窃盗をして現行犯逮捕ではなく、後日逮捕されることはあるか?

窃盗をして現行犯逮捕ではなく、後日逮捕されることはあるか?

2019年12月03日

1 はじめに

窃盗をしてしまったが、後日逮捕されることはあるのか? 窃盗は現行犯逮捕でないと逮捕されないのか? 後日逮捕される場合、どれくらいで警察は来るのか?
このような弁護士への相談は非常によくあります。そこで今回は、窃盗した場合の後日逮捕についてご説明いたします。

2 窃盗をした場合、現行犯以外でも逮捕されることはあるのか?

確かに、被害者や目撃者が窃盗をした犯人を取り押さえ、その場で現行犯逮捕するケースは非常に多いですが、他方で、その場では逮捕されなかったものの、被害届が出ており、後日、警察が逮捕状をとって逮捕するケースも多くあります。
ですから、窃盗は現行犯逮捕でないと逮捕されないというのは間違いです。

例えば、万引きをして被害者や目撃者に見つかったけれど逃げてきたという場合、設置された防犯カメラの映像に映る顔から被疑者が特定され、後日逮捕されるケースがあります。また店側で要注意人物としてマークし、顔写真を店員の間で共有しており、再度来店した際に、警察に通報されて逮捕に至るケースもあります。

3 窃盗をして後日逮捕されるまでの期間

窃盗をして現行犯人として逮捕はされなかったが、後日、警察が来て逮捕されるまでにどれくらいの期間がかかるのか、逆にどれくらいの期間、警察が来なければ後日逮捕はないと思っていいのかといった弁護士への相談もよくあります。

被害届が出ていれば、いずれは警察から接触してくる可能性は高いです。防犯カメラ映像などから犯人の特定が容易かどうか、警察の他の事件での忙しさ具合によってまちまちで、2、3日で警察が来ることもあれば、1か月後に来ることもあります。また、犯人特定に時間がかかり半年ほどかかることもあります。

4 窃盗をして後日逮捕される場合の流れ

⑴ 在宅捜査となる場合

では、後日逮捕される場合、どのような流れになるのでしょうか。「窃盗事件について話が聞きたいから警察署まで来て欲しい。」といきなり警察から携帯電話に電話がかかって来ることがあります。

この場合、身柄を拘束はせずに警察署で事情聴取を受け、当日のうちに帰宅を許され、在宅で捜査を進めていくことも多いです。帰宅の際には、家族や上司に迎えに来てもらう必要があったり、そのようなお願いをできる人が身近にいない場合は、警察が自宅まで送り届け、住居を確認して解放されることもあります。また、既に弁護士に依頼をしていれば、弁護士が身柄引受人となることが可能な場合が多いです。

⑵ 逮捕、勾留される場合

他方、早朝いきなり警察が逮捕状をもって自宅にやってきて、自宅の家宅捜索が行われ、警察署に任意同行を求められ、通常逮捕されるケースもよくあります。

そして、逮捕されると、検察庁へ事件を送る場合には、48時間以内に検察庁へ事件送致されます。
警察が勾留する要件がないと判断すれば検察庁へ事件を送る前の48時間以内に釈放して在宅事件とする運用の地域もあれば、原則として全ての事件を検察庁へ送る地域もあります。

検察庁へ事件が送られると、検察官との面談があり(弁解録取といいます。)、その面談を踏まえ、検察官は、事件送致から24時間以内に勾留の請求をするかしないかの判断をします。

検察官が裁判官に勾留の請求をすると、今度は裁判官との面談があり、そこで勾留をするのかしないのかの決定が出ます。勾留する決定が出ると10日間勾留されることとなり、さらに捜査の必要があると検察官は勾留の延長を裁判官に請求し、最大でさらに10日間の勾留がなされることになります。そして、原則として、勾留の最終日に起訴するかしないかの判断がなされます。

⑶ 示談交渉

身柄を拘束されている場合も釈放されている場合も、被害者との示談交渉はすべきでしょう。示談交渉では、示談金として被害金額の賠償と場合によっては迷惑料をお支払いします。多くの場合示談に応じていただけますが、デパートや大手のスーパー、ドラッグストアでの万引きの場合には示談に一切応じていただけないことがほとんどです。

示談が成立すると、前科前歴の有無や被害額によって、不起訴処分となることもあれば、起訴されることもあります。

窃盗罪として起訴された場合(建造物侵入罪や住居侵入罪も付くことがあります。)、これも前科前歴や被害額によりますが、略式手続による罰金刑となることもあれば、正式な裁判となって、懲役刑(実刑又は執行猶予付き)の判決を受けることもあります。

5 最後に

以上、窃盗事件の逮捕とその後の流れについてご説明しました。
後日逮捕されるのではないかと不安を抱えている場合は、自ら出頭することをお勧めします。捜査機関によって犯人が特定され、後日逮捕される可能性は高いため、警察が来るのを待っていて逮捕されるのではなく、自ら出頭して捜査協力をして逮捕・勾留される事態を回避するべきでしょう。
 窃盗をして後日逮捕される可能性について不安を抱えている方は、どのような対処をするべきか、早急に弁護士にご相談ください。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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