背任で逮捕される?逮捕の条件と回避するための全知識
最終更新日: 2026年03月30日

この記事でわかること
- 背任罪の定義と条文
- 横領罪・特別背任罪との違い
- 逮捕につながる4つの成立要件
- 背任罪に該当しうる具体例
- 逮捕後の流れとリスク
- 逮捕を回避するために今すぐやるべきこと
- 弁護士に相談するメリット
会社の業務に関連して背任の疑いをかけられ、このまま逮捕されてしまうのではないかという強い不安を抱えていらっしゃる方もいるかもしれません。
背任罪は、刑事罰が科されるだけでなく、社会的信用や職を失うことにもつながりかねない深刻な問題です。
しかし、適切な知識と迅速な対応によって、事態を穏便に収束させ、逮捕という最悪の事態を回避できる可能性は十分にあります。
この記事では、背任罪が成立する具体的な条件から、万が一逮捕された場合の法的な手続きの流れ、そして最も重要な、逮捕を回避し事態を穏便に収束させるために今すぐ何をすべきかまでを網羅的に解説します。
専門的な内容を分かりやすく紐解き、あなたが直面している問題解決への第一歩を後押しします。
この記事を監修したのは
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背任罪とは?逮捕につながる行為の定義
まず押さえたいポイント
背任罪は、単なるミスではなく「信頼を裏切って会社に損害を与える行為」に成立しうる犯罪です。
背任罪は、会社の従業員や役員といった、他者のために事務を処理する立場にある人が、その職務や地位を利用し、与えられた信頼を裏切って会社に損害を与える行為に対して成立する犯罪です。
これは、単なる業務上のミスではなく、自己や第三者の利益を図る目的で行われる点が特徴です。
例えば、経理担当者が個人的な利益のために不当な取引を行う、役員が自身の関連会社に不利益な契約を結ばせる、といったケースが該当します。
このセクションでは、背任罪の具体的な法律の条文をはじめ、混同されやすい横領罪や特別背任罪との違い、そして公訴時効についても詳しく解説していきます。
これらの情報を理解することで、ご自身の状況が背任罪に該当するのかどうか、またどのような法的なリスクがあるのかを客観的に判断する手助けとなるでしょう。
背任罪の定義と条文
背任罪は、刑法第247条に明確に定められています。
この条文は「他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたとき」に犯罪が成立すると規定しています。
要するに、他人の会社の業務を任されている人が、自分自身や誰か他の人のためにお金などの利益を得ようとしたり、会社に損害を与えようとしたりする目的で、自分の仕事のルールや常識に反する行為を行い、結果として会社に財産的な損害を与えた場合に成立する犯罪ということです。
この定義からわかるように、背任罪が成立するにはいくつかの要素が必要です。
単に会社に損害を与えただけでは背任罪にはなりません。
重要なのは、
- 「自分や第三者の利益を図る目的」
- 「会社に損害を与える目的」
- 「任務に背く行為」
- 「財産上の損害」
があったかどうか、という点です。
例えば、会社の経費を個人的な飲食費に充てたり、会社の機密情報を競合他社に漏洩させたりする行為などが、この背任罪の核心部分に該当する可能性があります。
背任罪と横領罪・特別背任罪との違い
違いを簡単に整理すると
- 横領罪:特定の財産を着服する
- 背任罪:権限を濫用して会社全体に損害を与える
- 特別背任罪:取締役など特定の役職者による背任
背任罪と似ているようで異なる犯罪に「業務上横領罪」や「特別背任罪」があります。
これらの違いを理解することは、自身の行為がどの罪に問われる可能性があるのかを判断する上で非常に重要です。
まず、横領罪との違いについてご説明します。
業務上横領罪は、会社のお金や物品など、自分が管理している特定の財産を勝手に自分のものにする行為です。
例えば、経理担当者が会社の金庫から現金を抜き取る行為などがこれに当たります。
これに対して背任罪は、特定の財産を着服する行為に限定されません。
与えられた職務上の権限や裁量権を濫用するなどして、会社全体の財産に損害を与える行為が背任罪に該当します。
例えば、十分な審査をせずに回収見込みの薄い融資を実行し、結果的に会社に損失を与えた場合などが挙げられます。
