刑事事件の弁護士費用相場は?内訳と支払いタイミングを解説

最終更新日: 2026年04月07日

刑事事件の弁護士費用を解説!料金の詳細と依頼のポイントを詳しく紹介

ご自身やご家族が突然、刑事事件の当事者となってしまったとき、真っ先に頭をよぎるのは「弁護士費用は一体いくらかかるのか」という不安ではないでしょうか。

刑事事件の弁護士費用の総額は、一般的に60万円〜200万円程度が相場とされています。しかし、事件の内容(在宅事件か身柄事件か)や、目指すゴール(不起訴か執行猶予か)によって、その金額は大きく変動します。

「高額な費用を払える自信がない」「相場を知らずに契約して損をしたくない」と立ち止まっている間にも、刑事手続きは刻一刻と進んでいきます。

本記事では、弁護士の視点から、以下のポイントを分かりやすく解説します。

 

  • 項目別の費用相場(着手金・成功報酬・接見費用など)
  • 【状況別】総額の目安(痴漢・窃盗・裁判員裁判など)
  • 支払いタイミングと分割払いの可否
  • 弁護士費用を劇的に抑えるための3つの方法

 

この記事を読めば、今の状況で必要な費用の全体像が分かり、納得感を持って弁護士を選べるようになります。最適な一歩を踏み出すためのガイドとして活用してください。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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目次

刑事事件の弁護士費用相場|総額は60万〜200万円程度

刑事事件を弁護士に依頼した場合、弁護士費用の総額は60万円〜200万円程度がひとつの目安となります。

ただし、この金額はあくまで一般的な相場であり、事件の内容によって大きく変動します。
例えば、比較的軽微な窃盗事件で、逮捕されずに捜査が進む「在宅事件」であれば60万円程度に収まることもありますが、殺人や強盗致傷などの「裁判員裁判対象事件」や、無実を主張する「否認事件」など、弁護活動が複雑で長期化するケースでは、200万円を超えることも珍しくありません。

費用の総額は、事件の難易度、逮捕・勾留されているか(身柄事件か)、捜査段階で解決するか裁判になるか、といった様々な要因で決まります。
そのため、正確な費用を知るためには、弁護士に具体的な状況を説明し、見積もりを出してもらうことが不可欠です。

【一覧表】刑事事件でかかる弁護士費用の内訳と相場

弁護士費用は、いくつかの項目に分かれています。まずは、どのような費用が、どのくらいかかるのか、一覧表で全体像を把握しましょう。

費用項目相場概要
相談料0円~1万円/30分弁護士に事件を正式に依頼する前に、法律相談をする際にかかる費用。初回無料の事務所が多い。
着手金30万円~100万円弁護活動を依頼する際に支払う費用。事件の結果に関わらず、原則として返金されない。
成功報酬金30万円~100万円以上事件が良い結果(不起訴、執行猶予など)で終了した場合に、その成功の度合いに応じて支払う費用。
接見費用1回あたり3万円~5万円逮捕・勾留されている被疑者・被告人と弁護士が面会(接見)する際にかかる費用。
日当1日あたり3万円~10万円弁護士が遠方への出張や公判出席などで拘束される際にかかる、いわば出張手当。
実費かかった分を精算弁護活動で実際に発生した交通費、郵便代、記録のコピー代、保釈保証金以外の印紙代など。

※上記はあくまで目安です。法律事務所の料金体系や事件の性質によって金額は異なります。

弁護士費用の内訳を項目別に詳しく解説

相談料|初回無料の事務所も多い

相談料は、弁護士に事件のことを相談し、アドバイスをもらうために支払う費用です。

一般的には「30分5,000円+税」のように時間単位で設定されていますが、刑事事件に関しては「初回相談無料」としている法律事務所が非常に多くあります。

刑事事件はスピードが命です。逮捕されていなくても、警察から事情聴取の連絡が来た時点で、今後の見通しや取るべき対応について専門家のアドバイスを受けることが極めて重要になります。

費用を心配する前に、まずは無料相談を活用し、信頼できる弁護士かどうかを見極め、詳しい費用の見積もりを確認しましょう。

着手金|弁護活動の開始時に支払う費用

着手金は、弁護士に事件の弁護を正式に依頼し、委任契約を結ぶ際に支払う費用です。弁護士が事件に着手するための準備金や手付金のような性質を持ち、事件の結果(例えば、有罪になったとしても)に関わらず返金されないのが原則です。

