万引きで後日呼び出されたらどうなる?罪の重さ・その後の流れ・NG行動と対策を徹底解説

最終更新日: 2025年03月07日

万引きで後日呼び出されたらどうなる?罪の重さ・その後の流れ・NG行動と対策を徹底解説

  • つい出来心で万引きをしてしまった。どのような刑罰に処されるのだろう?
  • 万引きをして、警察から呼び出される事態はあるのだろうか?
  • 万引きで呼び出されたときは、弁護士と相談した方がよいのだろうか?

店舗の商品等を万引きしたら窃盗罪に問われる可能性があります。最悪の場合、10年の懲役(2025年6月1日以降は拘禁刑)に処されることもあるでしょう。

店員に知られず万引きできたと思っていても、後日警察から呼び出される可能性もあります。

そこで今回は、刑事問題に携わってきた弁護士が、万引きで問われる罪、万引きで警察に呼び出された後の流れ等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談できます。

  • 万引きが成功したと思っていても、防犯カメラや目撃者の証言で発覚する可能性がある
  • 万引きをして警察から呼び出しを受けた場合、逮捕される可能性がある
  • 警察から呼び出しを受けて悩むときは、弁護士と相談しよう

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

万引きの後日呼び出しで問われる罪

店の商品を会計しないまま店外へ持ち出せば、店員から呼び止められ、警察に通報される可能性があります。

たとえ万引きしたときに気づかれなくとも、後日、万引きが発覚して警察に呼び出されるケースもあります。

窃盗罪

万引きは「窃盗罪」です。

他人のお金や物を盗む行為はもちろん、お店に陳列している少額の商品を万引きしたときも本罪に問われます。

窃盗罪に問われ有罪になると、10年以下の懲役(2025年6月1日以降は拘禁刑)または50万円以下の罰金に処されます(刑法第235条)。

出典:刑法|e-GOV法令検索

初犯の場合

初犯で少額の万引きであった場合は、警察に呼び出されても「微罪処分」になる可能性があります。

「微罪処分」とは、万引き犯を検察官に送致せず、警察限りで処理を終わらせる処分です。微罪処分で済めば、刑罰に処されず前科も付きません。

ただし、微罪処分になるのは、万引き犯が真摯に謝罪し、万引きした商品の代金を店に支払う(弁済)等してしっかりと反省している場合に限られます。

再犯の場合

万引きが再犯の場合は、警察に呼び出され、逮捕されることがあります。

2回目の万引きが発覚したときは、基本的に微罪処分では済まないと考えた方がよいです。

厳しい処罰を受けたくないのであれば、店側と示談交渉を行い誠心誠意謝罪して、弁済をしなければなりません。

店側との示談が成立すれば、検察官が不起訴処分にするか、起訴されても刑事裁判で減刑になる可能性があります。

万引きで後日呼び出されるケース

万引きは、犯行時に店内の店員や警備員に気づかれなかったとしても、後日、さまざまなきっかけで発覚することもあります。

たとえば、店舗の防犯カメラ映像や、目撃者の申告等で発覚する場合などがあげれられます。

防犯カメラ

防犯カメラで万引き行為を店舗側が発見し、後日警察に呼び出しされるケースもあります。

店舗の内・外を問わず、防犯カメラの設置が一般化しています。特に次のような店舗には、複数台の防犯カメラが設置されているでしょう。

  • ショッピングモール、デパート、スーパー
  • コンビニ
  • 家電量販店
  • 本屋
  • 100円ショップ 等

防犯カメラに映らない場所で万引きしたつもりでも、万引き犯が気づいていなかった防犯カメラの映像で犯行の一部始終が確認される場合があります。

目撃者

店側が万引きに気づいていなくても、目撃者が万引きの事実を店に伝えたり、警察に告げたりして発覚するケースもあります。

万引き犯は、店員や警備員、監視カメラだけを警戒し、他の利用客に気がまわらないケースもあるでしょう。

万引き犯の不審な行動や万引きしている模様をスマートフォン等で撮影しておけば、重要な証拠となります。

目撃証言・証拠映像の他、万引き現場付近の防犯カメラから万引き犯が特定され、後日警察に呼び出される可能性も考えられます。

常習犯

万引きの常習犯は店舗側から常にマークされており、後日警察に呼び出されるケースもあります。

同じ店舗で万引きを繰り返す常習犯は、店舗側から要注意人物として監視対象となるでしょう。

たとえ万引きの瞬間を目撃できなかったとしても、後日、監視カメラで常習犯の行動を見直して、万引きを発見する可能性があります。

万引きで後日呼び出しがあった後の流れ

万引きの事実を確認した警察は、万引き犯(被疑者)から事情を聴くために、まず呼び出すでしょう。

その後の対応によっては、逮捕・起訴され有罪になる可能性もあります。

電話

万引きした数日後に、警察から電話連絡を受ける場合があります。

警察が電話連絡を行うのは、通常、事情聴取(取り調べ)の呼び出しを行うためです。電話連絡を受けた時点で、次のような事実が判明していると考えられます。

  • 万引きが発覚し店舗側から被害届(犯人の身元がわかっている場合は告訴状)が提出されている
  • 捜査が開始され、すでに万引き犯が特定されている

呼び出しを受けたときは、抵抗せず素直に警察へ出頭し、捜査に協力しましょう。

捜査協力

警察の事情聴取の呼び出しに応じ、捜査に協力しましょう。

通常、警察署に出頭してもすぐに逮捕されるわけではなく、「任意捜査」という形で事情聴取を受けます。

