窃盗の示談は弁護士なしでも可能?やり方も専門弁護士が解説
最終更新日: 2023年12月08日
- 窃盗事件で示談を考えている
- 弁護士なしで示談交渉は可能か
- 弁護士なしで示談交渉をするときの注意点を知りたい
窃盗事件を起こして加害者になった方は、被害者と示談することが一般的です。このとき、弁護士に頼むと費用がかかるため、自分で示談交渉できないか考える方もいるかもしれません。
そこで今回は、窃盗事件を数多く解決に導いてきた専門弁護士が、窃盗の示談を弁護士なしで行うことはできるのか解説した後、途中から弁護士に依頼することにより何が期待できるか解説します。
窃盗の示談を弁護士なしでもできる?
ここでは、窃盗の示談を弁護士なしで行うことはできるのかについて解説します。
- 弁護士なしでの示談は実際可能
- 示談交渉が自分でできないとき
それでは、1つずつ解説します。
弁護士なしでの示談は実際可能
まずは、弁護士なしでの示談は実際可能か解説します。
結論から言えば、示談とは当事者同士の話し合いであるため、弁護士なしでも示談交渉自体は可能です。ただし、弁護士なしで速やかかつ円満に示談交渉がまとまる可能性は高くありません。その理由は大きく分けて2つありますので、表にまとめます。
そもそも示談交渉が自分で できないときがある | 詳細後述 |
示談がまとまらず裁判に なるリスクあり | ・法的知識がないと適切な示談交渉は困難 |
以上より、弁護士なしでの示談は可能でありますが、基本的には弁護士に頼む方がよいと考えられます。
示談交渉が自分でできないとき
次に、示談交渉が自分でできないときについて解説します。
弁護士なしで示談がまとまる可能性が高くない理由の1つとして、そもそも示談交渉が自分ではできない場合があることが挙げられます。示談交渉が自分でできないケースを、以下に記載します。
- 加害者本人が逮捕・勾留されているとき
- 加害者と被害者に面識がなく、お互いの連絡先を知らないとき
- 被害者が加害者と直接関わりたくないと考え、面会や手紙などの連絡を拒絶されているとき
窃盗事件で弁護士なしでの示談のやり方
ここでは、窃盗の示談交渉を弁護士なしで行うときの注意点を3つ解説します。
- 適正な示談書・謝罪文を作成する
- 適正な示談金額での和解か
- 法的にリスクが残る可能性がある
それでは、1つずつ解説します。
適正な示談書・謝罪文を作成する
示談交渉を弁護士なしで行うときの注意点1つ目は、適正な示談書・謝罪文を作成することです。
適正な示談書・謝罪文を作成できないと、新たなトラブルを起こす恐れがあります。最悪の場合、示談がまとまりかけていたにもかかわらず裁判になることも考えられます。
示談書に最低限必要な条項を列挙します。
- 示談金の支払額、支払い方法、支払日
- 清算条項(示談書以外に債権債務がない旨)
- 宥恕条項(刑事処分を望まない旨)
特に、清算条項は必ず入れましょう。清算条項を入れて示談書以外に債権債務がない旨を記しておかないと、紛争を蒸し返される恐れがあります。
また、謝罪文は被害者の心情に配慮して、よく作り込みましょう。不用意な謝罪文を送ると「お金を払うだけで問題が解決すると思ってはいないか?」など、被害者にネガティブな印象を与えて示談がまとまらなくなる危険性あます。
適正な示談金額での和解か
示談交渉を弁護士なしで行うときの注意点2つ目は、適正な示談金額での和解か把握することです。
示談交渉では、最終的には示談金を被害者に支払うことがほとんどです。このとき大切なことは、適正な示談金額で和解を行うことです。
相場金額より大幅に少ない金額を提示すると、被害者から了解を得られないだけでなく、感情を逆なでして新たなトラブルに発展する恐れがあります。反対に、相場金額より大幅に高い金額を支払うと自分に大きな負担が生じます。
最終的には窃盗物の金額などを考慮して示談金額を決定しますが、窃盗事件の和解金額の相場を知った上で交渉を行うことが重要です。
法的にリスクが残る可能性がある
示談交渉を弁護士なしで行うときの注意点3つ目は、法的にリスクが残る可能性があることです。
法的な知識を十分に持ち合わせていない方が示談交渉を行うと、法的にリスクが残る可能性があります。
