件が発生すると、警察官による捜査が入ります。警察は証拠収集、目撃者からの事情聴取などを行い、証拠を固めていくでしょう。
逮捕の要件に「被疑者が罪を犯したことを疑うに足る相当な理由があるとき」があります。
後日逮捕では、証拠が固まったら裁判官に逮捕状を請求し、発付されると逮捕状をもって逮捕するという流れです。
証拠収集などにかかる時間は、強盗の発生した状況や目撃者の数、証拠品の数などによって大きく左右されます。そのため、後日逮捕では、犯行後の数日で逮捕される場合や、数か月・数年経過後に逮捕される場合もあります。
強盗で逮捕された場合に問われる罪
強盗で逮捕された場合に問われる罪について、以下3点を解説します。
- 強盗罪
- 強盗致死傷罪
- 強盗未遂罪
強盗罪
強盗罪は、刑法236条に規定されている犯罪です。
(強盗)
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
強盗罪は窃盗罪と似ており、その違いは「暴行又は脅迫を用いて」の部分です。「ナイフを突きつけて現金を奪う」のは強盗になります。
また、刑法236条2項にある財産上不法の利益とは「ナイフを突きつけて、本来支払うべきタクシー代を支払わずに逃げた」というような場合です。
強盗致死傷罪
強盗致死傷罪は、刑法240条に規定されています。
(強盗致死傷)
第二百四十条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
強盗に加え、被害者にケガをさせた場合には「強盗致死傷罪」となります。強盗罪は5年以上の有期懲役ですが、強盗致死傷罪になるとさらに重い刑罰が課せられます。
被害者が負傷した場合は、無期懲役または6年以上の懲役です。死亡させた場合は、死刑または無期懲役で、期間の定めがありません。
強盗未遂罪
強盗が成功しなかったとしても、実際に強盗に着手すれば罪となります。これは刑法234条に規定されています。
(未遂罪)
第二百四十三条 第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。
つまり、強盗は着手した段階で犯罪として裁かれることになります。強盗の準備をしただけでは強盗未遂罪にはならず、実際に着手するのが未遂罪の成立条件です。
強盗の準備をしただけの場合は、強盗予備罪となります。
強盗で逮捕された後の流れ
強盗で逮捕された後の流れについて、以下4点を順番に解説します。
- 取り調べ
- 送致
- 勾留
- 起訴・不起訴
取り調べ
強盗事件で逮捕されると、警察官からの取り調べが始まります。警察では逮捕後48時間以内に限って、被疑者の身体拘束を認められており、その間にさまざまなことを調べます。
たとえば、被疑者本人の生い立ちや学歴、職歴、家族関係から人物像を調べていきます。さらに、被害者との関係や事件前後の行動、事件に至る経緯や動機まで多くのことを聞かれるでしょう。
警察に認められた、身体拘束期間である48時間以内に釈放するか、あるいは被疑者の身柄・証拠物・書類等を検察に送るかを判断します。
送致
逮捕から48時間後、検察に被疑者の身柄や証拠物等を送ることを「送致」といいます。ニュースなどで「送検」という言葉が使われることがありますが、これは報道用語であって、法律用語ではありません。
送致を受けた検察官は、一緒に送られてきた証拠などを元に捜査をします。検察官は、送致後の24時間以内に「釈放」もしくは「勾留請求」のどちらかを選択します。逮捕から送致終了までの72時間は、原則として、弁護士以外との外部連絡を取ることはできません。
勾留
検察官による24時間の捜査のあと、さらに捜査が必要だと判断した場合は、裁判所に勾留請求をします。勾留請求が認められると、勾留請求日を1日目として、原則10日間の身体拘束を受けます。
捜査状況によっては、さらに最大10日間にわたって勾留が延長されます。延長は1回だけですが、逮捕後の72時間と合わせると、最大で23日間の身体拘束を受けるのです。
検察は勾留期間の間に起訴するべきか、不起訴とするかの判断をする必要があります。
起訴・不起訴
検察官が、被疑者に刑事罰を与えるのが相当だと判断すれば起訴され、そうでなければ不起訴となります。不起訴の場合は裁判自体が開かれないため、罰されることも前科がつくこともありません。
起訴されると裁判が開かれ、被疑者は被告人となります。起訴された場合は、被告人勾留といってさらに身体拘束が続くことがあり、公訴提起日から2か月間と長期間になるのです。
また強盗罪で逮捕されたものの、起訴段階では強盗致死傷罪とされ、裁判員裁判になる可能性もあります。
強盗で逮捕された場合にすべきこと
強盗で逮捕された場合、まず最優先ですべきことは、専門弁護士への相談です。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるので、強盗事件の経験が豊富で実績のある弁護士を選びましょう。
強盗罪は5年以上の有期懲役という、非常に重い犯罪です。執行猶予がつくのは「3年以下の懲役・禁錮」「50万円以下の罰金」と決められているので、強盗罪は減刑されないと執行猶予がつくことがありません。
そのため、逮捕を回避したり、相手との示談交渉を進めるなどの対応が必要です。不起訴であれば前科がつくこともありません。減刑されて、懲役3年以下になれば、執行猶予がつく可能性もあるでしょう。
これらのことをしっかり考え、主体的に行動して、親身にサポートしてくれる弁護士を選ぶべきです。
強盗で逮捕されたら当事務所に相談を
本記事では、強盗で逮捕される状況・問われる罪・逮捕後の流れ・すべきことについて解説しました。
強盗罪は、非常に重い刑罰が課される犯罪です。逮捕から起訴までの23日間だけではなく、減刑がなければ5年以上の懲役となり、長期間にわたって社会から隔離されることになります。
社会から長く隔離された後では、社会復帰は非常に難しいものです。そうならないためにも、不起訴獲得・減刑・執行猶予獲得を目指して行動しなければなりません。
しかし、これらの目的は、逮捕され身体拘束を受けていると、極めて達成が難しくなります。専門の弁護士に依頼しておけば、加害者が身体拘束を受けていても、代理人として動くことができます。
また、弁護士は逮捕直後から接見できるので、取り調べに対するアドバイスや示談交渉、裁判時の対応活動まで行ってくれます。
強盗で逮捕されたら、まずは刑事事件に強い、当事務所にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。