深刻化する情報セキュリティリスクへの対応:弁護士に相談・依頼するメリットと選び方

2025年11月06日

深刻化する情報セキュリティリスクへの対応:弁護士に相談・依頼するメリットと選び方

現代のビジネス環境において、情報セキュリティは企業の存続に直結する重要な課題です。
個人情報や企業秘密の漏洩、巧妙化するサイバー攻撃、不正アクセスなどによって、企業が被る損害は年々拡大しています。

「自社は大丈夫」と思い込み、十分な備えを怠ると、万一の際に重大な経済的・社会的影響を招くおそれがあります。

 こうしたリスクに備えるためには、発生時の迅速かつ的確な対応、そして日常的な予防策の両方が欠かせません。その実現には、IT分野に精通した弁護士のサポートが有効です。

本コラムでは、情報セキュリティやITトラブル対応を弁護士に依頼するメリットと、最適な弁護士を選ぶ際のポイントについて解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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情報セキュリティ・ITトラブル発生時に弁護士へ依頼するメリット

情報漏洩やサイバー攻撃が発生した際、弁護士への依頼は法的手続きにとどまらず、実務的にも多くの利点があります。

迅速かつ適切な初動対応

情報漏洩対応に詳しい弁護士、特に情報セキュリティのスペシャリストである情報処理安全確保支援士の資格をもつ弁護士は、被害拡大の防止、原因調査、関係機関(例:個人情報保護委員会)への報告、影響を受けた方への通知などを法的観点からサポートします。
初動対応の質が、その後の損害や信用回復のスピードを大きく左右します。

法的リスクの最小化

漏洩や不正アクセスにより、損害賠償請求や行政処分、刑事罰などの法的責任が生じることがあります。弁護士がリスクを適切に評価し、対応策を講じることで、企業の法的負担を軽減できます。

再発防止策の構築支援

情報セキュリティに精通した弁護士は、単なる法令遵守だけでなく、実効性のあるセキュリティ体制の構築を支援します。これにより、企業の信頼回復と継続的なリスク低減が期待できます。

対外的な交渉・訴訟対応

被害者や取引先との交渉、監督官庁への対応、訴訟対応なども弁護士が一括して行うことで、企業側の負担を大幅に軽減できます。特に、東京・大阪などの大都市圏に拠点をもつ弁護士であれば豊富な対応実績があり、各機関との連携もスムーズです。

日常的なリスク対策としての「顧問契約」の活用

事件が発生してから対応するよりも、平時から体制を整えておくことが何より重要です。
そのためには、情報セキュリティに詳しい弁護士と顧問契約を結ぶことが効果的です。

顧問契約のメリット

セキュリティ体制のチェック

情報セキュリティのスペシャリストである情報処理安全確保支援の資格をもつ弁護士であれば、セキュリティ体制の安全性のチェックと対策についても助言を受けることができます。

インシデントの予防と法的リスクの低減の実現

契約書(SLAなど)の確認、プライバシーポリシーや情報取扱規程の整備、社員研修などによって、インシデント発生の予防と法的リスクを低減できます。

緊急時の迅速対応

トラブル発生時に即時相談できる体制が整っているため、初動の遅れを防げます。

コスト面での効率化

単発相談を繰り返すよりも、顧問契約の方が総合的にコスト効率が良いことが通常です。

費用対効果の考え方

セキュリティ対策は単なる「費用」ではなく、「将来の損害を防ぐための投資」と捉えるべきです。特に法的リスク管理の観点からは、専門知識を持つ弁護士への継続的な依頼が有効です。

最適な弁護士の選び方:比較検討のポイント

情報セキュリティ分野に対応できる弁護士は未だ多くはなく、また専門性や実務経験には大きな差があります。
弁護士を選ぶ際には、以下の点を確認しましょう。

専門性と実績

  • 情報処理安全確保支援などのセキュリティに関する専門資格をもっているか
  • IT・サイバー関連案件の対応実績が豊富か
  • 技術的な基礎知識を持ち、実務の現場感を理解しているか

これらは、的確なアドバイスを受ける上で欠かせない要素です。

評判と費用体系

  • 口コミや事務所情報などを参考に信頼性を確認
  • 費用体系が明確で、提供サービスとのバランスが取れているか

透明性のある料金設定は、長期的な信頼関係の構築にもつながります。

対応地域と機動力

  • 大都市圏(東京・大阪など)での実績
  • 全国対応が可能か、または主要拠点があるか
  • 緊急時に迅速に対応できる体制が整っているか

特にサイバー攻撃のような緊急性の高いトラブルでは、スピード感が重要です。

まとめ

個人情報漏洩や不正アクセスは、どの企業にも起こり得るリスクです。
重要なのは「発生してから対応する」のではなく、「発生しないよう備える」ことです。

情報セキュリティやIT法務に精通した弁護士と連携し、平時から体制を整えておくことで、万一の際にも迅速かつ適切に対応できます。
専門的なサポートを受けながら、企業の信頼と事業の継続性を守りましょう。

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