暴行事件の弁護士費用・相場は?逮捕後の示談や流れを解説

最終更新日: 2026年02月10日

暴行罪で弁護士に相談するメリットは?費用や流れを解説

ついカッとなって手が出てしまった——その瞬間は衝動でも、あとから襲ってくるのは「逮捕されるのでは」「前科がついてしまうのでは」という強い不安です。

暴行事件では、逮捕や前科を回避できるケースもありますが、そのためには早い段階で適切な対応が必要です。

 この記事では、暴行罪の基本知識から、逮捕や前科を避ける方法、示談のメリット、そして弁護士に依頼することで得られるサポートまで、実例を交えてわかりやすく解説します。「これ以上事態を悪化させずに早く解決したい」という方に、まず読んでほしい内容です。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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暴行罪とは?どんな場合に成立するのか

暴行罪は、相手の身体に直接触れたり物を投げたりするなど、有形力を行使した行為全般に適用されます。ケガがなくても、殴る・突き飛ばす・胸ぐらをつかむといった行動だけで成立するのが特徴です。

刑法208条によると、暴行罪の刑罰は2年以下の拘禁刑・30万円以下の罰金・拘留・科料のいずれか。軽い気持ちでの行動でも、れっきとした刑事事件になりうるのです。

暴行で逮捕される?その後の流れと対応

逮捕は、「現行犯」「被害届が出された」「防犯カメラ等で特定された」など、一定の証拠がある場合に行われます。逮捕されると、最大72時間の拘束(通常逮捕)後、勾留される可能性があります。勾留が認められると最大20日間身柄を拘束されることになります。

こうなると、職場への連絡・実名報道のリスク・家族への影響など、生活が一変します。

ですが、初動での対応によっては、逮捕を回避できる場合や、勾留を防ぐことも可能です。たとえば、被害者との示談が早期に成立していれば、身柄拘束を防げたというケースもあります。

示談で前科を防げる?示談交渉の重要性

暴行事件において、被害者との示談は極めて重要なポイントです。示談が成立すれば、「被害者の処罰感情がなくなった」と判断され、検察官が不起訴とする可能性が高まります。

ただし、示談交渉は当事者だけで行うのは非常に危険です。謝罪の仕方を誤れば逆に相手を怒らせたり、脅迫ととられて二次被害につながる恐れもあります。

そのため、法律に詳しい弁護士に間に入ってもらうことで、適切な謝罪文や示談書を作成し、円滑な交渉を進められます。示談成立は不起訴や執行猶予を得る大きな鍵となるため、早い段階での対応が重要です。

暴行罪と傷害罪の費用の違い

「相手を殴ってしまったが、怪我はさせていない(暴行罪)」場合と、「相手に怪我をさせてしまった(傷害罪)」場合では、最終的にかかる費用の総額に大きな違いが出ることがあります。

結論から言うと、暴行罪の方が、傷害罪よりもトータルの解決費用を安く抑えられる傾向にあります。

その最大の理由は、弁護士費用そのものの差よりも、相手に支払う「示談金(慰謝料)」の金額差にあります。

弁護士費用(着手金・報酬金)の違い

多くの法律事務所では、暴行事件も傷害事件も同じ「刑事事件」として扱われるため、弁護士の活動費(着手金や報酬金)の基本設定は同額、もしくは暴行罪の方がやや安価に設定されているケースが一般的です。

ただし、暴行事件は「被害届が出される前に早期に示談が成立しやすい」という特徴があるため、事件が長期化しやすい傷害事件に比べて、追加の活動費用がかかりにくいメリットがあります。

示談金(解決金)の決定的な違い

費用の違いが最も顕著に出るのが、被害者へ支払う「示談金」です。

  • 傷害罪の場合: 慰謝料に加え、治療費、通院交通費、休業損害などが加算されるため、金額が高額(数十万〜数百万円)になりがちです。
  • 暴行罪の場合: 怪我がないため原則は治療費が発生しません。主に「精神的苦痛に対する慰謝料」のみとなるため、10万円〜30万円程度の範囲でまとまるケースが多く見られます。

 

【比較表】暴行罪と傷害罪の費用相場の違い

項目

暴行罪(怪我なし)

傷害罪(怪我あり)

治療費・休業損害

原則、発生しない

発生する(実費請求)

示談金(慰謝料)