横領罪は「特定の財産を着服すること」が要件であるのに対し、背任罪は「権限を濫用して会社全体に財産的損害を与えること」が要件であり、対象となる行為の範囲がより広範です。
次に、特別背任罪についてですが、これは会社法第960条に定められている犯罪で、背任罪の一種ではあるものの、会社の「取締役」「監査役」「執行役」といった特定の役職にある者が背任行為を行った場合に適用されます。
通常の背任罪よりも刑罰が重く設定されており、会社の中枢にいる人物による背任行為は、会社の経営に与える影響が甚大であるため、より厳しく処罰されることになっています。
具体的には、取締役が自己の利益のために会社に損害を与える取引を行うといったケースが該当します。
背任罪の公訴時効は5年
背任罪には「公訴時効」という制度があり、犯罪行為が終わった時点から一定期間が経過すると、検察官は犯人を起訴することができなくなります。
背任罪の場合、この公訴時効は5年と定められています。
つまり、背任行為が行われてから5年間が過ぎれば、刑事責任を問われることはなくなるということです。
この時効は、最後の背任行為が終わった時点から起算されます。
例えば、複数の背任行為が連続して行われた場合は、最後の行為が終わった時点から5年となります。
公訴時効の存在は、過去の行為について不安を抱えている方にとって、法的な時間的制約を知る上で重要な情報です。
ただし、この公訴時効が成立したとしても、民事上の損害賠償責任までが消滅するわけではありませんので注意が必要です。
なお、特別背任罪の場合は、会社の経営に与える影響の大きさを考慮し、通常の背任罪よりも長く7年が公訴時効と定められています。
背任罪で逮捕される4つの条件(成立要件)
成立要件はこの4つ
- 他人のために事務処理を行う者であること
- 図利加害目的があること
- 任務に背く行為があること
- 本人に財産上の損害を与えたこと
背任罪は、単に会社に損害を与えたからといってすぐに成立するものではありません。
法律で定められた特定の「構成要件」をすべて満たして初めて犯罪とみなされます。
これらの要件が一つでも欠けていれば、背任罪で逮捕されたり、有罪になったりすることはありません。
このセクションでは、背任罪が成立するために不可欠な4つの条件について、それぞれ具体的に解説していきます。
ご自身の状況と照らし合わせながら確認することで、過度に不安を感じる必要がない場合もあるかもしれません。
背任罪の法的な側面を理解し、現在の状況を客観的に見直すための一助としてください。
1. 他人のために事務処理を行う者であること
背任罪が成立するための最初の条件は、「他人のためにその事務を処理する者」であることです。
これは、自分のためではなく、他者(例えば会社)の財産や利益を管理・保護する義務を負っている人を指します。
具体的には、
- 会社の従業員
- 取締役
- 経理担当者
- 財産管理人
などがこれに該当します。
雇用契約や委任契約といった形式的な契約の有無にかかわらず、実質的に他者から財産管理を任されている、あるいは他者の利益のために業務を行う立場にある人が対象となります。
つまり、会社からの信頼を受けて、その財産を適切に扱う責任がある人がこの要件を満たします。
2. 自己や第三者の利益を図る・本人に損害を加える目的(図利加害目的)
背任罪が成立する二つ目の重要な条件は、「図利(とり)加害目的」があることです。
これは、行為者が「自分自身や第三者(知人、取引先、親族など)に不当な利益を得させることを目的とした」場合、または「本人(会社)に損害を与えることを目的とした」場合に満たされます。
単に業務上の判断ミスや、不注意(過失)によって会社に損害を与えてしまった場合、この図利加害目的がないため、背任罪は成立しません。
あくまで、積極的に自己や第三者の利益を図ろうとしたり、会社に損害を与えようとしたりする明確な意図があったかどうかが問われるのです。
この目的があったかどうかが、背任罪と単なる業務上の失敗を分ける重要なポイントとなります。
3. 任務に背く行為(任務違背行為)
三つ目の条件は、「任務に背く行為(任務違背行為)」があったかどうかです。
これは、与えられた権限や裁量権の範囲を逸脱したり、濫用したりする行為、あるいは、法令、会社の社内規定、契約内容に明らかに違反する行為を指します。
具体例としては、
- 十分な返済能力がないと知りながら、知人の会社に高額な融資を行う