警察から事情聴取の日時の提示があるので、指定日に出頭しましょう。所要時間は事情聴取の内容によりますが、その日のうちに帰宅できる場合も多いでしょう。

取り調べ

警察官の事情聴取に素直に応じ、万引きの動機や経緯、余罪の有無等を答えましょう。

任意捜査の場合、事件捜査がまとまり次第、検察官へ書類送致されるでしょう。

検察官が「万引き犯は逃亡や証拠隠滅のおそれがない」と判断した場合は、留置施設や拘置所に勾留されることなく、在宅事件として捜査が進められます。

逮捕

任意捜査という形で警察の捜査が進んでいても、場合によっては逮捕される事態もあります。

たとえば、目撃者の証言や防犯カメラ等の証拠から、万引き犯の常習性や悪質性を確認できた場合です。

警察は万引き犯に逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断したときも、警察署の留置施設や拘置所に留置する措置をとるでしょう。

逮捕・留置した万引き犯は48時間以内に検察官へ送致され、最長20日間拘留され、捜査機関による刑事手続が進められていきます。

万引きで後日呼び出されたときのNGな行動

警察は当初、万引き犯に対し任意捜査という形で捜査協力を求める場合が多いです。

しかし、捜査に非協力的な態度をとれば逮捕されてしまう可能性があります。

無視し続ける

警察からの電話を無視しないようにしましょう。

警察は次のような疑念を抱き、逮捕に踏み切る可能性があります。

  • 万引きの発覚をおそれ、証拠を破棄や隠匿するために動いている
  • 逃亡の準備をしている

警察からの連絡を無視し続けると、それだけ逮捕されるリスクが増大することになります。

警察からの連絡にどう対処してよいかわからないときは、まず弁護士に相談し対応を協議した方がよいでしょう。

拒否し続ける

任意捜査を拒否し続ければ、本人の立場がどんどん不利になっていきます。

警察からの電話での呼び出しや警察署での事情聴取は、本人の協力が前提で強制力はありません。

任意の事情聴取を受けるか拒否するかは、本人の自由です。しかし、拒否し続けていると、警察は強制捜査に踏み切る場合があります。

任意捜査へ積極的に協力して万引き問題の解決を目指した方が、逮捕を回避できる可能性は高くなるでしょう。

万引きで後日呼び出されたらすべき対策

万引きで後日警察から呼び出されたときは、慌てずに今後の対応を検討する必要があります。

呼び出されて不安なときは、弁護士と相談した方がよいでしょう。

素直に従う

警察から呼び出されたときは素直に従いましょう。警察に出頭後、いきなり逮捕されることはまずありません。

任意捜査とはいえ事情聴取を受けるのが不安であれば、弁護士に同行を求めることができます。

事情聴取されている間、弁護士が警察署に待機することで、事情聴取中に弁護士に確認したい事項が出てきたときに、事情聴取を中断して弁護士に相談できます。

日時変更も可能

警察は本人に連絡し、事情聴取の日時を提示します。ただし、提示された日時は強制ではなく、調整がつかない場合は変更を申し出ても構いません。

  • 大学の授業や仕事があるので、提示された日時に出頭できない
  • 弁護士を選任している際中なので、代理人となる弁護士を決めてから出頭したい 等

上記のような理由であれば、自分の都合に合った日時の設定もできます。

供述調書の内容確認

事情聴取のときに作成される「供述調書」の内容をよく確認しましょう。

供述調書とは、捜査当局が、被疑者を事情聴取したとき作成する書類です。

供述調書は、事情聴取した内容をまとめるだけでなく、被疑者に閲覧または読み聞かせて、誤りがないかどうかを確認しなければなりません。

供述調書に誤りがなければ、被疑者は署名押印を行います。

調書の内容をよく確認しないと、事実と異なる内容(余罪が多い等)が記載されているケースもあり得るので、注意しましょう。

弁護士に前もって相談していれば、供述調書の確認ポイントをアドバイスできます。

弁護士への相談

警察から呼び出されたときは、任意捜査とはいえ自分が不利な状況とならないように、早く弁護士と相談した方がよいです。

弁護士に万引きについて相談すれば、次のようなアドバイスが得られます。

  • 任意捜査へ素直に応じる必要性
  • 事情聴取を受けるときの注意点
  • 任意捜査でも弁護士は同行できる点
  • 警察に逮捕された後の対応
  • 弁護士が行える弁護活動
  • 被害店舗との示談の必要性

相談後、弁護士に代理人を依頼すれば、警察・検察への働きかけや、被害店舗との示談交渉を進めていきます。

刑事事件に強い弁護士は、法律事務所のホームページやサイト等で確認できます。

  • ホームページ上で「刑事事件に関する交渉・裁判実績累計〇〇件」と具体的な数字が明示されている
  • サイトに万引き・窃盗事件の話題や、相談事例等が豊富に掲載されている
  • 示談や刑事手続の手順、弁護士報酬(目安)が明記されている 等

代理人候補を絞り込んで相談予約を行い、弁護士との相談に移りましょう。

万引きで後日呼び出しを受けたら弁護士にご相談を

今回は刑事事件の解決に尽力してきた弁護士が、万引きをして警察から後日呼び出された場合の対処法等を詳しく解説しました。

警察に呼び出されれば、任意捜査とはいえ、今後どのように刑事手続が進められるのか、不安は大きいでしょう。

そのような心配があるときは、法律の知識に精通し、刑事事件の交渉・裁判を担当してきた弁護士が力になれます。まずは弁護士とよく相談し、今後の対応の仕方について話し合ってみましょう。

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