ネットトラブルで開示請求されたら?加害者側の対策を弁護士が解説
2025年09月30日
ネットトラブルに巻き込まれ、匿名での投稿が原因で「発信者情報開示請求」を受けてしまった――。
もし加害者として特定されるかもしれない不安に直面しているのであれば、その対応には専門的な知識と迅速な行動が不可欠です。
本記事では、発信者情報開示請求の概要から、ネットトラブルの加害者となりうる立場の方が取るべき具体的な対策、そして何よりも弁護士に相談することの重要性とメリットを詳しく解説します。
問題の深刻化を防ぎ、安心して解決への道を探るためにも、早期の弁護士相談が解決への道を開く鍵となるでしょう。
発信者情報開示請求とは
発信者情報開示請求の概要
発信者情報開示請求とは、インターネット上での誹謗中傷、プライバシー侵害、著作権侵害などの違法行為が行われた際に、被害者がプロバイダやSNS事業者に対し、投稿者の氏名や住所、IPアドレスなどの情報を開示するよう求める法的な手続きです。
この請求は、被害者が加害者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置を取るために不可欠な第一歩となります。
開示請求が行われるケース
発信者情報開示請求が行われる典型的なケースとしては、匿名掲示板やSNSでの悪質な誹謗中傷、虚偽情報の拡散、リベンジポルノの掲載、著作権を侵害するコンテンツの無断転載などが挙げられます。
これらの行為により、被害者が精神的苦痛を被ったり、社会的評価が著しく低下したりした場合に、加害者の特定を目的として開示請求が実施されます。
加害者側の対策
開示請求への対応方法
発信者情報開示請求が届いた場合、まずはその内容を正確に把握することが重要です。請求書には、開示を求められている情報や、その根拠となる投稿内容などが記載されています。
この請求に対しては、意見書を提出して反論する機会が与えられます。自身の投稿が違法行為に当たらないと主張できる場合は、その旨を具体的に記述し、証拠を添えて反論することが可能です。
しかし、法的な判断が伴うため、専門知識なしに対応するのは非常に困難です。
証拠収集の重要性
ネットトラブルにおいて、自身の正当性を主張したり、責任の範囲を限定したりするためには、客観的な証拠が不可欠です。
例えば、問題となった投稿のスクリーンショット、やり取りの履歴、関連するメールやメッセージなど、可能な限り多くの情報を保全しておくべきです。
これにより、後の交渉や訴訟において有利な状況を作り出すことができます。
損害賠償請求に備える
発信者情報開示請求が認められ、加害者が特定された場合、被害者から損害賠償請求を受ける可能性が高まります。
損害賠償額は、誹謗中傷の内容や被害の程度によって異なりますが、数十万円から数百万円に及ぶこともあります。
これに備えるためには、弁護士と相談し、請求される可能性のある賠償額の目安を把握し、分割払いや和解交渉の可能性を探るなど、具体的な対応策を検討しておくことが賢明です。
弁護士相談のメリット
被害拡大の防止
ネットトラブルは、放置すると瞬く間に情報が拡散し、被害が拡大する恐れがあります。
特に、発信者情報開示請求を受けた場合、その後の損害賠償請求や社会的信用の失墜に繋がりかねません。
弁護士に早期に相談することで、適切な法的アドバイスを受け、事態の悪化を防ぎ、最悪のシナリオを回避するための手を打つことができます。
早期のトラブル解決
ネットトラブルは、専門的な知識がなければ解決に時間がかかり、精神的な負担も大きくなります。
弁護士に依頼することで、複雑な法的手続きや交渉を代行してもらえるため、迅速な問題解決が期待できます。
また弁護士が介入することで、相手方との交渉もスムーズに進みやすくなり、早期の和解や示談に繋がる可能性も高まります。
弁護士費用と相談料の目安
弁護士費用は、依頼する内容や事務所によって異なりますが、着手金、成功報酬、実費などがかかります。
発信者情報開示請求の対応の場合、トータルで数十万円から100万円程度が一般的です。相談料は、無料相談以外の場合、30分5,000円程度が目安となります。
費用については、契約前に必ず詳細な見積もりを確認し、納得した上で依頼することが大切です。
まとめ
ネットトラブルは精神的な負担も大きく、法的な知識がない中で一人で対応するのは非常に困難です。
弁護士に相談し、専門的なサポートを受けることで、複雑な法的手続きや交渉のストレスから解放され、安心して問題解決に取り組むことができます。
弁護士は、加害者側の権利を守り、最善の解決策を導き出すための強力なパートナーとなるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 開示請求の通知が届いたのですが、どうすればいいですか?
まずは慌てずに内容を確認しましょう。
開示請求とは、インターネット上に書き込んだ内容について、投稿者の情報を特定するために行われる手続きです。無視すると裁判に発展する可能性があるため、早めに弁護士へ相談して対応方針を決めることが重要です。
開示請求の通知書は、対応方針を決めるための重要な資料になりますので大切に保管してください。
Q. 弁護士に依頼すると、どのようなサポートをしてもらえますか?
弁護士は、開示請求が妥当かどうかを確認し、意見照会書の回答方法や裁判での主張をアドバイスします。
また、示談交渉を代理して行い、損害賠償額を減額できる可能性もあります。
ネット上の誹謗中傷等については、過去の裁判例の蓄積もありますから、専門家の意見を聞き、後悔しない対応をしましょう。
Q. ネット上の書き込みで逮捕されることはありますか?
誹謗中傷や脅迫、名誉毀損など内容によっては刑事事件になる場合があります。
実際に逮捕されたケースもあるため、刑事リスクがあるかどうかは弁護士に相談して判断を仰ぐのが安心です。
早期に弁護士が付いていることで逮捕のリスクを下げられることもあります。
Q. 示談で解決できる場合もありますか?
はい。投稿者の特定後に損害賠償請求を受けても、相手と示談をすることで裁判を避けられます。
弁護士が介入することで、適切な謝罪文の作成や慰謝料の減額交渉が可能になります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。