過失割合を「10対0」にしたい!もらい事故で被害者が損をしないための交渉術と注意点

2026年03月27日

過失割合を「10対0」にしたい!もらい事故で被害者が損をしないための交渉術と注意点

「完全に停車中に追突されたのに、相手の保険会社から『9対1』と言われた」
「自分は悪くないから『10対0』にしたいが、どう交渉すればいいかわからない」

信号待ちでの追突事故や、相手の赤信号無視など、被害者にほとんど落ち度がない事故(いわゆる「もらい事故」)の場合、過失割合は「10対0(加害者10:被害者0)」になると考える方も多いでしょう。

しかし、示談交渉が始まると、加害者側の保険会社から「お互い動いていたので9対1です」「あなたにも前方不注意の過失があります」などと、想定していなかった割合を提示されるケースもあります。

さらに、過失割合が10対0と主張される事故には、被害者があまり知らない注意点もあります。
この記事では、過失割合を「10対0」と主張する場合の基本的な考え方と、示談交渉で注意すべきポイントについて解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士
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過失割合が「10対0(もらい事故)」になることが多い代表的なケース

交通事故は、双方が動いている車同士で発生することが多いため、被害者側にも一定の過失(前方不注意など)が認められるケースが一般的です。

しかし、次のような場合には、被害者の過失が認められず、過失割合が「10対0」と評価される可能性が高いとされています。

完全に停車中の追突事故

信号待ちや渋滞で完全に停止している車に、後方から追突された場合。

明らかな赤信号無視

青信号で交差点に進入した車に対し、相手が赤信号を無視して進入してきた場合。

センターラインオーバー

相手車両が対向車線をはみ出して衝突してきた場合。

このような状況にもかかわらず過失を主張された場合には、事故状況を整理したうえで適切に反論することが重要になります。

10対0の事故で注意したいポイント「自分の保険会社が示談交渉できない場合がある」

過失割合が10対0(またはそう主張している状況)の場合、被害者にとって想定外の状況になることがあります。
それは、自分が加入している自動車保険の「示談代行サービス」が利用できない場合があるという点です。

通常の事故(過失割合が8対2など)の場合は、被害者側の保険会社が相手の保険会社と示談交渉を行うことがあります。
しかし、被害者側に過失がない場合、保険会社には相手へ賠償金を支払う義務が発生しません。

このため、法律上の制約により、保険会社が契約者の代わりに示談交渉を行えない場合があります。

結果として、被害者自身が相手方の保険会社と直接やり取りをする必要が生じるケースもあります。
その過程で、慰謝料の金額や過失割合について納得がいかない提案を受けることもあり、対応に悩む方も少なくありません。

交通事故における示談交渉の基礎知識については、以下の記事で解説しています。

交通事故の示談交渉の流れと過失割合の決まり方!保険会社とのトラブル解決法

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保険会社の「9対1」を「10対0」に近づけるための証拠の集め方

保険会社が「動いていたため過失がある」として9対1を提示してきた場合でも、事故状況を裏付ける証拠があれば、過失割合の見直しが検討されることがあります。

ドライブレコーダーの映像

「相手が一時停止を無視して進入した」「こちらは青信号だった」などの状況を客観的に確認できる重要な証拠です。
事故状況が明確に記録されていれば、交渉の際に大きな材料になります。

警察の「実況見分調書」

ドライブレコーダーがない場合、事故直後に警察が作成した「実況見分調書」が重要な資料になります。
この書類には、車両の位置関係やブレーキ痕、当事者の供述などが詳細に記録されており、「事故当時どのような状況だったのか」を客観的に確認することができます。

ただし、この実況見分調書は一般の人が自由に取り寄せられる書類ではありません。
事件の捜査記録にあたるため、通常は弁護士が検察庁への手続きを通じて確認することになります。

そのため、過失割合について争いがある場合には、弁護士に相談し、刑事記録を確認したうえで事故状況を整理してもらうことが重要です。
専門家が実況見分調書や車両の損傷状況などを分析することで、過失割合の見直しにつながるケースもあります。

示談交渉を弁護士に依頼するメリットは、以下の記事をご覧ください。

交通事故の示談交渉、弁護士に頼むメリットは?費用や流れを解説

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交通事故の示談交渉、弁護士に頼むメリットは?費用や流れを解説

【注意】物損事故のままだと事故状況の資料が少ない場合がある

前述の実況見分調書は、人身事故として扱われた場合に作成されることが多い書類です。

もしケガ(むちうち等)があるにもかかわらず事故を「物損事故」のままにしていると、警察は「物件事故報告書」という簡易的な書類のみを作成するケースがあります。
この場合、事故状況の詳細が十分に記録されないこともあります。

そのため、ケガをしている場合は、医療機関で診断書を取得し、警察へ人身事故としての手続きを相談することが検討される場合もあります。
(※慰謝料請求を行う場合にも、人身事故として扱われていることが重要になるケースがあります)

よくある質問(FAQ)

Q:相手の保険会社が「10対0にはならない」と言ってきます。本当にそうなのでしょうか?

保険会社の提示する過失割合は、必ずしも最終的な結論ではありません。交通事故の過失割合は、判例や事故状況をもとに判断されるため、証拠や事故の詳細によっては見直されることもあります。納得できない場合は、事故状況を整理したうえで弁護士に相談することで、適正な過失割合を検討できる可能性があります。

Q:相手が「あなたも動いていた」と主張しています。10対0にするのは難しいですか?

車両が動いていた場合でも、事故の状況によっては10対0と評価されることがあります。たとえば、相手の赤信号無視やセンターラインオーバーなど、被害者に回避の余地がほとんどなかった場合です。ドライブレコーダー映像や警察の記録などをもとに、事故状況を客観的に整理することが重要です。

Q:過失割合10対0なら、慰謝料や賠償金は必ず満額もらえるのでしょうか?

過失割合が10対0の場合、被害者の過失による減額はありません。ただし、慰謝料や損害額の計算方法には複数の基準があり、提示される金額が必ずしも最大額とは限りません。弁護士が交渉することで、より適正な基準での賠償を求められる場合があります。

10対0の示談交渉は弁護士への相談も検討しましょう

「自分は悪くないから交渉もスムーズに終わるだろう」
そう思っていても、保険会社とのやり取りが長引き、精神的な負担を感じてしまう方も少なくありません。

10対0の事故では、自分の保険会社が交渉に関与できないケースもあります。
そのような場合、弁護士に依頼することで交渉のサポートを受けることができます。

  • 保険会社とのやり取りを弁護士が代行
  • 過失割合や賠償額について法的観点から交渉
  • 慰謝料について弁護士基準で請求が可能になる

また、弁護士費用特約が付いている場合は、多くのケースで、自己負担なく依頼が可能になります。

「相手の保険会社から9対1と言われて納得できない」
「自分で交渉するのが不安」

そのような場合は、一人で悩まず、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故案件を扱う弁護士が、事故状況を整理し、今後の見通しについて丁寧にご説明いたします。

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