児童買春による逮捕|穏便な解決へ導く弁護活動と家族がすべきサポート
2026年04月20日

もしあなたが、あるいはあなたの大切なご家族が、ある日突然「児童買春」の容疑で警察に逮捕されたら…? 長期間の身柄拘束、会社や学校からの解雇・退学、実名報道、そして「前科」という消えない烙印。一度の過ちが、築き上げてきた人生のすべてを奪い去る可能性があります。
「もう人生は終わりだ」と絶望的な気持ちになるかもしれません。しかし、適切な対応を迅速に行えば、未来への影響を最小限に抑え、穏便に事件を解決できる道は残されています。
その鍵を握るのが、逮捕直後の初動対応と、被害者との「示談交渉」です。
この記事では、児童買春で逮捕された後の流れ、不起訴処分を獲得し穏便な解決へ導くための具体的な弁護活動、そして不安の中にいるご家族が本人を支えるためにすべきサポートについて、専門的な知見から詳しく解説します。
最悪の事態を回避し、社会復帰を目指すための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
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児童買春罪の成立要件
児童買春罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(通称:児童買春・児童ポルノ禁止法)で定められています。この犯罪が成立するためには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。
相手が18歳に満たない児童であることの認識
行為の時点で、相手が18歳未満であることを知っている、または「もしかしたら18歳未満かもしれない」と認識(未必の故意)している必要があります。
相手が年齢を偽っていたとしても、言動や外見から明らかに児童であると推測できる状況であれば、この要件は満たされると判断される可能性が高いです。
対償の供与またはその約束
金銭や物品、食事の提供、借金の肩代わりなど、何らかの経済的な利益を相手に与えること、または与える約束をすることが必要です。
金額の大小は問われません。「パパ活」や「援助交際」といった名目であっても、対価性があればこの要件に該当します。
性交または性交類似行為等
相手の児童と性交(性器の挿入)、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることを行うことが要件となります。
これら3つの要件が揃うと、児童買春罪が成立します。
児童買春の刑罰
児童買春罪で有罪判決を受けた場合、5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。これは非常に重い刑罰です。
児童買春で逮捕された場合、具体的にどのような刑罰が科されるのか、そして逮捕後の詳しい流れやリスクについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連する犯罪(青少年保護育成条例違反など)
仮に、対償の供与がなく児童買春罪が成立しない場合でも、他の犯罪に問われる可能性があります。代表的なのが、各都道府県が定める青少年保護育成条例違反です。
この条例は、18歳未満の青少年と、対償の有無にかかわらず「みだらな性行為」をすることを禁じています。罰則は都道府県によって異なりますが、多くの場合で「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」などが定められています。
その他にも、相手を無理やり従わせた場合は不同意性交等罪、わいせつな行為をすれば不同意わいせつ罪、わいせつな画像を撮影すれば児童ポルノ製造罪など、より重い罪に問われる可能性も十分にあります。
児童買春が発覚する主なきっかけ
児童買春事件が警察に発覚するきっかけは多岐にわたります。近年では特にインターネットを介したものが増加しています。
サイバーパトロールによる摘発
警察はSNSや出会い系サイトなどを常に監視しており、不適切なやり取りを発見して捜査を開始します。
被害児童やその保護者からの通報・相談
被害に遭った児童本人や、その様子に気づいた親、友人などが警察や児童相談所に通報するケースです。
学校関係者からの通報
児童の様子の変化に気づいた教員などが学校を通じて通報することもあります。
おとり捜査
捜査員が児童になりすまして接触し、犯行の意思を確認して検挙するケースです。
銀行振込や電子マネーの送金履歴
別の事件の捜査などから不審な金銭の動きが発覚し、そこから児童買春が明らかになることがあります。
スマートフォンの解析
