離婚してくれないのでもう疲れた!相手への対応術と進め方・注意点を解説
最終更新日: 2025年02月21日
- 配偶者が離婚に応じてくれないので困っている。離婚に同意させる方法を教えて欲しい。
- 離婚の交渉が進まず精神的に追い詰められている。疲れたときの対処法を知りたい。
- 離婚の交渉が行き詰まったときは、誰に相談すればよいのだろう?
夫婦で離婚を話し合っても、お互いの意見が対立し、なかなか離婚の合意に至らないケースがあります。
悩んでいると精神的に追い詰められてしまうかもしれません。交渉に疲れた、交渉の行き詰まりを打開したいという場合は、いろいろな対処法を検討する必要があるでしょう。
そこで今回は、多くの離婚問題に携わってきた専門弁護士が、離婚交渉に疲れたときの対応方法、スムーズな離婚手続きの進め方等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 離婚の交渉が行き詰まると、日常生活にストレスを感じ、様々な心配事で精神的に疲弊してしまう
- 精神的に追い詰められたときはカウンセリングを受けたり、別居したりするのもよい方法
- 離婚の交渉が行き詰まったときは、弁護士に相談してみよう
離婚してくれない配偶者に疲れたと感じる状況
協議離婚がスムーズに進めば、心置きなくお互いが再スタートを切れます。
しかし、話し合いをしても、夫婦の一方が頑なに離婚を拒否するケースや、離婚には合意しているが条件面で折り合わないケースがあります。
離婚手続きが進まなければ、様々な状況で疲れを感じることがあるでしょう。
話し合いが進まない
夫婦で協議離婚を行っている場合、次の状況になると離婚手続きはなかなか進みません。
- 夫婦の一方が離婚に断固反対
- 離婚条件がまとまらない
協議が平行線のままであれば、お互いが疲れ切ってしまいます。
夫婦のどちらかが離婚に応じない場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、調停が不成立の場合は訴訟を提起し、問題の解決を目指しましょう。
離婚には合意しているが離婚条件がまとまらないという場合は、互いに譲歩する姿勢が必要です。
感情的になる
夫婦が直接話し合うと本音をぶつけあってしまい、話し合いが進まなくなる可能性もあります。
特に夫婦の一方に離婚原因(不倫やDV等)がある場合、直接顔を合わせれば、感情的になる可能性が高いでしょう。
そのような場合は、弁護士を交渉役に立てた方が、理性的に話し合いが進みやすいです。
日常生活にストレスを感じる
離婚できない状態が続くと「自分はどうなってしまうのだろう?」「早く離婚したいのに」と悩み、日常生活を送る間も、ストレスを感じ続けるかもしれません。
夫婦が同居している場合は、なおさら不安や苛立ちを感じるでしょう。
配偶者と同居するだけで強いストレスを感じるときは、別居するのも有効な方法です。ただし、勝手に家を出るのではなく、他方の同意を得ましょう。
第三者への説明が面倒だと感じる
協議離婚がなかなか進まないと、「今、話し合いはどうなってるの?」と、周囲に説明を求められウンザリしてしまうこともあるでしょう。
特に夫婦の親たちは離婚するのか・しないのか、夫婦間の問題とはいえ、気になるものです。
協議の進捗状況の説明が面倒であれば、早期の解決を目指す努力が必要です。
子どもに影響がある
協議離婚が進まず、夫婦の対立が長く継続していると、子に影響が出る懸念もあります。
夫婦の中には、子がいるため「親が離婚するのは子の教育に悪い」「片親になり、子が寂しがる姿をみるのは忍びない」と考え、離婚を拒否するケースがあります。
子にとって離婚する・しないで揉める両親の姿は、子の精神的な平穏を妨げるかもしれません。
