薬物事件の流れ|逮捕後の手続きと家族がやるべきことを解説

2026年01月21日

薬物事件の流れ|逮捕後の手続きと家族がやるべきことを解説

家族が薬物事件で突然逮捕されたという知らせは、多くの方にとって想像を絶する衝撃であり、その直後には何が起こっているのか、何をすべきなのかわからず混乱してしまうものです。しかし、このような状況だからこそ、冷静かつ迅速な行動が求められます。

この記事では、薬物事件で家族が逮捕されてしまった場合を想定し、逮捕直後から判決が下されるまでの刑事手続きの全容を、時系列に沿って詳しく解説します。

さらに、各段階で家族が取るべき具体的な行動、そして何よりも重要な弁護士相談」の必要性とそのメリットについて、網羅的かつ分かりやすくご説明します。

この記事が、突然の事態に直面し途方に暮れている方が「まず何をすれば良いのか」という問いに対する明確な答えを見つけ、不安を乗り越えて行動するための道しるべとなることを願っています。

刑事事件に詳しい弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

詳しくはこちら

目次

家族が薬物事件で逮捕されたら|まず知っておくべきこと

ご家族が薬物事件で逮捕されたと知らされた時、その衝撃と不安は計り知れないことと思います。このような予期せぬ事態に直面すると、何をどうすれば良いのかわからなくなり、冷静な判断が難しくなるかもしれません。しかし、薬物事件においては、初期段階での適切な対応が、その後のご本人の運命を大きく左右します。

このセクションでは、具体的な刑事手続きの流れに入る前に、薬物事件がどのような性質を持つ犯罪なのか、そしてなぜこれほどまでに厳しい処分が下されやすいのか、といった基本的な知識について解説します。

特に、初犯と再犯では処分の重さが大きく異なるという現実を知っていただくことで、事態の深刻さを正確に認識し、今後の行動を冷静に判断できるようになることを目的としています。薬物事件の全体像を理解することは、複雑な刑事手続きを乗り越えるための第一歩となるでしょう。

薬物事件とは?厳しい処分と将来への影響

薬物事件とは、覚醒剤取締法、大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法などの法律に基づき、覚醒剤、大麻、コカイン、MDMA、ヘロイン、あへん、危険ドラッグといった指定薬物を「所持」「使用」「譲渡」「栽培」「製造」「輸出入」するといった行為を指します。これらの行為は、種類や量にかかわらず、社会に深刻な悪影響を及ぼすとされ、厳しく取り締まられています。

薬物事件の刑罰が他の犯罪に比べて重い傾向にあるのは、薬物の持つ高い常習性・依存性に加え、反社会的勢力の資金源となるなど社会秩序を乱す要因となるためです。たとえば、覚醒剤の所持・使用で10年以下の懲役、大麻の所持・栽培で5年以下の懲役が科される可能性があります。実際に、多くの薬物事件で実刑判決が下されており、その厳しさがうかがえます。

さらに、薬物事件は懲役刑といった刑事罰だけで終わるものではありません。事件が報道されれば社会的信用の失墜は避けられず、企業であれば解雇、学生であれば退学といった現実的な不利益を被ることが多々あります。

また、前科が付くことで、将来の就職活動や海外渡航が困難になるなど、その後の人生に長期にわたる深刻な影響を及ぼす可能性があります。これらの影響は、ご本人のみならず、ご家族の生活にも重くのしかかることになります。

薬物事件で問われる罪や罰則については以下の記事でも解説しています。

薬物で逮捕されたら?問われる罪や罰則、起こりうる影響を解説

コラム

2022/01/21

薬物で逮捕されたら?問われる罪や罰則、起こりうる影響を解説

初犯と再犯で処分の重さは大きく変わる

薬物事件における「初犯」とは、過去に薬物関連の犯罪で有罪判決を受けたことがない場合を指します。一方で「再犯」は、薬物関連で一度でも有罪判決を受け、刑の執行を終えた後、あるいは執行猶予期間中に再び薬物犯罪を犯した場合を指します。この初犯と再犯では、下される処分の重さに天と地ほどの違いがあります。