補導された児童のスマートフォンの履歴や、別の被疑者の捜査過程で押収した機器の解析から、関係者として浮上するケースです。
逮捕から起訴・不起訴までの流れ【タイムラインで解説】
児童買春の容疑で逮捕されると、刑事手続きは以下のタイムラインで進みます。この期間は、被疑者にとって心身ともに大きな負担がかかるだけでなく、その後の人生を左右する重要な時期です。
逮捕・取り調べ(最大72時間)
逮捕されると、警察署の留置施設に身柄を拘束され、取り調べを受けます。この間、外部との連絡は厳しく制限され、家族であっても原則として面会(接見)はできません。
弁護士のみが自由に接見し、法的な助言を与えることができます。警察は、逮捕から48時間以内に、事件と身柄を検察官に送致(送検)しなければなりません。
勾留(最大20日間)
送致を受けた検察官は、24時間以内に、引き続き身柄を拘束する必要があるかを判断します。必要と判断した場合、裁判官に「勾留請求」を行います。
裁判官が「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」があると認めると、原則として10日間の勾留が決定します。この期間で捜査が終わらない場合、検察官はさらに最大10日間の勾留延長を請求でき、認められれば合計で最大20日間、身柄拘束が続くことになります。
つまり、逮捕から起算すると、最大で23日間も社会から隔離される可能性があるのです。
起訴・不起訴の決定
検察官は、勾留期間が満了するまでに、被疑者を刑事裁判にかける「起訴」か、裁判にかけずに事件を終了させる「不起訴」かを最終的に決定します。
- 起訴:起訴されると「被告人」となり、刑事裁判を受けることになります。日本の刑事裁判の有罪率は99%以上であり、起訴されればほぼ確実に有罪となり、前科がつくことになります。
- 不起訴:不起訴処分となれば、即日で身柄が解放され、刑事裁判も開かれません。前科がつくこともなく、事件はそこで終了します。穏便な解決とは、この不起訴処分を獲得することを指します。
児童買春で逮捕された場合のリスク|本人と家族に及ぶ影響
前科がつくことによる社会的・経済的な不利益
起訴され有罪判決を受けると「前科」がつきます。前科がつくことによる不利益は、単に「犯罪歴がある」という事実だけにとどまらず、社会生活の様々な場面で具体的な障害となります。
資格・職業の制限
公務員、教員、医師、弁護士など、特定の職業に就けなくなったり、資格を剥奪されたりする可能性があります。
海外渡航の制限
国によっては、ビザの申請時に犯罪歴の申告が求められ、入国が拒否されることがあります。
再犯時の不利益
再び何らかの犯罪を犯してしまった場合、前科があることで量刑が重くなる傾向にあります。
学校や職場への影響(退学・解雇のリスク)
児童買春で逮捕された事実は、たとえ不起訴になったとしても、学校や職場に深刻な影響を及ぼします。
逮捕・勾留による長期間の身柄拘束は、無断欠勤・欠席とみなされ、就業規則や校則に基づいて懲戒解雇や退学処分の対象となる可能性が非常に高いです。特に、公務員や教員など高い倫理観が求められる職業の場合、事件が発覚しただけで懲戒免職となるケースがほとんどです。
メディアによる実名報道の可能性
被疑者の職業(公務員、教員、医師など)や社会的地位、事件の悪質性や社会的な関心の高さによっては、逮捕された段階でテレビや新聞、インターネットニュースで実名報道されるリスクがあります。
一度報道されてしまうと、その情報はインターネット上に半永久的に残り、「デジタルタトゥー」として本人や家族の人生に長く暗い影を落とし続けることになります。
家族関係への影響
児童買春事件は、本人だけでなく、その家族にも計り知れない影響を与えます。事件が発覚することで、配偶者や子どもは深い精神的ショックを受け、信頼関係は崩壊しかねません。離婚の原因となることも少なくありません。
また、近隣住民や親族からの非難や偏見に晒され、家族が平穏な生活を送ることが困難になるケースもあります。子どもが学校でいじめに遭うなど、その影響は世代を超えて及ぶ可能性があります。
穏便な解決を目指すための弁護活動
早期の身柄解放(釈放)に向けた活動
逮捕されてしまった場合、社会生活への影響を最小限に抑えるためには、一日も早い身柄解放が不可欠です。弁護士は、逮捕直後から以下のような活動を行い、早期釈放を目指します。
勾留請求の阻止
検察官に対し、勾留の必要性がないこと(逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと)を主張する意見書を提出し、勾留請求そのものを阻止するよう働きかけます。
準抗告の申し立て
