青少年保護育成条例違反で逮捕?不起訴はある?専門弁護士が解説
最終更新日: 2023年12月22日
- 青少年保護育成条例違反を犯してしまったかもしれない
- 青少年保護育成条例で逮捕されることはあるのか
- 青少年保護育成条例で逮捕されたときに弁護士ができることは何か
青少年保護育成条例は、各都道府県が制定する青少年の健全な育成を図ることを目的としたものですが、はたして自分の行為が本条例に違反するのか、不安に思う人もいるでしょう。なお、名称は都道府県によって異なり青少年健全育成条例という名称のこともあります。
そこで今回は、これまでに多くの青少年保護育成条例事件を担当してきた実績ある刑事事件専門の弁護士が、青少年保護育成条例とは何か、逮捕されるきっかけや逮捕された場合に弁護士は何ができるのかについて解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 青少年保護育成条例違反では逮捕される可能性がある
- 弁護士の早期対応で逮捕や起訴の回避の可能性が高くなる
- 青少年保護育成条例違反で実績のある弁護士に早い時期に相談することが重要
青少年保護育成条例違反と逮捕の意味を解説
まずは青少年保護育成条例違反と逮捕の意味を解説します。
青少年保護育成条例
青少年保護育成条例とは、青少年を性被害などから守り健全な育成を図るために各都道府県が制定する条例です。
青少年保護育成条例は、都道府県によってそれぞれ名称が異なります。また、青少年とは18歳未満の者をいいます。青少年保護育成条例では、主に青少年と以下の行為を行うことを禁止しています。
深夜の外出
深夜の外出を制限しています。東京都の条例では、正当な理由がないのに午後11時から午前4時までの深夜時間帯に16歳未満の青少年を連れ出したり、同伴したり、またはその場に留めた者は、30万円以下の罰金に処すると定めています。
淫行・みだらな性交
淫行・みだらな性交を禁止しています。ただし、すべての場合が違反行為となるわけではありません。真摯な交際が認められる場合は、処罰されないことが多いでしょう。
勧誘行為
勧誘行為を禁止しています。たとえば、ファッションヘルスやホストクラブでの勧誘行為は禁止されています。違反した場合は、30万円以下の罰金が科せられます。
自画撮り要求行為
自画撮り要求行為を禁止しています。青少年に児童ポルノの提供を求めること、金銭などを供与して、あるいは供与する約束をして児童ポルノの提供を求めることも禁止です。
逮捕
逮捕とは、裁判官の発した逮捕状によって逮捕されることをいいます。これに対して、犯罪行為を行ったそのときに逮捕されるのが現行犯逮捕です。
逮捕に必要な逮捕状とは、裁判所が被疑者を逮捕することを許可した場合に発行される書面のことをいいます。
逮捕は身柄拘束を伴うため、被疑者の人権を守るためにも裁判所の逮捕状が必要です。捜査機関が勝手に犯人を拘束しないように、裁判所が審査したうえで逮捕状が出されます。
逮捕では、犯行後に被害者が警察に被害届を提出します。被害届をもとに捜査機関が防犯カメラの解析などを行って捜査をします。
捜査機関が証拠により裁判所に逮捕状を申請し、裁判所がこれを許可すると逮捕状が発布されます。捜査機関はこの逮捕状をもとにして被疑者を逮捕します。
逮捕された後の流れ
逮捕された後は、被疑者は警察で取り調べを受け、48時間以内に検察に送致されます。取り調べのときには供述調書が作成され、後の手続きでも重要な証拠になります。
被疑者が検察に送致されると、検察官は勾留の必要があると判断すれば24時間以内に裁判所に勾留請求を行います。
裁判所が勾留請求を許可すると、被疑者は10日から20日間の身柄を拘束されます。検察官は勾留期間中に被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定します。
検察官が起訴すると被疑者は被告人と呼ばれ、起訴から約1か月後に刑事裁判が開かれます。検察官が不起訴にすれば、被疑者はその場で釈放されます。
青少年保護育成条例違反で逮捕されるきっかけ
青少年保護育成条例違反で逮捕されるきっかけは、以下の4つの場合です。
青少年本人の通報
青少年保護条例違反で逮捕されるきっかけは、青少年本人が通報する場合です。 たとえば、青少年と性行為をした後に口止め料として金銭も渡したのに、青少年がその後通報したような場合には、逮捕される可能性は高いでしょう。
親からの通報
青少年の親が警察などに通報するような場合も、逮捕のきっかけになります。たとえば、SNSなどで親が子どものわいせつ行為を発見したときに、警察に通報したような場合です。
補導や職務質問
青少年の補導や職務質問も、逮捕されるきっかけとなります。たとえば、警察が青少年を街頭で補導したり、また青少年といる成人を職務質問することにより、青少年保護育成条例の違反行為が発覚する可能性もあります。
サイバーパトロール
警察では、インターネット上で児童ポルノなどの違法情報や有害情報がないか、様々なサイトや掲示板をチェックするサイバーパトロールを行っています。 SNSなどでも児童ポルノの提供を呼びかけていれば、サイバーパトロールで見つかるでしょう。
青少年健全育成条例違反は弁護士に依頼して不起訴
青少年健全育成条例違反で逮捕されたときには弁護士に相談しましょう。以下のような弁護活動によって最終的に不起訴になるよう活動してくれます。
身柄釈放を目指す
青少年保護育成条例違反で逮捕されたときには、弁護士はまず身柄釈放を目指します。
釈放とは、刑事施設などでの身柄の拘束を解放することをいいます。釈放される可能性があるのは、逮捕後勾留前、勾留後起訴前、起訴後、の3つの場合です。
逮捕された場合に早期釈放されるには、勾留請求されないことが重要になります。勾留とは、被疑者が送検された後に検察官が裁判所に請求する身柄の拘束です。
そのため、弁護士は検察官に被疑者を拘束する必要のないことを説明したり、裁判官に勾留を却下するように説得します。
検察官の勾留請求により裁判官がこれを認めると、身柄拘束は10日間から最長20日間にも延長されます。できるだけ早い時期に弁護士に相談しましょう。
示談交渉を行ってくれる
逮捕されたとき、弁護士は被害者と示談交渉を行います。
青少年保護育成条例に違反した事件の示談は、通常は被害者である青少年の親が行うことが多くなります。
刑事事件では、犯罪の被害者と示談することが何よりも重要になります。示談が成立していると、逮捕や起訴の回避、減刑や執行猶予判決などの可能性が高くなります。
弁護士が適正な示談金を提示して示談を成立させ、被害者が加害者の処罰を求めない嘆願書を提出すれば、検察官が不起訴処分とする可能性は十分にあります。
不起訴処分を目指す
逮捕されたときに、弁護士は不起訴処分を目指して弁護活動を行います。
検察官は、被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定するときに、被害者の被害感情を重視します。被害者の処罰感情が高い場合は起訴、低い場合には不起訴に傾きやすいようです。
不起訴処分を獲得するためには、何よりも示談の成立が重要になります。示談が成立していることで、被害者への謝罪や解決がなされていると見なされるようになります。
不起訴になれば、被疑者は刑事裁判を行わずに事件を終了できます。実績のある刑事事件専門の弁護士に相談することで、不起訴処分の獲得を目指せます。
まとめ
本記事では、青少年保護育成条例に関する事件を数多く担当した弁護士が、青少年保護育成条例の概要から逮捕のきっかけ・逮捕された場合の弁護士による対応について解説しました。
青少年保護育成条例でお悩みの方は、早期に問題解決をするために、まずは弁護士との無料相談をしましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。