着手金の相場は、事件の複雑さによって大きく変わります。

 

  • 比較的軽微な在宅事件(万引き、暴行など): 30万円~50万円程度
  • 逮捕・勾留されている身柄事件: 40万円~60万円程度
  • 否認事件や裁判員裁判対象事件など: 50万円~100万円以上

 

着手金には、事情の聴き取り、証拠の収集、被害者との示談交渉の開始、捜査機関への意見書提出など、初期段階の弁護活動の対価が含まれています。

成功報酬金|事件の結果に応じて支払う費用

成功報酬金は、弁護活動によって依頼者にとって有利な結果が得られた場合に、その成功の対価として支払う費用です。どのような結果を「成功」とし、いくら支払うかは、契約時に弁護士と具体的に取り決めます。

成功とみなされる結果の例と、その報酬金の相場は以下の通りです。

 

  • 不起訴処分を獲得(前科がつかずに事件終了): 30万円~50万円程度
  • 略式命令で終了(罰金刑で済んだ場合): 20万円~30万円程度
  • 執行猶予付き判決を獲得(実刑を回避): 30万円~50万円程度
  • 求刑より減刑された場合: 減刑の度合いに応じて設定
  • 無罪判決を獲得: 50万円~100万円以上

 

契約前に「どの結果になったらいくらかかるのか」を一覧表などで明確に示してもらい、十分に理解しておくことが後のトラブルを防ぐために重要です。

接見費用|逮捕・勾留中の面会費用

接見費用は、逮捕・勾留によって身柄を拘束されている本人に、弁護士が警察署の留置場や拘置所に面会(接見)しに行くためにかかる費用です。

逮捕された直後は、家族であっても面会できない「接見禁止」となることがありますが、弁護士は原則としていつでも、警察官の立ち会いなく面会できます。取り調べへの対応方法をアドバイスしたり、精神的な支えになったり、外部の家族との連絡役を担ったりと、接見は極めて重要な活動です。

相場は1回あたり3万円〜5万円程度で、法律事務所からの距離によって変動することもあります。事務所によっては、着手金に「5回までの接見費用を含む」といったパッケージ料金を設定している場合もあります。

日当・実費|弁護士の出張や手続きにかかる費用

日当は、弁護士が事務所を離れて、遠方の警察署への接見、裁判所での公判への出席、証拠集めのための出張などで半日以上拘束される場合に発生する費用です。相場は半日で3万円〜5万円、1日で5万円〜10万円程度です。

実費は、弁護活動を行う上で実際に発生した経費のことで、弁護士報酬とは別に支払います。具体的には、以下のようなものが含まれます。

 

  • 裁判所に納める印紙代(保釈請求など)
  • 事件記録をコピーするための謄写費用
  • 遠方へ移動する際の交通費、宿泊費
  • 内容証明郵便などの郵便代

 

実費は事件終了後にまとめて精算されるのが一般的です。

刑事事件の弁護士費用の支払いタイミングはいつ?

高額になりがちな弁護士費用を「いつ」支払う必要があるのかは、非常に気になるところです。支払いタイミングは、費用の種類によって異なります。

着手金は「契約時」に支払うのが基本

着手金は、弁護士と委任契約を結んだ後、速やかに一括で支払うのが原則です。

この着手金の支払いが確認できてから、弁護士は正式な「弁護人」として活動を開始します。つまり、弁護活動をスタートさせるための費用なので、前払いとなります。

成功報酬金は「事件終了時」に支払う

成功報酬金は、その名の通り「成功」した結果が出てから支払う後払いの費用です。

不起訴処分が確定した時点や、判決が言い渡されて確定した時点など、契約で定めた結果が出たタイミングで請求されます。事件が進行中の段階で請求されることはありません。

費用の分割払いや後払いは可能?