離婚後、子の精神的なケアを充実させる方法としては、離れて暮らす親(非親権者)の面接交流の機会を増やすといったことも考えられます。
金銭面が心配になる
お互い愛情がなくなり離婚に合意したものの、金銭面での条件がまとまらず離婚できないでいるケースもあります。
離婚するにしても、なるべく自分の手元に多くの資産を保有しておきたいと思うでしょう。
たとえば、夫が給与所得者で妻が専業主婦の場合、妻は生活の安定のため離婚後に仕事を探す必要があります。
妻の立場からすれば、財産分与のときに夫婦で得た共有財産を多めに受け取りたいと考えるでしょう。
しかし、財産分与は夫婦で2等分するのが一般的なため、夫側が半分ずつ分ける条件に固執するかもしれません。
お金をどう分けるかで夫婦が対立し、ウンザリしてしまうケースは多いのです。
離婚してくれない配偶者に疲れたときの対応術
いくら夫婦で話し合っても平行線のままでは、精神的に疲れ切ってしまうでしょう。
精神的なケアの他、生活する場所を変える、離婚の条件を見直すのもよい方法です。
カウンセリング
離婚の交渉に疲れ切ったときは、まずは心のケアが必要です。
夫婦問題の専門家である「カウンセラー」に相談し、心理的なサポートを受けましょう。精神医学・臨床心理学の知識・技法を有するカウンセラーに相談するとよいです。
資格を取得して活動しているカウンセラーであれば、安心して心のケアを受けられます。
心の平安を取り戻したうえで、今後、離婚問題をどのように解決していくのか、有益なアドバイスも得られるでしょう。
相談時間は1回約60〜90分、相談料は約8,000〜1万5,000円が相場です。
離婚条件の譲歩の検討
夫婦で話し合いが平行線のままの場合は、お互いに譲歩できる条件を探してみましょう。
自分が希望する離婚条件を今一度見直してみます。たとえば、次の条件を希望し、交渉が滞っているケースをみてみましょう。
- 離婚:合意済み
- 親権:絶対に譲らない
- 養育費:子が18歳になるまで毎月10万円ずつ受け取る
- 財産分与:自分は専業主婦なので7割を希望
- 面接交流:合意済み
- 年金分割:合意済み
事例で合意できていないのは、親権・養育費・財産分与です。
子の親権は絶対に譲れないので、子の生活費や教育費を支える養育費も妥協できません。
しかし、子の親権者となり、希望する養育費が得られるのであれば、財産分与は譲歩できる余地があるでしょう。
財産分与割合を7割→5割以下に抑え、その分、就職活動を早めれば生活の困窮を避けられる可能性も高まるでしょう。
財産分与割合を譲歩すれば、夫側も納得し離婚条件に合意する可能性が出てきます。
別居
離婚の話し合いが進まない場合は、夫婦のどちらかが家を出るのもよい方法です。
別居期間が5年以上となったときに離婚訴訟を提起すれば、裁判官から「婚姻関係の修復は不可能」と判断され、離婚が認められる可能性があります。
なお、別居中は婚姻費用を収入の多い配偶者に対して請求できます。
婚姻費用は、夫婦が婚姻生活を維持するための費用であり(民法第752条)、別居していても収入の多い側が費用を扶助しなければなりません。
収入の多い側が支払いに応じないときは、家庭裁判所に「婚姻費用の分担請求調停」の申立てが可能です。
証拠収集
夫婦の一方が離婚原因をつくった場合、証拠を集めれば有利に離婚が進められます。
配偶者のDVが原因のときは、次の証拠を収集しましょう。
・配偶者がDVを行っている動画や音声
・医師の診断書
・DVでケガを負った部位の写真
・医療機関の領収書 等
調停を申し立て、証拠の提示を行えば、裁判官や調停委員にDVの深刻さが伝わり、話し合いが有利に進むでしょう。
裁判で離婚を争う場合は証拠の提出が特に必要なため、事前に揃えておきましょう。
弁護士への相談
夫婦の離婚の話し合いが行き詰まったときは、弁護士に相談しましょう。