一番大きなリスクは、被害届や告訴状を出す前に示談が成立したにもかかわらず、示談後に告訴されることです。
示談交渉で被害者と十分に交渉できず、宥恕条項を示談書に記載していないと、示談後に告訴されても不当とは言えません。また、前述の通り、清算条項を示談書に記載していないと紛争が蒸し返される恐れがあります。
窃盗の示談を弁護士なしから弁護士依頼に方向転換
ここでは、窃盗の示談交渉を弁護士なしから弁護士依頼に方向転換をして期待できることを3つ解説します。
- 事件化することが回避できる可能性が高まる
- 被害者側が安心して示談交渉に臨める
- 示談成立までがスムーズに進む
それでは、1つずつ解説します。
事件化することが回避できる可能性が高まる
弁護士依頼に方向転換で期待できることの1つ目は、事件化することが回避できる可能性が高まるということです。
事件化する前に、法的知識と交渉力を有する弁護士に依頼すれば、示談書に清算条項や宥恕条項などを盛り込めるよう交渉を確実に進めてくれるはずです。これにより、示談後に紛争を蒸し返されることや、被害届や告訴状を提出させることを防げます。
また、被害者の中には加害者本人と話したくないと考える方も珍しくありません。その点、弁護士相手であれば冷静になって交渉ができる可能性が高まります。
被害者側が安心して示談交渉に臨める
弁護士依頼に方向転換で期待できることの2つ目は、被害者側が安心して示談交渉に臨めるということです。
先ほど解説した通り、被害者の中には加害者本人と話したくないと考える方も珍しくありません。これは、加害者に対して恐怖心や怒りなどネガティブな感情を抱いているからです。
その点、弁護士相手であればこれらのネガティブな感情を和らげることができ、安心して示談交渉ができるはずです。被害者が冷静になって安心して交渉できれば、示談交渉がスムーズにまとまる可能性も高まります。
示談成立までがスムーズに進む
弁護士依頼に方向転換で期待できることの3つ目は、示談成立までがスムーズに進むということです。
前述の通り、被害者は加害者と直接交渉するよりも弁護士を通した方が安心して冷静な交渉を行えるものです。それに加えて、弁護士であれば法的知識や判例・経験則から、適切な交渉ができる可能性が高く、示談成立までスムーズに進むことが期待できます。
また、被害者が加害者に対して無茶な要求をしてきたときでも、加害者本人だけだと負い目を感じて断りにくく感じるものです。しかし、弁護士であれば適正な条件になるよう交渉してくれることが期待できます。
弁護士なしで進めていた窃盗の示談交渉を途中から弁護依頼した事例
ここでは、弁護士なしで進めていた窃盗の示談交渉を途中から弁護に入った事例として、コンビニでペットボトルのお茶1本を万引きして店長に逮捕された依頼者の事例を解説します。
相談内容 | ・依頼者は商品代金を支払ったが、店長から被害届を出すか検討すると言われ帰された ・警察沙汰になることを恐れた依頼者は、翌日改めてコンビニで謝罪 ・店長から反省が見られないと怒りを買い、被害届を出すと言われた ・依頼者は自身では対応できないと思い、事務所に依頼 |
解決の流れ | ・弁護士から店長に連絡をして、店長と弁護士で面談 ・店長は落ち着いて話し、万引きについては厳しく対応したいが被害届を出して事情聴取などで時間を取られたくない気持ちもあると話した ・30分程度の話で店長の気持ちもある程度おさまり、最終的には迷惑料として5万円を支払うことで示談成立 ・被害届も出されずに本件は解決 |
まとめ
今回は、窃盗の示談を弁護士なしで行うことはできるか解説したうえで、途中から弁護士に依頼することにより何が期待できるか解説しました。
窃盗の示談を弁護士なしで行うこと自体は可能です。ただ、そもそも加害者が被害者と直接示談できないことも珍しくないうえ、交渉が難航する危険性も高いので、基本的には弁護士に依頼するようにしましょう。
窃盗事件を起こして加害者になった方は、当法律事務所に相談してみてください。窃盗事件を数多く解決に導いてきた専門弁護士が、迅速かつ確実に問題解決に導きます。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。