不貞行為の証拠とは?法的に有効な例と収集方法、注意点を解説

最終更新日: 2025年08月12日

不貞行為の証拠とは?法的に有効な例と収集方法、注意点を解説

配偶者の行動に違和感を抱き、「もしかして浮気しているのでは…」と不安になっている方は多くいらっしゃいます。
しかし、いくら疑わしい行動があっても、法的に有効な「証拠」がなければ慰謝料請求や離婚交渉において有利に進めることは難しいのが現実です。

この記事では、不貞行為にあたる証拠とはどのようなものか、自分でできる収集方法、証拠がないとどうなるのか、そして弁護士に相談することで得られる支援について、できるだけわかりやすく説明していきます。

大切なのは、「正しい手順で、確実な証拠を集めること」。一人で抱え込まず、専門家の力を借りて、冷静に行動することが解決への近道です。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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不貞行為とは?法律上の意味と証拠の重要性

まず、「不貞行為」とはどのような行為を指すのか、法律的に確認しておきましょう。
一般的に「浮気」と呼ばれる行動はさまざまですが、法律での「不貞行為」とは、配偶者以外の相手と肉体関係を持つことを意味します。

この不貞行為が認められると、民法上の「離婚原因」として認定されるほか、慰謝料の請求も可能になります。

ただし、「怪しい行動がある」「なんとなく怪しいと思う」といった主観的な疑いだけでは不貞の立証にはなりません
不貞行為を主張するには、「誰が見ても納得するような証拠」を示す必要があります。

このため、裁判や交渉の場では、「証拠があるかないか」がとても大きな意味を持ちます。
証拠の有無によって、離婚できるかどうか、慰謝料が請求できるかどうか、その金額がいくらになるかまでが左右されるのです。

なぜ証拠がそれほど重要なのか?

不貞行為に関する証拠が重視されるのは、法的な場面では事実を客観的に証明する必要があるからです。

たとえば、「配偶者が浮気していると思う」という気持ちは本当だったとしても、それを裏付ける証拠がなければ、裁判所は判断できません。
相手が「していない」と否定すれば、言った・言わないの水掛け論になってしまいます。

証拠があると、次のような面で非常に大きな効果があります。

  • 慰謝料の請求が可能になる/金額を上げやすくなる
  • 離婚を有利に進められる(相手から拒否されても認められやすい)
  • 財産分与や養育費などの交渉でも主導権を持ちやすくなる
  • 相手への心理的プレッシャーになり、早期解決につながる

逆に、証拠がないまま進めてしまうと、不利な条件で離婚を迫られたり、慰謝料がもらえなかったりするリスクが高まります。

法的に有効とされる証拠の具体例

ここからは、裁判や調停の場でも「これは有効」と判断されやすい証拠の具体例を紹介します。

ラブホテルへの出入り写真・動画

2人が同時にホテルへ入り、一定時間後に出てくる様子を撮影したもの。
特に「夜間」や「複数回」にわたる場合は、肉体関係を推認しやすいとされます。

ベッドや部屋での親密な写真

プライベートな空間で裸やそれに近い状態で密着しているツーショットであればより有力です。

肉体関係を示唆するLINEやメールのやりとり

例:「昨日はありがとう。またあのホテル行きたいな」「あの夜のこと忘れられない」など。
単なる日常会話ではなく、肉体関係を仄めかすような内容が明確に読み取れることが大切です。

宿泊履歴やレシート

同日に同じホテルに宿泊した履歴、レストランの2名分のコース予約、深夜に発行されたホテルの領収書など。

日記や行動メモ

自分で記録しておくものでも、日時・場所・内容が具体的で、他の証拠と一致していれば信頼性が高まります。

録音データ

不貞を認める音声(例:「あの夜のこと、誰にも言わないでね」)など。
ただし、録音の方法によってはプライバシー侵害になることがあるため注意が必要です。

証拠にならない・弱いとされる例

次のようなものは、単体では証拠としては不十分とされがちです。

  • 食事やカフェでのツーショット写真(親しい友人の可能性もある)
  • あいまいなLINE(例:「また遊ぼうね」「今日はありがとう」)
  • SNSでの「いいね」やコメント
  • GPS履歴だけ(1人で行った可能性もある)
  • 第三者の「見た気がする」という証言のみ

ただし、こういった「状況証拠」でも、複数の情報を組み合わせれば、全体として不貞を裏付けられることがあります。

自分でできる証拠収集の方法と注意点

証拠は必ずしも探偵などのプロに依頼しないと集められないわけではありません。以下のような方法で、自力で情報を集めることも可能です。

  • 配偶者の行動を日記やカレンダーに記録
  • 家に残されたレシートや領収書を保管
  • LINEの画面をスクリーンショットで保存
  • 位置情報履歴(Googleマップのタイムラインなど)を確認
  • SNSの投稿内容やタグをチェック・保存

ただし、注意点として、相手のスマホを勝手に操作したり、隠し撮り・盗聴などを行うこと、GPSでの追跡はプライバシー侵害や違法行為にあたる可能性があります

「この方法は大丈夫かな?」と迷ったら、弁護士に相談して合法的な手段を確認してから行動するのがおすすめです。

弁護士に相談するメリット

証拠を集めることは精神的にも負担が大きく、「本当にこれでいいのか?」「相手にバレたらどうしよう」と悩む方も多いです。
そんなときは、法律の専門家である弁護士に相談することが、最も確実で安心な方法です。

弁護士に相談すると、

  • 違法にならない証拠の集め方が分かる
  • 今ある証拠が使えるかどうかを判断してもらえる
  • 相手との交渉を代行してくれる
  • 調停や裁判への対応までサポートしてくれる

など、法律面だけでなく、精神面でも支えてくれる存在になります。
初回相談が無料の事務所もありますので、「不安だけど誰にも言えない…」という方こそ、まずは一度相談してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ラブホテルの領収書だけでも証拠になりますか?

単体では弱いですが、LINEのやりとりなどと組み合わせると有力な証拠になります。

Q2. スマホをこっそり見るのは大丈夫?

パスコードを無断で解除すると不正アクセス禁止法違反とされる恐れがあります。慎重に判断する必要があります。

Q3. 不貞の証拠がないと慰謝料は絶対に請求できませんか?

原則として難しいですが、状況証拠を積み重ねれば可能性はあります。

Q4. 録音した音声は裁判で使えますか?

方法が合法であれば使える場合があります。録音前に弁護士に確認を。

Q5. 弁護士に相談するとどれくらい費用がかかりますか?

初回無料の事務所もあります。慰謝料の一部を報酬とする料金体系もあります。

まとめ

配偶者の不倫を疑いながらも、証拠の集め方や今後の対応に不安を抱えている方は少なくありません。

大切なのは、「冷静に、そして正しく行動すること」です。
法的に有効な証拠があれば、慰謝料請求や離婚交渉で大きな力になります。

もし「これって証拠になるの?」「どうやって集めればいいの?」とお悩みであれば、まずは弁護士に相談してみてください。

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