弁護士は夫婦の事情を聴き、交渉を有利に進めるポイントや、証拠資料の重要性、どこまで譲歩した方がよいか等をアドバイスします。
弁護士を代理人にすれば、依頼者に代わって配偶者との交渉も可能です。法律に精通し、交渉経験が豊かな弁護士に任せれば、配偶者の同意が得られる可能性も高くなります。
離婚してくれない配偶者に疲れた場合の進め方
離婚の話し合いが進まず疲れ切ってしまったときは、解決方法を変更してみましょう。
夫婦の話し合いだけでは進まなかった離婚手続きが、いっきに進む可能性もあります。
協議離婚
協議離婚は夫婦の話し合いで進める解決方法です。
しかし、お互いの離婚条件が対立すると、離婚の合意にはなかなか至りません。
そのため、新たに譲歩できる部分を見つけ、相手の同意を得るのも1つの方法です。愛情が冷めきっており、顔を合わせたくないときは、弁護士に交渉役を依頼しましょう。互いに顔を合わせずに交渉を進められます。
弁護士は理性的に交渉を行うので、相手も冷静に離婚条件を考え直す機会がつくれます。弁護士の提案に相手が納得し、同意する場合もあるでしょう。
調停離婚
協議離婚がうまくいかなかった場合、家庭裁判所に場所を移し、和解を目指します。
相手方の住所地か夫婦が合意した家庭裁判所に、「夫婦関係調整調停(離婚)」の申立てをしましょう。
調停では調停委員が意見を調整し、和解案を提案します。夫婦では気付かなかった和解の糸口が見つかり、離婚条件に合意できる可能性があります。
裁判離婚
調停不成立の場合、「離婚訴訟」で離婚問題の解決を図ります。
夫または妻の住所地を受け持つ家庭裁判所に訴訟を提起しましょう。
裁判離婚は裁判官が事実を認定し、法律の定める離婚原因があるか等を審理して、判決を下す離婚方法です。
裁判所が離婚を認めれば、被告が離婚に反対であっても、判決に従う必要があります。
ただし、判決に不服がある場合は、高等裁判所に控訴することは可能です。
参考:離婚 | 裁判所
離婚してくれない配偶者に疲れた場合の注意点
配偶者が離婚に同意しなくとも焦りは禁物です。様々な解決方法があるので、ケースに応じた対応を選択していきましょう。
弁護士を立てた話し合いや、調停・裁判も検討しておきましょう。
直接対応しない
夫婦の話し合いが進まないと、お互いが苛立ってしまいます。夫婦のどちらかが暴力を振るってしまった場合、刑事事件に発展する事態も想定されます。
直接顔を合わせるのは控え、弁護士を交渉役として、理性的に話し合いを継続しましょう。
弁護士が代理人になれば、協議→調停→裁判と進む各段階で、依頼者をしっかりサポートしていきます。
弁護士は状況に応じた的確なアドバイスや、進捗状況を説明するので、安心して離婚問題の解決を任せられます。
安易に条件を下げない
離婚条件で揉めている場合、ある程度の譲歩は必要です。
しかし、安易に条件を下げてしまえば、「親権を相手に渡してしまってよかったのだろうか」「離婚後の生活が苦しい、財産分与の割合を多めに主張すればよかった」と後悔する可能性があります。
そのため、離婚に夫婦が合意しているときは、ひとまず市区町村役場に離婚届を提出するのもよい方法です。離婚成立後に合意が得られていない条件を、調停で慎重に話し合う方法もあります。
離婚後でも次のような調停を申立て可能です。
- 財産分与の割合が決まっていない→財産分与請求調停
- 慰謝料の金額が決まっていない→慰謝料請求調停
- 年金分割の割合が決まっていない→年金分割の割合を定める調停
- 養育費が決まっていない→養育費請求調停
- 面会交流の内容が決まっていない→面会交流調停
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※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。