- 相場価格を著しく超える価格で特定の業者から商品を仕入れる
などが挙げられます。
これらの行為は、一般的に許容される業務上の裁量の範囲を明らかに超え、会社に不利益をもたらす可能性が高いと判断される場合に任務違背行為とみなされます。
単なる業務上の不手際や効率の悪い業務遂行は、この任務違背行為にはあたりません。
4. 本人に財産上の損害を与えたこと
背任罪の成立要件の四つ目は、「本人(会社)に財産上の損害を与えたこと」です。
これは、上記の任務違背行為の結果として、会社に実際に財産的な損失が発生したか、または具体的な財産上の損失が生じる危険性が高まったことを意味します。
例えば、回収の見込みが低い融資を実行した結果、融資金が返済されずに会社が不良債権を抱えてしまった場合は、「現実の損害」があったと判断されます。
また、現時点では損失が発生していなくても、その行為によって将来的に会社が財産を失う危険性が著しく高まったと評価される場合も、背任罪の成立要件を満たす可能性があります。
財産上の損害は、金額の大小にかかわらず、会社にとって不利益となる財産的な価値の減少や、その危険性の発生によって判断されます。
背任罪に該当する具体例
典型例
- 回収の見込みが低い相手への不正な融資
- 不当に高額な価格での商品購入
- 架空取引による利益供与
ここまで背任罪の成立に必要な4つの要件について解説してきました。
これらの要件は抽象的で、ご自身の状況と照らし合わせても判断が難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、このセクションでは、会社の経理担当者や営業担当者など、金銭や取引に関わる役職の方が陥りやすい具体的なケースを3つご紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、どのような行為が背任罪に問われる可能性があるのかを具体的にイメージしてみてください。
回収の見込みが低い相手への不正な融資
背任罪の具体的な事例として、金融機関の融資担当者や会社の経理・財務担当者が行ってしまう「不正な融資」が挙げられます。
例えば、取引先や個人的な知人などから融資を頼まれた際に、その相手に返済能力がほとんどないことを知りながら、会社に十分な担保も取らずに資金を貸し付けてしまうケースです。
この行為は、本来会社に損害を与えるリスクがあることを認識しつつ、特定の第三者に利益を得させる目的で行われるため、典型的な「任務違背行為」とみなされます。
結果として会社が貸付金を回収できなくなれば、会社には多大な財産上の損害が発生し、背任罪が成立する可能性が高まります。
不当に高額な価格での商品購入
次に、会社の仕入れ担当者が関与する「不当な高額購入」も背任罪の一例です。
これは、特定の取引先を利する目的で、市場相場よりも著しく高い価格で商品や原材料を継続的に購入し続けるケースを指します。
例えば、相場が1個1000円の商品を、特定の取引先から毎回2000円で購入していたとします。
この場合、差額の1000円は会社にとって不必要な支出、つまり財産上の損害となります。
担当者が、高額であることを知りながら、その取引先からのリベート(賄賂)を受け取るなどして、意図的に高値で購入を続けていれば、会社の利益を害して自己または第三者の利益を図ったとして、任務違背行為とみなされ、背任罪に問われる可能性が高まります。
架空取引による利益供与
経理担当者や営業担当者が関与する「架空取引」も、背任罪の典型的な具体例です。
これは、実際には商品やサービスの提供が一切行われていないにもかかわらず、あたかも取引があったかのように虚偽の請求書や書類を作成し、会社から特定の取引先へ代金を支払わせる手口です。
この行為は、会社を欺いて不当に会社の財産を流出させるものです。
支払われた代金は会社にとって財産上の損害となり、請求書を偽造し、架空の取引をでっち上げた担当者の行為は、自己または第三者の利益を図る目的で行われた任務違背行為と判断されます。
特に、不正に支払われた金銭の一部が担当者に還流していた場合は、背任行為の悪質性がさらに高まります。
背任罪で逮捕された後の流れとリスク
逮捕後に起こりうること
- 警察署への身柄拘束
- 検察送致
- 勾留(最大20日間)
- 起訴・不起訴の判断
- 解雇・信用失墜・前科のリスク
会社の業務に関連して背任の疑いをかけられ、もし逮捕されてしまったらどうなるのだろうか、という不安は大きいことと存じます。