裁判官によって勾留が決定されてしまった場合、その決定は不当であるとして、裁判所に不服を申し立てます(準抗告)。
勾留理由開示請求・勾留取消請求
勾留の理由を明らかにする手続きや、勾留の必要性がなくなったとして取り消しを求める活動を行います。
被害者側との示談交渉【解決の鍵】
児童買春事件において、不起訴処分を獲得し、穏便な解決を図る上で最も重要なのが被害者側との示談です。
示談とは、加害者が被害者に対して謝罪し、示談金を支払うことで、被害の回復と当事者間の民事的な解決を図ることを指します。
示談が成立し、被害者が加害者を「宥恕(ゆうじょ)する(許す)」という意思を示せば、検察官が不起訴処分とする可能性が格段に高まります。
なぜ示談交渉は弁護士に依頼すべきなのか
示談交渉は必ず弁護士に依頼すべきです。加害者本人やその家族が直接被害者側に連絡を取ろうとすると、被害者やその保護者は恐怖や怒りから接触を拒絶し、交渉が決裂する可能性が非常に高いです。
かえって処罰感情を煽り、事態を悪化させることにもなりかねません。
弁護士が第三者として間に入ることで、初めて捜査機関から被害者側の連絡先を入手できる場合が多く、冷静かつ真摯な謝罪と交渉が可能になります。
示談金の相場と内訳
児童買春事件における示談金の相場は、一般的に30万円~100万円程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、行為の悪質性、回数、被害者の年齢、精神的苦痛の度合い、処罰感情の強さなど、個別の事情によって大きく変動します。
示談金には、被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料のほか、必要に応じてカウンセリング費用などが含まれます。
児童買春事件において、穏便な解決を目指すために不可欠な「示談」について、その流れや相場、弁護士選びのポイントなどをより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
不起訴処分を獲得するための活動
弁護士は、示談成立を目指すだけでなく、不起訴処分を獲得するために多角的な活動を行います。示談が成立したことを示す示談書を検察官に提出するとともに、以下のような事情をまとめた意見書を提出し、起訴する必要がないことを強く主張します。
- 本人が深く反省していること
- 家族が本人を監督し、更生を支援する環境が整っていること
- 二度と過ちを繰り返さないための具体的な再発防止策(専門機関でのカウンセリング受診など)
再発防止策の提示と更生支援
事件を解決するだけでなく、本人が真に更生し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにすることが極めて重要です。弁護士は、本人の性依存の傾向や背景にある問題を分析し、専門の医療機関やカウンセリングプログラムを紹介するなど、具体的な更生計画の立案をサポートします。こうした真摯な更生の姿勢を示すことは、検察官の判断にも良い影響を与えます。
家族が逮捕されたときにすべきサポートとは
まずは冷静に状況を把握し、弁護士に相談する
家族が突然逮捕されたという連絡を受ければ、誰でもパニックに陥るのが当然です。しかし、まずはいったん冷静になり、状況を正確に把握することが重要です。
そして、できる限り早く、刑事事件、特に児童買春事件に精通した弁護士に相談してください。
逮捕後の72時間はその後の流れを左右する非常に重要な期間であり、初動の速さが明暗を分けます。
本人との接見(面会)で精神的な支えとなる
逮捕され、たった一人で取り調べを受けている本人は、極度の不安と孤独の中にいます。家族が接見(面会)に行き、「味方である」と伝え、話を聞いてあげることは、本人にとって計り知れない精神的な支えとなります。
ただし、事件に関する口裏合わせや証拠隠滅を疑われるような会話は、かえって不利になるため厳に慎むべきです。
示談交渉への協力(費用の準備など)
穏便な解決の鍵となる示談交渉には、示談金の支払いが不可欠です。
本人がすぐに費用を準備できない場合も多いため、家族が示談金を準備するなど、金銭面で協力することが、早期解決に直結します。弁護士と連携し、必要な費用について準備を進めましょう。
本人の更生に向けた環境を整える
事件が終わった後、本人が社会復帰し、二度と罪を犯さないためには、家族の監督と支援が欠かせません。
釈放後の生活を監督する、専門機関への通院に付き添うなど、本人の更生に向けた具体的な環境を整えることが、家族にできる最も重要なサポートです。その姿勢は、検察官や裁判官にも良い情状として考慮されます。
児童買春に関するよくある質問
相手が18歳以上だと偽っていた場合も罪になりますか?