例えば、覚醒剤の単純所持や使用の初犯であれば、裁判官が更生を期待して「執行猶予付き判決」を下す可能性が高く、すぐに刑務所へ行くことを避けられるケースが多く見られます。

しかし、これが再犯、特に執行猶予期間中の再犯や、刑務所から出所して間もなくの再犯となると、その処分は格段に厳しくなります。多くの場合、執行猶予は付かず、実刑判決がほぼ確実となり、数年の懲役刑が言い渡されることも珍しくありません。

再犯の処分がこれほど重くなる理由は、裁判所が「薬物依存が深刻である」「反省の態度が見られない」「更生の意欲が低い」と判断するためです。一度の過ちを許されたにもかかわらず再び薬物に手を出した、と見なされることで、社会復帰への期待が薄れ、厳しい処罰が必要だと判断されるのです。

このため、薬物事件では初犯のうちに適切な対策を講じ、二度と薬物に手を出さないという強い決意と具体的な更生計画を示すことが極めて重要になります。

薬物逮捕、懲役何年?初犯・再犯で変わる刑罰の全知識

コラム

2025/02/26

薬物逮捕、懲役何年?初犯・再犯で変わる刑罰の全知識

【時系列】逮捕から判決まで|薬物事件の刑事手続きの全貌

薬物事件で家族が逮捕されたという突然の事態に直面したとき、多くのご家族は今後の見通しが立たず、大きな不安を抱えることでしょう。逮捕後の刑事手続きは、法律によって厳格な時間制限が設けられており、このタイムリミットを正確に理解し、適切なタイミングで行動することが、被疑者の身柄解放や最終的な処分の軽減に直結します。

このセクションでは、逮捕直後から始まり、勾留、起訴・不起訴の判断、そして刑事裁判を経て判決に至るまでの一連の流れを、時間軸に沿ってステップごとに詳しく解説していきます。各段階で何が起こるのか、そしてご家族が取るべき具体的な行動について全体像を提示することで、この困難な状況を乗り越えるための一助となれば幸いです。

STEP1:逮捕(逮捕後~72時間)

刑事手続きは、法律で定められた厳格な時間制限の中で進行しますが、その最初の関門となるのが「逮捕後72時間」です。この極めて重要な期間に、警察での本格的な取調べ、警察から検察への事件送致、そして検察官による勾留請求の判断という、後の刑事手続きの方向性を決定づける重要なステップが立て続けに行われます。

この初期段階での対応が、被疑者の身柄拘束が継続するかどうか、さらには最終的な処分の重さに大きく影響するため、弁護士による迅速かつ適切な対応が不可欠となります。

警察による取調べ(~48時間)と検察への送致

逮捕されると、まず警察署で最大48時間にわたり、集中的な取調べが行われます。この間、被疑者は外部との連絡を厳しく制限され、家族との面会も許されないケースがほとんどであるため、孤独な状況で厳しい追及を受けることになります。

ここで警察官によって作成される「供述調書」は、被疑者の発言や自白が記録されたものであり、後の刑事裁判で重要な証拠として扱われますので、その内容には慎重な対応が求められます。

この48時間の取調べの後、警察は事件と被疑者の身柄を検察官に引き継ぎます。この手続きは「送致(そうち)」、または「送検(そうけん)」と呼ばれ、事件の捜査が警察から検察へと移ることを意味します。検察官は、この送致を受けた後、さらに詳しく事件を捜査し、最終的に被疑者を起訴するかどうかを判断することになります。

検察官による勾留請求の判断(~24時間)

警察から送致を受けた検察官は、原則として24時間以内に、被疑者を引き続き身柄拘束する必要があるかどうかを判断し、「勾留(こうりゅう)」を請求するかどうかを決めます。勾留とは、逮捕に引き続く身柄拘束のことで、裁判官が勾留の必要性を認めた場合に実施されます。

勾留が請求される主な要件は、「罪証隠滅のおそれ」や「逃亡のおそれ」がある場合です。薬物事件においては、共犯者がいたり、薬物の入手ルートの特定が捜査上重要であったりすることから、口裏合わせによる証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されやすく、勾留請求がなされる可能性が非常に高いという実情があります。勾留が決定すると、被疑者はさらに長期間にわたり身柄を拘束されることになります。

