窃盗の犯人が捕まる確率は?

最終更新日: 2021年07月08日

はじめに

窃盗をしてしまったけれど後日捕まるのか?その前に自首した方がいいのか?といった加害者からの弁護士への相談や、盗難の被害にあったけど犯人は捕まるのかといった被害者からの弁護士への相談は非常によくあります。

そこで今回は窃盗事件の検挙率について統計をもとにご説明するとともに、実際の後日逮捕に至った事例をご紹介します。

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窃盗の検挙率は?

平成30年度の犯罪白書によれば、平成29年の窃盗犯の認知件数(被害届などから警察が犯罪を認識した件数)は65万54985件、検挙件数は20万4296件(被疑者を捕まえた件数)でした。

検挙件数を認知件数で割ったものが検挙率ですが、窃盗の検挙率は31.2%です。なお、刑法犯全体の検挙率が35.7%です。

このような検挙状況をみると、被害者からの訴えなどがあって警察が犯罪を認知したのに、被疑者が捕まるのが3割弱というのが多いと感じる方もいれば、少ないと感じる方もおられるでしょう。

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高い万引きの検挙率

他方、窃盗犯の中でも万引きの検挙率は際立って高いです。平成29年の万引きの認知件数は10万8009件でしたが、検挙件数は7万5257件でした。検挙率は69.7%です。

店員や保安員による現行犯逮捕が多いことや、防犯カメラが多数設置されている店内で犯行が行われることが検挙率の高さの要因と考えられます。

窃盗で後日逮捕された事例

それでは、窃盗事件で現行犯逮捕はされなかったものの、捜査機関によって後日逮捕に至ったケースをご紹介します。

ショッピングモールの防犯カメラから特定された事例

Aさんはショッピングモールで転売目的の万引きを繰り返していました。犯行の一部始終が防犯カメラに映っていたことから、画像解析の結果Aさんは割り出され、最後の犯行から約半年が経ったある日、突如、警察から携帯電話に連絡があり、警察署に任意で出頭したところ、既に逮捕状がとられており、その場で通常逮捕されました。

トイレ付近の防犯カメラから特定された事例

Bさんはパチンコ店のトイレに置き忘れてあった財布を持ち去りました。

トイレ付近の防犯カメラ映像をもとに犯人がAさんと特定され、2週間後に再び来店した際に、店員が警察を呼んで、急行した警察官と任意同行の後、通常逮捕されました。

ゴルフ場の防犯カメラ映像から特定された事例

Cさんはゴルフ場で他人のゴルフバッグを持ち去りました。ゴルフ場の防犯カメラの画像解析の結果Cさんの犯行であることが直ぐに判明し、2日後、警察官が自宅にやってきて通常逮捕されました。

更衣室入り口の防犯カメラから特定された事例

Dさんはアルバイト先の更衣室で、他人が使用しているロッカーから財布を取り出し、現金数万円を盗みました。更衣室前の防犯カメラ映像などからDさんの犯行が疑われ、約1か月半が経過した頃、警察が自宅にやって来ました。Dさんは犯行を自供したため警察署で通常逮捕されました。

券売機の防犯カメラ映像から検挙につながった事例

Eさんは飲み会の帰り道、駅の券売機の前に置き忘れられていた財布を置き引きしました。券売機に埋め込まれた防犯カメラにEさんの犯行が映っていたことから、約1週間後、自宅に警察が逮捕状を持ってやってきて通常逮捕となりました。

最後に

以上、窃盗事件の検挙率や、実際に後日逮捕に至ったケースを見てきました。
検挙の有無については、証拠状況によりますので、確度の高い見通しがつきにくいケースも多くあります。

自ら自首をすれば逮捕を回避できるケースも多くありますし、被害を与えてしまった被害者に対してはきちんと賠償して示談することで起訴処分を免れる可能性がありますし、裁判になっても執行猶予がつく可能性が高まります。

窃盗をしたけれども現行犯逮捕はされず、後日逮捕が心配な方は捜査機関に検挙される前に刑事事件の経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

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