内部通報を専門弁護士が徹底解説!企業が制度を確立するメリットや活動内容を紹介

2024年01月29日

内部通報を専門弁護士が徹底解説!企業が制度を確立するメリットや活動内容を紹介

  • 私は法務担当者で企業内の不祥事の早期発見を目指している。内部通報制度の設計のコツを知りたい。
  • 内部通報制度の設計は慎重に行いたい。法律の専門家に相談した方がよいのだろうか?
  • 内部通報に関する相談を弁護士へ行った場合、弁護士はどのようなサポートをするのだろう?

内部通報制度とは、企業内で犯罪行為が起きている場合、従業員に通報を促す制度です。

社内で横行している犯罪行為が世の中に発覚した場合、企業全体のコンプライアンスが問題視され、企業の評判が著しく低下するおそれもあります。

このような事態を防ぐには、内部通報制度の窓口の設置が有効な対策となります。

そこで今回は、企業のコンプライアンスに携わってきた専門弁護士が、より実効性のある内部通報体制の確率、弁護士に相談するメリット等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 内部通報制度の窓口は社内の他、社外にも設置すれば万全なコンプライアンスを実現できる
  • 内部通報制度の社外窓口は、法律の専門家である弁護士に任せた方がよい
  • 内部通報に関する依頼を弁護士が受けたら、制度設計、通報対応、調査に全力を尽くす

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

内部通報を弁護士が解説

内部通報制度を導入すれば、社内の違法行為を予防し、または早期発見につなげる可能性が高まります。

こちらでは内部通報制度とは何か、弁護士が関与する必要性について説明しましょう。

内部通報とは

内部通報制度とは、社内で発生する不祥事や違法行為等の通報を促すため、役員・従業員に向けた通報窓口を設置し、その通報者を保護する制度です。

本制度のルールは「公益通報者保護法」で定められています。

本制度の整備・運用を行う場合、社内の法務担当者は主に以下の業務を担当します。

  • 内部通報の受付、窓口対応
  • 社外窓口を設置したなら連絡役
  • 通報された対象の事実に関して法令リサーチ、リスク分析を行う
  • 内部通報に関連する社内規程の制定や改定
  • 内部通報制度を社内で教育し、周知させる 等

