痴漢で逮捕された場合の釈放条件とは?条件・必要な対応・弁護士のサポートを徹底解説

最終更新日: 2025年03月09日

痴漢で逮捕された場合の釈放条件とは?条件・必要な対応・弁護士のサポートを徹底解説

  • 痴漢で逮捕されてしまった!何とか早く釈放してもらいたい。よい方法はないだろうか?
  • 痴漢で逮捕されると、留置施設に身柄を拘束されたままになるのだろうか?
  • 痴漢で釈放される条件が知りたい。誰か相談できる人はいないだろうか?

痴漢で現行犯逮捕されたり、後日逮捕(通常逮捕)されたりすると、逮捕されてから勾留満期まで最長23日間、身柄拘束を受けるおそれがあります。

20日以上も警察の留置施設に身柄を拘束されては、心身ともに疲弊してしまう可能性があります。早期釈放のために何らかの対応をとる必要があるでしょう。

そこで今回は、多くの刑事事件に携わってきた弁護士が、痴漢で逮捕後に釈放されるタイミング、早期釈放されるポイント等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談できます。

  • 痴漢で逮捕された後、すぐに釈放される可能性はある
  • 釈放の条件としては被害が軽微で、被害者の処罰感情の低さ等があげられる
  • 痴漢で逮捕されたときは、早く弁護士と相談しよう

刑事事件に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

痴漢で逮捕後に釈放となるタイミング

痴漢で逮捕された場合、必ずしも留置施設に何日も身柄を拘束されるわけではありません。

ケースによっては、当日中に釈放され帰宅を許される場合があります。

逮捕後すぐ

痴漢で逮捕された場合、被疑者に次のような事情があれば、すぐに釈放される可能性もあるでしょう。

  • 痴漢事件の初犯であり、前科もない
  • 被疑者は真摯に反省し、被害者に謝罪している
  • 衣服に手を入れ、下着や肌に直接触れるような悪質な行為ではない
  • 逃走や証拠隠滅のおそれがない