このセクションでは、万が一、背任罪の容疑で逮捕された場合に、どのような事態が待ち受けているのかを冷静にお伝えします。
逮捕後の刑事手続きの具体的な流れや、それに伴う社会生活上の深刻なリスクを理解していただくことで、逮捕を回避することの重要性を再認識し、事態を好転させるための行動を考えていきましょう。
逮捕から起訴・不起訴までの刑事手続き
背任罪の容疑で逮捕されてしまった場合、その後の刑事手続きは以下のような流れで進みます。
- 警察に逮捕される
- 最大48時間以内に検察庁へ送致される
- 検察官が24時間以内に勾留請求するか判断する
- 勾留が認められると原則10日間、延長で最大20日間拘束される
- その後、起訴・不起訴が決まる
まず、警察に逮捕されると、警察署の留置施設に身柄が拘束され、最大48時間以内に検察庁へ送致されます。
この48時間の間、警察は被疑者から取り調べを行い、事件の事実関係や供述内容を記録します。
検察庁へ送致された後、検察官は送致から24時間以内に、被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があるかどうかを判断します。
検察官が「勾留(こうりゅう)」の必要があると判断した場合、裁判所に対して勾留請求を行います。
裁判所が勾留を認めると、原則として最大10日間の身柄拘束が決定します。
さらに、捜査の必要性がある場合には、検察官の請求により勾留期間が延長され、最大で20日間の身柄拘束が続くことになります。
この長期間にわたる身柄拘束は、会社への出勤はもちろん、家族との連絡も制限されるなど、日常生活に計り知れない影響を及ぼします。
勾留期間の満期までに、検察官は被疑者を起訴するか、不起訴にするかを最終的に判断します。
不起訴処分となれば、直ちに釈放され前科はつきませんが、起訴された場合は刑事裁判に進むことになり、有罪となれば前科がつくことになります。
逮捕によって生じる5つのリスク
背任罪の容疑で逮捕されることは、刑事手続きだけでなく、あなたの社会生活にも極めて深刻な影響を及ぼします。
ここでは、逮捕によって生じる代表的な5つのリスクについて解説します。
1つ目のリスクは、「長期間の身柄拘束による解雇・失職」です。
逮捕され、勾留が決定すると最大20日間もの間、会社に出勤することができなくなります。
会社によっては、長期間の欠勤を理由に懲戒解雇や諭旨解雇といった処分が下される可能性が非常に高くなります。
これは、たとえ不起訴になったとしても、失職のリスクは避けられない可能性があります。
2つ目のリスクは、「家族や友人など周囲の人々との関係悪化」です。
逮捕の事実や、それに伴う報道によって、家族は精神的な負担を強いられ、友人や同僚からの信頼も失ってしまうかもしれません。
特に家族は、今後の生活への不安や世間からの偏見に晒されることとなり、関係性が大きく損なわれる可能性があります。
3つ目のリスクは、「実名報道による社会的信用の失墜」です。
事件の性質や社会的な影響が大きい場合、氏名や顔写真が報道される可能性があります。
一度実名報道されてしまうと、インターネット上に情報が残り続け、社会的な信用を回復することが非常に困難になります。
転職活動や新たな人間関係を築く上で、大きな障害となるでしょう。
4つ目のリスクは、「起訴されて有罪判決を受ければ前科がつくこと」です。
不起訴処分となれば前科はつきませんが、起訴され刑事裁判で有罪判決が確定すると「前科」がつきます。
前科は戸籍には記載されませんが、検察庁や警察の記録には残り、その後の就職や海外渡航などに影響を及ぼすことがあります。
そして5つ目のリスクは、「精神的な苦痛と将来への不安」です。
逮捕されたことによる精神的ショックは大きく、将来に対する漠然とした不安、社会からの孤立感など、計り知れない苦痛を伴います。
これらのリスクを総合的に考慮すると、背任の疑いが浮上した時点で早期に対応することが、いかに重要であるかをご理解いただけるでしょう。
逮捕を回避するために今すぐやるべきこと
今すぐやるべきこと
- 刑事事件に詳しい弁護士へ相談する
- 被害者(会社など)との示談交渉を進める
- 必要に応じて自首を検討する
- 証拠隠滅や口裏合わせは絶対にしない
背任の疑いをかけられ、逮捕されるかもしれないという不安は計り知れないものです。
しかし、このような状況だからこそ、感情的にならず、冷静かつ迅速に行動することが何よりも不可欠になります。
