顧問弁護士とは?役割・活動内容・必要な費用を徹底解説

最終更新日: 2024年01月31日

顧問弁護士とは?役割・活動内容・必要な費用を徹底解説

  • 会社を設立したが、頭の痛い問題ばかり発生している。相談に乗ってくれる専門家はいないだろうか?
  • 消費者とトラブルが発生した。何とか穏便に解決を図りたい。
  • 顧問弁護士は、会社のためにどのような対応をとるのだろう?

会社を設立したものの、取引先から売掛金が支払われない、製品やサービスへの苦情がきた、労務関係のトラブルが発生した等、経営者を悩ませる事態の発生には注意が必要です。

そのようなときに顧問弁護士がいれば、会社に係る法律問題や、法的な悩みについて継続的なサポートが得られます。

そこで今回は、会社の法律問題に詳しい専門弁護士が、想定される会社の法的トラブルや顧問弁護士の果たす役割等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 会社経営を順調に進めるため、事前に弁護士と顧問契約を締結した方がよい
  • 顧問弁護士がいれば、会社の経済活動以外に費やす労力・時間を大幅に軽減できる
  • 顧問弁護士は会社のトラブルに対して、法律の知識と交渉能力を駆使し、全力で解決を図る

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

顧問弁護士とは

顧問弁護士とは、会社と顧問契約を結んだ弁護士のことです。

顧問弁護士は、契約期間中に会社でおこる法律問題の解決や、会社が法律の判断に悩んでいるときのアドバイスなど、継続的に会社のサポートをします。

たとえ問題が起こらなくても、弁護士は社内規定の整備、労務管理の改善、契約書のリーガルチェック等に対応します。

また、顧問となっている会社にトラブルの予兆を感じたら、トラブルの予防策や解決策の提案も可能です。

顧問弁護士の主な役割

自社が事業活動を継続するとき、気付かぬうちに法律違反となったり、顧客等との間に法的なトラブルが発生したりする事態も考えられます。

弁護士はそれら不測の事態に、迅速かつ柔軟に対応し問題解決を図ります。

会社を法律から守る

会社の事業経営が法律に違反しそうな場合は、弁護士が速やかに指摘し、その改善策を提案します。

従業員を雇うとき、就業規則および雇用契約書の作成等には、労働基準法、労働安全衛生法等の遵守が必要です。

また、顧客の個人情報等の管理には個人情報保護法を守り、自社工場を持っているなら環境衛生の諸法律に従わなければいけません。

このように事業経営のときは、様々な法律の把握そして遵守が求められます。

社内だけでは法律判断が難しいときも、顧問弁護士がいればどのような法律の規制があり、どのような措置をとるべきかについて、的確なアドバイスを提供します。

会社を法的なトラブルから守る

会社経営をしていると様々な法的トラブルが想定されます。

主に次のような事態へ素早く対応できないと、会社の存続すら危うくなります。顧問弁護士がいれば法律に則っていろいろな対応策を駆使し、解決を図ることが可能です。

  • 取引先が売掛金を支払わない→例:取引先と交渉し売掛金を回収する、督促の実行等
  • 自社の製品、サービスに対する取引先・消費者からの苦情→例:交渉による解決、訴訟へ発展した場合は会社側に立ち、主張や立証を行う等
  • 従業員の解雇で問題が起きた、従業員から残業代を請求された→例:従業員と交渉し和解を目指す、訴訟となったら会社側に立ち、主張や立証を行う等