ただし、「釈放=お咎めなし」というわけではありません。後日、取り調べのために警察等から呼び出しを受けたときは、素直に応じる必要があります。

身柄を拘束する必要はないと判断されたとき

検察官が「被疑者の身柄を拘束する必要はない」と判断したときは、釈放される可能性があります。

警察が早期釈放を認めず、逮捕後48時間以内に検察官へ身柄が送致されても、検察官が逃走や証拠隠滅のおそれはないと判断し、在宅事件として扱う場合です。

その場合には、留置施設での身柄拘束を継続する裁判所への「勾留請求」も行われません。

痴漢での逮捕後に釈放となる条件

痴漢行為で逮捕されても微罪処分や在宅事件になった場合は、すぐに釈放されます。

微罪処分とは、軽微な犯罪は検察官に送致せず、警察のみで終わらせる処分です。

被害が軽微

痴漢の被害状況が比較的軽微であれば、微罪処分や在宅事件となる場合があります。

洋服の上から身体を指で少し触れただけであれば、逮捕されてもすぐに釈放される可能性があるでしょう。

ただし、逮捕されたときに被疑者が興奮状態の場合、しばらく身柄拘束されることもあります。

犯情が軽微

犯情が軽微と判断されたら、早期に釈放される可能性もあるでしょう。

犯情とは犯罪に至った経緯や動機を指します。捜査機関が処分を検討するときは、犯罪行為に至るまでの事情も考慮されます。

犯情が軽いと判断されるのは、たまたま電車やバスに居合わせた相手へ痴漢行為をしたケースです。

一方、痴漢したいと思った女性を待ち伏せし、付け回し、電車に乗ったタイミングで痴漢に及んだ場合は、犯情が重いと判断されるでしょう。

被害者と示談済み

被害者とすでに示談が成立していると、早期に釈放される可能性があります。

被害者と加害者(被疑者)が話し合い、加害者の謝罪や示談金(金銭的補償)の支払いで、痴漢被害は回復されたとみなされるケースです。

ただし、被害者と加害者が直接話し合っても、互いの感情がぶつかり、なかなか和解に進まない場合もあります。

弁護士を交渉役にすれば、冷静に交渉を進められるでしょう。

被害者の処罰感情が小さい

被害者が被疑者の刑事処罰を望まない場合、早期に釈放される場合もあります。

被害者が「被疑者を警察が厳重に注意してくれるならそれでよい」という考えの場合、警察も事件を早期に終了させ、微罪処分とする可能性が高いです。

被疑者は、すぐに被害者に誠心誠意謝罪し、許しを請う必要があります。

偶発的な出来事

被疑者に痴漢の意図がなかったと判断された場合、早期に釈放される可能性があります。

電車やバス車内の揺れで、たまたま胸や臀部に触れてしまったといった可能性です。

目撃者の証言や監視カメラ等の記録から、被疑者に不審な動きがなければ、事件性はないと捜査機関が判断し、被疑者は釈放されるでしょう。

痴漢で釈放された後の流れ

被疑者の痴漢行為が微罪処分となれば、検察へ送致されることもなく帰宅を許されます。

しかし、在宅事件となった場合、帰宅を許されても捜査自体は続いているため、警察や検察の呼び出しには応じなければいけません。

在宅事件での捜査

在宅事件の場合は次のように捜査が進みます。

1.警察から帰宅を許される
2.検察に書類送致(送検)される
3.警察や検察に取り調べための呼び出しを受ける、被害者にも取り調べが行われる
4.検察官が起訴か不起訴かを決定する
5.起訴された場合は刑事裁判に移行

在宅事件の場合、捜査期間は法定されていません。そのため、在宅事件の捜査は長引くケースも多いでしょう。

起訴・不起訴

痴漢に関する捜査が終了した場合、検察官が被疑者を起訴するか・不起訴にするかを決定します。

不起訴になるケースは次の通りです。

  • 嫌疑なし:被疑者の痴漢の疑いが晴れた
  • 嫌疑不十分:痴漢に関する証拠が乏しい
  • 起訴猶予:痴漢の事実は明白であるが、情状酌量の余地がある

一方、検察官が起訴を決めたときは刑事裁判に移行します。被疑者は「被告人」と呼ばれ、公開の法廷に出廷しなければなりません。

刑事裁判

被告人が痴漢行為を認めている場合、基本的に2回の公判期日で裁判は終了するでしょう。

第1回公判期日は、次のような流れで進みます。

1.人定質問:裁判官が被告人が人違いでないかについて確認する
2.起訴状朗読:検察官が痴漢行為に関する起訴状を読み上げる
3.黙秘権の説明:裁判官から被告人に対し、黙秘権がある旨を告知する
4.罪状認否:被告人が、起訴状で記載された罪状を認めるか否かを答弁
5.冒頭陳述:被告人が痴漢行為をした動機や経緯、被告人の経歴や前科等を、検察官が具体的に述べていく
6.証拠調べ:供述調書等の証拠を調べ、被告人等に質問を行う
7.求刑・弁論:検察官が論告求刑、弁護人は被告人の弁論を行う
8.結審:被告人の最終陳述が終了し、すべての審理が終了する

第2回公判期日では、検察側や弁護側の主張内容、関係者の証言、提出された証拠等、一切の事情を考慮し、裁判官が有罪か無罪かの判決を言い渡します。

なお、検察側や弁護側は判決に不服があれば、上級裁判所へ控訴できます。

痴漢で釈放されるために必要な対応

痴漢で逮捕されれば、長期間勾留を受けるかもしれません。

勾留の回避・短縮を望むのであれば、弁護士と相談し対応の仕方を協議しましょう。

弁護士に相談

弁護士は痴漢行為をした事情についてヒアリングした後、次のような法的アドバイスをします。

  • 相談者の痴漢行為が、どれくらいの罪になるか
  • 在宅事件となったときの刑事手続
  • 勾留されたときの弁護活動の内容
  • 被害者が特定されている場合の示談の有効性
  • 不起訴処分の可能性
  • 起訴され刑事裁判となったときの対応