この段階で家族ができること

逮捕後72時間という非常に限られた時間の中で、家族が取るべき行動の中で最も優先度が高いのは「一刻も早く刑事事件に詳しい弁護士に接見を依頼すること」に尽きます。

この段階では、ほとんどのケースで家族が直接本人と面会することは許されません。しかし、弁護士だけは逮捕直後から時間制限なく、自由に本人と接見することが法律で保障されています。

弁護士は接見を通じて、本人に黙秘権や供述調書への署名押印拒否権といった重要な法的権利を伝え、厳しい取調べの中で不利な供述調書が作成されるのを防ぐための具体的なアドバイスを行うことができます。

これにより、本人の精神的な負担を軽減し、冷静な判断を促すことが可能です。また、弁護士は家族からのメッセージを本人に伝えたり、本人の健康状態や現在の状況を家族に報告したりすることもできます。

この弁護士による初動対応が、その後の刑事手続き全体の流れを大きく左右すると言っても過言ではありません。

STEP2:勾留(最大20日間)

裁判官が検察官の請求を認め、「勾留」が決定すると、被疑者は原則10日間、場合によってはさらに最大10日間延長され、合計で最大20日間の身柄拘束を受けることになります。

この勾留期間は、検察官が被疑者を起訴するか不起訴にするかを判断するための本格的な捜査期間であり、その後の展開を大きく左右するため、弁護活動にとって極めて重要な意味を持ちます。

逮捕後のわずかな時間と比較しても、この長期にわたる身柄拘束は、被疑者やその家族にとって精神的、肉体的に大きな負担となります。しかし、この期間にどれだけ適切に弁護活動が行われるかによって、被疑者の最終的な処分が大きく変わる可能性を秘めているのです。

起訴・不起訴が決まる重要な捜査期間

勾留期間中は、検察官が事件の全容解明に向けて様々な捜査活動を行います。被疑者本人は連日、警察官や検察官からの厳しい取調べを受け、事件の詳細や薬物の入手経路、共犯者の有無などについて供述を求められます。

また、必要に応じて家宅捜索が再度行われたり、共犯者がいる場合にはその捜査も並行して進められたりすることもあります。

この重要な期間に弁護士は被疑者の身柄解放や不起訴処分を目指して積極的な活動を展開します。具体的には、被疑者本人と頻繁に接見を重ね、現在の状況や取調べの内容を正確に把握し、黙秘権を行使するかどうかなど、今後の供述方針について綿密な打ち合わせを行います。

また、検察官に対しては、被疑者が深く反省していることや再犯の可能性が低いことなどを主張する意見書を提出し、不起訴処分を求める交渉も行います。

この段階で家族ができること

勾留期間中も、家族は弁護士と密接に連携し、被疑者の状況改善と早期釈放、そして最終的な処分の軽減に向けて、様々な面でサポートを行うことができます。

具体的な行動としては、まず裁判で情状証人として出廷する準備を始めることが挙げられます。これは、被疑者の普段の生活態度や反省の様子、家族による監督体制が整っていることを裁判官に直接伝えるための重要な機会となります。

次に、被疑者が釈放された際に責任を持って監督する「身元引受人」となる意思を固め、その旨を記した身元引受書を作成することも重要です。この書類は、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと、社会内で更生できる環境が整っていることを示す強力な証拠となります。さらに、被疑者本人の反省の意思を示す「謝罪文」や「反省文」の作成をサポートすることも有効です。

そして何よりも重要なのが、薬物依存からの更生に向けた具体的な道筋を示すための情報収集です。薬物依存の専門治療が可能な病院や、ダルク(DARC)のようなリハビリ施設、自助グループ(NAなど)の情報を集め、受け入れ先を確保しておくことは、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得する上で、非常に有利な情状証拠となるでしょう。

STEP3:起訴・不起訴の決定

勾留期間が満了するまでに、検察官は被疑者を「起訴」するか「不起訴」とするかの判断を下します。この決定は、被疑者にとって前科が付くかどうかの分かれ道となり、その後の人生を大きく左右する極めて重要な局面です。日本の刑事司法において、薬物事件の起訴率は非常に高いという厳しい現実があることも認識しておく必要があります。

