2回目の万引きでもは罰金だけで済む?減刑対策・弁護士相談のポイントを徹底解説
2025年02月23日
- 万引きの誘惑に負け再び万引きをしてしまった。重く処罰されるのだろうか?
- 万引きを繰り返してしまった場合の対策について教えてほしい。
- 2回目の万引きを行ってしまいとても不安だ。弁護士に相談した方がよいのだろうか?
過去に万引きをしたがしっかり反省し、被害店舗へ謝罪したにもかかわらず、再び万引きをする人もいます。
万引きを繰り返す理由としては、万引きが成功したときの快感を味わいたい、本人が精神疾患を患っているなどのケースがあるでしょう。
ただし、万引きを繰り返せば、罪が重くなる可能性があります。
そこで今回は、数多くの刑事事件を担当してきた専門弁護士が、万引きが2回目の場合の罰則や万引きを繰り返した場合の対策等を詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 1回目の万引き(窃盗)で懲役(拘禁刑)になると、2回目は「再犯加重」となる場合がある
- 万引きを繰り返した場合は、被害店舗に一層誠心誠意謝罪する必要がある
- 2回目の万引きで逮捕されそうなときは、速やかに弁護士と相談した方がよい
2回目の万引きでも罰金だけで済むのか
万引きをした場合、被疑者は窃盗罪に問われます。初犯で少額の万引であれば、警察に呼び出されても、検察官へ送致されない場合もあるでしょう(微罪処分)。
しかし、2回目以上の万引きは重く処罰される可能性があります。
窃盗
万引きは窃盗罪になるので、有罪となれば10年以下の懲役(2025年6月1日以降は拘禁刑)または50万円以下の罰金に処されます(刑法第235条)。
窃盗罪は他人を傷つけたり脅したりするような犯罪とは違うと思うかもしれませんが、最悪の場合10年間も刑事施設に収容されてしまう可能性があるのです。
出典:刑法|e-GOV法令検索
再犯加重
2回以上万引きを繰り返した場合、「再犯加重」となる可能性があります。
再犯加重とは、懲役に処せられた者が5年以内に更に罪を犯した場合に、その者を有期懲役に処すとき(再犯、刑法56条)に、その罪の法定刑よりも重い刑(上限の2倍以下)を科す制度(刑法第57条)です。
万引きで懲役(拘禁刑)の実刑判決を受けた場合、2回目の万引きの時期によっては、次の通り再犯加重となる可能性があります。
- 刑の執行を終えた日から5年以内:再犯加重となり、20年以下の懲役(拘禁刑)または50万円以下の罰金
- 刑の執行を終えた日から5年経過後:再犯加重なし、10年以下の懲役(拘禁刑)または50万円以下の罰金のまま
- 再犯加重が適用されるのは懲役(拘禁刑)に処される場合のみです。
- 他にも、再犯加重は適用されなくても刑が重くなるケースがあります。
- 1回目の万引きで懲役(拘禁刑)の執行猶予付き判決を受け、執行猶予期間中に2回目の万引きをした→執行猶予が取り消され、1回目・2回目の刑罰が一挙に科される
- 執行猶予期間満了後に2回目の万引きをした→刑の言渡しは効力を失っているため、2回目の刑だけが科される
- 前科が罰金刑だった→再犯加重なし、通常の窃盗罪として処罰される
万引きが2回目の場合の対策
2回目の万引きが発覚した場合、「謝罪してもどうせ誰からも信頼されない」と自暴自棄になってはいけません。
被害店舗に謝罪し、弁護士とも相談して問題の解決を目指しましょう。
被害店舗への謝罪
万引きを繰り返したが穏便に解決したいのであれば、被害者(被害店舗)にしっかりと謝罪しましょう。
謝罪しても無駄だと考え、店側に「警察にさっさと通報しろ!」「どうせ俺の人生は終わった」などと開き直れば、警察に通報される可能性が高くなるでしょう。
逆に誠心誠意謝罪すれば、警察への通報を回避できるかもしれません。
商品代金の弁償
2回目の万引きをした場合も、被害店舗に商品代金をきちんと弁償しましょう。
商品代金の弁償をしておけば、たとえ起訴されたとしても、刑事裁判で減刑や執行猶予付き判決を得られる可能性があります。
謝罪とともに商品代金の弁償をすれば、万引きした本人が真摯に反省している証明となり得るでしょう。
弁護士への相談
2回目の万引きで逮捕され、または逮捕されるのが不安なときは、弁護士とよく相談しましょう。
弁護士は相談者の事情をよく聴いたうえで、次のようなアドバイスをします。
- 2回以上万引きしていても、被害店舗と示談を行う必要性
- 罪が再犯加重となるリスク
- 警察に逮捕された場合の対処法
- 弁護士が行える弁護活動
- 再発防止措置の検討
相談後、弁護士に私選弁護人を依頼すれば、警察・検察への対応、被害店舗との示談交渉を任せられます。
以前万引きの件で私選弁護人となった弁護士に再び依頼すれば、依頼者の事情がよくわかるので、より迅速な対応が可能になるでしょう。
再発防止策の検討
被疑者本人が、再発防止策を真剣に検討しなければいけません。
2回目の万引きが発覚した場合、ケースによっては重く処罰されてしまう可能性もあります。
万引きの再発防止のため、家族による監督強化や、自らが精神疾患を患っていた場合の対応について検討しましょう。
たとえ重く処罰されるとわかっていても、自分が「クレプトマニア(窃盗症)」であるときは、容易に万引きはやめられません。
クレプトマニア(窃盗症)とは、万引きが悪いこととわかっていながら、万引をやめられない精神疾患です。