「まとまったお金がすぐに用意できない」という場合、費用の分割払いや後払いに応じてくれる法律事務所も少なくありません。
ただし、これは事務所の方針や依頼者との信頼関係によるため、すべての事務所で可能というわけではありません。

経済的な事情で支払いが難しい場合は、契約前の相談段階で正直にその旨を伝え、支払い方法について相談することが非常に重要です。
 後から「払えない」となると、弁護士との信頼関係が崩れ、最悪の場合、辞任されてしまう可能性もあります。正直に相談すれば、柔軟に対応してくれる弁護士は多くいます。

【状況別】弁護士費用はどのように変わるのか

事件がどのような状況にあるかによって、弁護士の活動内容や活動量が変わり、費用も大きく変動します。

逮捕されていない場合(在宅事件)の費用相場

在宅事件とは、被疑者が逮捕・勾留されず、普段通りの社会生活を送りながら、警察からの呼び出しに応じて取り調べなどを受ける事件のことです。

この場合の費用総額の相場は60万円〜100万円程度と、身柄事件に比べて低くなる傾向があります。
その主な理由は、身柄拘束されていないため、弁護士が何度も警察署に通う「接見費用」がかからないからです。

しかし、被害者との示談交渉や、検察官に不起訴処分を求める活動の重要性は変わらないため、決して安易に考えてはいけません。

逮捕・勾留されている場合(身柄事件)の費用相場

身柄事件とは、警察に逮捕・勾留され、警察署の留置場などで身柄を拘束されたまま捜査が進む事件のことです。

費用総額の相場は80万円〜200万円程度となり、在宅事件よりも高額になる傾向があります。高くなる理由は以下の通りです。

 

 

  • 取り調べへの対応をアドバイスするための接見費用が頻繁に発生する。
  • 勾留を防いだり、早期に釈放されたりするための身柄解放活動(勾留決定に対する準抗告、保釈請求など)が必要になる場合がある。
  • 弁護士の稼働時間が全体的に多くなる。

 

 

一刻も早く弁護士が対応することで、早期の身柄解放が実現すれば、結果的にその後の費用を抑えることにも繋がります。

弁護士費用が追加で発生するケース

当初の見積もりや契約の範囲を超えて、弁護士費用が追加で発生する場合があります。

  • 捜査段階から公判段階への移行: 
    捜査段階で不起訴にならず、検察官に起訴されて裁判になった場合、別途「公判弁護」の着手金が必要になる契約が多いです(例:捜査段階の着手金40万円、起訴後に公判段階の着手金として追加で40万円)。

  • 控訴・上告: 
    第一審の判決に不服で控訴したり、第二審の判決に不服で上告したりする場合、それぞれ新たに審級ごとの着手金・報酬金が必要になります。

  • 裁判員裁判対象事件: 
    重大な事件が対象となる裁判員裁判は、準備に膨大な時間と労力がかかるため、通常の事件よりも着手金・報酬金が高額に設定されます。

  • 遠方の事件: 
    裁判所や警察署が弁護士の事務所から遠い場合、日当や交通費・宿泊費などの実費がかさみます。

契約時に「この契約はどこまでの活動を含んでいるのか」をしっかり確認することが重要です。

刑事事件の弁護士費用を抑える3つの方法

高額になりがちな弁護士費用ですが、工夫次第で負担を抑えることも可能です。

複数の法律事務所から見積もりを取る

弁護士費用は、各法律事務所が自由に設定しています。そのため、同じ事件内容でも、事務所によって見積もり金額は異なります。

面倒でも複数の事務所に相談し、見積もりを取る(相見積もり)ことで、ご自身の事件の費用相場を把握し、納得のいく料金で依頼することができます。

ただし、単に安いだけでなく、刑事事件の実績や弁護士との相性も考慮して総合的に判断しましょう。

無料相談を活用して費用体系を確認する

多くの事務所が実施している初回無料相談は、費用を抑えるためにも有効な手段です。相談の場で、事件の見通しだけでなく、費用について徹底的に質問しましょう。

 

  • 着手金、成功報酬金はそれぞれいくらか?
  • 追加費用が発生する可能性があるのはどのような場合か?
  • 支払いのタイミングや、分割払いの相談は可能か?

