2回目の万引き(再犯)でも罰金だけで済む?減刑対策・弁護士相談のポイントを徹底解説
最終更新日: 2026年01月29日

「以前にも万引きで警察沙汰になったことがあるのに、また繰り返してしまった」
「今回は実刑判決となり、刑務所に行くことになるのではないか」
2回目以降の万引き(再犯)で発覚した場合、このような不安を強く感じる方は少なくありません。
結論から言うと、万引きの再犯であっても、必ず実刑(刑務所への収監)になると決まっているわけではありません。
もっとも、初犯のときと同じ対応で済むケースは多くなく、再犯として厳しく判断されやすくなるのは事実です。
裁判官や検察官に「刑務所に入れなくても、更生が見込める」と判断してもらうためには、反省の言葉だけでなく、再犯防止に向けた具体的かつ客観的な取り組みを示すことが重要になります。
この記事では、刑事事件の実務を踏まえ、万引き再犯で実刑を回避するために考慮される条件や、弁護士がどのような弁護活動を行うのかについて解説します。
万引き再犯(2回目)で実刑となる可能性と判断の考え方
万引きで2回目(再犯)として検挙された場合、「今回は実刑になってしまうのではないか」と強い不安を感じる方は少なくありません。
結論から言うと、2回目の万引きだからといって、直ちに実刑判決(刑務所への収監)が確定するわけではありません。
ただし、初犯時に「微罪処分」や「起訴猶予」で済んでいたケースと比べると、刑事処罰(罰金刑や懲役刑)が科される可能性は高くなる傾向にあります。
警察や検察は、単に「何回目か」という点だけで判断するのではなく、
・被害金額
・犯行の手口
・前回の処分内容
・前回の事件からどの程度の期間が空いているか
といった事情を総合的に考慮したうえで、
「罰金刑で足りるか(略式起訴)」
「正式な裁判にかける必要があるか(公判請求)」
を判断します。
罰金刑で終わる場合と、公判請求(裁判)となる場合の違い
万引き再犯において、実刑(拘禁刑)の可能性が現実的に問題となるのは、検察官が「公判請求(正式な裁判)」を行った場合です。
一方で、裁判を開かず、書類上の手続きのみで「罰金刑」として処理される略式起訴となるケースも一定数存在します。
この判断を分ける主なポイントは、次のような事情です。
罰金刑(略式起訴)となる可能性が比較的高いケース
・前回の処分が微罪処分や起訴猶予で、今回が初めての刑事処罰となる場合
・前回の犯行から5年〜10年以上など、相当期間が空いている場合
・被害金額が少額で、被害品が返還・弁償されている場合
・被害店舗との示談が成立している場合
公判請求(裁判)となり、実刑の検討対象になりやすいケース
・前回の罰金刑などからあまり期間が空いていない場合
・転売目的など、犯行の動機や手口が悪質と評価されやすい場合
・被害額が高額、または短期間に複数回の万引きを繰り返している場合
・執行猶予期間中の犯行である場合
公判請求がなされた場合、検察官は拘禁刑を求刑することが一般的です。ただし、直ちに実刑が決まるわけではなく、裁判の中でどのような事情が示されるかが重要になります。
執行猶予中の再犯は実刑になりやすいのか
特に慎重な対応が必要なのが、現在、執行猶予期間中に再び万引きをしてしまった場合です。
この場合、法律上は、前回の執行猶予が取り消され、今回の刑と合わせて刑務所に服役することになるのが原則とされています(刑法第26条)。そのため、実刑となる可能性は高まる傾向にあります。
もっとも、法律上は例外として、「再度の執行猶予」が認められる余地も残されています。ただし、そのためには「情状に特に酌量すべき事情」が必要とされ、一般的には高いハードルであるといえます。
たとえば、
・クレプトマニア(窃盗症)に関する専門的な治療を継続していること
・被害者との示談が成立し、被害回復がなされていること
・再犯防止に向けた具体的な生活環境や支援体制が整っていること
などが、客観的な資料とともに示された場合、刑務所での処遇よりも社会内での更生が適切と判断され、実刑を回避できることもあります。
自身の状況でどのような判断が想定されるのかは、個別の事情によって大きく異なります。できるだけ早い段階で、刑事事件に詳しい専門家の意見を聞くことが重要になります。
万引き再犯で実刑(刑務所)を回避するために行うべき3つのこと
万引きの再犯(2回目以降)であっても、適切な対応を行うことで「執行猶予」や「罰金刑」を獲得し、実刑(刑務所への収監)を回避できる可能性があります。 実刑を回避するためには、裁判官や検察官に対して「更生への具体的な環境が整っていること」を証明しなければなりません。
被害店舗との示談を目指す
再犯事案でも、被害店舗との示談が成立しているかどうかは、処分を左右する大きな要素になります。
・警察介入前に示談が成立すれば、被害届が出されず、事件化を防げる可能性があります
・起訴前であれば、不起訴処分や略式起訴(罰金)につながる可能性があります
・裁判段階でも、被害弁償や宥恕の意思が示されれば、執行猶予が検討されやすくなります
もっとも、大手チェーン店などでは示談に応じない方針を取っていることも多く、本人だけでの交渉は難航しがちです。そのため、弁護士が代理人として交渉を行うケースが一般的です。