法務担当者が内部通報に関する業務を行う場合、経営幹部・関係者からの独立性を確保し、内部通報者の利益・プライバシーの保護に努めなければいけません。

弁護士の必要性

弁護士が会社の内部通報制度に関与すれば、不祥事の早期発見が可能です。

もちろん、法務担当者のみで対応する社内窓口を設置しても構いません。

しかし、内部通報者が社内窓口に通報したとしても、経営幹部が不当に干渉し、通報を隠ぺいするおそれがあります。

そのため、弁護士が窓口となる「社外窓口」の設置を検討しましょう。社外窓口を設ければ誰からも干渉されずに、内部通報の受付・調査を行えます。

なお、社内窓口と社内窓口を併設しても構いません。

内部通報の制度を弁護士と確立するメリット

こちらでは、法律の専門家である弁護士と内部通報制度を設計するメリットについて説明します。

独立ルートの確保

弁護士を「社外窓口」とすれば会社と独立しているため、会社側から不当な干渉を受けるリスクの軽減が可能です。

弁護士と経営幹部との癒着は生じにくく、適切な内部通報に関する対応を進められます。

会社から独立し、法律の専門家である弁護士が窓口なので、従業員も社内の人間関係を気にせず通報しやすいというメリットがあります。

企業の評価向上

弁護士を社外窓口としているならば、外部に公正中立な内部通報制度を設けていると、社内外にアピールできるので会社の評判が高まります。

社外窓口を設置し、第三者のチェック機構を備えていれば、コンプライアンスの実現へ前向きな会社と評価されることでしょう。

会社が干渉できない内部通報制度を設けておくと、対外的にクリーンなイメージを獲得できます。

法律の専門家による対応

弁護士に社外窓口を依頼すれば、専門的知見を活用して社内の犯罪行為の対応が可能です。

犯罪行為の調査等は慎重を要するため、社内の法務担当者だけではうまく対応できないケースもあります。

しかし、会社から独立し、数多くの企業のコンプライアンスに携わってきた弁護士なら、内部通報に関する活動を支障なく進められます。

内部通報に強い弁護士の特徴

弁護士を社外窓口としたい場合、弁護士なら誰でもよいわけではありません。内部通報制度に詳しい弁護士を選任しましょう。

こちらでは、弁護士選びのポイントについて取り上げます。

問題解決力の高さ

弁護士を社外窓口としたい場合、他社からの紹介等で依頼が可能です。しかし、そのようなツテが無い場合は、次のような方法で探してみましょう。

  • 法律事務所のホームページを確認し、内部通報制度に関する相談実績、相談事例、コラム等が豊富に掲載されている
  • 内部通報制度に関する本を多く執筆している 等

これらの内容が確認できれば、その分野に精通した専門家とみて間違いありません。

親身な対応

会社側の質問や悩みに関して、穏やかに回答・アドバイスを行う弁護士が最適です。

内部通報制度に精通した弁護士でも、相談者にきつい口調で指摘をしたり、ろくに質問へ答えなかったりするならば、信頼関係の構築は困難です。

親身な対応を行う弁護士かどうかは、まず法律事務所を訪問し、担当者と面談したときにチェックしましょう。

弁護士からの内部通報制度に関するアドバイスの他、その人となりが穏やかで、丁寧なヒアリングおよび回答を行うならば、社外窓口を任せられる人物と言えます。

なお、初回相談は弁護士ではなく事務員が対応する事務所もあるので、電話相談のとき、初回から弁護士が対応するのかを確認しておきましょう。

内部通報に関する弁護士の活動内容

内部通報制度に関する対応を弁護士へ依頼したならば、有益なアドバイスの他、内部通報があった場合、迅速に活動を開始します。

制度設計

内部通報制度を設けるなら、内部通報者が安全・安心して通報できる制度設計が求められます。

ただし、不利益な取扱いを防止する体制の整備、内部規程の策定及び運用、内部通報制度従事者の方等を慎重に定めないと、本制度が形骸化する可能性もあるでしょう。

そのため、制度設計の段階から弁護士に依頼すれば、実効性があり、かつ内部通報者の権利もしっかりと守られる仕組み作りをサポートします。

通報対応・調査

弁護士は専門的なノウハウを活用し、内部通報の内容の検討・調査を行い、今後の対応をアドバイスします。

従業員からの内部通報があっても、通報がどれも深刻なものというわけではありません。

内容を十分検討し調査が必要な通報と、そうでない通報に分ける必要があります。法務担当者はその判断に迷う場合もあるでしょう。

弁護士ならば法律等に則り、調査が必要な通報と判断したら早期に適切な調査を実施し、会社の信頼回復のための措置を図ります。

法律面でのアドバイス

弁護士は内部通報制度の設計・運用に関して、有効な法律面でのアドバイスを行います。

内部通報制度を設計する場合は、公益通報者保護法に従う必要があります。法務担当者が同法の解釈に迷っても、弁護士に相談すればスムーズな制度設計が可能です。

また、通報された経営幹部・関係者の行為がどのような罪に当たるのかも、弁護士はしっかりと指摘し、法的措置等の提案を行います。

内部通報に関する弁護士費用

内部通報の相談、社外窓口を弁護士に依頼した場合、弁護士費用がかかります。

弁護士費用は各法律事務所が自由に設定できるので、費用に大きな差が出る場合もあります。

弁護士費用の目安は次の通りです。

  • 内部通報規程の作成:15万円~
  • 通報窓口の依頼:月額3~8万円程度
  • 調査費用:30万円~

内部通報に関するお悩みは弁護士に相談を

今回は企業のコンプライアンスに尽力してきた専門弁護士が、内部通報制度に弁護士が果たす役割等を詳しく解説しました。

顧問弁護士がいる場合、内部通報制度を任せるのも一つの方法ではあります。しかし、顧問弁護士以外の弁護士に任せた方が、会社の干渉をより受けずに適正な対応が可能です。

弁護士の的確なサポートを受けながら、内部通報制度の設計・運用を図ってみてはいかがでしょうか。

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