不起訴処分の場合:身柄解放され、事件終了へ

「不起訴処分」とは、検察官が被疑者を裁判にかける必要がないと判断し、事件を終了させる決定を指します。この処分が下された場合、被疑者は即座に身柄を解放され、刑事裁判が開かれることはありません。何よりも、不起訴となれば前科が付くこともなく、被疑者にとっては最善の結果と言えるでしょう

薬物事件において不起訴を獲得することは容易ではありませんが、例えば所持量が極めて微量であったり、薬物使用の事実が認められないほど証拠が不十分であったり、あるいは本人の深い反省と家族による強力な監督体制が整っているなど、情状酌量の余地が非常に大きい場合には、不起訴となる可能性もゼロではありません。

起訴(公判請求)の場合:刑事裁判へ

検察官が「起訴(公判請求)」を決定した場合、事件は正式に刑事裁判へと移行し、被疑者は「被告人」という立場に変わります。日本の刑事裁判は非常に高い有罪率(99.9%以上)を示すため、起訴された場合は原則として有罪判決を前提に、いかに刑を軽くするか、特に実刑を回避して執行猶予付き判決を得るかが弁護活動の主眼となります。

起訴後は保釈請求が可能となり、保釈金という形で一時的に身柄を解放される可能性も出てきます。

STEP4:刑事裁判(起訴後~判決)

起訴が決定された後は、いよいよ刑事裁判の段階へと移行します。自白事件(起訴された事実を認めている事件)の場合、起訴から約1~2ヶ月後に第一回の公判が開かれ、その後、判決が言い渡されるという流れになります。

この刑事裁判のフェーズにおける最大の目標は、実刑判決を回避し、執行猶予付き判決を獲得することです。身柄拘束が続いている場合には、この期間に認められる「保釈」制度の活用も非常に重要になります。このセクションでは、刑事裁判の流れと、保釈について詳しく解説していきます。

保釈請求による一時的な身柄解放

起訴された後に被疑者が被告人という立場に変わると、判決が下されるまでの間、一時的に身柄の拘束から解放される「保釈」の制度を利用できるようになります。

保釈とは、裁判所に定められた保釈金を納めることで、一定の条件のもとで自宅に戻り、社会生活を送りながら裁判の準備を進めることができる制度です。

保釈が認められるためには、「罪証隠滅のおそれがないこと」や「逃亡のおそれがないこと」などの要件を満たす必要があります。弁護士は、これらの要件を満たしていることを裁判所に説得的に伝えるために、保釈請求書を作成・提出し、裁判官との面談を通じて保釈の必要性を主張する活動を行います。

家族が身元引受人となり、本人の監督を約束することも保釈を認めてもらうための重要な要素となりますし、何よりも保釈金を準備できるかどうかが保釈実現の鍵を握ります。

公判と判決(実刑または執行猶予)

公判は、通常、起訴から1~2ヶ月後に始まります。公判当日には、まず冒頭手続として人定質問や検察官による起訴状朗読が行われます。その後、検察官による証拠調べ、弁護士による証拠調べ、そして被告人質問へと進みます。

被告人質問では、裁判官や検察官、弁護士から事件に関する質問がなされ、本人の反省の態度や今後の更生への意欲が問われます。

薬物事件の裁判では、被告人本人が薬物使用を深く反省しているか、再犯防止のための具体的な更生計画があるか、そして家族による監督体制がしっかりと整っているかどうかが、判決に大きな影響を与えます。

例えば、薬物依存の治療プログラムへの参加状況や、DARC(ダルク)などのリハビリ施設への入所意思などが重視されることがあります。

最終的に下される判決には、直ちに刑務所に収監される「実刑判決」と、一定期間中に再び罪を犯さなければ刑務所に行かなくて済む「執行猶予付き判決」の二種類があり、執行猶予の獲得が弁護活動の最も重要な目標となります。

