【家族向け】大麻で逮捕されたらどうなる?まずすべき初動と今後の生活への影響を弁護士が解説
2026年01月22日

「警察から電話があり、息子さんが大麻取締法違反の疑いで逮捕されました」
突然このような連絡を受ければ、多くのご家族は強い動揺を覚えるでしょう。
「まさかうちの子が」「これからどうなってしまうのか」「会社や学校にはどう説明すればいいのか」など、次々と不安が頭をよぎるのも無理はありません。
気が動転しやすい状況ではありますが、逮捕直後のご家族の対応は、その後の手続きや処分の方向性に影響を与えることがあります。
特に、早期の身柄解放や、執行猶予が付くかどうかといった点において、初動対応は重要な意味を持ちます。
この記事では、刑事事件を多く扱ってきた弁護士の立場から、大麻事件で家族が逮捕された場合に、まず確認・検討すべきポイントと、今後想定される流れや生活への影響について、要点を整理して解説します。
【重要】警察から連絡が来た際に、家族がまず確認したい3つのポイント
逮捕直後は情報が少なく混乱しがちですが、落ち着いて次の点を確認することが大切です。
警察署と容疑の確認
警察から連絡を受けた際には、以下の事項をメモしておきましょう。
- 身柄を拘束されている警察署
- 容疑の内容(所持・使用・栽培など)
- 担当している刑事の氏名
これらの情報は、弁護士へ相談する際にも必要になります。
弁護士への相談(できるだけ早めに)
逮捕後、最大72時間はご家族であっても本人と面会できないケースがほとんどです。この「空白の3日間」に本人と接見(面会)し、法的なアドバイスや精神的な支えになれるのは弁護士だけです。
なお、「当番弁護士制度」という制度があり、これは逮捕・勾留された被疑者が、1回に限り無料で弁護士を呼び、接見を受けられる仕組みです。
費用の負担なく利用できる点は大きなメリットですが、原則として1回限りで、その後も継続して弁護活動を依頼できるわけではありません。また、担当弁護士を選ぶこともできません。
そのため、事件の内容や今後の対応を具体的に検討する段階では、薬物事件の経験がある私選弁護士に早めに相談することで、見通しや方針が整理しやすくなるケースも多く見られます。
会社・学校への対応を検討する
逮捕により無断欠勤・欠席が続くと、解雇や退学といった不利益につながる可能性も否定できません。
事実をどの程度伝えるのか、あるいは体調不良など別の理由で説明するのかは、事件の内容や本人の立場によって判断が分かれます。
この点についても、弁護士と相談しながら慎重に対応することが望ましいでしょう。
逮捕から処分決定までの基本的な流れ(概要)
大麻事件で逮捕されると、一般的に以下のような流れで手続きが進みます。ご家族が一番気になるのは「いつ帰ってくるのか?」という点かと思います。
- 逮捕(最大3日間)
警察署等で取調べが行われます。 - 勾留(10日間〜最長20日間)
検察官が引き続き身柄拘束の必要があると勾留請求し、これを裁判所が認めた場合、勾留が決定されます。 - 起訴・不起訴の判断
裁判にかけるかどうかが決定されます。
身体拘束されたまま起訴された場合は、保釈請求が通らない限り、裁判が終わるまで拘束が続くこともあります。一方で、早期に弁護士が活動し「逃亡や証拠隠滅の恐れがない」ことを主張できれば、勾留されずに釈放されたり、保釈されたり、不起訴処分となったりする可能性もあります。
具体的な流れや刑罰の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。
家族だからできるサポート(面会・差し入れ)
勾留が決定し、接見禁止(面会禁止)がついていなければ、ご家族も警察署で面会ができるようになります。
面会のルールと注意点
- 時間制限: 1回15分〜20分程度が一般的です。
- 立会い: 警察官が立ち会います(会話内容は記録されます)。
- アクリル板越し: 身体に触れることはできません。
喜ばれる差し入れ・NGなもの
警察署内の留置場では生活必需品が限られています。
- OK(喜ばれるもの): 現金(中で物品やお菓子を買えます)、下着、着替え(紐なしのスウェット等)、本、メガネ。
- NG(入らないもの): 紐がついている服(パーカーやズボンの紐)、タオル、食料品(外からの持ち込みは不可の場合が多い)、手紙(検閲が入ります)。