自分で抑えられない万引きの衝動は、医療機関等の治療で軽減できる場合があります。
万引きが2回目の場合の減刑策のポイント
2回目の万引きであっても、刑の減軽が可能な場合はあります。
被害店舗との示談交渉や、裁判での再発防止策の提示を試みましょう。
示談交渉
たとえ初めての万引きでも、2回目以降の万引きでも、被害店舗との示談交渉は必ず行いましょう。
2回目以降の万引きの発覚後、ただちに示談交渉を行えば、警察へ通報される前に解決できる可能性があります。
弁護士を交渉役にすれば、迅速に示談交渉を進められます。そのため、被害店舗側に自分が拘束されてしまったときは、すぐに弁護士と連絡をとらなければいけません。
再発防止策の提示
自らがクレプトマニアであると医師から診断された場合、弁護士を通じて、再発防止策を提示しましょう。
- 家族による監督強化を図る
- クレプトマニアを扱う専門病院やクリニックで治療する
- 回復支援施設に入所・通所する
- クレプトマニアの自助グループに参加し、ミーティング等を行う
家族による協力や医療施設等で精神疾患の改善を行い、社会復帰への意欲を示しましょう。
再発防止策を提示すれば、裁判所は更生の余地があると認め、減刑や執行猶予付き判決を言い渡す場合もあります。
万引きが2回目の場合に弁護士へ相談するメリット
2回目以降の万引きが発覚し、逮捕されてしまうか不安な場合は、速やかに弁護士と相談しましょう。
弁護士は有益なアドバイスをするだけでなく、頼もしいサポート役となります。
法的なアドバイスをもらえる
弁護士は相談者の前科の有無、万引きの回数、今回の状況を考慮し、どのような対応をすべきかを具体的にアドバイスします。
被害店舗側に謝罪や商品代金の弁償を行い、示談による解決を提案するでしょう。
弁護士が代理人となれば、被害店舗側に事情を説明し、示談での和解を進めていきます。
冷静な対応をしてもらえる
2回目の万引きが発覚したときは、速やかに弁護士を呼びましょう。
被害店舗側と万引きした側が話し合おうとしても、次のような事態が想定されます。
- 被害店舗側:同じ人物が2度も万引した事実に怒り、警察への通報を急ごうとする
- 万引きした側:興奮状態となったり、逆に開き直ったりする
弁護士が間に入れば、双方の間で深刻なトラブルになるのを避けるため、被害店舗との交渉を適切に進められるでしょう。
被害店舗側から警察へ通報されてしまっても、弁護士は店舗に到着した警察官と話し合い、逮捕しないように説得を試みます。
また、万引きした本人が警察署に連れて行かれる場合は、弁護士も付き添い、警察・検察に早期釈放を求めます。
スムーズな解決を目指せる
弁護士が被害店舗に示談交渉を申し出て、スムーズな問題解決を目指せるでしょう。
弁護士は被害店舗との間で、次のような内容で和解できるように全力を尽くします。
- 被害店舗に謝罪し、同じ過ちを繰り返さないと誓う
- 商品代金を弁償する
- 加害者は精神疾患が原因と考えられる場合は、医師の診察後に治療を行う
- (警察への通報前)被害店舗が通報しない旨
- (警察へ通報された後)店舗の責任者が検察官に「嘆願書」を提出する旨
- 加害者と被害者は以後、問題を蒸し返さない旨
示談内容に双方が合意した場合、示談書を2通作成し、加害者・被害店舗の責任者が1通ずつ大切に保管しましょう。
刑罰の回避を目指せる
被害店舗の通報により被疑者が逮捕されたとしても、不起訴処分を目指せます。
検察官は,万引きした被疑者の事情聴取から得た事実や、提出された証拠等を考慮し、最終的に起訴するか不起訴にするかを決めます。
起訴とは被疑者を刑事裁判にかけるための処分で、不起訴とは被疑者を刑事裁判にかけず釈放する処分です。
検察官が起訴・不起訴を判断する前に、弁護士の尽力により被害店舗と和解できる場合もあります。
検察官は次のような事実を考慮し、不起訴処分とする場合もあるでしょう。
- 示談が成立し、すでに双方が和解している
- 被疑者はしっかりと反省し、商品代金の弁償を行った
- 万引きによる被害額はわずかである
- 再発防止策を提示しており、更生の余地がある
弁護士は法律の知識と豊富な交渉の経験を活かし、粘り強く弁護活動を行います。
親身になって対応してもらえる
弁護士がサポート役となれば、法的なアドバイスの他、精神的な支えともなります。
今後どうなってしまうのか不安なときは、どんどん弁護士に相談しましょう。弁護士は親身になって現在の状況や、以後の対処法を説明します。
万引きした被疑者が留置施設に勾留されると、最大20日間は身柄を拘束されます。
留置施設の面会は原則として1日1組だけなので、頻繁に家族や知人が面会できるとは限りません。被疑者は非常に心細い思いをするでしょう。
ただし、弁護士はいつでも被疑者との面会が可能です。今後の対応についての協議ができる他、家族との連絡係にもなれます。
被疑者は「自分には頼れる弁護士がいる」と安心でき、精神的なストレスを軽減できるでしょう。
2回目の万引きで罰金刑や再犯加重が心配なら春田法律事務所まで
今回は刑事事件の交渉や裁判に尽力してきた専門弁護士が、2回目の万引きが発覚した場合の対処法等について詳しく解説しました。
春田法律事務所は刑事事件の交渉・裁判に経験豊富な法律事務所です。2回目の万引きで逮捕されそうなときは、今後の対応方法について弁護士とよく協議しましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。