10〜30万円程度

30〜100万円以上
※怪我の程度による

弁護士費用目安

60〜80万円程度

60〜100万円以上

費用の総額傾向

比較的安く抑えやすい

高額になりやすい

※上記は一般的な市場相場です。事案の悪質性や相手方の処罰感情によって変動します。

暴行事件は「早期の依頼」が費用を抑えるカギ

暴行罪は怪我がない分、被害者の怒りが静まれば、比較的スムーズに示談交渉が進む傾向にあります。

しかし、対応が遅れて「被害届」が出されてしまうと、警察が介入し、釈放のための活動など弁護士の業務量が増えるため、結果として弁護士費用がかさんでしまう可能性があります。

「怪我はさせていないが、トラブルになっている」という段階で弁護士にご相談いただくことが、結果として費用負担を最小限に抑える近道です

弁護士に依頼するメリットと費用の目安

暴行事件を弁護士に依頼するメリットは、以下のような点にあります。

  • 逮捕を防ぐための警察対応や逮捕された場合の即時接見
  • 被害者との示談交渉の代行
  • 不起訴処分を得るための戦略立案
  • 裁判になった場合の弁護活動

特に、逮捕前や釈放直後のタイミングで相談すれば、身柄拘束を回避したり、早期釈放につながる対応が可能です。

費用面については、示談交渉までで50~80万円程度、裁判まで含めると80〜100万円程度が相場です。ただし、これはあくまで平均的な金額であり、早期に相談して迅速に示談がまとまれば、結果的に費用を抑えられることもあります。

逆に対応が遅れると、勾留や起訴に発展し、時間も手間もかかり、結果的に費用も高くなるケースがあります。初動の早さが、経済的負担を軽くする鍵にもなります。

弁護士に依頼すべきタイミングは?

警察から連絡が来た時点、または暴行をしてしまった直後に弁護士に相談するのが理想です。示談は早ければ早いほど有利に働くため、初動のスピードが重要です。

また、逮捕された後でも、勾留の回避や早期釈放を目指して即時対応できます。「もう手遅れかもしれない」と思っても、早期相談が状況を大きく変えることもあります

よくある状況と対応例

飲酒トラブルで殴ってしまった

居酒屋で口論となり、相手の顔を1発殴ってしまったAさん。

翌日警察から連絡があり、任意出頭。その時点で弁護士に相談し、被害者との示談を弁護士が主導で進めました。誠意ある対応を続けた結果、示談成立。検察には示談書と反省文を提出し、不起訴処分を獲得できました。

もし弁護士に頼まずに一人で出頭していれば、逮捕・勾留となり、職場にも知られていた可能性もあったケースです。

知人との口論で突き飛ばした

Bさんは職場の同僚との口論中に、衝動的に相手を突き飛ばしてしまいました。

被害届が出され、警察から事情聴取の連絡が。すぐに弁護士に相談し、弁護士同行のもと警察署に出頭し、聴取に対応。相手との示談交渉も弁護士が担当し、示談が成立したこともあり、不起訴処分で終了しました。

弁護士がいなければ、独自に謝罪しようとしてトラブルが悪化し、起訴されていたかもしれません。

 

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

よくある質問(FAQ)

Q:暴行で逮捕されたら、すぐに釈放される?

 →ケースによります。証拠隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあると裁判官が判断した場合には、勾留される可能性があります弁護士がつくことで勾留を防げることも。

Q:初犯なら不起訴になりますか?

 →初犯=不起訴ではありません。ただし、被害者との示談が成立していると、初犯であることが有利に働きやすくなります。

Q:被害者が謝罪を受け入れてくれない場合は?

 →謝罪を拒否されても、弁護士を通じて誠意を示し続けることで、最終的に示談に応じてもらえるケースもあります。

Q:暴行と傷害の違いは?

 →ケガの有無です。暴行はケガがない状態、傷害はケガが生じた場合に適用されます。傷害罪が適用されると刑罰が重くなります。

Q:弁護士費用が払えない場合はどうすれば?

 →弁護士によっては分割払いに対応してくれる場合もあります。

まとめ:早期相談で事態を大きく変えられる

暴行事件は、たった一度の衝動で人生を大きく左右する事態になりかねません。しかし、弁護士に相談することで、逮捕の回避、不起訴、早期解決など多くのメリットを得ることができます。

「誰にも知られずに解決したい」「前科を避けたい」と悩んでいるなら、早めの一歩がその不安を取り除く鍵になります。まずは、信頼できる弁護士に相談してみましょう。

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