盗撮画像を削除しても復元される? 警察の解析能力と証拠隠滅のリスク
最終更新日: 2025年12月04日
「盗撮がバレそうになり、慌てて画像を削除した」 「警察にスマホを押収されたが、フォルダは空にしているから大丈夫だ」
そう自分に言い聞かせて安心しようとしていませんか? はっきり申し上げます。その「安心」は致命的な判断ミスです。
警察の捜査能力、特にデジタル機器の解析技術(デジタル・フォレンジック)を甘く見てはいけません。削除した画像や動画は、高い確率で復元されます。 それどころか、下手にデータを消去した痕跡が残ることで、「証拠隠滅を図った」として逮捕・勾留される決定打になりかねないのです。
この記事では、警察のデータ復元能力の実態と、データを削除してしまった後に取るべき最善の対処法について解説します。
警察は削除した盗撮画像を復元できるのか?(フォレンジック捜査)
結論から言うと、警察は削除されたデータを復元できます。
「ゴミ箱からも完全に削除した」「履歴も消した」としても、スマホの記憶領域(ストレージ)にはデータの痕跡(ログ)が残っています。 警察は「デジタル・フォレンジック」という科学捜査技術を使い、これらの痕跡から元の画像や動画を復元します。
警察の解析でバレるもの
削除した画像・動画(サムネイル画像なども含む)
撮影日時・場所(GPS情報)
隠しフォルダ・鍵付きアプリの中身
Webサイトの閲覧履歴・検索履歴
クラウド(iCloud/Googleフォト)に自動同期されたデータ
「パスワードを教えなければ開けないだろう」と思うかもしれませんが、警察は解除ツールや専門機関を使ってロックを突破するケースも増えています。「消せば証拠はなくなる」という考えは、現代の捜査では通用しません。
データを削除・初期化する行為のリスク
実は、盗撮事件において最も恐ろしいのは、画像が見つかること以上に、「画像を消そうとした行為そのもの」です。
警察や裁判所は、被疑者の身柄を拘束(逮捕・勾留)するかどうかを決める際、「証拠隠滅のおそれがあるか」を最重要視します。
撮影直後に画像を消去した
スマホを初期化(工場出荷状態)した
スマホを破壊した・捨てた
これらの行為は、客観的に見て「証拠隠滅工作」そのものです。 「反省していない」「外に出しておくとまた証拠を消すかもしれない」と判断され、本来なら在宅捜査(家に帰れる)で済んだはずの事件でも、逮捕状が出て留置場に入れられる可能性が極めて高くなります。
画像が復元された場合の言い逃れは厳禁
取り調べで「私は撮っていません」「間違いです」と否認し続けていたのに、後から解析で画像が出てきたらどうなるでしょうか。
あなたの信用は地に落ちます。 検察官や裁判官は「嘘をついて罪から逃れようとした=反省の色なし」と判断し、起訴(裁判にかける)や、より重い求刑を選択するでしょう。
「復元されるまでは否認して、出たら認めればいい」という駆け引きは通用しません。復元された画像は、言い逃れできない動かぬ証拠(客観証拠)として、あなたを追い詰める凶器になります。
自白と反省を示し、被害者と示談することが最善策
では、すでに画像を消してしまった場合、どうすればいいのでしょうか。 答えは一つです。「捜査機関にデータが復元される前提で、正直に話し、被害者対応を急ぐこと」です。
弁護士を通じて自白・反省を示す
「怖くなって消してしまいましたが、盗撮した事実は間違いありません」と、弁護士のアドバイスの下で捜査機関に認めます。素直に供述することで、証拠隠滅の疑いを晴らし、逮捕回避や早期釈放を目指します。
被害者との示談交渉
盗撮(迷惑防止条例違反)は、被害者がいる犯罪です。 弁護士を通じて被害者に謝罪し、示談金を支払って許しを得ることができれば、不起訴処分(前科がつかない) になる可能性が非常に高くなります。 データ云々で警察と戦うのではなく、被害者に誠意を見せることに全力を注ぐべきです。
まとめ:解析結果が出る前にご相談を
警察のスマホ解析には時間がかかります(数週間〜数ヶ月)。 この「待ち時間」をただ怯えて過ごすか、それとも弁護士と共に示談を進めるかによって、あなたの最終的な処分(前科がつくかどうか)が決まります。
「復元されたら終わり」ではありません。「復元される前に、打てる手を打つ」ことが重要です。
当事務所では、盗撮事件の解決実績が豊富な弁護士が、デジタル証拠の扱いや今後の見通しについて的確にアドバイスします。 警察から連絡が来るのが怖い方、スマホを押収されて不安な方は、今すぐご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。