適切な行動を早期に始めることで、最悪の事態である逮捕を回避し、事態を好転させることが可能です。
これから紹介する方法は、あなたが直面している困難な状況を打開し、未来を切り開くための有効な手段となります。
刑事事件に詳しい弁護士へ相談する
背任の疑いをかけられた際、最も重要かつ最初に行うべき行動は、刑事事件に詳しい弁護士に相談することです。
弁護士は、あなたの状況を法的な観点から正確に分析し、背任罪が成立する可能性や、逮捕されるリスクの有無を判断します。
また、警察からの取り調べがあった場合の適切な対応方法や、不利な証拠が残らないよう、どのような証拠を集め、保全すべきかについて具体的なアドバイスを提供します。
警察が捜査を開始する前、あるいはあなたが疑われている段階で弁護士に相談することは、その後の展開を大きく左右する決定的な一歩となります。
早期に専門家の知見を得ることで、無用な誤解や不利な状況を避け、最善の解決策を見つけることができるでしょう。
被害者(会社など)との示談交渉を進める
逮捕回避や不起訴処分の獲得に向けて、極めて有効な手段となるのが「示談交渉」です。
背任行為によって会社に損害を与えてしまった場合、被害者である会社に対し、誠実に謝罪し、速やかに損害を弁償する意思を示すことで、会社側が刑事告訴を取り下げたり、被害届を提出しないという判断を下す可能性が高まります。
しかし、加害者本人が直接会社と交渉しようとすると、感情的な対立が生じやすく、交渉が難航することがほとんどです。
そのため、第三者である弁護士を代理人として立て、冷静かつ法的な視点から交渉を進めることが強く推奨されます。
弁護士であれば、会社との信頼関係を維持しつつ、適切な金額での損害賠償や、告訴の取り下げを含む示談を円滑に成立させることが期待できます。
自首を検討する
状況によっては、「自首」が有効な選択肢となり得ます。
自首とは、捜査機関がまだ事件を認知していない段階で、自ら警察に出頭し、自身の罪を申告する行為です。
これにより、逮捕を回避できる可能性が高まるだけでなく、検察官が起訴・不起訴を判断する際や、裁判官が刑罰を決定する際に、刑が減軽される有利な事情として考慮されることがあります。
しかし、自首が必ずしもすべてのケースで最善の策であるとは限りません。
自首のタイミングや方法によっては、意図しない結果を招く可能性もあります。
そのため、自首を検討する際は、必ず事前に刑事事件に詳しい弁護士に相談し、自首のメリットとデメリット、そしてあなたにとっての最適な対応策を十分に検討した上で判断することが重要です。
やってはいけないこと:証拠隠滅や口裏合わせ
絶対に避けるべき行動
- 関係書類を破棄する
- パソコンのデータを削除する
- 同僚や取引先と口裏合わせをする
背任の疑いをかけられた際、不安や焦りから事態をさらに悪化させる行動を取ってしまうリスクがあります。
特に、「関係書類を破棄する」「パソコンのデータを削除する」といった証拠隠滅行為や、「同僚や取引先と事実と異なる口裏を合わせる」といった行為は、絶対に行ってはなりません。
これらの行為は、捜査機関から悪質な隠蔽工作とみなされ、逮捕の可能性を著しく高めてしまいます。
また、たとえ逮捕を免れたとしても、後の裁判において非常に不利な情状として扱われ、より重い刑罰を科される原因となりかねません。
どのような状況であっても、証拠隠滅や虚偽の証言をすることは避け、正直かつ誠実に対応することが、最終的にあなた自身を守ることにつながります。
背任事件を弁護士に相談する4つのメリット
弁護士に相談するメリット
- 逮捕の回避や早期釈放が期待できる
- 会社との示談交渉を有利に進められる
- 不起訴処分や執行猶予の獲得を目指せる
- 精神的な不安を軽減できる
背任の疑いをかけられ、逮捕されるかもしれないという不安を抱えているとき、弁護士への相談は、その後の人生を左右するほど重要な決断となります。
確かに弁護士費用という負担は発生しますが、それを大きく上回るメリットがあることをご存知でしょうか。
このセクションでは、弁護士に相談することで得られる具体的な4つの利点について詳しく解説します。
あなたの不安を解消し、最善の解決策を見つけるための一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
逮捕の回避や早期釈放が期待できる