クレプトマニア(窃盗症)の治療に取り組む
万引きを繰り返してしまう背景として、クレプトマニア(窃盗症)と呼ばれる精神疾患が関係している場合があります。
これは「悪いと分かっていても衝動を抑えられない」という症状を特徴とするもので、刑罰よりも治療が再犯防止につながると考えられることもあります。
弁護士は、
・専門医療機関への受診
・医師の診断書の提出
・継続的な治療状況の報告
などを通じて、「治療を受けながら社会内で更生する方が適切である」ことを裁判所に示していきます。
家族や周囲による監督体制を整える
再犯防止の観点からは、本人だけでなく、周囲の支援体制も重要視されます。
家族や雇用主が情状証人として「今後の生活や行動を見守る体制がある」ことを具体的に説明できれば、執行猶予を検討する材料となることがあります。
家族の協力が難しい場合でも、弁護士が更生支援団体や福祉機関と連携し、生活環境を整えるサポートを行うことがあります。
万引きが2回目の場合に弁護士へ相談するメリット
2回目以降の万引きが発覚し、逮捕されてしまうか不安な場合は、弁護士と相談しましょう。
弁護士は有益なアドバイスをするだけでなく、頼もしいサポート役となります。
法的なアドバイスをもらえる
弁護士は相談者の前科の有無、万引きの回数、今回の状況を考慮し、どのような対応をすべきかを具体的にアドバイスします。
弁護士が代理人となれば、被害店舗側に事情を説明し、示談での和解を進めていきます。
冷静な対応をしてもらえる
2回目の万引きが発覚したときは、弁護士を呼べば冷静に交渉が進められるでしょう。
被害店舗側と万引きした側が話し合おうとしても、次のような事態が想定されます。
- 被害店舗側:同じ人物が2度も万引した事実に怒り、警察への通報を急ごうとする
- 万引きした側:興奮状態となったり、逆に開き直ったりする
弁護士が間に入れば、双方の間で深刻なトラブルになるのを避けるため、被害店舗との交渉を適切に進められるでしょう。
被害店舗側から警察へ通報されてしまっても、弁護士は店舗に到着した警察官と話し合い、逮捕しないように説得を試みます。
また、万引きした本人が警察署に連れて行かれる場合は、弁護士も付き添い、警察・検察に早期釈放を求めます。
スムーズな解決を目指せる
弁護士が被害店舗に示談交渉を申し出て、スムーズな問題解決を目指せるでしょう。
弁護士は被害店舗との間で、次のような内容で和解できるように全力を尽くします。
- 被害店舗に謝罪し、同じ過ちを繰り返さないと誓う
- 商品代金を弁償する
- 加害者の精神疾患が原因と考えられる場合は、医師の診察後に治療を行う
- (警察への通報前)被害店舗が通報しない旨
- (警察へ通報された後)店舗の責任者が検察官に「嘆願書」を提出する旨
- 加害者と被害者は以後、問題を蒸し返さない旨
示談内容に双方が合意した場合、示談書を2通作成し、加害者・被害店舗の責任者が1通ずつ大切に保管しましょう。
刑罰の回避を目指せる
被害店舗の通報により被疑者が逮捕されたとしても、不起訴処分を目指せます。
検察官は万引きした被疑者の事情聴取から得た事実や、提出された証拠等を考慮し、最終的に起訴するか不起訴にするかを決めます。
起訴とは被疑者を刑事裁判にかけるための処分で、不起訴とは被疑者を刑事裁判にかけず釈放する処分です。
検察官が起訴・不起訴を判断する前に、弁護士の尽力により被害店舗と和解できる場合もあります。
検察官は次のような事実を考慮し、不起訴処分とする場合もあるでしょう。
- 示談が成立し、すでに双方が和解している
- 被疑者はしっかりと反省し、商品代金の弁償を行った
- 万引きによる被害額はわずかである
- 再発防止策を提示しており、更生の余地がある
弁護士は法律の知識と豊富な交渉の経験を活かし、粘り強く弁護活動を行います。
親身になって対応してもらえる
弁護士がサポート役となれば、法的なアドバイスの他、精神的な支えともなります。
今後どうなってしまうのか不安なときは、些細なことでも弁護士に相談しましょう。弁護士は親身になって現在の状況や、以後の対処法を説明します。
万引きした被疑者が留置施設に勾留されると、最大20日間は身柄を拘束されます。
留置施設の面会は原則として1日1組だけなので、頻繁には家族や知人が面会できず、被疑者は非常に心細い思いをするかもしれません。
ただし、弁護士はいつでも被疑者との面会が可能です。今後の対応についての協議ができる他、家族との連絡係にもなれます。
被疑者は「自分には頼れる弁護士がいる」と安心でき、精神的なストレスを軽減できるでしょう。
2回目の万引きで罰金刑や再犯加重が心配なら春田法律事務所まで
今回は刑事事件の交渉や裁判に尽力してきた弁護士が、2回目の万引きが発覚した場合の対処法等について詳しく解説しました。
春田法律事務所は刑事事件の交渉・裁判において経験豊富な法律事務所です。2回目の万引きで逮捕されそうなときは、今後の対応方法について弁護士とよく協議しましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。