この段階で家族ができること

刑事裁判の段階で家族ができることは、本人の執行猶予付き判決獲得のために非常に大きな意味を持ちます。まず、起訴後の身柄解放を可能にする保釈請求のために、保釈金を速やかに準備することが求められます。この保釈金は、裁判が終われば原則として全額返還される性質のものです。ただし、被告人が裁判所の出頭命令に応じないなどした場合は、返還されません。

また、裁判で「情状証人」として出廷し、被告人の日頃の様子や、家族として今後どのように監督し、更生を支えていくのかを具体的に証言することも重要です。これにより、裁判官に対して「本人は社会内で更生できる環境が整っている」という良い心証を与えることができます。

さらに、公判にはできる限り毎回出席し、本人が孤独ではないこと、家族が常に支えていることを示すことも、裁判官に良い影響を与える可能性があります。これらの家族の協力姿勢が、本人が有利な判決を得るための大きな後押しとなるのです。

【最重要】薬物事件で家族がやるべき5つのこと

ご家族が薬物事件で逮捕されたという突然の事態に直面し、これまでの時系列解説を通じて刑事手続きの大まかな流れはご理解いただけたことと思います。しかし、実際に「今、何をすれば良いのか」という点で、パニックになってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

このセクションでは、逮捕という危機的な状況において、ご家族がパニックにならず、今すぐ具体的に行動すべき最重要事項を5つに集約してお伝えします。これらの行動を迅速にとることが、身柄の早期解放や最終的な処分の軽減に直結するため、ぜひ冷静に、そして力強く行動を起こしてください。

刑事事件に詳しい弁護士に相談・依頼する

ご家族が逮捕された際に、まず最初にとるべき行動であり、最も重要かつ緊急性の高い行動は「弁護士に相談・依頼すること」です。なぜなら、逮捕後72時間という極めて重要な初期段階において、本人と唯一接見(面会)し、法的な助言を与えられるのは弁護士だけだからです。

特に、薬物事件や刑事事件に精通した弁護士を選ぶことが不可欠です。専門知識を持つ弁護士は、薬物事件特有の捜査機関との交渉経験が豊富であり、更生プログラムに関する具体的な知見も持っています。

これにより、本人にとって最も有利な状況を作り出し、不当な取り調べや不利な供述調書の作成を防ぐことができます。多くの弁護士事務所では無料相談も実施していますので、一刻も早く連絡を取り、具体的なアドバイスを受けてください。

逮捕直後の対応がその後の刑事手続き全体に大きな影響を与えるため、弁護士への相談・依頼は躊躇せず、すぐに実行に移すことが、ご本人とご家族の未来を守るための第一歩となります。

薬物事件の弁護士費用、内訳を解説!費用の不安を解消する情報源

コラム

2022/01/31

薬物事件の弁護士費用、内訳を解説!費用の不安を解消する情報源

本人と接見(面会)して状況を把握し、精神的に支える

逮捕後は、ご家族であっても本人との面会が制限される「接見禁止」が付くケースがほとんどです。しかし、弁護士を通じてであれば、このような状況下でも本人と面会することができます。

弁護士は、本人が現在どのような状況にあるのか(容疑を認めているか否認しているか、健康状態はどうか、取り調べの状況はどうかなど)を正確に把握し、その情報を家族に伝える重要な役割を担います。

仮にご家族が面会できるようになってからも、接見は非常に重要です。この時、感情的に本人を叱責するのではなく、まずは心身の状態を気遣い、家族は本人の味方であるということを伝えるように心がけてください。

逮捕され、孤独な状況に置かれている本人は、精神的に非常に不安定になっています。家族の温かい支えや理解の姿勢を示すことが、本人の反省を促し、今後の更生意欲を引き出す上で不可欠となります。

弁護士と連携しながら、本人に寄り添い、精神的なサポートを継続することで、本人が冷静に状況と向き合い、未来に向けて前向きな一歩を踏み出す力を与えることができるでしょう。

身元引受人となり、監督環境を整える

薬物事件において、ご家族が「身元引受人」となることは、本人の身柄解放や刑罰の軽減に非常に大きな影響を与えます。身元引受人とは、釈放や保釈が認められた際に、本人の生活を監督し、裁判所への出頭を確保する責任を負う保証人のような存在です。