現行犯逮捕されていない場合は、逮捕される可能性も考えて相談するとよいでしょう。

弁護士に私選弁護人を依頼すれば、後日逮捕されてもすぐに弁護士と面会し、弁護活動を任せられます。

現行犯逮捕され、自分で弁護士を選ぶ余裕がないときは、警察官に家族へ連絡したいと申し出て、家族から弁護士に依頼してもらうようにしましょう。

勾留請求の回避

弁護士は速やかに警察や検察を説得し、被疑者の早期釈放に尽力します。

弁護士は衣服の上からわずかに身体に触れただけの計画性のない痴漢行為のため、犯情が軽微で被疑者は深く反省している点を主張します。

また、逃走・証拠隠滅のおそれはなく、警察や検察の呼び出しにも応じる旨を告げれば、警察・検察側が帰宅を許す場合もあります。

不服申立

検察官が勾留請求を行い、裁判所が認めたとしても、弁護士は勾留阻止・期間短縮のため、次のような対応をとります。

  • 勾留理由開示請求:勾留理由を明らかにし、裁判所に勾留の可否の再考を求める
  • 準抗告:刑事裁判前に勾留決定不服を申し立て、決定の変更・取消しを求める
  • 勾留取消の申立て:示談が成立し痴漢の証拠も出尽くしたため、勾留の必要はなくなったと主張し、裁判所に勾留取消しを申し立てる

弁護士の請求や申立てに裁判所が納得し、勾留取消や短縮を認める場合もあるでしょう。

痴漢で釈放されるための弁護活動

弁護士は法律の知識に精通し交渉経験も豊富なので、どのような対応をとれば早期釈放となるのかを熟知しています。

特に被害者との示談成立は、捜査機関が被疑者を釈放する重要な判断基準となります。

検察官・裁判所への対応

弁護士は被疑者が初犯であり、痴漢行為が軽微である点を検察や裁判所にアピールします。

ただし、次のようなケースは悪質な痴漢行為です。

  • 被疑者が痴漢の常習犯で何回も逮捕されている
  • 衣服に手を入れ、下着や肌、性器に直接触れる
  • 被害者へ暴行や脅迫をして痴漢に及んでいる

上記のような行為は、いわゆる「不同意わいせつ罪」にあたる痴漢行為に該当します(刑法第176条)。

弁護士は、本件は不同意わいせつ罪にあたらないと主張し、検察や裁判所に早期釈放への理解を求めていきます。

出典:刑法|e-GOV法令検索

被害者との示談交渉

弁護士を交渉役として、被害者との示談成立を目指しましょう。

弁護士は被害者側の主張も聴きつつ、双方が納得できるように示談内容を調整していきます。

被害者と取り決める示談内容は、主に次の通りです。

  • 加害者(被疑者)は痴漢行為を謝罪し、今後二度と被害者に近づかない
  • 示談金の決定(示談金額、支払方法、支払期限)
  • 被害者は被害届や告訴状を取り下げる
  • 被害者は検察官に嘆願書を提出し、加害者の寛大な処分を求める
  • 示談成立後は、加害者と被害者は再び問題を蒸し返さない

双方が示談内容に納得すれば示談書を2通作成し、加害者と被害者が1通ずつ大切に保管しておきましょう。

示談の成立は早期釈放だけでなく、検察官の不起訴処分の判断にもつながる可能性があります。弁護士は起訴前に被害者との示談が成立するよう全力を尽くします。

痴漢による釈放なら春田法律事務所まで

今回は数多くの刑事事件の解決に尽力してきた弁護士が、痴漢で逮捕されても早期釈放を目指す方法等について詳しく解説しました。

春田法律事務所は、刑事事件の示談交渉や裁判を得意とする法律事務所です。痴漢行為で逮捕されたときは、弁護士と今後の対応の仕方を相談しましょう。

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