背任の疑いをかけられた際、最も恐れるのは逮捕とその後の勾留による長期の身柄拘束でしょう。
弁護士は、このような事態を回避するために、あなたの味方となって積極的に弁護活動を行います。
具体的には、捜査機関に対して、あなたに逃亡の恐れがなく、証拠を隠滅する可能性もないことを客観的な証拠とともに主張し、逮捕せずに在宅で捜査を進めるよう意見書を提出します。
また、万が一逮捕されてしまった場合でも、弁護士は勾留請求を阻止するための活動を行います。
裁判官や検察官に対し、勾留の必要性がないことを詳細に説明し、早期の身柄解放を働きかけます。
これにより、逮捕そのものを防いだり、たとえ逮捕されたとしても勾留による不必要な身柄拘束を避け、速やかに日常生活に戻れる可能性が飛躍的に高まります。
会社との示談交渉を有利に進められる
背任行為が発覚した場合、被害者である会社は、あなたに対して強い処罰感情を抱いていることがほとんどです。
このような状況で、あなたが直接会社と交渉しようとしても、感情的になりやすく、建設的な話し合いは困難を極めるでしょう。
場合によっては、さらに関係を悪化させてしまう恐れもあります。
ここで弁護士が間に入ることにより、冷静かつ法的な観点に基づいた交渉が可能となります。
弁護士は、あなたの代理人として会社側と誠実に話し合い、与えてしまった損害に対する適切な賠償金額の提示や、今後の再発防止策などを提案します。
その結果、会社側があなたの告訴を取り下げたり、被害届の提出を見送ったりするなど、刑事事件化そのものを回避し、穏便に解決できる可能性が高まります。
弁護士という第三者が介入することで、会社との関係性を修復し、有利な条件での示談成立へと導くことができるのです。
不起訴処分や執行猶予の獲得を目指せる
もし背任の疑いで刑事事件として立件されてしまった場合でも、弁護士の弁護活動は非常に重要です。
弁護士は、検察官が起訴・不起訴の判断を下す前に、あなたに有利な事情を積極的に収集し、検察官に伝えます。
例えば、会社との示談が成立していること、あなたが深く反省していること、再発防止策を講じていることなどをまとめた意見書を提出します。
これらの活動により、検察官があなたを起訴しない「不起訴処分」を獲得できる可能性が大幅に高まります。
不起訴処分となれば、刑事裁判を受けることなく事件は終了し、前科がつくこともありません。
また、万が一起訴されてしまった場合でも、弁護士は裁判であなたに有利な事情を主張し、実刑判決を回避するための弁護を行います。
結果として、刑務所に入る必要のない「執行猶予付き判決」を獲得できる可能性が高まり、社会生活への影響を最小限に抑えることができるでしょう。
精神的な不安を軽減できる
背任の疑いをかけられた状況は、逮捕されるかもしれないという恐怖や、今後の見通しが立たない不安など、計り知れない精神的なストレスを伴います。
このような極度の緊張状態の中で、一人で解決策を模索するのは非常に困難です。
弁護士は、法的な手続きの専門家であるだけでなく、あなたの精神的な支えとしても重要な存在となります。
いつでも相談できる専門家があなたの味方でいてくれるという事実は、大きな安心感につながります。
弁護士は、あなたの状況を正確に把握し、具体的な見通しや今後の対応策を分かりやすく説明してくれます。
これにより、あなたは漠然とした不安から解放され、冷静に自身の状況と向き合い、適切な判断を下せるようになるでしょう。
法的な手続きの全てを信頼できる弁護士に任せることで、あなたは精神的な負担を大きく軽減し、未来に向けて前向きな一歩を踏み出すことができるのです。
背任による逮捕に関するよくある質問
よくある質問
- 背任罪の刑罰はどれくらい?
- 初犯でも実刑になる?
- 故意でなくても背任罪になる?
- 会社を解雇される?
背任罪の疑いをかけられ、逮捕されるかもしれないという状況は、計り知れない不安を伴います。
どのような罰則が科せられるのか、故意でなければ罪に問われないのか、そして会社からの解雇はどうなるのかなど、多くの疑問が頭をよぎるでしょう。
このセクションでは、背任罪に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で一つひとつ丁寧に解説していきます。
法的な側面から、あなたの抱える疑問を解消し、現在の状況を冷静に判断するための一助となれば幸いです。
背任罪の刑罰はどれくらいですか?初犯でも実刑になりますか?