家族が身元引受人になる意思を示し、その環境を整えることで、検察官や裁判官に対して「本人は逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、社会内で更生できる安定した環境がある」と強くアピールすることができます。

身元引受人がいることは、勾留の回避、保釈の許可、そして執行猶予付き判決の獲得といった、ご本人にとって有利な結果を引き出すための強力な情状証拠となります。具体的には、弁護士と相談しながら身元引受書を作成し、本人が帰る場所があること、家族が責任を持って監督することを明確に伝える準備が必要です。

この家族の姿勢は、本人が社会復帰を目指す上で極めて重要な要素として評価されます。身元引受人となることは大きな責任を伴いますが、ご本人の未来のために積極的に検討していただきたい行動の一つです。

早期釈放のための保釈金を準備する

本人が起訴された後、身柄の拘束から一時的に解放してもらうためには「保釈」の制度を利用することができます。この保釈を裁判所に認めてもらうためには、保釈金の納付が必須となります。

薬物事件における保釈金の相場は、事案にもよりますが、一般的に150万円から300万円程度が一つの目安とされています。

この保釈金は、罰金とは異なり、本人が裁判にきちんと出頭し、定められた条件を守れば、判決後に全額返還される性質のお金です。

しかし、突然の出費となるため、ご家族は早期に保釈金を用意するための準備を始める必要があります。もし保釈金をすぐに用意することが難しい場合は、保釈金の立替制度や「保釈保証書発行事業」といった制度を利用することも可能です。これは、保証機関に保証料を支払うことで、保釈保証書を発行してもらい、保釈金の納付に代えることができる制度です。

弁護士と相談し、保釈の可能性や金額、準備方法について詳しく聞き、早めに資金計画を立てることで、本人の早期釈放を実現し、社会復帰への道筋を早めることができます。

本人の更生に向けた支援体制(治療施設など)を調べる

薬物事件の場合、単に刑罰を受けるだけでなく、薬物依存からの脱却と再犯防止が極めて重要なテーマとなります。裁判所も、再犯防止の観点から、被告人本人の具体的な更生計画や、それを支える環境が整っているかどうかを非常に重視します。

そのため、ご家族は本人に代わって、または本人と一緒に、薬物依存の専門治療が受けられる医療機関(精神科クリニックなど)や、民間のリハビリ施設(ダルクなど)、そして自助グループ(NA:ナルコティクス・アノニマスなど)の情報を積極的に集め、受け入れ先を確保しておくことが非常に重要です。これらの具体的な支援体制を整えることは、裁判官に対して「本人は真剣に更生を望んでおり、家族も全面的にサポートしていく」という強い意思を示すことにつながります。

このような更生に向けた具体的な計画と環境が整っていることは、執行猶予付き判決を獲得するための極めて有利な情状として評価されます。弁護士とも協力しながら、本人の治療や社会復帰に向けた最善の支援体制を構築してください。

薬物事件に関するよくある質問

家族が薬物事件で逮捕されたという突然の事態に直面すると、多くの方がさまざまな疑問や不安を抱くことでしょう。

このセクションでは、皆さまが抱きやすい典型的な疑問に対し、Q&A形式で分かりやすく解説していきます。ここで得られる情報が、少しでも皆さまの不安を和らげ、適切な行動を考える一助となれば幸いです。

Q. 逮捕された家族と、すぐに面会することはできますか?

逮捕直後(最大72時間)は、原則としてご家族との面会はできませんその後、勾留が決定しても、状況によっては「接見禁止」という措置がとられ、引き続きご家族は面会できない状態が続くことがあります。

しかし、弁護士だけは、逮捕直後から時間や回数の制限なく面会(接見)が可能です。 本人の状況や意向を確認し、適切なアドバイスを伝えるためにも、早期に弁護士に依頼することが非常に重要です。

Q. 逮捕されたら会社や学校に知られてしまいますか?

原則として、警察や検察が被疑者の逮捕や捜査に関して、会社や学校に積極的に連絡することはありません。これは個人のプライバシー保護の観点、および捜査上の秘密保持の観点からです。