 

これらの点を曖昧にせず、クリアにしてから契約することで、予期せぬ出費を防ぐことができます。

早期に弁護士に相談し、事態の悪化を防ぐ

これが最も重要かつ効果的な費用抑制策です。事件発生後、あるいは警察から連絡が来た直後など、できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 逮捕の回避: 
    逮捕前に示談交渉などを進めることで、逮捕されずに在宅事件として扱われる可能性が高まります。

  • 早期の身柄解放: 
    逮捕されても、弁護士の迅速な活動により勾留されずに釈放される可能性があります。

  • 不起訴処分の獲得: 
    捜査段階で被害者との示談が成立すれば、不起訴処分となり、裁判を回避できる可能性が飛躍的に高まります。

事件が軽微なうちに解決できれば、裁判になる必要がなくなり、公判段階の着手金などが不要になります。

結果として、弁護士費用の総額を大幅に抑えることができるのです。「まだ大丈夫だろう」という油断が、事態を悪化させ、費用を増大させる最大の原因となります。

国選弁護人なら費用はかからない?私選弁護人との違い

費用をかけずに弁護を依頼できる「国選弁護人」という制度があります。費用をかけて依頼する「私選弁護人」とは何が違うのでしょうか。

国選弁護人とは?利用できる条件と費用

国選弁護人とは、経済的な理由などで自分で弁護士を依頼できない人のために、国が費用を負担して選任する弁護士のことです。

  • 費用: 
    原則として無料です。
    ただし、事件終了後、裁判所から資力があると判断された場合は、訴訟費用の一部または全部の負担を命じられることもあります。それでも私選弁護人に比べれば非常に低額です。

  • 利用できる条件: 
    原則として、被疑者が勾留された後でなければ選任を請求できません。
    また、預貯金などの資産が50万円未満であるという資力要件があります。

逮捕直後の最も重要な72時間には利用できないケースが多い点が、大きなデメリットと言えます。

費用をかけてでも私選弁護人に依頼するメリット

国選弁護人制度があるにもかかわらず、多くの人が費用をかけて私選弁護人に依頼するのは、それだけのメリットがあるからです。

  • 迅速な対応: 
    逮捕直後、あるいは逮捕前からすぐに活動を開始できます。
    初動の速さが結果を大きく左右する刑事事件において、これは最大のメリットです。

  • 弁護士を選べる: 
    刑事事件の経験が豊富な弁護士、熱意のある弁護士など、自分で納得のいく弁護士を探して依頼することができます。
    国選弁護人は誰が担当になるか選べません。

  • 手厚いサポート: 
    私選弁護人は、依頼者のために十分な時間を割き、頻繁な接見や家族へのこまめな報告など、きめ細やかなサポートが期待できます。

  • 逮捕前の弁護活動: 
    逮捕される前の在宅事件の段階や、まだ事件化していない段階からでも相談・依頼が可能です。

より良い結果を追求したい、手厚いサポートを受けたい、という場合には、費用をかけてでも私選弁護人に依頼する価値は大きいと言えるでしょう。

刑事事件の弁護士費用に関するよくある質問

弁護士費用は誰が払うのですか?

原則として、弁護士と委任契約を締結した契約者が支払います。

本人が逮捕されている場合は、そのご家族(親、配偶者、兄弟など)が本人に代わって契約し、費用を支払うケースが非常に多いです。

示談金は弁護士費用に含まれますか?

含まれません。 

弁護士費用は、あくまで弁護士の活動に対する対価です。

一方、示談金は、被害者に与えた損害を賠償し、許しを得るために支払うお金です。

これらは全くの別物であり、弁護士費用とは別に、示談金としてまとまったお金を用意する必要があります。

クレジットカードでの支払いは可能ですか?

はい、可能な法律事務所は増えています。 

一括払いが難しい場合でも、クレジットカードの分割払い機能を利用することで、支払いの負担を分散させることができます。

ただし、すべての事務所が対応しているわけではないため、利用を希望する場合は、必ず事前に確認しましょう。

まとめ

刑事事件の弁護士費用は、総額で60万円〜200万円程度が相場ですが、事件の状況によって大きく変動します。費用は主に、契約時に支払う「着手金」と、事件終了時に結果に応じて支払う「成功報酬金」から構成されています。

高額に思えるかもしれませんが、費用を抑えるための効果的な方法も存在します。

 

  • 複数の事務所から見積もりを取る
  • 無料相談で費用体系をしっかり確認する
  • 何よりも、事件後早期に弁護士に相談し、事態の悪化を防ぐ

 

これが、最良の結果を得て、かつ最終的な費用を抑えるための最も確実な方法です。

ご自身やご家族が刑事事件に巻き込まれてしまったら、計り知れない不安を感じることでしょう。しかし、一人で悩んでいても事態は好転しません。

まずは費用面の心配は一旦置いて、刑事事件に実績のある弁護士の無料相談を利用し、専門家のアドバイスを受けることから始めてみてください。

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