顧問弁護士の活動内容

会社の事業経営で何か法的なトラブルが発生しそうな場合、または実際に発生した場合は、速やかに顧問弁護士へ相談しましょう。

顧問弁護士は法律の知識と経験に基づき、ケースに合わせて様々な対処法を講じます。

依頼者からの相談

まずは顧問弁護士にどのような問題が起こっているのか(起きそうなのか)を伝え、今後の対応を協議します。

もちろん、顧問契約を締結しているので、いつでも相談でき相談料もかかりません。

社内規定の整備、労務管理、契約関係に日ごろから携わっている弁護士なら、会社の現状もよく知っているので的確なアドバイスが可能です。

交渉

取引先や顧客、従業員とのトラブルは交渉で解決した方が、時間や労力をかけずに済みます。

たとえば、悪質なクレーマーに会社の担当者が対応した場合、逆に相手方が激高し収拾のつかない事態となる可能性もあるでしょう。

その場合は、顧問弁護士からクレーマーに電話等を入れ、悪質なクレームをやめるよう要求が可能です。

弁護士はクレーマーがどのような点に怒りを感じているのか、どうすればクレームをやめてくれるのか、慎重にヒアリングします。

ただし、クレームの理由が明らかにエゴイスティックであったり、単なる責任転嫁であったりする場合、「威力業務妨害罪」等に当たると指摘し警告を行います(刑法第233条、234条)。

威力業務妨害罪は、暴力的な行動のみならず、必要以上の電話によるクレーム、インターネット上の書き込みでも成立する可能性がある罪です。

法律の専門家である弁護士からの指摘を受ければ、悪質なクレーマーもその警告に応じる可能性が高いでしょう。

契約書作成

顧問弁護士がいれば、契約書のリーガルチェックを迅速に行えて、後々、取引先とトラブルに発展する事態を回避できます。

特に会社を創業したばかりのときは、とにかく取引先との契約を締結したくて、契約条件を深く吟味しないケースが多いです。

そのため、取引先から提示された契約書の内容が、かなり自社に不利となっている場合があります。

顧問弁護士は問題のある契約と判断したら、その箇所を指摘後、会社の同意の下で取引先と交渉し、内容の修正・改善が図れるよう尽力します。

売掛金回収

自社の取引先の売掛金回収がうまくいかない場合、顧問弁護士に対応を任せられます。

弁護士は次のような方法で回収を図ります。

  • まずは売掛金を支払っていない取引先と弁護士が交渉し、穏便に回収を図る
  • なかなか取引先が応じない場合、弁護士は督促を行う
  • 民事調停や民事訴訟で売掛金回収を行う

売掛金回収を顧問弁護士に任せれば、交渉〜民事訴訟まで必要な手続き等をスムーズに進められます。

訴訟対応

取引先や消費者とトラブルが訴訟に発展した場合、顧問弁護士は最後まで会社側に立ち、主張や反論、証拠の提示等を行い、問題解決に全力をあげます。

顧問弁護士の訴訟対応の手順は次の通りです。

  • 1.原告(自社を訴える側)が裁判所に訴状を提出すれば、「特別送達」という方式で訴状が送付される→訴状が届いたら顧問弁護士へすぐに連絡、対応を協議
  • 2.自社が被告となった場合、裁判所が指定した期限までに、答弁書と証拠書類を提出→顧問弁護士に答弁書の作成、証拠書類の収集を任せられる
  • 3.口頭弁論、尋問、判決→顧問弁護士が被告側に立ち主張や立証を行う、判決に不服があるなら控訴手続きに移る

裁判所が証拠や証人が揃ったと判断したなら、口頭弁論を終結し判決を下します。ただし、当事者が話し合いに合意すれば和解での解決も可能です。

顧問弁護士に必要な費用

弁護士の顧問料は弁護士の経験や事務所の規模・実績などによって異なります。もちろん、料金は各法律事務所が自由に設定できるので、金額に大きな差があります。

顧問を依頼したい法律事務所が見つかったら、まずホームページ等で顧問料を確認しましょう。

また、顧問料を毎月支払っていても、個別の事件(問題が起きた場合の交渉や、訴訟、契約書の作成等)では、弁護士費用が発生します。

ただし、顧問契約を締結しているときは、顧問契約をしていない場合よりも、弁護士費用は安くなる傾向があります(たとえば、契約書の作成は通常10万円だが、顧問契約があれば5万円にする等)。

顧問弁護士なら当事務所にご相談を

今回は、会社の法律問題に深い知識を持つ専門弁護士が、顧問弁護士が果たす役割等について詳しく解説しました。

会社の法的なトラブルの放置や、対応に手を焼いていれば、どんどん自社が不利になる可能性があります。顧問弁護士のアドバイスによる、迅速な解決が必要かもしれません。

顧問弁護士の助力を受けながら、円滑に事業経営を進めてみてはいかがでしょうか。

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