罪になる可能性は十分にあります。児童買春罪の成立には「相手が18歳未満であることの認識」が必要ですが、これは「18歳未満かもしれない」という程度の認識(未必の故意)でも足りるとされています。
相手の言葉を鵜呑みにしただけでは、「認識がなかった」という主張は認められにくいのが実情です。年齢確認を怠ったり、外見や言動から明らかに年少者であると推測できたりした場合には、罪に問われる可能性が高いでしょう。
パパ活も児童買春にあたりますか?
はい、「パパ活」という名称であっても、18歳未満の相手に対し、金銭などの対価を支払う約束をして性交等を行えば、児童買春罪が成立します。
「食事やデートの対価であり、性行為の対価ではない」といった言い分は、客観的な状況から判断されるため、通用しないケースがほとんどです。
逮捕されずに事件を解決(在宅事件)することは可能ですか?
はい、可能です。被疑者に定職があり、家族もいるなど、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと警察が判断した場合には、逮捕・勾留されずに捜査が進む「在宅事件」として扱われることがあります。この場合、日常生活を送りながら、警察や検察からの呼び出しに応じて取り調べを受けることになります。
ただし、在宅事件であっても最終的に起訴される可能性はありますので、逮捕されていないからといって安心はできません。不起訴処分を目指すために、弁護士による弁護活動は同様に重要です。
自首をすれば逮捕されませんか?
自首したからといって、必ず逮捕されないという保証はありません。
しかし、警察が事件を認知する前に自ら出頭して罪を告白すれば、「逃亡や証拠隠滅のおそれがない」と判断されやすく、逮捕を回避できる可能性は高まります。
また、自首は刑法上の減軽事由にあたるため、万が一起訴されても刑が軽くなる可能性があります。
自首を検討する際は、弁護士へ事前に相談し、同行を依頼することが非常に有効です。自首同行のメリットや費用、詳しい流れについては、こちらの記事で解説しています。
まとめ
児童買春は、発覚すれば逮捕に至る可能性が高い重大な犯罪です。逮捕されれば、長期間の身柄拘束や前科がつくリスクだけでなく、職や社会的信用、さらには家族との関係まで、築き上げてきた全てのものを失いかねません。
しかし、事件を起こしてしまった場合でも、絶望する必要はありません。逮捕直後から迅速に刑事事件に強い弁護士に依頼し、被害者との示談交渉を誠心誠意進めることで、不起訴処分を獲得し、穏便な解決を図る道は残されています。
もしご自身やご家族が児童買春の当事者となってしまったら、まずは一人で抱え込まず、冷静に、そして早めに弁護士に相談してください。それが、未来への影響を最小限に食い止め、再起を目指すための最も確実な第一歩です。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
職員が丁寧にお話を伺います初回無料