結論
初犯でも実刑の可能性はあります。
背任罪の法定刑は、刑法第247条で「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。
この法定刑の範囲内で、裁判官が具体的な刑罰を決定します。
実際に科される刑罰は、
- 被害額の大きさ
- 行為の悪質性
- 動機
- 被害者への弁済の有無
- 示談の成立状況
など、さまざまな要素によって大きく変動します。
「初犯だから実刑にはならないだろう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、背任罪の場合、初犯であっても実刑判決を受ける可能性は十分にあります。
特に、被害額が非常に大きい場合や、計画的で悪質な手口で行われた場合、さらに被害者である会社との示談が成立しておらず、損害が回復されていないようなケースでは、執行猶予がつかない懲役刑となることも少なくありません。
したがって、安易に自己判断せず、早い段階で刑事事件に詳しい弁護士に相談し、適切な弁護活動を行うことが極めて重要となります。
会社に損害を与えてしまいましたが、故意ではありません。それでも背任罪になりますか?
背任罪が成立するためには、「自己または第三者の利益を図る目的」または「本人に損害を与える目的」(図利加害目的)という「故意」が必要不可欠です。
もし、業務上の判断ミスや、単なる不注意(過失)によって会社に損害を与えてしまったのであれば、背任罪として刑事責任を問われることはありません。
たとえば、市場の動向を読み間違えて損失を出してしまったり、うっかりミスで契約書に不備があり会社に損害が生じてしまったりするようなケースは、通常、背任罪には該当しません。
しかし、刑事上の責任とは別に、会社から「民事上の損害賠償」を請求される可能性はあります。
これは、雇用契約や委任契約に基づく責任を問われるものであり、刑事事件とは別の問題として扱われますので注意が必要です。
ご自身の行為が故意によるものか、それとも過失によるものか、判断に迷う場合は、専門家である弁護士に相談し、法的な見地から状況を整理してもらうことをおすすめします。
会社を解雇されますか?
背任行為が発覚した場合、残念ながら会社を解雇される可能性は非常に高いと言わざるを得ません。
多くの会社の就業規則には、背任行為やそれに準ずる行為が懲戒事由として明記されており、その中でも「懲戒解雇」という最も重い処分を受けるケースが少なくありません。
たとえ刑事事件として逮捕されなかったり、不起訴処分になったりしたとしても、会社としては従業員に対する信頼関係が失われたと判断すれば、懲戒処分を下すことが可能です。
これは、刑事責任の有無とは別に、会社と従業員の雇用契約上の問題として扱われるためです。
ただし、弁護士を通じて会社と交渉することで、解雇ではなく「依願退職」の形での解決や、退職金の一部支給など、より穏便な形での解決を目指せる場合もあります。
会社との関係や今後の生活に与える影響を最小限にするためにも、まずは弁護士に相談し、会社側との交渉を有利に進めるためのアドバイスを得ることが重要です。
まとめ
まとめ
- 背任罪は信頼関係を裏切って会社に財産上の損害を与える犯罪
- 成立には4つの要件が必要
- 逮捕されると勾留・解雇・実名報道・前科など重大なリスクがある
- 逮捕回避のためには早期の弁護士相談・示談交渉・適切な対応が重要
- 証拠隠滅や口裏合わせは絶対に避ける
背任の疑いをかけられ、この先の人生を左右する深刻な状況に直面している方は、今すぐ行動を起こす必要があります。
背任罪は、単なる業務上のミスではなく、個人の信用、家族との関係、そして社会的地位までをも脅かす重大な犯罪です。
一人でこの問題を抱え込んでしまうと、精神的な負担が増大するだけでなく、誤った対応を取ってしまい、事態をさらに悪化させる危険性があります。
逮捕を回避し、不起訴処分や執行猶予といった最善の結果を目指すためには、刑事事件の経験が豊富な弁護士にできるだけ早く相談することが、唯一かつ最良の道です。
弁護士は、あなたの状況を正確に把握し、法的な観点から背任罪の成立要件を検討します。
そして、警察や検察の取り調べに対する適切なアドバイス、被害者である会社との示談交渉の代行、さらには、あなたの有利になる証拠を収集し、検察官や裁判官に働きかけるなど、多岐にわたる弁護活動を行います。
弁護士は、単に法的な手続きを代行するだけでなく、精神的な支えとしてもあなたの力になります。
未来への不安を抱える今だからこそ、専門家の助けを借りて、冷静かつ迅速に対応することが何よりも重要です。
一刻も早く弁護士に相談し、今後の人生を守るための具体的な一歩を踏み出しましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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