※警察署によってルールが異なるため、行く前に留置管理課へ電話で確認することをおすすめします。
避けて通れない「家宅捜索」と「共犯の疑い」
大麻事件の場合、ご家族が住む自宅にも警察の捜査が入る可能性が極めて高いです。
自宅への家宅捜索
警察は「他に隠している大麻はないか」「入手ルートを示す証拠(スマホやメモ)はないか」を探すために、自宅に家宅捜索が入る可能性があります。所持品や入手経路に関する証拠を確認する目的で行われ、原則として拒否することはできません。
ご家族としては非常にショッキングな出来事ですが、事前の心構えがあれば冷静に対応できます。
同居家族も逮捕される?(共同所持の疑い)
「リビングに大麻があった」「夫のポケットに入っていた」という場合、同居している妻や家族も「一緒に所持していた(共同所持)」として疑われることがあります。
「私は知らなかった」と主張しても、状況によっては共犯とみなされるリスクがあるため、注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 「身元引受人」になると、再犯した場合に親も責任を問われますか?
身元引受人になったこと自体で、法的な責任や刑事罰が親に科されることはありません。
身元引受人は、本人を見守り、再発防止に努める意思を示す立場であり、連帯保証人のような法的義務を負うものではありません。
ただし、裁判で「家族が監督する体制が整っている」と評価されて執行猶予が付いたにもかかわらず、短期間で再び問題を起こした場合、次の裁判では監督体制が十分でなかったと判断される可能性があります。その結果、量刑判断に影響することはあり得ます。
賃貸マンションに警察が来ました。退去を求められることはありますか?
契約内容や事案の内容によって異なりますが、直ちに退去となるケースは多くありません。
一般的な賃貸借契約には、犯罪行為に関する条項が設けられていることがありますが、家宅捜索が入ったという事情だけで、すぐに契約解除となる例は限定的です。
一方で、近隣とのトラブルが生じていた場合や、住居が明確に違法行為の場として使用されていた場合には、契約違反を理由に対応を求められる可能性も考えられます。管理会社や大家への対応については、状況を整理したうえで慎重に進めることが望ましいでしょう。
Q. 保釈金をすぐに用意できない場合、どうすればよいですか?
状況によっては、保釈保証金の立替制度を利用できる場合があります。
保釈金は一定額の現金を納付する必要がありますが、ご家族だけで準備が難しいケースも少なくありません。そのような場合、保釈保証金の立替を行う団体の制度を利用し、手数料を支払って一時的に立て替えてもらう方法があります。
利用の可否や手続きの流れは事案によって異なるため、具体的な対応については、担当する弁護士に確認しながら進めると安心です。
「執行猶予」と「更生」のために家族ができること
起訴された場合でも、初犯であることや事情によっては、執行猶予が付される可能性があります。
裁判所が執行猶予を付けるかどうか判断する際には、再発防止の見込みがあるかが重要な要素とされ、その一つとして家族の関与や生活環境が考慮されることがあります。
そのため、ご家族としては次のような点を意識して対応することが考えられます。
- 身元引受人としての対応
本人が再び問題を起こさないよう、一定の監督・支援を行う意思を示します。 - 生活環境の見直し
交友関係や生活リズムを整理し、再発につながりやすい要因を減らす工夫が求められる場合があります。たとえば、SNSを通じて売人とやり取りしていた場合であれば、当該アカウントを削除する等の方策が考えられます。 - 専門機関の活用
依存の傾向が疑われる場合には、医療機関や相談機関を利用することも選択肢の一つです。
これらは、形式的に行えばよいというものではなく、どこまで対応すべきか迷う場面も少なくありません。
そのような場合には、弁護士に相談してみることも有効です。
第三者の立場から状況を確認することで、ご家族として取るべき対応が整理しやすくなることがあります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。