しかし、全く知られないという保証はありません。例えば、以下のようなケースでは会社や学校に知られてしまうリスクが高まります。

  • 身柄拘束が長期化し、無断欠勤や無断欠席が続く場合:連絡が取れないことを不審に思い、会社や学校が家族に連絡を取ることで発覚する可能性があります。
  • 事件がニュースなどで大きく報道された場合:特に公務員や有名人、社会的に影響の大きい事件の場合、報道によって発覚する可能性が高いです。
  • 会社の就業規則や学校の校則に、逮捕された際の報告義務が定められている場合:本人や家族が規則に従い報告することで発覚します。
  • 被疑者が公務員や学生で、規則により報告しなければならない場合:規則により警察が勤務先や学校に報告します。

弁護士に依頼することで、早期の身柄解放を目指す弁護活動が可能となり、身柄拘束期間を短縮できれば、会社や学校への発覚リスクを低減できる可能性があります。

Q. 薬物事件の場合、執行猶予は付きにくいのでしょうか? 再犯の可能性も心配です。

薬物事件は再犯率が高いという社会的な問題があり、特に過去に薬物事件で有罪になったことがある場合は、実刑判決(刑務所への収容)となる可能性が高まります。

執行猶予を得るためには、二度と薬物に手を出さないという強い意思と、そのための具体的な環境づくりが重要視されます。ご家族が証人として出廷し、本人の反省を促し、今後の生活を監督していくことを誓う「誓約書」などを提出することが非常に重要です。

また、保釈後に薬物依存症の専門治療施設や自助グループへの参加を促すことも、再犯防止と裁判での有利な判断を得るために有効な活動となります。

薬物犯罪と執行猶予、海外渡航

コラム

2020/04/19

薬物犯罪と執行猶予、海外渡航

Q. 警察は、家族が過去に薬物を使用していたかも調査しますか?

はい、調査する可能性が高いです。薬物事件では、常習性や動機が量刑に大きく影響するため、過去の使用歴や購入ルート、交友関係を徹底的に調べます。この調査には、携帯電話の履歴、銀行の取引履歴、関係者への聴取などが含まれます。

Q. 弁護士費用は、薬物事件の場合、高額になりますか?

事件の複雑さや争いの有無、活動の期間によって異なりますが、薬物事件は一般的に身体拘束の期間が長くなる傾向にあるため、弁護士の活動量も増え、費用は高額になることが多いです。必ず契約前に、着手金、報酬金、実費などを含めた総額の目安を確認しましょう。

まとめ:家族だけで抱え込まず、まずは薬物事件に詳しい弁護士へ相談を

ご家族が薬物事件で逮捕されてしまったとき、その衝撃と不安は計り知れないものです。しかし、この緊急事態において何よりも大切なのは、冷静になり、迅速かつ適切な行動をとることです。

本記事で解説したように、薬物事件は社会に与える影響が大きいため、厳しい処分が下される傾向にあります。そして、逮捕後の刑事手続きは法律で定められた厳格な時間制限のもとで進められ、初動の対応がその後の結果を大きく左右します。

身柄の早期解放や、不起訴処分、あるいは執行猶予付き判決の獲得を目指すためには、薬物事件に精通した弁護士の存在が不可欠です。

弁護士は、逮捕直後から本人に面会し、不利益な供述調書が作成されないよう法的なアドバイスを与え、勾留請求阻止のための活動や保釈請求を迅速に行います。また、公判においては、ご本人の反省の態度やご家族による監督体制、具体的な更生計画を裁判官に効果的に提示し、最も有利な結果を得るための弁護活動を展開します。

もちろん、ご家族のサポートも非常に重要です。身元引受人となる意思表示や、更生に向けた治療施設の情報収集、そして裁判での情状証人としての証言などは、本人の社会復帰と有利な判決獲得の鍵を握ります。

しかし、ご家族だけでこの複雑で精神的に負担の大きい状況を乗り越えるのは非常に困難です。漠然とした不安を抱え、一人で悩む時間を過ごすよりも、まずは勇気を出して専門家である弁護士に相談することが、ご本人とご家族の未来を切り拓くための第一歩となるでしょう。

 

刑事事件に詳しい弁護士はこちら

薬物のコラムをもっと読む

※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。